
773 ― クリスマスへの手紙 ―
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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あらまぁ。 そんな話、はじめて聞きましたわ。
(0) 2015/12/20(Sun) 19時半頃
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[短い青い前髪の下、困り顔をした配達人は大きな鞄を抱えて歩く]
ええとこれはまだ渡しちゃいけない それに、それに ……あっ
[取り出した懐中時計を覗きこみ、配達人は声をあげ走り出す。 急いで、けれど丁寧にしまわれた時計には、小さいけれども目立つ四葉のクローバーがあしらわれた鎖飾りが揺れていた。
何であろうと、何所へであろうと、たとえ宛先が曖昧なものであっても、サヴェリオは確実に届けることが出来る。 そんな小さな魔法も、クリスマス前のこの時期なら、もしかしたら狂ってしまうかもしれない。そこから生まれる出会いも、クリスマスの魔法のひとつだろう]
(1) 2015/12/20(Sun) 20時頃
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『しろやぎさんから、お電話ついたー♪』
(2) 2015/12/20(Sun) 20時半頃
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[――しゅう、ごとん。しゅう、ごとん。 いつまで経っても耳慣れない蒸気機関の音が、手の動きを止める]
…………、
[ペンを転がして、目元に指先を持っていく。溜息とともに、肩の力を抜く]
(3) 2015/12/20(Sun) 20時半頃
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[街外れの駅構内、 ホームに停まる列車から多くの人を吐き出した
中でも一際目立つのは 色鮮やかな服を着た貴婦人 それに従う一行に、人々は一瞬目を奪われる
雪を思わす真っ白な毛皮を纏うその姿 雪の女王か、妖精めいててお伽話の1ページ
そんな彼女を遠巻きに 騒めく人々は、ひとりまたひとりと 改札口で切符を集める男の所を通り過ぎて行く]
(4) 2015/12/20(Sun) 21時頃
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『はいはーい、こちら次元通信社ー。 どちらにおつなぎしましょおかー?
……へ?らあめんみっつ? ちゃあしゅー抜きのねぎましまし?
おとといきやがれマルゲリーーーーータ!』
(5) 2015/12/20(Sun) 21時頃
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『ぷんすかぷんの、ぷんぷんぷん!』
(6) 2015/12/20(Sun) 21時頃
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シャロットは、受話器を叩きつけた。
2015/12/20(Sun) 21時頃
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ようこそ、じきにノエルの祭りです 広場のツリーがおすすめです
[何の気紛れだっただろうか 白い毛皮の貴婦人は、自ら切符を手に持って 付き人を従えるかの如く、男にそれを手渡した
男はそれに動じる風もなく 他の客へと同じ笑顔で、そんな挨拶をする
確か、彼女は何処かの劇場の 女優だったか、社長令嬢だったか 男の記憶にある顔
それであってもなくても、利用客という点が 男に取っては重要で、それこそ頭を下げるに値する 裏を返せば、それだけで充分でもあった]
(7) 2015/12/20(Sun) 21時頃
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[次に男の側へ舞い込んだのは 茶色いクマのぬいぐるみをぎゅうっと抱いた 小さな小さな子供
人の流れが途切れた駅でひとり佇んで 今にも涙を流しそうな曇り空]
キミの名前は、何かな?
[男はそれを子供に問わない 敢えて、クマの顔を見て問うてみる
すると、子供の口からぽつりと クマと当人の名前らしきものが溢れる]
(8) 2015/12/20(Sun) 21時半頃
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さあ、あっちで…ココアでも飲もう
[男は子供の手を引いて、そのまま事務所へ連れて行く そこへ辿り着いたなら、後は事務所の仕事である
そして、再び構内の改札口へ
改札口に戻ったならば、再びそこから伺える 広場に立ってる大きなツリーを遠くに眺め
過ぎ行く人々から、切符を受け取るのを 黄昏が過ぎ行くその時まで、たまに休んで繰り返す]
(9) 2015/12/20(Sun) 21時半頃
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[黄昏過ぎた街の中、仕事を終えた男は とある店のウィンドウの前に立ち しばらく中を覗いていた
夕焼けの茜空を思わせる 紅い紅い天鵞絨に乗せられた 華奢な細工のその箱は
中の灯りに照らされて キラリと煌めく光を放っている
その煌めきに男は僅かに目を細め 値札に視線を移してから、はあっと白い息をひとつ
そして、そのまま夜の街へと消えて行った**]
(10) 2015/12/20(Sun) 21時半頃
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……勉強にならないよ。
[背を預けた古い椅子が軋み、ぎぃっと、不安になる悲鳴を上げる。
学生向けの、格安下宿。斡旋業者は色々と、言っていたけれど。 その現実は、昼夜を問わずに蒸気工場の騒音が響く、隙間風と鼠の足音を友とする部屋だった]
(11) 2015/12/20(Sun) 21時半頃
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[長い旅路を経てやっと着いたのは公演先。しばらく逗留することになる地。 夜空を思わせる青い色の着物に白いミンクのショールを羽織り、汽車を降り、駅員に切符を渡して辺りを見回すと、飾り付けられている広場に、何処か騒がしい人のざわめき]
何か騒がしいね。 『ノエルの祭り』ってどんな祭り? 『つりー』って何?釣り? いつあるの?それまで私この街にいる?
[側に居たこの地のエージェントに矢継ぎ早にする質問は、舞台についてではなく、先ほど聞こえた「ノエルの祭り」について]
ねえ、今からその『ツリー』とやらを見に行きたい!
[いつものとっておきの営業スマイルでマネージャーに我儘を言うが、夜に直ぐに公演があるからとそのまま劇場に連れて行かれてしまった]
(12) 2015/12/20(Sun) 22時頃
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/* 今年はもう入らないつもりだったのに、手紙村が建っていたから思わずほいほいされてしまった。忙しい時期だけど、多分前回と違って(※前に手紙村2村を掛け持つというアホなことをしてしまった)ゆるりと参加できると思う…思いたい。
コンダクト>>0:7の「白い毛皮の貴婦人」とも取れる描写をしたけど、別人でも誤魔化せるようにしたキチン。
(-0) 2015/12/20(Sun) 22時頃
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/* さて、早速手紙を書こう。丁度いい分量で貰いたいので、今日半分の人に送って、明日残り半分の人に送ろう。 家族への手紙を間違えて贈る人と、公演のチケットをおくりつける人、誰にしようかな?
(-1) 2015/12/20(Sun) 22時頃
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[殆ど休む間もなく打ち合わせと一回目の公演を終えて、女はぐったりとソファーに横たわった]
ああ、もう疲れた。今日はもう休んでいい?
――えっ、まだ仕事? この写真にサイン書けばいいのね。 これでいいよね。
[マネージャーに墨を擦らせ、自分の写真に縦書きで自国の言葉で名前を書いた]
(13) 2015/12/20(Sun) 23時頃
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[部屋のポストに入っていたのは、異国情緒漂う桃色の花の絵が描かれた、白い独特の手触りの紙で作られた封筒]
『おめでとうございます! このたびは当社のプレゼントキャンペーンにご応募くださいまして誠にありがとうございました。 今回、敗者復活賞の「ベニアオイプロマイド&舞踊ショーチケット」が当選いたしましたので、お知らせいたします。 公演の日程は以下のとおりです――』
[封筒の中には、同じ紙の便箋と共に「紅葵」と書かれたプロマイド>>0:13と公演のチケットが同封されていた]
(-2) 2015/12/20(Sun) 23時頃
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[細々とした仕事を終わらせ、劇場から出る時にエージェントに一つお願いをした]
ねえ、貴方。ホテルに戻る前に 絵葉書一枚買ってきてくれない? 折角だから「のえるの祭り」っぽいのがいいわ。
母親に手紙を書きたいの。
[そうお願いして、綺麗な絵葉書を一枚手に入れた]
(14) 2015/12/20(Sun) 23時頃
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[玄関のポストに入れられていたのは、 国すらも違う住所が書かれた絵葉書。
飾りつけされた広場のモミの木の絵に、 縦書きで細かく書かれた文章が綴られている。]
(-3) 2015/12/20(Sun) 23時頃
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お母さまへ
寒くなってきたけど、風邪などは引いていないですか? 私は相変わらず元気です。
私は今、異国の地にいます。しばらくこの街で公演します。 私の踊りがこの国の人たちに受け入れられるかどうか不安もありますが、それよりもなにより、いろんな人の前で踊れることの方が楽しみです。
この地ではもうすぐお祭りがあるみたいです。 「のえるの祭り」というものらしいです。 どんな祭りか楽しみなのですが、公演が忙しくてお祭りにいけないかもです。それは悔しいので、こっそり抜け出して堪能しようと思ってます。
お母さまも体に気を付けて。 正月にはそっちに帰るので、栗きんとんは今年も大量に作ってください。お願いします。
紅葵
(-5) 2015/12/20(Sun) 23時頃
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/* 今手紙書いてて思ったのだが、この設定で言葉が通じるのだろうか? [手紙贈ってしまったため、今更過ぎた]
きっと「すこし不思議」が発動されて、なんやかんかで読めるように相手に届いているんだよ。きっとそうに違いない。うん。
(-4) 2015/12/20(Sun) 23時半頃
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[――隙間風に、ふるりと身震いしながら、また、溜息。 大学の教室なら、エネルギー源として利用した蒸気を循環させ、その熱を再利用した暖房装置があるので暖かい。 だが、その大学はもう、ノエルの祭りと年の移り変わりを目の前に、休みに入っている]
はぁ……、大学が休みだと、どうしようもないな。
[もちろん、この部屋の状況は、どうしようもないことを理解している。 多くの学生のように帰省すればいいのだろうが、そんな余裕もない。
貧農の子として育った自分が、都会の学び舎に入れたこと自体が奇跡なのだ。 両親が爪に火を点すようにして貯めた財産は、大学の入学時点で尽きた。 僅かづつ送ってくれる金と、勉学の合間の仕事で稼ぐ金とで、綱渡りを続けている]
(15) 2015/12/21(Mon) 00時頃
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……今年も、顔は見せられそうにないかなぁ。
[最寄の駅で、村を挙げて、送り出してくれた。 あのとき以来、あの場にいた誰とも、顔を合わせていない]
なんか、こう……切符にも、野菜の切れ端とパン屑のスープみたいなの、ないのかな。
[大学の食堂で一番安いメニュー、口さがない者からは残飯スープと呼ばれるものを思い浮かべて、ペンを取った]
(16) 2015/12/21(Mon) 00時頃
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[それを葉書として扱うべきか、郵便屋は迷ったかもしれない。 サイズを合わせて切られた薄汚れた厚紙の表面に文字列を記し、切手を貼ったもの]
駅職員様
私は、故郷に帰るための列車賃がなく、父母に顔を見せられぬ不孝者です。 厚顔無恥を承知の上でお問い合わせさせていただきますが、正規料金より安く、切符を手にする手段はございますでしょうか。 座席以外の場所で荷物扱いでも構いませんし、乗員の手伝いをするとかでも構いません。 なにか、故郷の家族のもとで新しい年を迎えることが出来る方法がありましたら、ご教示いただけますでしょうか。
[文字を記すペンとインクも粗悪なものなのか、あちこち、掠れて滲んでいただろう]
(-6) 2015/12/21(Mon) 00時頃
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……なんて、そんな、虫のいい話があるわけないよな。
[またペンを置いて、手を握ったり開いたり。暫く文字を書くだけで、この部屋では、指先まで冷えてくる]
(17) 2015/12/21(Mon) 00時半頃
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……、みんな、何やってんのかなぁ。
[学友たちは、どうしているのだろう。 故郷に戻ったものもいれば、まだこの街で過ごしているものもいるだろう。 あれこれ遊びに誘ってくれる友人もいるけれど、金銭的な問題で、辞退せざるを得ない]
ああ、そういえば……確か公演初日なんだっけ、あれ。
[ブヨーカとかいう、異国のダンサーの公演。 そのチケットはもちろん高価で、貧乏学生が買えるようなものではなかった。 友人と一緒に、駄目で元々でちょっとした抽選に挑んでみたが、それも当然のように落ちたという報せがあった。 二次抽選みたいなものもあるようだったが、より確率の低いものに当たると思うほど、楽天家ではなかった]
(18) 2015/12/21(Mon) 00時半頃
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/* 次元通信がどう絡んでいいか判らない。
(-7) 2015/12/21(Mon) 00時半頃
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/* やっぱり伝家の宝刀、誤配か。
(-8) 2015/12/21(Mon) 00時半頃
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……、そうだ。手紙、出してこないと。
[実家への手紙も含めて、書き記したものを手に、街に出た]
(19) 2015/12/21(Mon) 00時半頃
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[上質の封筒に収められた、真っ白な紙。 内容のない、ただ何の問題もないという嘘を伝える手紙]
――愛する家族へ。
久しぶりに、手紙を書きました。 僕は元気でやってるので、心配要りません。 今年も忙しくて、どうやら帰れそうになさそうです。 目処がつけば帰るかもしれないけど、そのときは驚いてね。
父さんと母さんは、元気ですか? いつも仕送り、ありがとう。すごく、助かってる。
可愛いお姫様、君はどうかな。 僕の妹なら、きっと良い子にして、母さんの手助けしてるに違いない。そうだろ?
また手紙を書きます。 ジョシュア
[――それがどうして、そんなところに届いたのかは、誰も知らない]
(-9) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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『社員番号0883、シャーロット・ソーサレス!』交換手たちの応対の様子を監視していた係長が直通回線を繋ぎ、叫んだ。ヘッドホンがビリビリと震え、シャーロットは思わず首をすくめる。
『服務規定"ま"の3番、暗唱しなさい』女上司は冷ややかに言った。「あんなの、イタズラに決まってますよおー」シャーロットは口を尖らせたが、彼女は取り合わない。『暗唱しなさい』
(20) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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「"間違い電話も笑顔で対応、他生のご縁は商機なり"」『違反時の罰則は?』「時給マイナス22パーセント、掛ける18時間」『よろしい』化粧の濃い顔にかたちの良い三日月が三つ浮かび、ブツンと画面が切り替わった。
(21) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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「オニ!アクマ!暗黒独裁者!」画面上を這い回る3Dパイプのスクリーンセーバーを恨みがましく見つめながら、シャーロットは小声で悪態をついた。『聞こえていますよ』突如、画面に再び女上司。『減給を28パーセントにします』その表情からは既に微笑みは消え去っていた。
(22) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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チョッキンチョキン……
(23) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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[宵闇の街を歩いて行けば 行きつけの店にふらりと吸い寄せられる
独り暮らしが長かった 休みに自炊をすることもあるとはいえ 市が立つのは朝方で 食材を買って毎日調理をするのは荷が重い
昼は広場でのんびりと パン屋で買ったバケットにハムとチーズ 野菜を挟んだサンドを食べて クズを狙った鳩たちと戯れるのが楽しみで
夜は偶にワインも飲むこともあるが 温かな食事を摂って、家路へ向かうそんな日々]
(24) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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[鏡台の前で腰かけた。 長い蜂蜜色の髪に櫛を入れするりと梳く。 何の抵抗もないそれは幾本かの糸を引き、鏡の前で揺れる。
――日常。 何事もなく、起伏のない一日の開始]
……ダメ、ね……。
(25) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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へっくしゅ…
[ノエル真近の夜は、昼間にからりと晴れる程 空気もやはり、ピリッといのか 男はぶるっと震えて、上着の身ごろをかき合わせる
多分、郵便受けは空だろう
そんな感じで見ずに素通りすることもままあるが ふとした気まぐれで中を見て、思わず目を擦る]
(26) 2015/12/21(Mon) 01時頃
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[朝起きて、食事をとり、日を過ごし、眠りにつく。
そんな平坦な人生において、 ほんの少しのスパイスがあるとするなら]
……郵便、受け……。
[ことりと音を立て細い指先が鏡台に櫛を置く姿。 そんな客観視を瞳に映して、ふわり、唇が弧を描く。
学生時代、唯一言葉を交わしたあのひとに。 わたしの始まり。 そして、わたしの終わりを描くひと]
ううん、まだ……。
(27) 2015/12/21(Mon) 01時半頃
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今夜は…飲んでない、飲んでない筈
[慌てて見たのは 郵便受けの中身でなく財布の方
酒を飲んだ時よりも ほんの少し中身は潤っているのを確かめて ホッとひと息ついたなら、それは闇に白く浮かぶ
それはともかく、再び視線を郵便受けへと 戻してみれば、見覚えのないそれらがあって
男は首を傾げながら、手にして部屋へ寝に行った]
(28) 2015/12/21(Mon) 01時半頃
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仕立屋 メルヒオルがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(仕立屋 メルヒオルは村を出ました)
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うわこれ知りたくなかった。 オレマジで知りたくなかったわー……
[ この歳になって初めて知った事だが、 どうやら俺んちは――、
家業でサンタをやっていたらしい。
梱包途中の大量のプレゼントを前に、オレは膝から崩れ落ちた。 トナカイ牧場だとばかり、思っていた……]
(29) 2015/12/21(Mon) 01時半頃
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[殺風景な部屋の机に男はそれらを置いた 側にはインク瓶とペンがあり 繊細な浮き彫り細工の施された木の文箱が並ぶ
明日は久しぶりにペンを取ろう
そんなことを考えながら、男は床に就く 空に瞬く星々と窓越しに 見つめ合っていたのはほんの僅かなひと時 男は忽ち夢の世界に羽ばたいた
夢の中で光る星は降り注ぎ それらが向かうは広場の大きなツリー
ツリーの前に誰かが立っていた気がしたが それははっきりわからないまま]
(30) 2015/12/21(Mon) 01時半頃
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今日の予約の人は、何人だったかしら……?
[郵便受けを見ることもなく、 喪服に見紛う黒い衣装のまま街を往く。
赤と緑と白のノエルの世界に墨を混ぜたかのように。 それでいて誰にも気にされることのないよう、 足先はいつもの目立たぬ小道を選んで職場へと赴く。
駅前のツリーは今年も綺麗。 去年とは違って可愛らしい飾りが多い、そんな気がする。
は、と吐く息が白く染まる世界を見ると――]
……くだらない、わね。
[――切り取られた白黒の自分が浮き出るようで。 ふるふると首を振り、 長い髪がその名残を描くのを待たずその場を離れた]
(31) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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……うう、さっむい。
[凍える外気に赤くなった手を、摺り合わせる。 それでも、時と場合によっては、部屋よりも外の方が過ごし易い。
たとえば、人がたくさんの駅前。 建物から漏れる暖気や、大勢の体温なんかで、意外と暖かい]
(32) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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[親父が倒れた。
そう連絡を受けたのは今朝の事。 煙突から落下して腰を打ったと、 しばらくは入院する必要がありそうだと、 ――後は、頼むと。
久しぶりに逢った母親は、 そう言い残し、慌てて家を後にして行った。
状況も判らぬまま、家へと足を踏み入れたオレを待っていたのは、 この大量のプレゼントの山と、 ロッキングチェアで揺られるボケかけのじいちゃん一人。
トナカイ達と共に、お腹をすかせて待っていた]
2015/12/21(Mon) 02時頃
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[親父が倒れた。
そう連絡を受けたのは今朝の事。 煙突から落下して腰を打ったと、 しばらくは入院する必要がありそうだと、 ――後は、頼むと。
久しぶりに逢った母親は、 そう言い残し、慌てて家を後にして行った。
状況も判らぬまま、家へと足を踏み入れたオレを待っていたのは、 この大量のプレゼントの山と、 ロッキングチェアで揺られるボケかけのじいちゃん一人。
トナカイ達と共に、お腹を空かせて待ち構えていた]
(33) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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だけど……、駅だのなんだので暖を取るって、さぁ。
[――まるで浮浪者みたいだなぁ、と。そう、自嘲せざるを得ない]
……例のツリーも、一緒に眺める相手がいれば、いいんだろうけどね。
[いや、どうかな。苦笑する。 相手がいたところで、満足いくエスコートをできるほどの手持ちはない。 ツリーにはあまり興味を示さず、人の流れに沿って、適当な建物で暖を取りにいく]
(34) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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/* ひらめいた。
次元の狭間で分裂かなんかして誤配がほかにまで届けばいい。
(-10) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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[バイトで食い繋ぐ貧乏バンドマン故に、節約料理くらいなら、まぁ、なんとか。 ありあわせの材料で簡単なスープを作り、じいちゃんの元へと運ぶ]
お待たせっと。 じいちゃん、飯食うのに、そのヒゲ邪魔じゃね?
……え、職業柄剃れねーの? 夏場とか汗もが出るけどダメって、どんな仕事だよそれ……
[――そして告げられた驚愕の事実。
やり方は教えるからヨロシクと、 項垂れるオレの頭に被せられたのは、じいちゃんとお揃いの赤い帽子だった。 てっぺんに着いている白いポンポンが、涙の如く垂れ下がる。
こうしてオレの、見習いサンタ生活が始まった。 始めたくなかったが、始まった……]
(35) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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あぁ、あったあった……よ、っと。
[かじかむ手で、手紙を投函する。かれは別に間違ってはいなかった。 次元の歪みなんて概念を知るはずもなかったし、そんなものの発生を知るはずもなかった。
かれが投函したのは、故郷の家族への手紙だった。 もっとも、それは本来の宛先に届くことはなかったのだけど]
(36) 2015/12/21(Mon) 02時頃
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[上質の封筒に収められた、真っ白な紙。 内容のない、ただ何の問題もないという嘘を伝える手紙――の、はずだったもの]
――×××家族へ。
久し×りに、手×を書きま×た。 ×は元気で×××るので、××要りません。 ×年も忙し××、どうやら××そうになさそうです。 ××がつけ×帰るかもしれな×××、そのときは××××。
×さん×母さんは、元気××か? いつも仕送り、ありが××。すごく、助か××る。
可愛い×××、君は××かな。 ×の妹なら、きっと××××××、母さんの×××してるに違いない。××だろ?
また×紙を××ます。 ジ××ュア
[――何十年と経ったような黄ばんだ封筒に包まれた、掠れたインクとぼろぼろの紙。文章の半ばが読めない手紙が、無関係の場所に届いた]
(-12) 2015/12/21(Mon) 02時半頃
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/* ルクレさんには誤配以外に思いつかなかった。
ので、シャロさんの不思議時空を利用させていただいた段。
(-11) 2015/12/21(Mon) 02時半頃
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……そいえば、アレって、どうなったんだろ。
[サンタクロースがどうのという、よくわからない都市伝説のようななにか。
その真偽はさておき、冗談で窓際においていた手紙は、いつのまにかなくなっていた。
もちろん、ただ隙間風にさらわれたというのが、有力な解釈ではあるのだけど]
(37) 2015/12/21(Mon) 02時半頃
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[裸の便箋に記された、一連の文章]
――サンタクロース様
あなたがもし存在するのなら――、 いえ、失礼しました。存在するとしても、私はなにもいりません。
ただ、願わくば、故郷の妹になにかやってください。 ノエルにも傍に帰ってやれない、この駄目な兄の代わりに。
[幾らか酔ったときに記されたのか、文章はやや歪んでいた]
(-14) 2015/12/21(Mon) 02時半頃
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/* とりあえず全員にたたっこんだので寝ようと思います。まる。
(-13) 2015/12/21(Mon) 02時半頃
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/* フルメンになったー!やったー! サウダージの顔グラと「バンドやろうぜ」という肩書と、サンタさんとトナカイ牧場と組み合わせにじわるw
(-15) 2015/12/21(Mon) 08時頃
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/* >>26ピリッと「寒」いのか…だよね、これは
(-16) 2015/12/21(Mon) 08時半頃
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[母親への手紙も書き終えて。その後にすることは、肌や髪の毛のお手入れ。舞台に立つものとして、当然のことである。 髪の毛を一房手に取って、まじまじと毛先を見つめる]
あー、少し枝毛が多いわね。 これは一度きちんと切って貰わないと限がない。
[フロントにこの街の美容院について聞こうと電話を取ると、いきなり『チャーシュー抜きの葱増しラーメンはまだなのか!』と怒鳴られて電話が切れた。どうやら混線していた模様。 もう一度電話をかけると今度はきちんとフロントに繋がった。]
―― 予約、とれるかしら?
[スケジュール表とにらめっこしながら、美容室に予約の手紙を書いた。単語を一つ間違って覚えていたため、それが動物専用のトリマー宛とはつい気づかぬままに]
(38) 2015/12/21(Mon) 08時半頃
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[異国情緒漂う桃色の花の絵が描かれた、白い独特の手触りの紙で作られた封筒と同じ便箋に。縦書きで黒々とした文字で文章がしたためられている]
(-17) 2015/12/21(Mon) 08時半頃
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髪の毛を切りたいので予約をお願いします。 仕事の都合上、営業時間内にお店にいけないので、 ホテルまで出張してもらえないでしょうか? 追加料金はもちろん払わせてもらいます。
あと、当方は長い髪を自慢としております。 トリトメント?…えっと、髪を艶々にするお手入れもしてもらいたいと思っていますが、何かお勧めはありますか。是非それもお願いします。
紅葵
(-18) 2015/12/21(Mon) 08時半頃
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こんにちは、お届けものです
[サヴェリオが運ぶものは、時折宛名が書いてなかったり、とてもポストにはいりきらないようなものだったりする。 前者はともかく、後者は少し困る。 確実に相手に届けなければならないから、何度も訪れなければならない。 ……といっても、大抵は一度か二度で渡すことが出来る。 それも、サヴェリオが"小さな魔法"と呼ぶ不思議な奇跡の一端なのかもしれない]
(39) 2015/12/21(Mon) 09時頃
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[ぱちぱち、青に赤、緑に白。 たくさんの光が、真っ暗な視界の向こうに見える。
本当はこんなに色とりどりじゃないらしい。 たまに紫とか、美味しそうなクリーム色とか、変な色まで混じるのは、 火の妖精に愛されてるからだーーなんて言われたっけ]
(40) 2015/12/21(Mon) 09時半頃
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[こうもり……火雨守、という屋号を掲げるこの家の 扉を叩く人なんて誰もいやしない。
仕事の依頼は大体手紙で届くし、納品は週に一度、暇だと月に一度、麓の郵便局に持っていく。どうにも梱包が上手くいかなくて、いつも局員さんに手伝ってもらうんだ。大丈夫かな、って僕が言うと、配達人さんは腕がいいから大丈夫、っていつも笑って頷いてくれる。
優しい人たちだけれど、やっぱりいつも上手くお礼が言えなくて、こうして光を見つめている時が一番落ち着くんだから、どうしようもない]
(41) 2015/12/21(Mon) 09時半頃
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明かりの消えた無人のオペレイション・ルーム。
ドーム球場では測れないほど広大な部屋に整然と並んだブラウン管のホワイトノイズ画面が、同じく整然と並んだ最新式ダイヤル電話の黒い筐体にざらざらとした光を投げかけている。
(42) 2015/12/21(Mon) 10時半頃
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「ひと、つ、われわれ、は……つうしん、サー、ビスに……かか、わる、ものと、して……ううううううう」その中の一角、ひとつだけ青いスクリーンの表示されたモニタの前で、シャーロットはデスクに突っ伏した。
「社是書き取りひゃくはちかい、おわりましたあ……」息も絶え絶えにシャーロットが呟くやいなや、パッカーン!モニタの横からまっすぐ天に向かって伸びる緑青をふいた真鍮パイプがプリンセス・カグヤの竹のごとく光り、側面の扉が勢いよく開いた。
シャーロットはデスクに突っ伏したまま頭の下のレポート用紙の束を引っ張り出して筒状に丸め、パイプの中に手探りで押し込んで扉を閉めた。一拍の間をおいて、レポート用紙を収めたカプセルはガコンプシューと音を立てて天上へと吸い上げられてゆく。
(43) 2015/12/21(Mon) 10時半頃
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『ご苦労様でした。退勤して結構』右耳に装着された片側ヘッドホンから女上司の抑揚のない声が響き、モニタに大きく[退勤]の文字が点滅した。シャーロットはふらりと立ち上がり、ヘッドホンを黒電話のわきに置くと
(44) 2015/12/21(Mon) 10時半頃
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「おっっっつかれさま、でしたーあ!!」
(45) 2015/12/21(Mon) 10時半頃
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ビシッと気をつけの姿勢で敬礼ポーズを取り、そのまま一目散に出口へと駆けていった。
やがてブルースクリーンのブラウン管モニタがノイズに変わるその瞬間、ヘッドホンからは女上司の深い深いため息が漏れ聞こえたのであった。
(46) 2015/12/21(Mon) 10時半頃
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/*ブリギッタ[[who]]*/
(-19) 2015/12/21(Mon) 12時半頃
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そこの旦那様方に、奥様方。 ノエルの祭りの前にさ、靴をぴっかぴかにしておかないかい?
[路上で声を掛ける相手は往来の客。 だが、誰も彼も一瞥をくれるだけ。『小僧、他を当たんな』だの、『家の使用人が磨くから結構』だの、返ってくるのは渋い返答ばかり。]
けっ。なんだい、しけてら。 随分、お高く止まりやがって。
[吐いた悪態を聞きとがめたか、カイゼル髭の紳士が目を釣り上げた。
ぴゅうと一目散に駆け出し、勝手知ったる路地裏に飛び込む。 すっぽりとかぶっていた汚れたハンチング帽を脱ぐと、赤い巻き毛がこぼれ出た。小僧――もとい、少女は振り返って、『いーッだ』とあかんべえをしてみせた。]
(47) 2015/12/21(Mon) 15時半頃
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『♪アンドロメダはー何百光年ー、ふたりはいつまでもそいとげるーー♪』肩に提げた携帯ラヂオから流れるチープな歌謡曲。最近流行りのエイトビット・アレンジだ。
それに合わせてふんふんと鼻歌まじりに歩くのは白い帽子に茄子色ワンピースの少女、すなわち仕事上がりでご機嫌のシャーロットだ。淡い紫色の傘をリズミカルにくるくる回し、肩まで伸びたレグホーン色の髪も軽やかに揺れている。
(48) 2015/12/21(Mon) 19時半頃
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シャーロットはシンプルを愛する。ゆえに彼女のワンピースは布だけでできている。胸元とスカートの裾に白いフリルの装飾を施しただけの単純構造は彼女らの世代からするとひどく古臭く「イケてない」部類であるし、そもそもを言えば彼女のいでたちはこの街の風景にはほんの少しも調和しない。
(49) 2015/12/21(Mon) 19時半頃
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空は常に暗く、途切れることなく弱酸性の雨がしたたり続けるこの街は、そこかしこにひび割れたコンクリートや蒸気を噴き出す真鍮の管や不安定な鉄の階段や錆び朽ちたトタンやらがひしめいている。地面などという概念はとうに失われ、増築に増築を重ねてまるで街そのものが生き物であるかのように暗い天を目指して成長を続けているのだ。
(50) 2015/12/21(Mon) 19時半頃
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この街の裾野すなわち世界の果てを知る者は誰もいないとすら言われている。彼女らは日々、気球や飛行船でどこからか運ばれてくる物資を頼りに、しかし世界の成り立ちに疑問を挟むことなく、それぞれの仕事に精を出す。
(51) 2015/12/21(Mon) 19時半頃
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彼女の仕事は次元と次元、世界と世界を繋ぐ電信局の交換手。数多の世界へ張り巡らされた電話線を切って繋いで、声を届ける。誰にでもできる簡単な仕事であり、この街の住人の大半がこの仕事に就いている。もっともシャーロットは規定違反の常習犯で管理職の頭痛の種としてその名を知られているのだが。
(52) 2015/12/21(Mon) 19時半頃
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[本日の実入りは銅貨が五枚。 うち三枚はパン代にと、ぶかぶかの男物の外套のポケットにしまう。
手の中の二枚をちゃりんちゃりんと鳴らしながら、街の大通りに立ち並ぶ店を眺めてうろついた。菓子屋の店先には、季節柄、干し果物をぎっしり入れて焼いた菓子が並んでいる。ショーウインドウに鼻先をくっつけて、ごくり。喉を鳴らした。]
ああ、駄目だ、駄目! 目に毒だ。 使い途はもう決まってるんだよ、これは。
[大きく首を振る。足を踏み入れたのはその隣の文房具屋。]
じいさん、便箋と封筒をおくれよ。 これで買える中で、一等いいやつを。
(53) 2015/12/21(Mon) 20時半頃
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うう、寒い寒い。
[帰った先は一軒の掘っ建て小屋。 雨風を凌げる程度の粗末な作りではあるものの、誰かが拾ってきた火鉢もあれば毛布もある。冬を越すには十分だ。
口々に掛けられる『おかえり』に口元を緩めた。]
はいはい、ただいま。
[住んでいるのはいずれも身寄りのない子どもたち。今ではほとんどが年下である。顔ぶれは時折増えたり減ったりするが、互いに深くは追求しない。その代わり、ここをねぐらにする仲間は自分の次くらいには大事にする。それが暗黙の了解だ。]
(54) 2015/12/21(Mon) 22時半頃
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[『ネエちゃん。サンタ、ホンモノの汽車、くれっかなぁ?』 『あたし! あたしは、きらきらほしい!』 話題になるのはやっぱり、ノエルの祝祭日のこと。]
汽車なんざお偉いさんだって買えないよ。 それに、きらきら……なんだい、そりゃあ。
[年少の子が鼻の頭につけた煤をごしごし拭いながら、顔をしかめた。]
前にも言ったろ。 来やしないよ、サンタの爺さんなんて。
[事実、これまでサンタなどここに来たことはない。煙突がないから? きちんとした住所がないから? 手紙を書かなかったから? いいや。そもそも、そんなもの居やしないのだ。……それでも。]
(55) 2015/12/21(Mon) 22時半頃
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/* 目撃がOKだったか自信がないので確認。
というのはNGだとチケットを活かせないので。
(-20) 2015/12/21(Mon) 22時半頃
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/* つまり――ぼくはダフ屋になるべき。
チケット転売! 帰郷資金!! いぇい!!
の方向で考えよう。
(-21) 2015/12/21(Mon) 22時半頃
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[夢から醒めれば朝が来て いつもの様にコツリと窓硝子を突く挨拶で 男は起こされて、生欠伸をひとつする
癖のない真っ直ぐな髪はボサボサしてて 手入れの悪い筆か刷毛か、はたまたモップか 寝惚け眼と相俟って宛ら案山子
ゆっくりと床を出て、ゆっくりと支度する 部屋の時計が指し示す時刻は きっちりいつもと同じであったが
ふと、思い出して頭を掻いた]
(56) 2015/12/21(Mon) 22時半頃
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[自分の手入れの後は、衣装や小道具の点検。明日使う衣装を並べて異常がないか調べる]
えっと、問題ないわね――って、あっ!
[衣装は問題なかったが、履いてきた白い靴が長い道中で汚れてしまってた。マネージャーを部屋に呼んでお願いする]
この靴磨いてほしいの。 ほら、さっきホテルまで来るまでの道中に、 靴磨きの少年が居たでしょ。 その子にでもお願いして。
[先ほど手紙を書いたときに擦った墨で、余った便箋にささっと文を綴り、荷物から小袋を取り出し、マネージャーに渡した]
(57) 2015/12/21(Mon) 23時頃
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[明朝、スーツを着た男から、オルエッタに封筒と白い靴が渡される。
異国情緒漂う桃色の花の絵が描かれた、白い独特の手触りの紙で作られた封筒と同じ便箋に。縦書きで黒々とした文字で文章がしたためられている。
代金の銀貨が1枚と共に小袋も添えられていた。 その中には、様々な色合いの凹凸状の突起をもつ小さな甘い匂いのする物がたくさん入っていた]
(-22) 2015/12/21(Mon) 23時頃
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この靴をピカピカに磨いてください。 私が持っているたった一つの、そしてお気に入りの靴です。 のえるの祭りに履いていきたいので、それまでにお願いします。
出来上がったら○○ホテルまで届けてください。 御代金はこれで足りるでしょうか? 足りなかったら教えてください。
一緒に私の国のお菓子を同封します。 これは『金平糖』という甘いお菓子です。よかったら食べてください。
紅葵
(-23) 2015/12/21(Mon) 23時頃
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[こうもり、ってなんでそんな名前なの、って小さい頃聞いたことがある。 どうやら普通の人は、こんな風な魔法がかったぱちぱちをずっと浴びていたら、すぐにおかしくなってしまうらしい。子供だったから、どうおかしくなるかまでは教えてもらえなかったけれど。 それは、僕たちがあの蒸気を浴び続けても同じらしい。
誰にだって、合わないものはある。だそうだ。
けれど僕たちは、このぱちぱちに触れても、少し熱いくらいで火傷したりしない。さすがにずっと見ていたら目は潰れるらしいけれど、ほかの人よりずっと耐性があるそうだ]
(58) 2015/12/21(Mon) 23時頃
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うわ…今日、休みだ…
[夢に旅立つその前に、何か大事な事を 思いついていた様な気がしたが、 次の大きな欠伸をしたら冬の空気に溶け消える
硝子越しから、コツリと突いた小鳥たちが チチチと鳴いて飛び去る羽音が微かに響いていた
いつもとよく似た朝であり いつもとどこか違う朝
身支度済ませた男はふらりと市へ顔を出す
ノエルの祭りを控えたのもあって 騒めきの中、活気がそこかしこから滲み出る
赤、青、そして金色の林檎を見つけて 袋に入れてもらうと、チャリンとコインを鳴らし ありがとうと軽く礼して歩いて行く]
(59) 2015/12/21(Mon) 23時頃
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――……お、例の公演の広告。
[当てもなくぶらつくうち、壁に貼られた広告が目に留まる。 異国の地から来たダンサーの、公演日時と会場の場所。そんなものが、記されている。 どうせなら、顔ぐらい載せればいいのに。いや、載せないからこそ、どんなものかとみんなが観に行くのか]
観てみたいけど……、なぁ。
[正規料金の一番安いチケットにさえ、貧乏学生には贅沢に過ぎる。 ましてや、初回公演が話題を呼んで、転売なんかで数倍にハネ上がっているのだそうだ。 そんな金があるのなら、帰郷の汽車代にするか、故郷の妹にクリスマス・プレゼントを贈ってやるかに遣うべきだった]
(60) 2015/12/21(Mon) 23時頃
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/* は、べにあおいさんおきになさらず! きかれてから考えたくらいのあれなんで
(なんというかみかけるという発想がなかった (大体説明したとおりの理由で
(-24) 2015/12/21(Mon) 23時半頃
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[寒くなってから随分と仕事が多くなった。 理由はわかっている。クリスマスが近いからだ。 といっても、こんな山の中には、街中みたいに浮かれた空気は伝わってこない。山、といってもバスにのって30分もすれば、大きな街に出られるけれど。僕はめったにそこまでは行かない。 バスも高いし、あんまり理由もないからだ]
サンタって会ったことないけれど こんな感じ、かなぁ
[手のひらサイズ、サンタがトナカイにひかれたそりに乗っている小さな置物。きらきら不思議な色に光る金属製のそれは、手にした時だけちょっぴり重い。ちなみにこれは試作品だ]
うーん ………うん、もっかい聞いてみよ
[分厚い手袋を外して隣の部屋へ。 そこで髪を押し込んでいた帽子もとって、さらに隣の部屋へ。 今までの依頼とか、個人的なものとか、 本棚のひとつが厚紙のボックスで埋まっていて、その中に手紙が詰め込まれている]
(61) 2015/12/21(Mon) 23時半頃
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/* うーんねむくてえんこがおもいつかないからふってみよう
ジョシュア[[who]]ジョシュア[[who]]
ところでなすいろわんぴーすってどなたですかかわいいなおい
(-25) 2015/12/21(Mon) 23時半頃
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/* >>>圧倒のジョシュア推し<<<
おーけーかみさま
(-26) 2015/12/21(Mon) 23時半頃
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悲観者 ルクレースがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(悲観者 ルクレースは村を出ました)
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[のんびりと男は街中を歩いて行く
劇場の近くに出てる宣伝は 異国情緒を漂わせる雅な舞姫
描かれた姿は見惚れる艶やかな髪と 流れる衣装、伏し目がちの切れ長の目は 絵姿の筈なのに、見る人々を釘づけにする
時々、酒場で話題に上る 天女といわれる妖精めいた御伽に出てくる 美貌の女性が浮かび
男はほうっと息を吐く
袋から林檎が転がることに気づかないまま ぶらりと足は広場へ向いた]
(62) 2015/12/21(Mon) 23時半頃
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/* 何かハードルが上がっている気がするよ! いつの間にか大女優扱い!ぶるぶる。
(-27) 2015/12/21(Mon) 23時半頃
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[ころりと路上を転がる林檎は輝く金の色]
(63) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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……金、かぁ。
[もし、学友たちのように財布に余裕があったなら、このノエル前の街でなにが出来るだろう。
うん、やっぱり、まず真っ先に妹へのプレゼントを選ばないと。 年頃になってきて、どういうものが好みなのか判らないから、大学の女友達にでも選ぶのを手伝ってもらって。 それでもって、お礼にって、その子にも何かプレゼントを買って、いい感じになってみたり――]
……、……止めよう。虚しくなるだけだ。
[現実から目を逸らしても、何も解決しない。 そんな暇があったら、学校が休みのあいだの日銭を稼ぐ仕事を探すほうがよほど大切だ]
(64) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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繁華街から少し離れた裏路地、ゼンマイ通り。シャーロットの住む超低層アパートメント『グッデイ・ハウス』はその中ほどに位置している。すべての建造物が高層化するこの街においておそらく唯一の、木造平屋の住宅だ。築五十年とも百年とも言われていて、鉄の扉は赤錆だらけ、あちこちに穴の空いた壁は継ぎ接ぎだらけの雑な補修がされている。
(65) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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「♪アントン、ベルタ、ツェーザル、ドーラ♪」数え歌とともにシャーロットは扉を数えていく。そうしないとなんだか迷ってしまいそうな気がするのだ。「♪エーミール、フリードリヒ、……グスタフ♪」そして胸元から鎖に下げた銀色の鍵を引っ張り出した。
(66) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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「ただーいまー」シャーロットはブーツを脱ぎ捨てながら言った。しかし答える者はいない。彼女はもうずっと一人暮らしなのだ。キッチン兼リビング兼寝室の小さな部屋に、書きもの机とベッド代わりの古びたソファーがひとつ。窓はあるが、隣の建物と密着していてほとんど意味をなさない。シャーロットは電球ランプをともして鞄と肩掛けラヂオをソファーに投げると、ワンピースも脱いでその上に放った。
飾りの何もないシュミーズ姿で、シャーロットは書きもの机に向かった。シャーロットの部屋にはラヂオ以外に通信機の類は一切存在しない。電話機なんてものは庶民が持てる代物ではないし、そもそも仕事で飽きるほど見ている。わざわざ持ちたいなどとは微塵も感じなかった。流行りに疎く、若者に人気の電鍵すらも持っていない彼女が使うのは専ら、鉛筆とわら半紙。
つまり、手紙だ。
(67) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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……ああ、そうだ。 父さんから、農具の修理が出来そうな店を探すように頼まれてたんだっけ……。
[当てもなくぶらつくよりは、目的があるほうがよい。 金属製の置物を置いている店を見つけて訊ねてみるが、ここで作っているのではないらしい]
そこって、修理とかできるんですかね?
[どうだろうねえと、店主は首を傾げた。 時折、細工物を注文するくらいなので、判らないという。
教えてもらった住所は――そこそこ離れた、山の中。さすがに、気軽に問い合わせに出向ける場所ではない。
注文書を送るついでに問い合わせの手紙を同封してくれるというので、その場で急いで書き上げて、そこの店主に託しておいた]
(68) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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[街中のある店舗からの注文書に、もう一枚。 店主のものとは筆致の異なる手紙が、同封されていた]
火雨守様 御中
こちらの店舗にて貴下の作品を拝見して、問い合わせさせていただいています。 貴下は溶接作業にて金属製品を製造されているとのことですが、農機具の修理などは請け負っておられますか。 あるいは、貴下にて対応されていないようでしたら、修理を扱っている同業者様をご存知ではないでしょうか。
[ジョシュアという名と、住所が便箋の下部には記されている]
(-28) 2015/12/22(Tue) 00時頃
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[作業台も兼ねることがある机は、大人でも丸くなれば寝転がれそうなくらい。やらないけれど。大人だけれどあんまり大きくない僕なんて余裕だろう。やらないけれど。
机の上、たくさん転がったきらきら達。 そのいくつかは将来の商品で、いくつかは勉強の成果。 それらを端っこに寄せて真ん中にスペースを作った。
取り出したのは、師匠が昔作ってくれた、きらきら虹色金属の万年筆。 中のインクは試作品……はまだ怖いので、少し青みがかったくらいの黒いものだ。
さて、とペンを構えて――― うん、とりあえずコーヒーを飲もうか]
(69) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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/* うんめいかな (うかれてる はーかわいいなーーーー
ええとじゃあ じゃあ ええと
ジョシュア[[who]]シャロット[[who]]とかとか
(-29) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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/* おれのかみさまじょしゅあすきすぎる
(-30) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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/* ちな、火雨守ってたぶん商品名です これ、名前しったときふるえて・・どうしてもいつか使いたくて・・つい・・ かっこよすぎるだろ????
(-31) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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[厚手のエプロンは動物たちを刺激しない生成り色で、 左胸に肉球マークがついてるのがお気に入りだった。
今日の最後を迎えた子を送り出した後、 そのエプロンを外して髪を一束にした飾り気のないゴムを解く。 たくさんの子どもたちを迎える優しい親の顔が眩しすぎて、 何時もより一層無表情を貫いていたのを鏡の前で知る。
口端をあげて、弧を描く。 練習した人の好い笑顔、人に警戒を抱かせない、 ――目立たなくするための――笑顔をまた張り付けて]
……ん。
[店を出る――蒸気機関の交通を使うのは好きではなかったから、 歩きでまた賑やかな街を往く]
(70) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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拝啓、アーニャ様
ご注文の"眠くなるくらい美味しそうな夕焼け色"が難しすぎます! 三つくらい試作品を入れておくので、
早 急 に !
お返事ください
クリスマスまでには間に合わせます。必ず。
敬具、ブリギッタ
(-32) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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[さらりとした便箋。真っ白な無地に、ブリギッタ、と名前の後に小さな"B"の角ばった判が捺されている。
厚めの封筒には、一緒に柑橘類みたいなオレンジ、苺みたいな赤、カプチーノみたいな薄っすら茶色の混じった白、という三種類の金属片が入っている。
封筒の宛名はなく、中身と同じデザインで少し大きい"B"が隅っこにちょこんと捺されている]
(-33) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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[足音だけを響かせて、 煌めきの街を歩くとまたツリーが目についた。
天辺には蜂蜜色の星が飾られて、 たくさんの色とりどりのオーナメントが揺れている。
レッド、グリーン、イエロー。 そしてゴールドの輝かしい世界に灰の瞳を細め、 足早に通り過ぎようとした――そんなとき]
サンタクロース宛の、ポスト……? [ツリーの足元に添え付けられた小さなポスト。 橇に乗るサンタクロース人形の乗るそれは、 既にいくつか手紙が入っているようで投入口から封筒が見えていた]
……届くことは、ないのだろうけれど。
[だからこそ、大人も夢を見る。 夢を見てもいいのだと、錯覚する――]
(71) 2015/12/22(Tue) 00時半頃
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[きっと、独り暮らしであっても慎ましい。 そんな小さなお城に帰ってきて、脱いだブーツを揃えた。
必要最低限のものしかなく、 それでいて調理器具だけを揃えたキッチン。 部屋にはベッドと物書き机、鏡台、小さなランプだけ。 高級品などなにもなく、ただ、静かな空間だけがそこにある]
……出そう、かな。
[着替えを終えて早々にキッチンに立ち、 手早く淹れたほかほかのカフェオーレを手に机の前へと座る。
そこにあるシンプルな白紙の手紙には、 幾度も書こうとして綴れない痕跡だけがあったのだけれど。
出したい相手がいた。
けれど迷惑になるのではと留まっていたそれを、 今度は羽根筆を止めることなく、動かし、綴ったその先は]
(72) 2015/12/22(Tue) 01時頃
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[――頭に浮かぶ知り合いの姿ではなく、 見知らぬ夢の存在である、サンタクロース宛で]
(73) 2015/12/22(Tue) 01時頃
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[急いで書いた手紙にいくつか机の上の欠片を放り込んで封をした。 立ち上がって、ポストに――一通のために行くのは、億劫だから。もう一度座りなおす。
この机で飲むコーヒーは、不思議といつまでたっても温かいまま。 真っ黒なそれの香りをくんくん嗅いで、万年筆の虹色をじぃ、と見つめた]
(74) 2015/12/22(Tue) 01時頃
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[几帳面なのだろうと伝わる丁寧な文字。 シンプルな白い封筒には、優しい黒でたった一言。
――Dear Santa Claus.]
(-34) 2015/12/22(Tue) 01時頃
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[こんばんは。 貴方の存在を疑うのは、こうしている今野暮なことね。
もし、みんなに幸せを配るあなたから、 わたしにもその幸せを受ける資格があるというのなら。
……貴方の乗る、橇に乗りたいわ。
小さい頃からの夢だったの……。 真っ赤な鼻のトナカイの引く橇に、乗るのが]
(-35) 2015/12/22(Tue) 01時頃
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/* いっつうしかだしてないのにねむい せめてあといっつう うーん次は うn ふってみるか
ルクレース[[who]]
(-36) 2015/12/22(Tue) 01時頃
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[袋から溢れんばかりの林檎を抱えて 足の向くまま気の向くままに 歩いて行けば、駅の近くの広場に着いた
ツリーを彩る煌めく星々の光は 真昼の空の下ではなりを潜めてちかりとも 光る素振りすらも見せてはおらず
昨夜の夢は夢なのだなと密かに吐くは青い溜息
脳裏を過るのは夢の中で見た 記憶にいない、誰かの姿
あれは誰かなのか? そんな疑問がふと湧いた
しかし、それに浸るも何も分からない故、 男はしばらくツリーの頂に輝く天辺の星を見る
答えはもちろんそこにはない 答えはもちろん分からない――今はまだ]
(75) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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[小さな音を立て筆を置き、マグカップへと手を伸ばす。 未だ湯気立つその液体で唇を、喉を潤して。
視線は封をした封筒から、 白紙の手紙へと移ってその表面を撫でてゆく。 幾度も書こうとして、 幾夜も諦めたその紙面へ。
墨色のインクが思いを描こうとふたたび筆を執る。 片手はカップを持ちながら、 インクを付けてもう一度――…]
(76) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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きらきら。……きらきら、ねえ。
[子供たちが寝静まった後、首をひねりつつ一文字一文字したためる。読み書きは随分昔、年長の仲間に教えてもらった。背を丸め、薄暗いランプの灯に照らされた便箋に顔を近づけて。]
そういえば……
[思い出すのは、かつての客が身につけていた細工物のブローチのこと。融け合う虹のような色合いで、装飾品なんて金持ちの道楽品と興味を持たない自分でさえ、つい目を奪われた。]
まあ、高いんだろうけど。
(77) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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きらきらの職人さんへ
あんたのとこの細工物は、頼んだらすぐにでも売ってくれるものかい?
[ここだけ文末を二重線で消して、「ですか?」と書き添えてある。]
クリスマスの贈り物に、家族……同然の子に買ってやりたいんだ。 ひまわりの花が咲いたみたいに笑う女の子でさ。
小さくても、きらきらしたやつがいい。 金はあんまりないけどね、ちょっとくらいならへそくりがある。 それで手が届くといいんだけど。
オルエッタ
(-37) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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[文章のところどころにインク溜まりが出来ている。
長らく店頭にあった格安の便箋は色褪せている。 目を凝らせば、あしらわれたアザミの挿絵が見えるだろう。
同じく日焼けした封筒からは、かすかに靴墨の匂い。]
(-38) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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I Love you... 君を愛してるんだ……
This is a pen... これはペンなんだ……
[牛舎ならぬトナカイ舎の片隅で、 アコースティックギターを掻き鳴らす。 口ずさむんでいるのは新曲のフレーズ。
良く訓練されたトナカイ達は、 久しぶりに逢ったオレの言う事もきちんと聞いてくれていた。 今も一列に並んで、もくもくと飼料を食んでいる。
そしてオレはその光景を眺めつつ、 日課であるギターの練習をしているという訳だ。 トナカイ達が時折耳を揺らしているのは、 そのメロディを聞いてくれているのかもしれない]
(78) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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[道行く子どもの零したパン屑を 狙うは群れなす、白い鳩たち
群がる鳩は、地上の雲海 佇む子どもは小さな天使
しかし、天使は見立てる大人の事など 微塵も気には留めていないのだろう
とても気まぐれ、とても唐突
零した屑に集まる機敏さと物静かに忍び寄る様から 異国の地に伝わる密偵を思わせる鳩たちは
あえなく天使の周りの雲海は パタパタハタハタ霧散し、ただ佇むのは きょとんとしている天使だけ]
(79) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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[几帳面なのだろうと伝わる丁寧な文字。 シンプルな白い封筒には、優しい黒でたった一言。
――Dear Saudade]
(-39) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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[少し震えた文字で綴られたそれは、 であったころと同じような印象だっただろう。
何かに怯えている――、と]
お久しぶりです。 その後、飼われているトナカイさんはどうですか? それと前に話して下さった子トナカイ、 あれから元気に……育っているでしょうか。
ご迷惑でなければ一度、見に行かせて下さい。 簡単な健康チェックもできますから――…
――Lucrece]
(-40) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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[ちらと、 パン屋を覗けば、 粉雪纏うシュトーレンが並んでいて パン屋に甘い香りが漂っていた
それを買おうかしばらく迷っていたが 結局買わずに後にする
代わりに買ったはバケットひとつ あとは、ハムとチーズと ワインを何処かで手に入れて
家へとゆっくり帰って行った]
(80) 2015/12/22(Tue) 01時半頃
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えぇっと、これが終わったら、次はなんだ…… 手紙が届いているかの確認、だったか……
[トナカイ舎の寒気の中に、 呟いた言葉が白く霞み、消えていく。 既に耳と口のピアスもヤバい冷たさになっているのを感じつつ、 オレはさっきじいちゃんに聞いた "サンタクロース宛のポスト"の事を思い出していた。
誰かがサンタに手紙を書いた時、 たとえそれが何処にあろうとサンタの元へとやって来るらしい。
けれど、それは真に幸運な手紙だけ。 より確実に届ける方法として、専用のポストがあるという。
そしてそれらの手紙を受け取ったサンタは、 ノエルに向け、プレゼントの準備をするという寸法だ。
――なお、年齢制限は無いらしい]
(81) 2015/12/22(Tue) 02時頃
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[ひと息着いた時分には 空はどんな色をしていただろう
短い真冬の昼の終わりを告げる 陽の傾きは瞬く間
空は朱に染まり、夜の帳が風に揺れる
透き通った林檎の重石で 真白き雪色をした便箋帳封筒を留めてから 男はすると、ペンを踊らせた
そんな、休日もじき終わる]
(82) 2015/12/22(Tue) 02時頃
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[手紙を書くのは好きだ。 きつい下町訛りも、文字の上では分からない。]
来やがって…… いらっしゃり……やがって……? ああ、もう、慣れない言葉遣いはやめやめ!
[分からない、はずだ。]
これ、どこに宛てて出せばいいのやら。 いつもの配達屋さん、これでも届けてくれるものかね。
[書いたはいいが、どれも宛先ははっきりしない。 まとめて、窓際に重ねて置いた。]
(83) 2015/12/22(Tue) 02時頃
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まぁ、手紙じゃ確認する方法も無いしなー……
[なぁ?と同意を求める視線をトナカイへと向ける。 じいちゃんは暖かい暖炉の前でお留守番だし、 咳をしても一人って奴だ。 トナカイにでも話しかけなきゃ、やってられん。
しかしてそのオレの目に、 何やら違和感のあるモノが飛び込んできた]
――え?
これ、良いのか? 大丈夫、なのか……?
[その問いに答えるモノは誰もいない。 オレは震える指先を伸ばしつつ、ごくりと、唾を飲んだ]
(84) 2015/12/22(Tue) 02時頃
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サンタ・クロースの爺さ――お爺様
本当にサンタのお爺様がいらっしゃりやがるのなら、どうしてうちには来てくれやしないんでしょうか。いい子にしていなかったから? だけど、うちの年下の子たちはみんないい子だ――です。
ときどき喧嘩はするけど、盗んだり騙したりはしないし、思いやりのある子たちでさ。プレゼントなんて贅沢は言わない、せめて絵葉書の一枚でも送ってやっちゃくれないかい? あんたを待ってる子たちは、きっと喜ぶだろうから。
そして、あたしは――
[この行は指で擦ったように汚れている。]
届くはずもない手紙に、変なこと書いたね。 間違いで誰かに届いちまったら、必ず捨ててくれるように。
オルエッタ
(-41) 2015/12/22(Tue) 02時頃
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[線で消して書き直した箇所やスペルミスが散見されるほか、 ところどころ、インク溜まりもできている。
長らく店頭にあった格安の便箋は色褪せていた。 目を凝らせば、あしらわれたアザミの挿絵が見えるだろう。
同じく日焼けした封筒からは、かすかに靴墨の匂い。]
(-42) 2015/12/22(Tue) 02時頃
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じいちゃん、聞きたい事が……!
[只でさえ悪い顔色を更に青くして、オレは居間へと駆け戻った。 ロッキングチェアに揺られる祖父に状況を説明するも、 どうにも埒が明かない。
しかもここは人里離れた一軒家。 誰かを呼びに行こうにも、 じいちゃんやトナカイ、山盛りのプレゼントを残して行く訳にもいかず。
万事休すと思われたその時、 オレの目に、一対の封筒と便箋が飛び込んできた。
そうだ、オレが離れられないのなら、手紙を書けば良いじゃないか]
(85) 2015/12/22(Tue) 02時半頃
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[――そうして、もう一つ。 震える文字でしたためた手紙に封をして、 同じように鏡台の前へとそっと置いたその後に。
両手でマグカップを支えて表面を吐息で揺らす。 緊張と怯えが入り混じるそれが、 波紋を広げるのを騒めく感情で見守りながら]
明日も、平和でありますように……。
[この静寂が護られることを祈って呟いた言葉。 濡れた唇が囁く音は、いつもようにわたしに教えてくれる。
静穏は――孤独なのだと]
(86) 2015/12/22(Tue) 02時半頃
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[そうしてオレは、手紙を書いた。
ペン先を舐め舐め頭を抱え。 曲を作るその時以上に頭を悩ませ一枚の、手紙を]
くっそ、親父が元気になるまでの辛抱と思ってが、 問題山積み過ぎて泣けてくるぞちくしょー……
[綴った手紙を所定のボックスに入れ、漸く一息。 サンタの仕事を再開すべく、郵便受けへと足を運ぶ。
果たしてサンタに手紙は―――、届いているだろうか?]
(87) 2015/12/22(Tue) 02時半頃
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他の人にどうやって手紙を出せばいいのかわからない。 勝手に縁故繋ぐような手紙まずいよね?
オルエッタに出してみたいんだけどな。 コンダクトも……
(-43) 2015/12/22(Tue) 02時半頃
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[その手紙は、いつの間にか彼女の元へと届いていた。
手紙というよりも、殴り書きのメモの様なそれには、 斜めに傾いだクセのある文字が綴られていて。
――Dear Lucrece.
そう、書かれた封筒に入っていた。]
(-44) 2015/12/22(Tue) 02時半頃
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『オレ、オレだよオレ! 覚えてる?サウダージ。
ちょい緊急の事があってさ。 もし知ってたら教えて欲しいんだが。
トナカイの鼻が赤いのって、普通? しかも、暗い所で光るのとか…… ピカピカって……
ごめんな。 いきなりの手紙、驚いたよなー。 動物詳しそうな知り合いが他にいなくてさ、良ければ意見が欲しくて。
そんじゃ。
――Saudade』
(-45) 2015/12/22(Tue) 03時頃
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さァてと、もう一通。 あいつ、元気にしてるかね。
[むしろこちらが本命、そのために便箋を買ったのだ。 孤児院に引き取られていったかつての仲間に宛てて、綴る。
だが、失敗は封筒に宛先を書きそびれたこと。 手紙はこの時期ならではの小さな魔法の狂いに巻き込まれた。 宛先違いの手紙の届く先は――]
(88) 2015/12/22(Tue) 04時頃
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親愛なる ダフネドラへ
どうだい、達者にしてるかい? あんたが孤児院に引き取られて行って、寂しかないと言ったら嘘になる。だけど、あたしは今の暮らしが性に合ってるし、ダフネにはそっちがきっと合ってる。だから、たまにこうして手紙を書くくらいが丁度いいのさ。
今はもう、あたしが一番年上だ。早いもんだね。 こっちはみんな元気にやってるよ。……ああでも、あんたがいなくなってからというもの、繕い物のできる奴がいなくなったのだけは閉口しちまう。こないだは、見よう見まねで他の子らのズボンのかけはぎをしてやろうと思ったら、穴がふたつに増えた。不思議なこともあるもんだ。
気が向いたらそっちのことも聞かせておくれよ。
変わらぬ友情を オルエッタ
追伸: あの子たちがほしいっていうクリスマス・プレゼントの中に、「生きたトラ」ってのがあるんだけどさ、……どうしたらいいと思う?
(-46) 2015/12/22(Tue) 04時頃
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[勢いのよい字が飛び跳ねている。
長らく店頭にあった格安の便箋は色褪せていた。 目を凝らせば、あしらわれたアザミの挿絵が見えるだろう。
同じく日焼けした封筒からは、かすかに靴墨の匂い。]
(-47) 2015/12/22(Tue) 04時頃
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シャーロットは手紙を書いた。 まだ見ぬ彼方のペンパルへ。
(89) 2015/12/22(Tue) 08時頃
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その手紙はわら半紙を糊付けしただけの簡単な封筒に入っていて、差出人はもちろん、宛名も切手も消印も何もなく、ただ『親愛なるあなたへ』とだけ表書きされている。
三つ折りされた中身も封筒と同じ、あまり上等でないわら半紙。やや癖のある字が濃い鉛筆で綴られており、筆圧でくぼんでいる。この胡乱な手紙に一体何が記されているかというと……
(-48) 2015/12/22(Tue) 08時半頃
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親愛なるあなたへ
こんにちは! 私の名前はシャーロット、趣味は文通。まだ知らないいろいろな世界のお話が聞きたくて、お手紙を書きました。
あなたの住んでいるところはどんなところ?気候はどう?何か花が咲いている?文化や習慣、特にお祭りには興味津津です。だって、私の街ときたらほとんど毎日辛気臭い雨ばかりで、お祭りも千日に一度だけ。ひどいと思わない?
街の外のことはよく知らないけど、スプリングヒルズとアキハバラ、それにアルマフ海岸やセントメアリミードにいつか行ってみたいと思っています。これらの街を、知っている?
それでは、よかったらお返事をくださいね。
愛をこめて シャーロット
(-49) 2015/12/22(Tue) 08時半頃
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それからニットとデニムに着替え、書いた手紙を持ってハグルマ通りの『函』へと向かう。
かつて世界から世界へと手紙を運んだ『函』だったが、今ではすっかり人々から忘れられ朽ち果てている。シャーロットが生まれるずっと以前に、電信の台頭で『函』の配達人は一人残らず通信社の交換手へと鞍替えしてしまい、手紙は前世紀の遺物となった。
しかし、ハグルマ通りのこの『函』だけは、なぜか今でも手紙を運ぶ。一体誰が届けるのか、などというのはシャーロットにとっては些末なことに過ぎない。重要なのは投函された手紙はどこかへ届き、またこの『函』へ手紙が届くこともある、ということなのだ。
(90) 2015/12/22(Tue) 08時半頃
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[真白き雪色の便箋に陽気に踊る 右上りのブルーグレイのインクには
『拝啓、お悩み相談室様 いつも解答有難く拝見しております。
この度、初めてお手紙します。 どうやら、自分にも機会が巡って来たようです。
高嶺の花への気持ちが募ってしまい、 寝ても覚めても忘れられません。
どうしたら、治るのでしょう?』
新聞社の投稿企画へのよくある打明け話が よくあるような言葉で、綴られていた]
(-50) 2015/12/22(Tue) 08時半頃
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[誰にともなくつぶやくような 簡素な手紙を1通書き終えて そっとため息を吐いた
気まぐれに書いた手紙を 昨夜、受け取った手紙の中に混ぜてから
思うがままに、次の手紙をまた綴る その状態を名づける術を持たない故に]
(91) 2015/12/22(Tue) 08時半頃
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親愛なるルクレース様
突然ごめんなさい 以前迷い猫の首輪経由でやり取りした金属工のブリギッタです。 寒くなってきたので貴女のことを思い出しました。
あの時のふわふわなミミッタは、 まだ貴女の元に遊びにきますか?
……というよりあれは猫だったのでしょうか
ミミッタが今も幸せに暮らしていますように
ブリギッタ
(-51) 2015/12/22(Tue) 09時頃
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肩掛けラヂオがひどいノイズとともに歌い出した。エイトビットではない、やけに華やかな音楽だ。またどこかの次元と混線しているのだろう。このキャッチーな音楽には聞き覚えがある。シャーロットの経験上、だいたい300日ごとに、この曲がよく流れるようになるのだ。
「♪うぃー・うぃっしゅあ・めりくりっま♪うぃー・うぃっしゅあ・めりくりっま♪」意味はわからないが、きっと楽しい歌なのだろう。シャーロットはさらにご機嫌で歌い始める。仕事で罰を受けたことなどもうケロリと忘れているし、それに明日から待ちに待った三日間の長期休暇なのだ。
(92) 2015/12/22(Tue) 09時頃
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「うぃー・うぃっしゅあ・めりくりっま・ えな・はーぴーにゅーいぁ!」
(93) 2015/12/22(Tue) 09時頃
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[ただ真っ白な便箋に、青みがかったインクの細い文字が並ぶ。 名前の横に、"B"という角ばった判が捺されていた。
封筒は涙形の宝石が表の隅に描かれたもの。 白地に薄紫の宝石が、動かせばきらりと光るだろう]
(-52) 2015/12/22(Tue) 09時頃
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[急ぎではない手紙は丁寧にゆっくり書き上げた。 顔を上げれば窓の外は夕焼けで……それは今頭を悩ませていることだったから、僕はひたすらにそれを見つめた。 そうしたらぐぅ、と空腹の音がしたから、もしかしたら答えは出たのかもしれない。
食べるより先に ポストに向かうより先に 急いで工房に戻って、また光を見つめたんだ]
(94) 2015/12/22(Tue) 09時頃
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