
833 Bloody Maria
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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……ザザッ……、……ザーーーーー……。
(0) 2016/07/31(Sun) 16時頃
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…闇世は珍しく嵐だった。
吹き荒れる風が窓枠をガタガタと揺らし、月明かりすらない室内を、時折稲光が照らして消える。
人っ子一人いない館内は、ただ一つ、こつん、こつんとゆっくりとした靴音だけを響かせる。
(#0) 2016/07/31(Sun) 16時頃
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[透明な棺の中、敷き詰められた紅い花に埋もれるようにして、眠る少女。 彼女の瞳を最後に目にしてから、どれだけの時が過ぎたのか。 人を招くことすらなくなった館は、伸び放題の薔薇に覆われるようにして、すっかり荒れ果ててしまった。
長い、永い時が過ぎた。
あと、どれだけの時間が。
遺されているのか。
分からない。
ガタン、と近くの窓が揺れ、蝋燭の火が震える。 窓の外は、嵐だ。]
(1) 2016/07/31(Sun) 16時頃
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[ふと歩み寄った窓の外、見下ろせば深紅の花弁が舞い踊っている。 薔薇だ。 己の糧であり、彼女の象徴である、薔薇。
散ってしまえ、と思う。 全て全て、消えてなくなれ。
……嗚呼。
――このまま、終わらない時間が続くなら、いっそ。 ]
『消えてしまえばいいのに。』
[マスケラの頭上で、金の文字が躍る。 誰が読むわけでもないそれが、黒に塗り込められた窓ガラスに映り込み、ちらちらと揺れ… …解けた。]
(2) 2016/07/31(Sun) 16時頃
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<< 何が? >>
[窓ガラスに映り込んだ文字が、マスケラに問いかける。
『闇世ごと、消えてしまえ。』
[するすると解けて、再度うつり込むは鏡文字。 流れるように、金文字が形を変える。]
<<やってごらん。そろそろ退屈にも飽き飽きしてたんだ。>>
(3) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
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ならば願ってやる! この闇世など! 消えてしまえば良い、と!
(4) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
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[窓に触れていた手が、握り拳を作ると、だん、と強く叩き付けられる。 同時に窓の外で、強く光る閃光。 ほぼ同時に聞えてくる破裂音。 握り拳がビリビリと震える。
閃光が消え、窓の外に、漆黒が戻る。 そして。]
ッ……!?
[そこに映り込む姿に、息を飲んだ。]
(5) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
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[雷光の瞬きが失せた窓硝子には、寸分違わず男の姿が映る。──否、映る『筈だった』。 上質な生地のシャツにその身を包むマント。緩く流れ落ちる少し乱れた髪、老いを忘れた白磁の滑らかな頬。同じ姿で向かい合う男の顔は、しかし仮面で覆われてはいなかった。 緩やかな弧を描いた唇が、きゅう、と吊り上がる。どこか蠱惑的で、酷薄に。]
やって御覧?泣き虫で臆病な可愛いSergei。 兄さん達がいないとなんにも出来ないお前の御願いも、神様だったら叶えてくれるかもしれないよ?
[それとも、ひとりで頑張るのかな。 窓硝子に映る男は、殊更愉快そうにそれを音にした。高くも低くもない、男のようであり女のようでもある、鈴を転がすような余韻の声がころころと鳴る。先ほど窓を叩いた仮面の青年の拳を開いた手で撫でるように動かした。右手の親指に嵌められた黄金の指輪が、硝子の中で鈍く光る。]
(6) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
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そうと決まったら身だしなみだ。 髪を梳いて、服も整えて。ああ、伸び膨大の薔薇はどうしようか?自分でやる?庭師でも呼ぶかい? お客様を呼ぶんだから、綺麗にしないとね。
[ともすれば嘲笑う響きで言って、立ち尽くす青年と同じ姿で男は大仰に両手を広げて見せた。薄い唇の隙間から、やけに赤い舌と伸びた犬歯がちらりと覗く。]
さァ。幕を開ける準備をしよう。
["だって御前は、もうその方法を知っている。" 呪いのような祝福のような囁きは、再び大気を貫いた雷鳴に紛れて融けた。部屋を照らした閃光が消え闇に塗り潰された窓の中には、拳を握り締めたままの仮面の青年が立ち尽す。静寂を取り戻した部屋にはほんの微かに、尾を引くような甘い香りが残されていた。]
(7) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
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館のゴースト マスケラがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(館のゴースト マスケラは村を出ました)
Bloody Maria
~Bloody Bride Final~
(#1) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
閉ざされた部屋の中、あるはずのない甘い香りがほのかに香る。
甘い…薔薇の香り。
同時にひらりと舞い落ちる、深紅の花弁が一片。
その表面に、細い金の文字が浮かぶ。
『君の力を貸してほしい』
ひらり、また一片…二片。
『私はマスケラ
終わらぬ時に、終止符を打たんとする者』
『もしも、君に
人ならざる者へも施す覚悟があるのなら』
ひらひらと、最後に一片、漆黒の花弁が舞い落ちる。
『この花弁を枕元に置いて
眠りにつくように』
まるで闇をそのまま溶かし込んだような漆黒に、金色の魔法陣が小さく書き込まれていた。
(#2) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
吹雪の最中、見つけた山小屋は幻か。
しかしその小さな小屋は、確かにそこに存在していて、そして雪に埋もれかけた窓からは、かすかに橙色の明かりが漏れ出ていた。
山小屋の中には、一人の男がいた。
いかにも暗闇が似合いそうな、夜色のマントと金縁のマスクに存在を隠した男は、侵入者に驚く気配もなく、火の側へと身振りで促した。
当たり前のように、目の前に差し出されるのは温かいスープ。
落ち着いたころ、男の頭上で金の文字が踊りだした。
『存外君も、行動派だね
こんなところまで、来るなんて』
まるで、相手の行動を見透かしたかのような言葉。
会うのなど、初めてのはずなのに。
『そんなに、吸血鬼に会ってみたい?』
踊る金文字の下、面白そうに男の口角が面白そうに吊り上がっている。
『君の力を必要としている者もいる。
だから…君さえよければ、連れて行ってあげよう』
マントの隙間から差し出された指先が、先ほど入って来たばかりの扉を指さす。
暖炉の火を受けて左手の親指に、金色の指輪がきらりと光を放った。
(#3) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
寝室の片隅の暗闇の中から、彼は現れる。
それは決まって、彼が一人きりになった時の事だった。
『そろそろ、絆されてはくれないかな?』
まるで戯言のように紡がれる金文字の下で、仮面が嗤う。
訪れたのは、何度目か。
今更驚かれることも無い。
『僕はね、君自身の言葉が欲しいんだ。
先生や友達のではない、君自身の』
周囲の人間達を頷かせるのは簡単だった。
けれど、仮面の吸血鬼はそれをしない。
『闇世に終焉を迎えるため。
終わりなき時に終わりを与えるために。』
何度目かになる言葉を、まるで生きた蛇のように金文字は綴る。
踊る金文字が光の粒に溶けて霧散する刹那、再度収束し、そして別の文言を形作った。
『私を、救ってほしい――…』
初めて綴られた最後の言葉がきらきらと崩れて、金の鱗粉のように降り注ぐ。
ただ、一言、是の言葉さえ得られれば……
一陣の風となり、彼を別の時空へと連れ去るだろう。
(#4) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
影は、そうっと夢の隙間に忍び込む。
『結局のところ、人間だって十分に残酷なのさ』
あざ笑うかのように、金文字が躍る。
するすると解けた金の糸が、まるで鎖のようになって、首の周りに絡みついてくる。
『君だって、納得いかないんだろう?』
まるで家畜のように、飼い殺される未来。
そこへ抱くであろう不満を、煽るように、金文字が続ける。
『運命に、抗ってみようとか、思わない?』
それは甘い甘い、悪魔の囁きか。
解けた金の糸が、大きな裁ち鋏の形へ姿を変える。
日本の刃は大きく顎を開き、そして首周りにまとわりつく鎖を一瞬で断ち切った。
『おいで
君の力が生かせる場所は、そこだけじゃない。』
影が差しだす手のひらを掴むと同時、眠っていたはずの体はその場から忽然と姿を消した。
(#5) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
閉ざされかけた瞼の隙間に、ひらりと踊る黒いレースが映り込む。
ひらひらと、娘の鼻先を掠めた黒い蝶は、まるで着いて来いと言わんばかりに舞った。
廃屋の奥の床に、分かりづらく切り取られた板を持ち上げれば、人一人が漸く入れるくらいの小さな貯蔵庫が現れる。
そこへ身を滑り込ませると同時、どかどかと複数の足音が踏み入る気配がした。
娘の真正面へとやって来た蝶の羽に、金の文字が浮かぶ。
『生きたい?』
それは、ごくごくシンプルな問いかけだった。
娘が逡巡する一拍の間に、金文字は形を変えて別の言葉を綴る。
『君が望むのであれば
少なくとも生きられる場所へ連れて行ってあげる』
さぁ、この手を取って。
娘が伸ばした指先に、黒い蝶が止まると同時、娘は忽然と姿を消した。
(#6) 2016/07/31(Sun) 16時半頃
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『 Quarantaquattro gatti, in fila per sei col resto di due ──… 』
(8) 2016/07/31(Sun) 22時半頃
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[静まり返った館の中、少し調子の外れた歌声が響く。 子供が好みそうな旋律。 高くも低くもないその声は、ころころと長い長い廊下の角や天井や壁に反響して転がってゆく。
姿の見えない足音だけが、かつん、かつん、と人っ子ひとりいない広大な伽藍堂の中で、まるで『ここにいる』と告げるように響いていた。 ミャオ、と高い鳴き声。影だけの仔猫が、調度品や壁に掛けられた絵の中を滑るように走って、消える。]
Gattina、良い子にしておいで。 眠っているお姫様を、起こしちゃいけない。
[声音だけで撫でるような物言いに、返事をするように仔猫の影はまた小さく鳴く。 絵画の隅から現れたそれが床に降り立つと、不意に現れたもうひとつの影がするりと仔猫を抱き上げた。]
『 Si unirono compatti, in fila per sei col resto di due ──… 』、 ……ふふ、忘れちゃったなぁ。
[どうやら僕にも分からない事があるらしい。 どこか陶然とした笑い声が呟いて。廊下に伸びた影は、やがてひとつの部屋の扉の向こうへするりと消えていった。]
(9) 2016/07/31(Sun) 23時半頃
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――さぁ、客人を迎える準備をしよう。
[涼やかなテノールが石の壁に吸い込まれると、長く火の灯らなかった燭台に一斉に火が灯る。 天井の片隅に引っかかっていた蜘蛛の巣が、まるでそれ自体が生き物のようにするすると姿を消した。 館を覆っていた伸び放題の棘は選定されたばかりのように綺麗に整えられ、そして紅色の薔薇が次々に花開く。 埃の積もった食堂のテーブルが、磨かれたばかりの輝きを取り戻し。 そして、最後に暖炉に火が入る。
最も上座におかれた、少し高めの椅子には、目の覚めるような深紅のクッションが置かれている。]
『あぁ、良いね。』 『あとは…』
[誰が見るわけでもないのに、仮面の男の頭上に金文字が躍る。 いつの間にか、男のマントの胸元を飾っていた紅薔薇を、男の細長い指が抜き去って。
ぱさり、と、“彼女”の席へと落とす。]
『うん、これで、完璧だ。』
[綺麗に櫛の通された髪は、黄金の輝きを帯びて肩を流れ落ちる。 相変わらず仮面に隠された表情は読みにくいが…
あの嵐の夜からどのくらいの月日が経ったか。 すっかりと、かつての面影を取り戻した男がそこにいた。]
(10) 2016/08/01(Mon) 00時頃
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[計画の為に、この場へ集めた人と吸血鬼。 彼らが出会った時には、すでに身なりを整えて涼しい顔をしていた男。
その胸中を真に知る者は、いただろうか。
問われれば語っただろう、だが、問われなければ語らなかったかもしれない。 それは、男にとってごくごく些末な事だったのだ。
くふ、と小さな笑いが、僅かに歪んだ唇から零れ落ちた。*]
(11) 2016/08/01(Mon) 00時頃
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─ 紅薔薇の館・棺の部屋 ─
[その部屋は、外の者は何人たりとも立ち入ることの出来ない館の奥まった場所に在った。 主の眠りを守る為に設えられた透明な棺の中では、赤い紅い花弁に埋もれた人形のように美しい少女が昏々と眠り続けている。
ひと気の無いその部屋に、するりと立ち昇った影があった。 上質な生地のシャツにその身を包むマント。緩く流れ落ちる艶やかな髪、老いを知らない白磁の滑らかな頬。 仮面の無いその顔は、緩やかな笑みを浮かべて棺の中の少女を見詰める。]
今晩は、piccola。 御機嫌は…麗しくなさそうだけど、まあ聞いてよ。
[なんの反応も示さない少女に構うことなく、男は質量を感じさせない所作で棺の端に腰掛ける。 ふ、と小さく吐息で笑うと、シャツの胸の辺りから上等な金の万年筆をひとつ、引き抜いてくるくると片手で弄んだ。]
脚本(シナリオ)をね、書いたんだ。
[自慢気に言って透明な匣の淵をなぞる。 ペンを持った片手が滑らかに宙を滑ると、金色の文字が尾を引いて浮かんだ。"Pulcinella"。文字はやがて、残火のようにジワリと滲んで空気に融け、消える。]
(12) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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ー 秘められた室内で -
[私は二度棄てられた。
最初は生まれてすぐに。
孤児院の前に棄てられた私は、その日の空と同じ。 髪も肌も真白で雪の中で凍え死ぬ手前だった。
仄かな灯りの下でも判る私の髪も手も、肌も今は全て黒。 それは私が聖なる者と呼ばれた初めに掛かる事。
まだ泣く事しか知らぬ私に触れた娘の火傷の傷が消えた。 正確には私に移ったのだ。
私は誰かの黒子や痣、傷をこの身に移す力を宿していたのだ。
それを知った教会に、真白の天使として引き取られ育てられた。 教会に、世の人に身を捧げ尽くす事が天命と教えら、 この身に縋る人間達の傷を数多肩代わりして来た。
それを当然として、選択肢などなかった。]
(13) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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憐れな男の話さ。 愛しい姫君を取り戻す為に持てるすべてで運命に抗う、奇跡みたいに美しい話だよ。 嗚呼!けれど彼は喜劇のプルチネッラ。 その総ては観客席から丸見えの、神様の掌の上。 滑稽に踊る喜劇役者に、どうぞ拍手ご喝采。 ……どうだい?興味ある?
[ちらりと落とした視線に、答える者はいない。別段期待した訳ではないのだろう、直ぐに僅かに首を捻って人差し指と親指を顎に宛てがう。どこか大仰な、考える仕草。]
書き上がったはいいんだけれど、表紙の裏がまだ空白でね。 この物語を誰に贈ろうか、誰に見せようか、考えあぐねているのだけれど──、
[きみなら何て書く? くる、とまた手の中でペンが躍る。 暫しの沈黙の後、男の口の端がゆっくりと持ち上がった。目元を竦めるように柔らかく笑って、薄い唇から紡がれる鈴の音。**]
……んん、そうだな。 やっぱり、僕なら────、
(14) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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" 我が愛しき同胞、 『Alexis』『Blanca』『Yves』『Sofia』『Sergei』
偉大なる父母、『Lance』『Jeanne』 愛すべき総ての我が子ら
そして、40人の『演者』に捧ぐ。 "
Zero
(-0) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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[一人の女の狂笑が部屋の中を支配する。]
(15) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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あれぇ? そんなに笑ってどうしたのさ。 前はそんな狂った様には笑わなかったけどねぇ。
[質素な部屋で女が狂い笑ってる傍で青年が一人、愉快そうに嘲りながら彼女の様子を伺っていた。 さも答えが分かったぞ、と言いたげに手をパンと叩いてみるが、態とらしい態度を示しながら。]
あぁ、君はもう狂っちゃったんだよね。 前はあんなに愛情溢れていて綺麗な心持っていたのに。 残念だよね、……あーあ、壊れちゃった。
[残念そうに肩を竦めるが、その様は何とも空々しい。 青年の事など見る事は無く、虚ろな眼差しで天井を見上げ、壊れた機械の様に「どうして?」と呟く女に。 青年の左目は妖しく光、壊れかけた心に忍び込み。
女は突然悲鳴を張り上げ、恐怖に美しい顔を歪ませその場から逃げ出そうとした。]
(16) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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[錯乱し始めた女に、青年は無邪気に残酷に嘲笑い、逃げ惑う彼女を眺めていたが。]
あぁダメだよ、そこからは逃げられない。 だって袋小路でしょ? 逃げ場は無いよ。
[青年は袋小路と言っているが、そこは広い空間を持つ部屋で扉を潜れば廊下にも出られよう。 明らかに袋小路とは呼べない場所なのに、女は絶望の色を見せながら、必死に何かを振り払う様に細い手を振り乱した。 縋り命乞いをし始めた女に、悪意が篭った笑みと笑い声を上げながら近付けば。 それは実に甘ったるく、毒を含ませた囁きは悪魔のそれなのだろうか?]
ほら見てみなよ、君の肉も、血も、内臓も骨も。 みーんな虫に食べられちゃってるよ。 それでも生きてるなんて化け物なの?
[タチの悪過ぎる問い掛けをする青年にも、発狂している女にも、二人が居る部屋にも、虫一匹も居やしない。 だが、哀れな女には自分を喰らう虫に身体を食まれていっているのが見え、叫び、助けてと乞う。
見えやしない幻に囚われ狂わされた女はうら若き美しい人間。 片やそんな女を嘲笑う青年は肌白く、魅惑的な紫の瞳を持ち、邪な笑みを浮かべながら覗かせる犬歯は人間のより、遥かに大きい。]
(17) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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[必死に助けを呼び命乞いをしていた女は軈て叫ぶ事すら出来ず。 最早人の言葉すら紡げず、細くしなやかな身体を何度も痙攣させていた。]
あれ? もう死んじゃうの? まぁ、死んじゃうしかないよねぇ……。 死んで、なんて言わないけど、最後の味くらいは楽しませてよ。
[身体を震わせ地面に倒れていた女を抱き上げ、白くて細い首筋を晒せば。 人より大きな犬歯を、白の肌に突き立て穿てば。 軈てズルズル、と血を啜る音が部屋中に木霊した。 そう、人間の生き血を啜る青年は、吸血鬼と呼ばれる化け物。
幻を駆使し、人を誑かし惑わせ、最後にはその心を穢し壊す吸血鬼は。 壊し切った人間の生き血を啜り、最後の絶望の味を堪能し腹に納める。 興味を無くした、と言わんばかりに女を突き放し立ち上がり。 小さく震わせ虫の息となった女を冷たく見下ろし、嗤う。]
(18) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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――吸血鬼に、なれると良いね。
(19) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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『本来なら純潔が神に仕える者として当然だが、お前は違う』
[そう言われて男女問わず交わった事もある。 傷や痣は皮膚接触で移せたが、もっと深い接触では 病すら移す事が叶うと知れたからだ。
さすがに身体を重ねることは少なかったが、傷を移すうち、 何度か病すらこの身に宿すうちに、 真白だった髪も肌も黒く染まり、 今は白を探す事すら困難になった。
それと同時に、私は誰かの傷を移す事も出来なくなった。
そうして私は再び棄てられた。
今は教会の奥の開かぬ扉の部屋で最期を迎える為に 静かに時間を過ごすのみ。]
(20) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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さて……価値の無い私に何用かな?
[与えられた書物は教会の教えと、崇める存在の奇跡の話。 余計な事を考えぬ様に、余計な事を口走らぬ様に、 最期まで教会に仕えた聖なる存在として美化して終わる。
幾ら偏った知識の中で育っていても、多少なりとも 違和がある位は判っている。
だがそれを口にするのはやはり憚られる。 私には育ててもらった恩義は確かにある。 そして最初から選択肢など与えられていなかったのだから。
だから降って沸いた声と花弁>>#2に首を傾げたのも道理。
必要なら命じれば良い。 何故姿も見せずと言う疑問は途中の金の文字で知れた。]
(21) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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人ならざるもの、か……。
[金の文字が浮かぶ紅い花弁を大事に掌の上で読む。 久しぶりに“色彩”と言うものを感じて、自然に頬が綻んだ。]
もう私は何の役にも立たぬと言うのに。
[この身は重なる病を取り込んだせいで、 命の火は尽きようとしていた。 もう人の世界では私はいないも同然なのに。]
私を必要としてくれるか。
[人ならざるものは教義では赦し難い存在だろう。 だが私は初めて、自分の意志でそれを選択した。
今まで選ぶ事すら許されなかった身。
最期の最期で、私の意志で終わりの場所と終わり方を選ぼうと、 私と同じ黒の花弁を白い寝具へ添えたのだ*]
(22) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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/* わーい吸血鬼もの!!
何故ギュルセルなのか。 設定が先に出来て、褐色探したらこうなりましたww
(-1) 2016/08/01(Mon) 00時半頃
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― 灰の庭 ―
[月や星の明かりすらない漆黒の闇。 朽ちた外灯に照らされた庭は、一面の灰。 その外灯がかつては綺羅びやかな輝きを持ち、 闇世らしからぬ美しい庭を彩っていたことなど、 長い年月が忘れさせてしまったか。
そんな庭の見える"城"の小部屋。 アンティークのロッキングチェアに腰掛け、 ぼんやりと虚空を眺めるのは1人の吸血鬼。 ゆら、ゆら、と椅子を揺らしながら ただ、悠久の時を、過ごすばかり。]
(23) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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(あの花も。)
(あの人も。)
(もう、此処には、居ない。)
[ほろり、いつしか吸血を忘れていた口元で 感じ始める灰の味。"吸血鬼の禁断症状"。
このまま灰になっても良いなどと、 何度思ったことだろうか。何度願ったことだろうか。 其れに至る手段など、今の私には、持ち合わせていないのに。 ただただ崩れるだけの表皮は、私を、醜くするだけ。
――あなたはずっと、美しいままでいて。 ――あなたが、私の希望なの。
崩れるたびに思い出す彼女の年老いた声。 手の中で失った、彼女の生。
右腕を擦れば火傷の跡が2つ。 とても古い大きなものと、 まだどこか生々しく残る赤黒いもの。
"灰へと変えた代償"が未だ、身体からは、消えない。 違う、きっと。消せないのでしょう。*]
(24) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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/* 村建て様の召還文にきゃーきゃーしてしまう。
他の人たちもなかなか業を負っていて面白そうだな。 吸血鬼も個性あってふふふふ。
(-2) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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[酷く飢えていた事は覚えている]
(25) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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―遠い記憶の欠片―
[長く続いた戦と情勢不安 ただでさえ物が不足していた所に天候不良が重なった 戦が終わり人が戻っても、荒れ果てた大地はすぐには戻らない
何とか蘇らせようと身を粉にして得た僅かな実りは 殆どが権力者によって奪われ 民衆は飢えたまま、残った食料を奪い合った]
――…はっ…
[その男は、漸く手に入れた僅かな食料を服の下に隠して細い路地を走っていた 表通りなど、何も持っていなくても弱いものは倒され全てを奪われる 人目につかぬように路地から路地を抜け もう少しと言うところで「何か」にぶつかった]
(26) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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[それが「何か」を悟る前に、殴り倒され地面に転がされ踏みつけられ蹴りつけられた 体格と力に物を言わせた追い剥ぎとわかった時には、既に動けなくなっていた 持ち物を奪われまいとそれでも動かした腕は踏み潰され、酷く嫌な音を立てた
男の中にあったのは悲しみよりも、理不尽な死を迎える事への悔しさと怒り 自分が何をしたというのか。 目の前の暴漢は力があるというだけで、他人が苦労して得たものを全て奪うというのに
ああ、本当に……]
………
[最期に僅かに震えた唇は言葉を紡ぐことなく、短く息を吐いて動きを止めた 死にたくなどないのに
死にたくなど、なかった、のに
悔しい、と、思ったその時、力を失くした筈の腕がゆらりと動いた]*
(27) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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―紅薔薇の館・食堂―
(……別に不老不死になりたかったわけではないのだがな)
[吸血鬼となって自分自身のことは殆ど忘れたというのに、いまだ忘れぬ「最期の記憶」 ゆらりと力を取り戻した腕で逃げようとした姿を捉え、その首に牙を突き立てた 衝動は恍惚を呼び、気がつけば闇世の住人になっていた 人はどうでもいい事は覚えているものだと笑うように表情が歪む 闇世の住人となって700と少しの年を数えた 初めのうちはそれでも物珍しくはあったが、いい加減退屈にも飽いた 本当に理不尽だ、生きたいと思って生きられず、逝きたいと思えど死は訪れず]
本当に、ままならないな
[などと呟いて、空中で手をひらりと動かせば、掌中に現れるのは赤く熟れた林檎の実 「あのころ」は望んでも手に入らなかったというのに もう必要がなくなってから不自由しなくなるなど そして、本当に欲しいものは、やはり手の届かない遠いもの
そう思っていた]
(28) 2016/08/01(Mon) 01時頃
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/* 2人のマスケラが蟲惑的だ。
(-3) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[それを得る機会があるという話を聞いたのは少し前 その吸血鬼が望むのは「闇世の終焉」と、そう聞いて珍しく感情が動いた 闇世が終わるなど考えもしなかったが故に興味が湧いた 何より、この長すぎる時を終わらせる事ができるなら、と
もちろんこれまで人の子を嫁にする機会はあったが、男は寿命を望みながら嫁を娶るを良しとしなかった 「こんな退屈な場所に人を無理に引き寄せるのは気の毒」と ただでさえ退屈な場所に、退屈な男といても不幸なだけと
理不尽を強いられたが故に人の子に理不尽を強いるを男自身が望まなかった 人から血を奪う時も、禁断症状を抑える最低限の量しか奪わないほどに
人を好いているのかと言われれば首を傾げるだけだったが
だが、人間がそれを望むなら話は別だ。人の子にどんな思惑があっても]
そろそろ、人の子のお客様がやってくる頃かな?
[相変わらずどこか退屈そうな表情で仮面の吸血鬼に問う それでもいつもよりは「楽しそう」なのだが、よほど親しくもなければわからないだろう
そうして、館に人の子が訪れたなら、胸元を飾る針水晶のペンダントに触れながら 吸血鬼となった際に忘れた名の代わりにこう名乗るだろう
「ルチル」と**]
(29) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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― 紅薔薇の館→食堂 ―
[さて、聞いた“噂”は本当なのだろうか? 闇世の終焉を企てる、なんて眉唾モノの噂を聞いて、半ば興味本意ではあったが。 この世界、吸血鬼が蔓延る闇世が壊せるかも知れないならば、それはそれで拒む理由は無い。 寧ろ、吸血鬼なんぞ消えてしまえなんて聞いたら同胞達は何て言うのやら?]
[そんな事を愉快と言わんばかりに笑いながら。 黒と灰と紫が混ざった不揃いの髪を靡かせ、両脇腹まで切れ込みが入ったアオザイ風の服を揺らし。 鼻歌交じりで紅薔薇の屋敷へと足を運べば、まず目に入るのは綺麗に整えられた屋敷の周りに咲く紅い薔薇、甘い花の匂い>>10。]
あぁ、甘いねぇ……?
[誰に語り掛ける訳も無く独りごち。 扉を潜り、大きな部屋を目指した先は食堂だろうか? 煌びやかな空間を青紫の瞳は捉え眺めていたら、上座にある真紅の玉座の上にある薔薇を見遣り。]
(30) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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お嬢様は元気かい? また彼女の愛らしい姿が見られると良いよね。
[仮面の吸血鬼に愛嬌の良い笑顔を振りまきながらも、さらりと毒を混ぜてから。 取り敢えず問うのは闇世を終わらせる詳しい計画について。 彼が計画を企て、自分含めた一部の吸血鬼が賛同し協力するらしいのだが。 肝心な内容も知らず加担する程お人好しなのでは無い。]
ところでさ。 闇世をぶっ壊す計画について教えて貰えない? 此処に居るみんな知りたいだろうしねぇ。
[改めて食堂を見渡せば、同胞や人間達も居ただろうか? まだ300と若い吸血鬼は人間や年上の同胞達に興味を示す様にチラチラと眼差しを送るが。 愛想の良い雰囲気と裏腹に人嫌いな自分は、あまり此方から声を掛けようとは思えなかった**]
(31) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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― 年代不明 在る吸血鬼の回想 ― [国が、燃えていた――……。 今まさに一つの国が戦火に焼かれ、滅びを迎えようとしている。 滅び行く王城の玉座の間、今まさに国王は屈強な親衛隊に守られ、国を民を、全てを見捨てて、逃げ出す所だった。 不信に踊らされるように護国の英雄を処刑し、 欲望に操られるように戦に手を出し傾国の限りを尽くし、 あまつさえ滅び行く自らの国を見捨てて逃げ出そうとするその姿はまさに――……]
愚王が……。
[ザシュッ……!! 玉座の間に反響する冷たく鋭い声、同時に響くは鋭利な刃が肉を裂く水気を含んだ重い音。 瞬き一つするかしないかの一瞬の間、数名の兵が血飛沫を上げてその場に崩れ落ちる。 恐慌する王の眼前、王国で最も屈強な兵で組織された親衛隊は暗闇からの奇襲により次々と命を落としていった。 ある者は後ろから槍で鎧ごと心臓を串刺しにされ果て、ある者は暗闇に引き摺り込まれ断末魔の悲鳴と共に姿を消した。 次々と積み重なる屍、流れる血は赤く濃く玉座を染め上げる。 一人、また一人と兵が死んでいく……。
そうして全ての兵は死に絶え、残るは国王ただ一人。 ――いや、正確に言えば暗闇の中からその姿さえ見せる事無く数多の兵を数瞬で葬った『化け物』がいるのだ。 王の目が恐怖で見開かれ、足はその場に凍り付き、見えざる力に縛られたかのように逃げる事すら出来はしない]
(32) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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/* あ、身長…高めがいいか
175+8
(-4) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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/* 183な。OK
(-5) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[その時、暗闇から一人の男が姿を現した。 玉座の間を歩く姿は本来の主である王ですら霞むほどの覇気に満ち、王を見据える両の眼は地獄の業火さえ生温いほど苛烈に燃えていた。 黒い外套は数多の兵の血を吸い赤黒く染まり、手にした剣からは血が絶えず流れ落ちていく。 肌は蒼白で死人のようでありながら、口元から覗く人間ならざる鋭利な牙からは今しがた飲み干したかのように赤い血が一滴落ちた。
なんたる異様、なんたる異貌!
その覇気に、恐怖に、王は逃げる事すら忘れて しかし王が驚愕したのは男の人間ならざる異様さだけでもなかった。 恐怖に見開かれた眼、震える体、それでも渇いた喉はその名を口に出さずにはいられない。 目の前の男の名は――……
『オブシウス……!! 反逆者として妻子共々処刑したはず、なぜ生きている!?』
それを聞いた男――……オブシウスは言葉を交わす事すら汚らわしいとばかりに眼を細め]
お前を殺す為だ。
[袈裟懸けに一太刀で斬り捨てる。 あえて致命傷を避け、苦しみながら死ぬであろう斬撃。 楽に殺す気などないと言いたげな鋭い眼差し]
(33) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[深手を負い、血を流し、地面に這い蹲り、それでも戦う事無く逃げようと背を向ける王]
…………。
[オブシウスはその姿に急速に興が削がれていくのを感じ、剣に付いた血を一振りで払う。 戦う意思を持たぬ人間など、人間と呼ぶことすらおこがましい家畜以下の存在。 自らの衣服を更に赤黒く染める王の返り血を汚らわしいモノでも見るように一瞥して眉を顰めると、そのまま王の襟首を掴み、無言で国を一望できるテラスへと歩き出す。
眼下に広がるは戦火に燃えるかつて自分が守護した国。
聞こえるは数多の民の救いを求める叫び――……]
(34) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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- 知らぬ場所 -
[目覚めた場所が闇世と呼ばれる場所だとは 誰かが教えてくれなければ知ることは出来ないだろう。
知識として忌わしく哀れな存在とそれが棲まう場所だと 酷く偏った感情と教義と共に教えられたから知ってはいるが。
寝台とは違うこの場所がそうだとすぐには信じられない。
ただ夢にしては妙に生々しく、現実にしては都合が良すぎる 豪奢な屋敷。 薔薇の香りに包まれていると思うほど、嗅覚を撫でる芳香。]
さて……ここは何処かね。
[気のせいか、起きるにもやっとだった身体の痛みは和らいでいる。 夢ならば醒めぬうちに、現実ならば忘れぬうちに。
教会以外の世界を知るべく、私は歩き出す。]
(35) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[それを目に、耳にしたオブシウスは――……朗らかに笑った。 胸に過ぎるは己が死に逝く前の地獄の業火よりも苛烈で純粋な憎しみ。
民は私に求めるだけ求め、反逆者の濡れ衣を着せられ処刑台に立たされた時何をした? 石を投げ、嘲笑し、目を逸らし見てみぬフリを決め込んだ。
この国を護る為、私がどれだけの犠牲を払わされたか、背負わされたか。 「護国の英雄」などと称えようと、事実はただの虐殺者。 戦の度に数多の屍と血の川を築き上げ、消えぬ罪の重さに苦しんだ事か。 それなのに国は愚かにも私と、更には無関係な妻子まで無意味に殺した!
王も、民も、国も、老いも若きも男も女も何もかも全てすべて滅びてしまえばいい!!
国を焼き尽くす業火の中、オブシウスの楽しげな笑い声が響く。 彼の手元では、死に瀕した王が神に懺悔を乞う呻きが虚しくかき消されていく。 ひとしきり笑い終えたオブシウスは王の懺悔を乞う呻きに気付き、存在を忘れていたと言う様子で視線を移す。 どうしたものか――……と、少し思案した後、掴んでいた襟首ごと王を片手で持ち上げ、既に何の感慨も抱く様子すらなくテラスから外へ。 そして、そのまま王の体を燃え盛る業火の中へと投げ落とした。
落下する先は、国の大聖堂――……その屋根に取り付けられた十字架の先端]
(36) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[――グシャアッ!! 百舌の早贄、神への懺悔さえ掻き消す吸血鬼の断罪。 王の断末魔が国の滅亡を告げ、オブシウスの復讐は今ここに完遂された]
愚かな王だ、最期まで私に操られていたとも知らず簡単に国を滅ぼすとは。 ……マスケラ、感謝するよ。 復讐を遂げさせてくれた恩義、必ず返すと誓う。 上手く私を手駒として使うといい。
[マスケラが聞いているかは分からないが、感謝を告げると同時に自らに誓いを立てる。 復讐を果たす助力の条件として交わした契約――……闇世終焉への協力を。
死せる護国の英雄、蘇り 闇より人心を操りて戦火と共に国を滅ぼさん。
その事実を知るのはオブシウスと、協力者である仮面の男マスケラの二人のみ]
(37) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[復讐を遂げ、未練は無いとばかりに闇世へ戻ろうとするが、最後に足を止めた。 懐から取り出したのは幾重にも布で包まれた銀の十字架。 吸血鬼ならば触れただけで火傷にも似た傷を負うその十字をオブシウスは両手に握り締め、目を閉じる]
ッ……!
[痛みに顔を歪ませながらも、十字架を握る力を一切緩めず祈りを捧げる。 それは亡き家族への最後の祈り。 自らと共に無慈悲に無意味に殺された全ての者への冥福。 肌を焼く痛みが、匂いが、音が、自分はもう人間ではないと諭すように吸血鬼の己を苛む。 生前から数多の血で汚れた身であったので覚悟は出来ていたとは言え、銀の十字架を贈ってくれた家族の下へはもう逝く事はできないのだと改めて宣告されたようで、その痛みを忘れぬように十字架を更に強く握り締める。 その痛みに、吸血鬼と化した自らが人を想う事すら罪なのだと思い知らされたようで微かに目を細めた]
安らかに眠れ……せめて、私の分まで。
[祈りと共に目を開くと、握り締めていた十字架をテラスから外へと投げ捨てる。 銀の煌めきが戦火の中で一瞬輝き、そして炎に飲まれて消えていった。 それを見届けてからオブシウスは今度こそ人の世へ完全に別れを告げ、闇世へと歩き出した]
(38) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[それが、オブシウスが吸血鬼と化して間もない頃の出来事。
あれからどれだけの月日が流れたのであろうか? 闇世では時間軸すら個人ごとに曖昧で、普遍のものなどありはしない。
あの日焼き付けた十字の傷すら、幾重にも積み重なった時の流れが優しく無慈悲に癒していった。
それでも変わらないものがあるとするならば――……。 それはオブシウスに仕える従者達の、畏怖と怨嗟の篭った虚ろな眼差し。 幾重にも重なる年月の中、オブシウスは自らが殺した死者達を従える事によって自らの罪を、存在理由を、マスケラとの契約を決して忘れる事無く抱き続ける事ができたのであった。**]
(39) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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-町外れの孤児院-
[その人は、決まってぼくが一人の時に姿を現すのです。>>#4 手入れの行き届いた髪に、身分の高そうな服。顔の半分を覆う闇色のマスク。 纏う闇色のマントのせいもあって、いつも彼は闇の中から浮かび上がってきたように見えました。
あぁ、違う… 彼は本当に闇の中から来たのでした。
それを知ったのは、何度目かの訪問の時。 月明かりで読んでいた本を静かに閉じて、彼が口にする幾度目かの嘆願が綴られるのを見ます。 『終わりなき時に終わりを与えるために』
ぼくの答えはいつも彼の願いを拒むもので。 何度訪ねて来られても、ぼくはここを離れたくないと首を横に振ります。]
Sir、ぼくは…
[彼の言葉に首を振る時。 空中に浮かぶ金色の文字は、細かな粒になって暗闇に溶けているはずでした。 けれどそれは再びひとつに集まって、今まで一度も見たことのない言葉を綴ったのです。]
(40) 2016/08/01(Mon) 01時半頃
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[『私を、救ってほしい――…』
初めて見たその言葉に目を見開きました。 顔の半分を仮面で覆った彼の表情は、いつもと変わらず微笑を浮かべていたでしょうか。 それとも………]
……ぼくに…
[紡ぐ言葉が無意識に震えたのを覚えています。 それは怯えや恐怖だったのかもしれません。
それでもぼくは、彼の手を取ったのです。 もうすぐ尽きてしまうぼくの命で、まだ救える人がいるのなら……。*]
(41) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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……あなたが、私を呼んだのかな?
[この館の主と出会ったのはどの場所だったか。 金文字を浮かべた薔薇の花弁の主が彼だと気付くのは 文字が先か、彼が纏う薔薇の香りが先か。
少なくとも彼が人ならざるものと言うのは理解出来た。 だから彼がこの世界をどう呼ぶのか、そして 私に何を望んだのかの説明を受けてもそれ程驚きはしなかった。]
吸血鬼、か。 ……構わないよ。 私は遅かれ早かれ病に倒れる身。
人が救えぬ、救おうとしない存在だとしても。
私は私の意志で残った命を使いたいのだ。
[説明を理解したかどうかは口元に笑みを浮かべたまま 曖昧にして、ただ館の中を見て回っても良いかと 館の主に問うた。]
(42) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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― 砂漠の鳥籠 ―
[夜も深まり人々が眠りつく刻。夢と現実の狭間。 漆黒の帳に紛れて、”それ”はやってきた。>>#5]
( ……あら、そういう貴方は人間じゃないの? )
[与えられた部屋の寝台の上。 疲労で重い瞼を閉じたまま、瞼の奥の瞼をゆっくりと持ち上げる。 怯えもせず漆黒を見据える珊瑚色の瞳に映ったのは、 人ではあらざる金色の文字。 ほどけて首に巻きついたそれはまるで、 この鳥籠に捕らえつづける鎖のようで息苦しくて わたしは腕を持ち上げれば鎖に指に食い込ませ懸命に引っ張った。
ああ、くやしい。
乾ききった砂の大地へ恵みの雨を呼ぶ、御巫として。 生まれた時から死ぬまで過ごすことを運命づけられた鳥籠の中で わたしは嘆く。喚く。叫ぶ。 その想いは風を巻き起こし、乾いた地面に雨を齎すことはできても この細い鎖ひとつ、千切る力すらありはしない。]
(43) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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( 納得? そんなのできるわけないじゃない! )
[わたしだって、外に出たい。 砂の海を越えた向こうに、行ってみたい。 王の権力を繋ぐためだけに生かされ、囲われ いずれは次の御巫をこの身に宿し 母のように祖母のように曾祖母のように こんな王宮なんて鳥籠に閉じ込められたまま、終えたくなんてない。
だからってどうしようもないもの。 あまいあまい金色があざ嗤う言葉が、癇に障る。 わかってるから言わないで。 世間知らず向こう見ずなわたしでも、それくらいわかってるから。 この白く細い足じゃあ、鎖ひとつ千切れないこの指先じゃあ 見渡す限り一面の砂の海を越えるなんてできやしないことくらい。
ああ、憎らしい。
するすると憎らしく嗤う金色が形を変える。煌めく刃へ。 その鋭い切先が狙いを定めこちらを向き、 わたしは珊瑚色を大きく見開いて息を呑んだ。
──── バチンッ
驚きに出ない声の代わりに、斬られた鎖がおちる音が響く。 定められていたはずの運命の鳥籠のいりぐちが、ひらかれる。]
(44) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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( わたし、ここを出ていいの? )
[漆黒の闇から、示し差し出された新たな運命。 先の見えない影の向こうにある場所へと。
わたしは迷わず白い指先を漆黒へ伸ばした。 砂漠に囲まれていながらも、日焼けひとつない肌が闇に溶け。 掴まれた感触、ふわりとした浮遊感。 どこか心地良いそれに、瞼の奥の瞼をまたゆっくりと閉じる。
こわくはなかった。 だって、わたしには──── ]
(45) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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/* 最初からクライマックスで燃え尽きた感がすごい……!!(まて 村建てとの設定相談の結果。
「人間だった頃の未練とかはスパっと切ったほうが動きやすいよ」
とのお言葉を頂いたので、ありがたく国を滅びして復讐を完遂しました。 戦災孤児なルチルの設定と微妙にリンクしてそうで罪悪感に更に拍車がかかるよ、やったねおじいちゃん!!←
(-6) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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[ ────わたしには 最初から時間なんて、のこされていないのだから。 ]*
(46) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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― 紅薔薇の館・廊下 ―
[甘い香りがする。 あの憎らしい金色に似た、あまい、あまい。
瞼を開けて、瞬きをひとつ。ふたつ。 珊瑚色に映った光景に、わたしは目を丸くした。 見慣れた部屋でも、さっきまで居たはずの寝台でもないここは。]
ここは、どこなのかしら。
[掴まれた掌に残っている、ここまで連れてきてくれた感触。 それは少しばかり冷たかった気がする。 憎らしかったけど、一人では叶わなかった外に 連れ出してくれたあの手は。どこに。
肌で感じる空気も、馴染んだ乾いた砂混じりのものとは違う。 王宮とはまた違うけれど、豪華なつくりの廊下は長い。]
……なにか、いるの?
[微かに聞こえた、ミャオ、と高く鳴く声。>>9 わたしはいつもはしたないと乳母に怒られているのも忘れて 長いスカートの裾をさばいて床を蹴り。 壁で動いた影の気配を追いかけ、見知らぬ廊下を駆けだした。]**
(47) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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[紅薔薇の館。
その廊下を優雅に、且つエクセレントに! 羽ばたいている小さな蝙蝠の姿。
ぐるりと突き当たりまで来てから旋回すると、 低空飛行で端から端まで一直線。
ゴールに辿り着けば今度はその姿は一匹の狼に変わる。 そうして端までまた駆けてみては、さて次はどうしようか。
何をしているのかって? どの姿が一番速いかという自己への挑戦さ!
なんて、誰に聞かれたわけでもないけど、 聞かれたとしたらそう答えるだろう。]
(48) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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/* 初っ端から中身を隠してません(いつもです
口調とか一人称は悩んだ挙句、某銀雨で使っていた貴種ヴァンパイア君を憑依させました。 いいのか、あいつ変態だぞ(と言うかあいつはえろ担t(噛まれている) 性格憑依させてないから大丈夫だきっと……
キャライメ曲はBUCK-TICKの「メランコリア-ELECTRIA-」 実はぎりぎりで禁断症状決まって、そのおかげで変わってしまった。 今回は、バクチク避けようと思ったのに!(
初期はラルクの「Flower」だった。 「叶わぬ想いならせめて枯れたい」
(-7) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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/* あっ、廊下から始まるロルを書いたらちょうどコーネリアがいたっていう… う、時間ずらせば大丈夫かな?? いろいろしてた後に人が居るーっていうの見つけることにしよ。
(-8) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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[好奇心は猫をも殺す。 そう聞いたのはいつだっけ。
確かに確かに? 俺が死んだのは、それのせいだったかもしれない。
そうそう、その台詞は今わの際に聞いたんだった気がするさ。
ナントカは死んでも直らない。 それも体験して知ったこと。
今、俺が興味あるのはさ、闇世を終わりにする、 だなんて面白いことを考える人間がいるって話。]
(49) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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それで……私は誰を救えば良いのかな。
[今まで与えられたのは選択肢の無い義務。 ここへ来て初めて私は当惑する。
私の意志で最期を選んだけれど、吸血鬼が複数いるとまでは 聞いていなかった。
ああ困った。
私は何を基準にすれば良いのだろう。 初めて私の手の中にある選択肢と言うものに戸惑いながらも、 他にも人間や吸血鬼がいると言うなら話をしようと 誰かに出会える場所まで歩き出す**]
(50) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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/* そんなわけで、匿名でお邪魔いたします。スズです。 わーどきどきするなー。 勝手に影の猫ちゃん出歩いてることにしちゃったけどまずかったらごめんなさい。 その時は別のナニカだったってことに……。
(-9) 2016/08/01(Mon) 02時頃
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[だからちょっとばっかりテンションが上がるのも仕方のない話ってやつだよ。
さてさて、その人間の皆様はこれからお集まりになるってところか。 何往復目かの廊下ランニング(フライングもあったね)を一旦区切りにして。
蝙蝠の姿のままで廊下の壁にかけられた立派な額縁の絵画の上に乗って一休みをしていた時かな。 調子っぱずれた歌声と。足音が聞こえた。>>9 ややあって猫の鳴き声なんかも聞こえたね。
そしたらさ、ぱたぱたとさっきまでの俺みたいに駆けて行く人の仔が眼下を通り過ぎるのが見えた。>>47
好奇心は猫をも殺す。 そう言ってたのは誰だっけ。
そんなことを考えながら、廊下の床にひらりと下りると今度は大きな白い狼の姿に変わる。
廊下を走っていったあの子は俺に気づくかな? それとも他の誰かが気づくかな?
気づく誰かがいたとしたら、 ちょっとでもびっくりさせられたら面白いなあ、
なんてほんの少しの悪戯心だよ。**]
(51) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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/* フィオレって女の子だと思ってたら、もしかして男の子…! ギュルセルの設定かっこいいなー人間側ともぜひお話したい。 吸血鬼みんなもそれぞれおいしいもの背負ってて どこからつつこうかわくわくしてしまうね。
選ぶ側緊張するんだけども ほんとノープランでぶっこんでるので出たとこ勝負です。 とりあえず誰からも声をかけらんなかったら 明日浮上する時間にいるひとへ突撃しようそうしよう。
おやすみなさーい!
(-10) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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/* さて、乏しいのは感情だけで、退屈に飽いているので人には絡むよー。(ただし超淡々としてる) 気にいった相手には感情総動員するかもしれない。
まあ、人と話さないと始まらないからね。 とはいえ、女性と当たると完全に触れずに愛でるだけになるの確定なところがな……あと中身ギュルセル好きなんだ。
此方から仕掛けるというよりはばら撒き型がいいかなぁ、今回は
まあいい、寝よう。
(-11) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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/* >>51白い狼さんだ!わーい!!
(-12) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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[物心がつく前から孤児院にいたぼくには、不思議な力がありました。 人の傷を癒す、まるで奇跡のような力です。
その人を苦しめる傷や病が癒えるように祈って手をかざせば、どんなに深い傷も消え、大きな街のお医者様ですら諦めた病人も自分の足で立って歩くことが出来るようになりました。
けれどぼくは聖人でも、ましてや神の御子でもありません。 ムッターの孤児院に捨てられていた子供です。 それが分かったのは、事故で半身が潰れた男性の上に手をかざした時でした。]
――― か、はっ
[男性の傷が癒えると同時に、全身の骨を砕かれる様な激痛がぼくを襲い。 生まれて初めて、ぼくは血を吐きました。 ぼくの力は神の御業ではなく、代償を必要とする奇跡だったのです。]
(52) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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[誰かの傷や病を癒すたび、ぼくの命は少しずつ削り取られていたのです。 血を吐いた時点で、ぼくの身体はボロボロでした。
お医者様の話しによれば、まだ十代だったぼくの内臓は、七十歳の老人のようになっていたそうです。 それを知ったムッターや兄弟たちは、ぼくが力を使う事を禁止しました。 力を使わないことで、ぼくの命を少しでも引き延ばそうとしたのでしょう。 奇跡の力でいくらかのお金を得ていた孤児院の経営は、途端に苦しいものになりました。
ぼくの育った孤児院は貧しくて。 ぼくが引き取られるよりも前から、この孤児院では新月の夜に尋ねて来る男性へ子供たちの血を売っていました。 売血は国に禁止されていましたが、そうする必要があるほどに、ぼくらの孤児院は貧しかったのです。]
(53) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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[日に日に傾く孤児院の経営に、ぼくは何度か、ムッターに禁止された奇跡の力を使いました。 ムッターが気付いてくれなければ、捨てられたその日に門前で死んでいたはずの命です。 弟や妹たちのために、ぼくがお金を稼げる方法はこれだけでしたから。
例えそのためにぼくの命がすり減っても、後悔はひとつも有りませんでした。]
ムッター、ぼくは幸せです。 もうぼくの命はほとんど残っていないけれど、 癒えない傷や病に苦しむ人を救うことができたし。 なにより、兄弟が暮らすこの場所を残すことが出来ました。
[だからもうすぐ死んでしまうとしても、ぼくはしあわせですと。 涙を流すムッターへ微笑んだぼくの気持ちに嘘は有りませんでした。]
(54) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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/* はっ。仔猫はゴースト扱いだったのかな。 ごめんなさい!早々に見失ったことにしよう。**
(-13) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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/* つい、フィオレと血縁縁故を結びたくなる衝動。
(-14) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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/* とりあえず、誰かが話しかけやすいように動くか……。 どこがいいだろうか? 個人的には恩義あるマスケラに挨拶をするのが道理、か。
(余裕がある時は中の人発言でもオブシウスの口調で話していこうかと思います。たまに素が出ますが、そこもご愛嬌)
(-15) 2016/08/01(Mon) 02時半頃
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― 紅薔薇の館・薔薇園 ―
[巻き起こった風が凪いだのを肌で感じて、ぼくは咄嗟に閉じていた瞼を開きました。 見渡す限りの夜の闇は不気味なほど静かで、ぼくの手を引いた彼の姿はどこにもありません。 消えた彼の代わりにぼくを取り囲むのは、見事に手入れされた紅色の薔薇、薔薇、薔薇。 濃密な香りに目眩すら感じて、ぼくはたたらを踏んで地面の上へ仰向けに倒れました。]
あぁ、ほんとうにこの世界の月は歪なのですね…
[見上げた暗闇には、コバルト色の巨大な満月がふたつ。 暫くの間無言で空を見つめるぼくの姿は、他人の目にどう映ったでしょう。**]
2016/08/01(Mon) 02時半頃
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― 紅薔薇の館・薔薇園 ―
[巻き起こった風が凪いだのを肌で感じて、ぼくは咄嗟に閉じていた瞼を開きました。 見渡す限りの夜の闇は不気味なほど静かで、ぼくの手を引いた彼の姿はどこにもありません。 消えた彼の代わりにぼくを取り囲むのは、見事に手入れされた紅色の薔薇、薔薇、薔薇。 濃密な香りに目眩すら感じて、ぼくはたたらを踏んで地面の上へ仰向けに倒れました。]
あぁ、ほんとうにこの世界の月は歪なのですね…
[彼に。マスケラに聞いた通りだと、唇の上に小さく笑みを浮かべます。 見上げた暗闇には、コバルト色の巨大な満月がふたつ。 暫くの間無言で空を見つめるぼくの姿は、他人の目にどう映ったでしょう。**]
(55) 2016/08/01(Mon) 03時頃
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/* 年齢20+1 身長160+10
(-16) 2016/08/01(Mon) 03時頃
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/* 170はちょっとデカイな… -10
(-17) 2016/08/01(Mon) 03時頃
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― 紅薔薇の館・薔薇園 ― [マスケラからの呼び出しに応えて館を訪れる。 何度か訪れたその館は変わる事無く美しく完璧に整えられてはいたが、何かが欠けているかのような空虚さも感じられる佇まいだった>>10]
……来なさい。
[従者に命じて自らに付き従うように命ずる。 黒い従者の服に身を包んだ男は蒼白な顔と虚ろな目で黙々と従い歩き出す。 やはり館に着いたからには主であるマスケラに挨拶に行くのが礼儀。 そう思い薔薇園を抜けて館内へ向かおうとするが、何かが地面に倒れ込むような音が聞こえてそちらに目を向けると、薔薇園の中で仰向けに寝転がる人間を見つける>>55]
何をしている……?
[吸血鬼ばかりのこの館であまりにも無防備に寝転ぶその姿に興味を惹かれて声をかける。
闇世では空に浮かぶ月ですら見る者によって形を変える。
オブシウスの頭上。 彼に見える月は暗い闇世を照らして輝く、強く優しい光だった。**]
(56) 2016/08/01(Mon) 03時頃
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― 俺の話・回想を交えて ―
[少しだけ、俺は俺のことを考える。
吸血鬼にしては若い部類に入るんじゃないかな。 ほんの100年くらい前の話さ。 人間だったときの俺は、所謂普通の、本当に平凡などこにでもいる青年だった。 中流階級の家で特に不自由なくすごし、大学にだって入れてもらえた。 友達もそれなりにたくさんいたし、恋人もいたよ。 平凡だけど毎日楽しかったし、上々。 薔薇色の人生!って言っても嘘にはならないと思う。
死にたいなんて思ったことはなかったし、 死ぬなんて想像だってしたことはなかった。
でもまあ、人生というのは予期しないことがあるもので。 それに死んだけど、今は生きてるから問題ないよね。
吸血鬼になってからの生もそんなに不満はないかなって思ってる。 面白いことは探せば見つかるものだし。
それでも思うのは、人間だったときは本当に幸せだったから。 時々寂しくなる、かなあ。
俺はね。人間が好きだよ。
だから、今に不満があるとしたら―――…]
(57) 2016/08/01(Mon) 03時半頃
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/* ふむ、マスケラに会いに行こうとしたが館の前に面白そうな人間が…… 少し話をしてからでも遅くはあるまい。
そして、リアントの軽快で小気味良いロルが読んでいて心地良い。
フィオレは放って置けない健気さがあるな。
ギュルセルは中の人の設定がしっかりしているのだろう、独特な世界観の中にも安定感を感じさせる。
語りたい事は山ほどあるが、とりあえず夜も更けたし寝るとするか。
(-18) 2016/08/01(Mon) 03時半頃
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[闇世を消すって計画のために御呼ばれをしたわけだけれど。 呼んだ当人、マスケラにその理由は聞いていない。
特に逡巡もせずに、いいよって答えたから聞きそびれた。
その計画には、 吸血鬼を集めて。 人間を集めて。
人間を集めて、だって!
まあ、ここでテンションが上がっちゃったんだね。 そんなわけで、なんで?と問うのを忘れたから、聞いてない。
吸血鬼が計画に乗る理由も様々あるんだろうけど、 人間がそれに乗る理由ってなんだろう?
マスケラがどうやって誘ったかは知らないけど、 闇世を消したいって思ったから乗るわけでしょう?
今生きる世界は人間には関係のない世界、そう思ってた。 だけど人間なのに此方に興味を示す人がいるってことだよね?
そんなことを考える人間なんて、きっと面白いに決まっているじゃないか。
だから俺は、 此処で人に会えるのが楽しみで仕方がないわけです。**]
(58) 2016/08/01(Mon) 03時半頃
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/* 中の人曰く。 「あああーもう!夜中の勢いで絡みロル書いたから文章が雑すぎ! 恥ずかしすぎるー!(ごろんごろん」 と、悶絶しているな……無理も無い(しみじみ)
後、昨日は言い忘れていたが……とりあえずの目標として。 なるべく全ての参加者と絡めるように動こうとは思う。
相方うんぬんについてはー……どうなんだろうな? 未知数すぎてなんとも言えん。
(-19) 2016/08/01(Mon) 08時半頃
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あれ、どこ行っちゃったんだろう。
[長い廊下の端まできて、きょろきょろ。 足を止めてわたさそは一人でぽつんと見知らぬ場所に立ち尽くす。 さっきは何かが見えた気がしたけれど、 それが本当にいたのかすら自信がなくなってくる。 そもそも、形すら見ていないし。 なんか羽音みたいなものが聞こえた気もするし。>>48]
……見間違いだったのかなぁ。
[いつも周りには乳母か誰かが居たから。 ひとり、を自覚した途端に心細くなってくる。
顔を曇らせ弱音を吐きそうになるのを誤魔化すように、 わたしは走って乱れてしまったスカートを直しながら ふとまた何かの気配を感じて、ぐるりと背後を振り返った。>>51]
(59) 2016/08/01(Mon) 09時頃
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ひゃっ……!?
[白い大きな動物に、零れたのは小さな悲鳴。 慌てて廊下の角を曲がり、壁の影に身を寄せた。
息を吸って、吐いて、深呼吸。 そろそろと顔を半分だけ隠れた壁から覗かせて 大きくて白いその動物を、片方の珊瑚色でじっと見つめてみた。
犬みたいだけど、犬よりずっと大きいしちょっと違う。 もっと獰猛そうなそれは、本の中で見たことのある気もするけど。]
(60) 2016/08/01(Mon) 09時頃
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[じぃっと大きな動物と見つめ合うこと、また数秒。 わたしはおそるおそる、声をかけてみた。]
……ねぇ、貴方ここの子なの?
あのね、わたし気づいたらここにいて…… どこに行けば主に会えるのかしら?
[半分壁に隠れたまま、様子を窺うことまた数秒。 少しずつ視線を動物に合わせるよう床に膝をつき。 おいで、と控えめに白い毛並みを手招きしてみたのは ひとりの心細さのせい。]**
(61) 2016/08/01(Mon) 09時頃
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― 灰の庭の見える小部屋で ―
[生前のことは覚えていない。否、正確には「覚えていなかった」が正しい解釈で。あの日のことは、まだ、手に取るように覚えている。生前の記憶がフラッシュバックした日のこと。美しい庭が、灰の海と化してしまったこと。彼女が好きだった白い百合の花。
気持ちが満たされることのなかった数百年。 その理由すらわからなかった数百年。
あの"餌"と出会うまで、私は只管に孤独だった。 人の世では迫害を受け、性奴隷として扱われ、身も心もボロボロになり、只、世を離れることだけを願って此処へ来た彼女。 感情の無い彼女に感情を芽生えさせようとしたのは道楽か。
長い長い闇世での話も、彼女が喜びそうな白い花も 彼女の感情を芽生えさせることは無かったというのに。
この、能力を、彼女に見せたその日から。
ただ、ただ。 "死"を願う彼女だけは、美しかった。
自らを灰に帰すことを願い、それだけを懇願して生きた。 見飽きぬそれは、何時しか歪んだ感情となり、気づいた時には、遅かった。
――"餌に恋をする"ことなど、あってはならなかったのに。
それを、可笑しいと嘲笑う彼女に、初めて、怒りを覚えた時が"その日"だったのだ。
身分違いの恋、報われぬ想い、報いてはならぬ想い
幾つかの言葉が鍵となって心の奥深くをこじ開け、蹂躙し、そして。この、庭は、灰となった。
――ファシリア様が、ご無事で良かった。
歪んだ感情を持つ者同士が、傷を舐め合うように。 そんな彼女も――もう、居ないのだ。]
(62) 2016/08/01(Mon) 12時頃
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……エメリア。
[ぽつりとつぶやいたその声を、その日、そこに居た仮面の男は聞いていただろうか。ゆらりと気配なく近寄るその男に気づけば、ふ、と顔を上げ、その話を聞いたかもしれない。]
……闇世の。終焉。
[どこまでその詳細を聞いたのかはわからない。しかしその片棒を担ぐということは、只の道楽以上に意味を持っているような、そんな気がして。
ざらりと舌に纏わりつく灰の嫌な感触と味。 白い額に皺を寄せる。]
(63) 2016/08/01(Mon) 12時頃
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(世界が、なくなる。)
(私も、消えることが、できる。)
(消えてもし、生まれ変われるのなら。)
[何度も、何度も願っていたこと。 灰となった彼女と同じ願い。
"自分という存在を。灰塵のような――価値のない。死ぬことを願って身を焦がしたはずなのに、生かされてしまった自分の運命。
たった一人の"餌"の望みを叶えるために、自らの願いを封じ込めてしまったあの何十年。そして、今も、その希望に、縛られていること。
――あなたはずっと、美しい、ままでいて。
嗄れた声、皺々の美しくない指先。 それでも死ぬまで、あなたは、美しかったのよ。]
……わかった。後ほど、伺おうか。
[仮面の男を一瞥したあと軽い返事だけすると、再び庭のほうを向いて、ゆらゆらと、椅子を揺らし続ける。 もう、彼のことを見ることはない。]
(64) 2016/08/01(Mon) 12時頃
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/* エメリア設定が小出しすぎてすみませぬ。色々裏ストーリーあるのですが全部一気に落とすのもなんか美しく無いなぁと思いまして…。そのうちきちんと全て出します。
(-20) 2016/08/01(Mon) 12時頃
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― そして紅薔薇の香りのする館・食堂にて ―
[いつ来てもここは良い香りがする。甘く美しい紅薔薇の香り。 少なくとも、私には、そう思える。
カツン、カツン、と僅かながらのヒールを鳴らしながら辿り着いたのは紅薔薇の館の食堂。いつもの様に何を考えているかわからぬ仮面の男と、幾人かの同胞、そして人間の姿が見えたか。
愛想などは振りまかない。 やや不機嫌とも捕われ兼ねない表情と態度で手近な椅子を引き、そこへと腰掛ける。望みの叶う紅薔薇の館だったが、幾分か離れた席に座った林檎を弄ぶ男を見つけると>>28]
ねえ、あなた。 その林檎。私にも頂けるかしら。
[と、声を掛けた。
相手の名前は――忘れた。しかしその針水晶と手元にふと現れた林檎。その様子には見覚えがある。自らよりも、長く、長く、そこに居るであろう、吸血鬼の姿だった**]
(65) 2016/08/01(Mon) 12時半頃
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/* ギュルセルと設定の類似点が多すぎてw 同種の対比? よく似た能力だけど、環境の違いで全く正反対な扱いを受けてる感じにしとけばいいかな…と悩みまくってこんな感じに。
あと紳士に話しかけられてる。 残念ながらこの子に逃げるような警戒心があるのかどうか…
(-21) 2016/08/01(Mon) 12時半頃
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/* ああ、もしかしてファリシアはソーヤさんかな? そして、百合の波動を感じる……。
(-22) 2016/08/01(Mon) 14時半頃
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終焉を望む者 マスケラがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(終焉を望む者 マスケラは村を出ました)
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『ひぃ、ふぅ、みぃ…』
[指折り数える男の頭上で、金文字が遊ぶ。 5まで数えたところでもう一度。 どこか芝居がかった調子で繰り返した末に、にぃと口元が笑う。]
『うん、そうだ。』 『ちょうどいい。』
[何を数えたのか定かではないが、満足げにうなずいてみせる。 閃かせた手の内、真紅の薔薇の花が一輪現れた。 その甘い香りを吸い込んでから…花を食む。 無造作に食いちぎった花弁の欠片がひらひらと、床に落ちる前に消えた。]
(66) 2016/08/01(Mon) 15時頃
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/* くそっ、回想が、長いっ(じたばた)
(-23) 2016/08/01(Mon) 15時頃
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/* 今三分の二が終わった所でマスケラ来た( ˙ ꒳ ˙三 ˙ ꒳ ˙ )
(-24) 2016/08/01(Mon) 15時頃
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― 食堂 ―
[その話が振られた時、食堂にいた者は誰だったか。 問われた言葉>>31に先立つ揶揄は、聞こえなかったかのように。 振り返りざま、首をかしげた口元がゆるり弧を描く。]
『例えば、の話だけれど』
[男の頭上に金文字が躍る。 文字はするすると解けると、男の手元に集まった。 それは形を変え、金色の林檎になる。]
『君は、林檎を破壊しようと思ったら、どうする?』
[紡いだ言の葉がまた解け、様々な形の道具になる。 包丁、下ろし金、ミキサー、万力。 その他何だかよくわからないものまで。 しかしそれらはさらさらと砂のように崩れ落ちる。]
『僕はね、こうする。』
[金の文字は、男の逆の手に、林檎の形をして収まった。 それらを見比べてから、男は徐に二つの林檎をぶつけ合わせる。 衝突した林檎は、やや大げさな挙動を持って、四散して消えた。]
『簡単な話だ。』 『物を壊したければ、別の物を、ぶつけてやればいい。』
(67) 2016/08/01(Mon) 15時頃
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[だから、と金文字は続ける。]
『闇世という世界を破壊したければ』 『もう一つ、別の世界をぶつけてやればいい。』
[こともなげに、肩をすくめて見せる。 破壊した後のことなど知ったことかというように。 しかし問われずとも男は続ける。]
『闇世さえ壊してしまえば』 『闇世のルールは無くなる。』
[だから、死ぬことも自由になる、と。 まるで自明のことのように言い切る。 死を望まぬ者については、少しだけ首をかしげた後で。]
『縛るモノが無くなるのだから』 『それこそ自由になる…かもしれないね。』
[ふふ、と口元に浮かべた笑みはどうにも子供くさかった。]
(68) 2016/08/01(Mon) 15時半頃
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[ふ、と何かの気配を感じたかのように、男が視線を翻す。 そうしてゆっくりと、口角が吊り上った。]
『あぁ、お客様がおいでだ』
[そして、引き止める者がいてもかまわず食堂を後にする。 仕方が無いだろう。 “彼ら”を迎えてやらねばならぬのだ。 “聖女”として生を受け、“太皇”の後継者の候補たり得る彼らを、丁重にもてなさねばならぬのだ。]
(69) 2016/08/01(Mon) 15時半頃
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/* …字を、間違えた、かもしれない。 …まぁいっか、造語だし(ぇ
(-25) 2016/08/01(Mon) 15時半頃
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― 聖者との邂逅 ―
[薔薇の香を纏い、進むはほの暗い廊下。 出会った姿に、マスクの奥の瞳がゆるり弧を描く。]
『ようこそ、闇世へ』
[男の頭上に浮かぶ金文字に、己こそが彼を呼び出した者であったことを悟られたか。>>42 問いかけには、ひとつ、首肯を返す。]
『あなた方には』 『吸血鬼と契りを交わしてもらう』
[問われて紡いだのは、何かと説明の足りない文言だった。 彼以外にも呼ばれた人間がいることも、吸血鬼との契りといえば“嫁”の話であることも、何も語らない。 いずれ呼び込んだ人間が全て集ったところで詳しい説明はされるが、それまでの間は困惑させるかもしれなかった。>>50]
『お腹は空いていないかな』
[唐突に尋ねれば、指差し示すのは食堂の方。 どこからとも無く現れた、ピエロの格好をした小人が先導するように駆けてゆく。 客人がついて来なければ、折り返してきて服の端でも引っ張ったかもしれない。 近くで見れば糸の無い操り人形であることがわかるそれは、人間の客人が何かを頼めば大体のことは叶えてくれるだろう。 吸血鬼の命令や頼みごとは、聞かないかもしれないが。
その姿を見送りながら、ふと、首をかしげ。]
『貴方に残された時間は』 『案外多いかもしれないよ?』
[既に見ていないだろうに、遅ればせながら金の文字が躍った。*]
(70) 2016/08/01(Mon) 16時頃
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[人間の客人と出会えば、尋ねられたことには答える。 ただ、今はまだ多くを語る気は無いようだ。]
『屋敷内は、好きに歩いてもらって構わない』 『ただし』 『鍵のかかった部屋には、入ってはいけない』
[実際には人間の思う鍵ではなく、封印に近い代物ではあるが、ガラスの棺の部屋だけは、何人も入れないようにしていた。 …はずだった。 少なくとも、普通の人間や、吸血鬼には。
仮面の男が、唯一怒るとすれば、彼女の眠る部屋に己以外の誰かが侵入を試みた場合であるということを、彼を知る吸血鬼なら知らないはずが無いだろう。]
(71) 2016/08/01(Mon) 16時頃
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― むかしむかしのお話 ―
『毎日祈りを捧げて神様に感謝をすれば、幸せになれるのよ。』 『神様はいつもお前達の事を見ている。 ちゃんとお祈りをしていれば、守って貰えるんだ。』
[僕が物心が付いた時から両親や兄や姉に聞かされて育った。 当然僕はそれに何の疑いを湧く事も無く、それが自然の事だと思い、後から生まれた弟や妹にも教えていく。
家族を愛し、隣人を愛し、日々の暮らしを送れる事を感謝し、毎日祈りを捧げた。 とある山間の小さな村の生まれで、決して裕福とは言えない暮らしではあったけど。 家族に囲まれ、村の仲間と共に慎ましやかに日々を送る事は僕の幸せ。他に何も無くても良かった。
でも、その幸せは、白い化け物に壊されるなんて、僕は知らなかった。]
(72) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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[ある日、辺鄙で小さな村に真っ直ぐな白い髪を持つ旅人が一人、村に来た。 全身フードを被っているものの、白く伸びた髪に、男とも女とも言えない容貌に村人の注目を集めざる得ない。 僕はまだ幼い末の妹を庇いながらも、白い旅人の姿に目が惹かれていたのは、今でも憶えてる。 旅人は、男としては高く女としては低い声を上げ村人達に乞う。]
『道に迷ってしまって途方に暮れておりました。 身体も上手く動かす事も出来ません。 どうか……二日か三日、置いて頂けませんでしょうか?』
[乞う旅人に、二つの反応が飛び交う。]
『余所者は出て行け! 白い髪なんて、不吉の証だ。 そんな奴なんて、此処に留まらす訳にはいかない!』
『それは知ってるが、迷信だ。 武器など持ってない上に、この人は困っているのだから、少しの間ぐらいは。』 [僕の村では『白い髪を持つ者は、村に災厄を齎す』という迷信が伝えられた。 だから、突然訪れた旅人に驚き恐怖し、排除しようとする人も居るけど。 村人の中には心優しい人も居て、旅人を留める事を勧める村人も居た。 排除派と留める派で意見が分かれ、村人同士で諍いが始まっていく。
ねぇ、何でみんなが争うの? ねぇ、何で昨日までこんな風にしなかったよ。 なのにどうして、言い争って傷付け合うの? みんな大事な、仲間なのに……。]
(73) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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[とある村人が摩訶不思議な事を村の仲間達に告げ始めた。 それは、普通ではあり得ない事が起きた、という話。]
『森で黒い影を見て、その中からコイツが出てきたんだ!』
[村人は騒然としたのだが。]
『また嘘を付いているのか! お前がこの人を泊めさせたくない嘘を言ってるぐらい分かる。』
[僕の村ではみんなが仲良く過ごしているが、黒い影が出たと吹聴する村人は態度が、違う。 この人はよく嘘を付き、村人を困らせ村八分になった。当然僕もその人の話は素直に信じれなかったけど。
結局村人達は旅人を留まらせる方向に話が纏まった。 排除派の人らの意見を押し退け、不満を彼らに抱かせながら。 その夜はボロボロの馬小屋に案内させ泊まらせても、バケツをひっくり返した様な土砂降りが降っても。 村人達は、決して旅人を助けようとはしなかった。]
(74) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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[翌朝、土砂降りの雨が普通の雨に変わった頃、村人が再び騒ぎ出す。 話を聞くに、黒い影を見たと吹聴した村人と、嘘だと反論していた村人の、二人が死んでいたという。 両親と兄と姉は現場に向かって議論すると言い、僕は家で弟と妹と共に家の中で只管時が過ぎるのを待っていた。]
大丈夫だよ、すぐ終わるから。ね?
[不安げな末妹を宥め頭を撫で、隣に座る弟に肩を寄せ合って。 早く終われ、早く終われ、と。これが終わったらまたみんな平和に暮らすんだ、と願い、神に祈りを捧げる。 神様なんていないのに、馬鹿みたいに只々祈っていて。
そんな僕らを嘲笑う様に村人の罵声と、ゴゴゴという地響きが微かに鼓膜を震わせる。 争う声が増し、地響きが大きくなり、地面が揺れ轟音が響き渡る頃。 大量の土砂と水が、村を飲み込まんと、怒涛の勢いで襲い掛かる。
僕は耳を劈く様な轟音の出元を探ろうと窓を開け、状況を確認すれば。 もう目の前に、木と石と土と水が混ざった物が迫ってるじゃないか!]
(75) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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――逃げろっ!!
[弟や妹に言葉短く叫び、二人を庇う様に部屋の隅隠れ覆い被さるけど。 運が良かったのか、僕らが居る家も巻き込んだが、僕ら兄弟には届かず無事に済んだが。 あちこち石や木が身体にぶつかり酷く痛むが、弟と妹の安否を確認し、立ち上がってからり、崩れた家から二人を連れ出す事が出来たら。
降り頻る雨の中、流れ出た土砂の中から何本かの腕が生えたり、人の頭が見え隠れていたり。 でも一番目が引いたのは、その土砂の山の上に立つ旅人と村人が抱き締め合ってた。 いや、正確に言えば旅人が抱き締め、村人は力無く立ってる、と言った所か?
旅人が村人を手放せば、糸が切れた人形の様に崩れ落ち動かなくなった。 僕は何があったのか分からないのだけど、本能は危険を察知し、背中に嫌な汗が流れ、勝手に身体がガクガク震える。 その意味を悟った時、旅人は僕ら兄弟へ視線を向ける。 そんな旅人の手と唇は、人の赤で濡れているのを僕は然りとこの目で見た。]
(76) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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― 回想 ―
[蝋燭一つがゆらゆらとした明かりを放つ室内。 ぱらり、と紙をめくる音が闇に吸い込まれた。]
《彼が、人間を連れてきた。 人間の、女。 纏う気配が気に入らない。 あれは、この闇の世界には相応しくないものだ。 腹立たしい。》
[ぱらぱらと、古びたページを捲ってゆく。 そして、最後のページにたどり着いて、手を止めた。 それまでの流れるような筆跡と異なり、大きく一文字一文字綴られたその数行を、すぅと指先でなぞる。]
『闇に染まった聖女が生み出し そして一つの世界と成った これを私は『闇世』と名づけよう』
[男の頭上に浮かんだ金の文字が、波に浚われるように霧散して消える。 ぱたり、と閉じられた、古びた皮の表紙の手帳には、金の刻印が施されている…――
《太后マリアの手記》
と。**]
(77) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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[気が付いたら、僕ら三人は森の中を走っていた。 末妹の手を引き、弟を先に行かせる様に走り、村を捨て、着の身着のまま。 兎も角、一秒でも早く、この場から逃げ出して、足を酷使してでも、弟と妹を助ける為に。走った。
旅人を撒いたのか?という疑問を嫌な形で叶える様に目の前に姿を現していた。]
なん、で……っ!?
[何故撒いた筈の旅人が僕の目の前に居るのか?化け物なのか? 恐怖に引き攣り怯える兄弟を守る様に背中に隠しながら、僕も震えていた。 本当は兄弟を捨て、一人だけで逃げたかったが、理性がその考えを邪魔をする。 旅人はフードを深く被っていて表情を読み取らせてくれなかったが、赤い唇を笑みの形に変えて。]
『さて、追い詰めましたが、如何しますか?』
[旅人は何をする訳でも無く此方側を見つめ、首を傾げる。 既に泣き始めてる末妹と、半狂乱に陥りそうな弟を見れば、僕は脂汗を額から流しながら生唾を飲み。 旅人の足元近くまで走り寄り、その流れのまま地面に膝を付け、頭を大地に擦り付けた。]
何でもしますからっ、弟と妹の命を、助けて下さいっ!! 僕を殺しても、構いませんから。 どうか、どうか、弟と妹達は見逃して、下さい!
[僕は無様に振る舞おうが、理性がまだ正常に保っている内に、この命を捧げる事になろうが、目の前の旅人に土下座し命を乞いた。 そんな僕を嘲笑う事は無く、でも慈悲は無く旅人は薄く笑った。]
(78) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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[旅人は徐に三つの小瓶を取り出し、こう語り掛けた。]
『この小瓶三つ分の血を下さい。 そして、貴方の命を頂戴しましょう。 それで貴方の弟と妹の命は保証します。
……ほら、お行きなさい。 貴方方のお兄さんが殺されるのを見たいのですか?』
[旅人が声のトーンを落とし威嚇をすれば、弟と妹は一目散に走っていった。 僕はそんな様子を見送る事も安堵も出来ず、頭を地面に付けたままガタガタと震えていて。 旅人が一歩、僕に近付く。それは迫る死と同じ様に思えて。 助けて、助けて、助けて。死にたく、ない。
僕は、我を忘れて狂乱し、また一目散に逃げ去ってしまった。 如何やって旅人から離れて逃げたのか分からない。兎も角、死から逃れるだけを考えたが。
何処に逃げたのだろうか?あぁ、周りに木があったから森だろう。 そんな事は如何でも良いから逃げて助けてを求めて、神様に救いを求める。 神様、神様、助けて下さい、僕はまだ死にたく……嗚呼、旅人が僕を捕まえた。]
(79) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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[僕はいつの間に倒れていた。旅人が捕まえて押し倒したのか、僕が転んで上から押さえつけたのか分からないけど。 旅人は此方を見下ろす際、唇から覗く大きな犬歯が目に入って離れない。 悲鳴を上げる事すら出来ない僕を見て何を思ってるかは知る術は無く。 赤く濡れた右手、鋭い爪を持つ指は、僕の右目を貫き、抉る。]
あ、ぎ、…ぁあっ!
『約束を破りましたから、この目も頂きましょう。 もう、これで逃げられませんね。』
[旅人の手により、抉り取られた眼球を僕は見てしまい、もう何が何だか分からなくなってしまった。 覚えているのは、身体が焼ける様に熱くなったと思ったら、段々冷たく動かなくなっていく感覚。 そして何度も助けて、と神様に願っても救われる事なんてなかった事。 薄れ閉ざされていく意識の中で、悲しみ、怒り、憎しみの感情が確かに現れ、最後には消えていくのだろう。
全てが消えて無くなる時、声が耳に届いた。 その言葉は、間違い無く僕を縛り付け雁字搦めにする枷であり、呪縛。]
(80) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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『――吸血鬼に、なれると良いですね。』
(81) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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/* うおおおお、挟んだーすまぬー。 と、細かい補足は後ほどとして、先ずはそーやさんにお礼を。 瓶三つ分を取り出した描写を入れたのは、前作のBBアナザーで出たアーノルドさんの設定をお借りしました。
シェニ視点、闇世が消えても吸血鬼が消えない可能性を考える要素として、この世に吸血鬼を出させる為に、アーノルドさんの力を借りてやって来た吸血鬼に殺される形にしました。 これで大丈夫なのか不安は有りますが、アーノルドさんの設定のおかげで出来ましたありがとうございます( ˙ ꒳ ˙三 ˙ ꒳ ˙ )
(-26) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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/* うん、透けそうであるけど仕方ない(ゲンドウ)
(-27) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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/* あぁぁ挟まってごめんシェニ
(-28) 2016/08/01(Mon) 17時半頃
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/* さてさて。 遅れましたが、ご挨拶を。
この度は、BloodyBride最終章、BloodyMariaへのご参加、誠にありがとうございます! 特に人間役の皆さんには、事前からの準備にお付き合いいただき、ありがとうございました。 ギリギリのお誘いにもかかわらず、快く応じてくださったスズさんにも、ありったけの感謝を。
今回は情報操作がかなりシビアですので、我々村たても非常に緊張しております。 共犯者のろきさん、本当にありがとう。
エピローグまでつつがなく進行できますよう、闇世のご加護をお祈りしております。
(-29) 2016/08/01(Mon) 18時頃
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/* 紅薔薇がマスケラに愛されてて嬉しい中身です。 あと、シェニの回想に出てくる影の門にガタッとしてしまう。
因みにフィオレの孤児院に血を買いに来てたのはアーノルドです。(たぶんめいびー)
(-30) 2016/08/01(Mon) 18時頃
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[遮る物のない空とふたつの青い月を、ぼくはただぼんやりと眺めていました。 辺りは夜だというのに寒くはなくて、薔薇の香りが満ちる空気を、ゆっくりと深く吸い込みます。 孤児院では、みんながぼくの身体を心配して、こんな夜の時間に外へ出ることはずっとありませんでしたから。
ひさしぶりの夜の空気に、少しだけ舞い上がっていたのかもしれません。
だからでしょうか。 急に声をかけられて>>56、ぼくは心臓がきゅっと縮むほど驚いてしまったけれど。]
―――ひぅっ?!
げほっ げほ げほっ
[驚いてしまったけれど…。 暗い闇世の世界で、青い双子の月を背負って立つその人を、ぼくは不思議と怖いとは思いませんでした。]
(82) 2016/08/01(Mon) 19時半頃
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けほ… けほっ
……あ、の… すみません、Sir。 ちょっと、すごく、びっくりしてしまって。
[芝生の上に寝転んだまま、どうにか呼吸を整えて。 ぼくは黒衣のその人を見上げてそう言いました。
Sirは敬称。 目上の人に声をかけられて、地面に寝転んだままお返事をするのは失礼だと分かっていましたが。 生憎と、ぼくにもすぐには起き上がれない理由があるのです。
見た目は若くても、ぼくの身体はすっかりおじいちゃんですから。 ひとりじゃ急には起き上がれないんです。
あぁ、そういえば。 ぼくはなにか質問されていたのでした。]
えーと… ぼくは、月を見ていました。
[どうにか記憶を手繰り寄せたぼくは、素敵な月夜ですね、と言って長身のSirに笑いました。**]
(83) 2016/08/01(Mon) 19時半頃
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[廊下を駆けていた彼女の背中を眺めていたら、はたとその足が止まって 彼女は長いスカートを整える。>>59
あの長いスカートはちょっと走りづらそうだよね、 なんて考えながら俺はその様子を見ていたよ。
気配に気づいたのか、視線に気づいたのか。 彼女は此方を振り返った。
小さな悲鳴を上げて曲がり角の向こう側に逃げるのを見るに>>60 ちょっとした悪戯は成功だったみたいだって、胸の内でクスクスと笑う。 この姿だと笑うっていうのは難しい話。 俺の喉からはグルルって小さい唸り声が漏れただけ。
気を良くしたのはちょっとの間。そのあと直ぐに心配になった。 角の向こうにいる気配はするんだけど、怖がらせてしまったせいで もしあの子がもう帰りたいなんて思ってたりしたらどうしよう。
元の姿に戻って謝った方がいいかな、って考えてたら壁の向こうから覗かせた珊瑚色の瞳、一つと目があった。]
(84) 2016/08/01(Mon) 20時頃
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[瞬きもせずにじっとその目を見つめ返していたから、 なんとなく戻るタイミングも声をかけるタイミングも見失っていたんだけど 少しの間の後に彼女の方から声をかけてきたものだから。>>61
ここの子かしらって問いかけには人のそれより縦に長い獣の頭をやや左の方に傾げた。 ここは俺の屋敷ではないけど、主の元へ案内してほしいっていう希望は幸い叶えられる話だったんで、 床に膝をついて、目線を同じくした彼女が手招きをしたのに応えるように 怯えさせないようゆっくりと傍へと近寄った。
傍まで寄れば、挨拶代わり、お詫びの代わりに手招きするのに差し出された手に ふかふかとした毛並みの額をすり寄せてみる。 それから彼女の長いスカートの裾を噛むと、くい、と引いた。 もちろん穴なんて開けないようにの細心の注意は払ってるさ。
ついてきなよ、って意思表示のつもりだけど彼女には伝わっただろうか。]
(85) 2016/08/01(Mon) 20時頃
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[長い廊下を先導するように歩き出せば、意思表示は伝わらなくてもついてきてくれるかな。 そう期待して俺はそのまま前脚を食堂の方へと踏み出した。
彼女が後をついてきたならば、はぐれて迷子にならないようにと数歩以上先には行かないように その歩幅に合わせて、おとなしく食堂まで送り届けようとは思うんだけどね。 ものの数メートルも進まないうちにうずうずとし始めるのは自分でも予測済みの話。
目的地に辿り着く前に、ぐにゃりと空間が歪んだような気配を感じたら、 その時にはもう俺の姿は人の見た目と変わらないそれ、 つまりは元の姿に戻っているだろう。
"おしゃべり"できるようになったらまずは名前を尋ねてみようか。 『俺はリアント、君は?』ってね。
そんなに離れた場所ではないから、彼女の行きたい場所にはすぐに辿り着くだろう。 今思い出したけど、俺もちゃんとまだ彼に挨拶をしていないんだった。 って俺が気づくのは歩き始めた後だろうけどね。*]
(86) 2016/08/01(Mon) 20時頃
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/* フィオレが可愛いな。 そして、私よりおじいちゃんで心配になってくるんだが。 中の人の世話焼きスキルが騒ぎ出す……。
(-31) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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─猛吹雪の山中─
[もう、どれだけの時を彷徨っているのだろう。 周囲の視界は地吹雪に覆われていた。山肌や木々すらも認める事はできない。 頭上を仰いでも周囲とまったく同じ光景が360度に広がるだけだ。 今が昼か夜かもわからない。 わかるのは、己が宙に浮いていないという事だけだ。
荷物の中から、かさばるテントや寝具を捨てた。 雪の吹き溜まりに何度かはまりかけ、もがいている内に杖替わりにしていたストックを無くした。 食料や燃料はとっくに尽きている。 体力が体温が奪われ、何度も意識を失いかける。それでも前へ突き進むしかない。今、ここで立ち止まったら、間違いなく自分は死ぬのだから。
───これで、本当に……。]
(87) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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"…あ、……れ…は…"
[呟いたつもりだったが、果たして声になったかどうか。 よもや、あれは幻ではあるまいな。ごくわずかに見える色彩は、周囲と明らかに異なる。───あれは、灯火の色>>#3]
───こんな所に明かりが…? ───まさか人家か。否、そんなわけあるまい。 ───すべてが息絶えてしまったかのような、吹雪が囲む死の世界に人が住めるわけがない。
ならば、……あれが……。
[ようやく近付けるのだろうか。 わたしが長年追い求めていた存在に、……遂に辿りついたのか]
(88) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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[あれからどうやって、その山小屋にたどり着いたのかよく覚えていない。 途中まで無我夢中だったことまでを記憶している。 いつの間にか、わたしは気を失って……どのくらいの時を経たのかも不明だが、再び目を覚ました時──何の前触れもなく、直感的にわかった。
何かが変わった、と。**]
(89) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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学者 フェイは、メモを貼った。
2016/08/01(Mon) 21時頃
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[―――……雨が降っていた。ぽたり、ぽたりと。 涙を流す事を忘れた私の代わりに、それは静かに街へと降り注いでいた。
髪の毛からしたたり落ちる滴もどうでもよくなって瞳を閉じる。 少し、ほんの少しだけここで休んだならまた場所を移して。 せめてこの身を隠せるような場所くらいは確保しないと、 そのうち見つかってこの雨の中大人達に引きずり回されてしまう。 ……またそうなってしまうのは少し面倒だから。]
…………、
[誰に次げる事無く、眠りにつくための挨拶を呟いたと同時にゆっくりと瞼を閉じようとすれば、 それに待ったをかけるかのように舞う黒がひとつ。>>#6
鼻先で暫しひらひらと揺らめくのをぼんやりと眺めれば、黒は寄りかかっていた扉の隙間を抜けていく。 人のいない、寂れた廃屋。 ゆっくりとそれを追いかけるように扉を潜れば、それを待っていたかのように何処かへと消えていった。 人の気配も音もしない、僅かに聞こえるのは自分のボロボロの洋服が掠れる音と、呼吸をする音だけ。 それを念入りに確認してから、黒い導き手を追いかける。]
(90) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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―紅薔薇の館・食堂―
[針水晶を身につけた男は相変わらず退屈そうではあったが、その目には珍しく感情の色が宿っていただろう。 変化のない闇世に飽いているだけで、変化が訪れるならばそれはとても好ましい事であったから。 まして、この闇世を終わらせるなどと言う荒唐無稽な計画に、自身の望みが合致したなら興味を持つなと言うのが無理と言うもの。 人であった頃の記憶も性質も覚えてはいないが、そして男自身も気付いてはいないが、元々は「そういう事」が好きだったのかもしれない。
他の吸血鬼がどのような思惑でこの誘いに乗ったのかまでは知らないし、興味もなかったが]
私は私の目的が叶えばそれでいい……闇世の終焉は、まあ、おまけだな。
[そもそも、どのように「終わらせる」のかまでは聞いていない。 そんな事を考えながら手の内の林檎を弄べば、少し離れた場所から届いた声に視線を向けた。>>65 青い装飾がよく似合う女吸血鬼。 男よりもずっと後にこの闇世の住人となった筈のその姿を、記憶の中から呼び起こす。 確かに、何度かこの館で、或いは何処かで顔を合わせている筈だ。
ああ、そうだ、確か名前は……]
(91) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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[終着地点はどうやら廃屋の最奥のようで、何かを知らせるかのように蝶はその場をくるくると旋回する。 よくよく見てみれば、床には分かりにくく、しかし不自然に切り取られた床板が一ヶ所。 女の力であけられるそれを覗きこめば、手を滑らせて落ちてしまった。 それと時を同じくして、入り口の扉が蹴破られるような音がする。
…………ひゅう、と、喉が変な音が鳴り。 それを誰にも聞こえないように自らの口を塞いだ。
…………嗚呼、]
(死にたく、ない…………)
[そう強く思ったところで時期にこの場所は見つかってしまうだろう。 髪の毛から落ちた水の跡を辿れば簡単に追い詰められる。 それでも、と願った瞬間正面に蝶がやってきた。 そしてその漆黒に、金の文字が浮かび上がった。]
(92) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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ファリシア、だったかな? 久しぶりだね……100年、いや、それ以上かな?
[男自身も滅多にここにくるわけではないから、どうしても時間は曖昧になる。 尤も、吸血鬼にとっては数十年でも誤差の範囲かもしれないが]
ただの林檎でいいのかな? 望めばパイにもコンポートにもできるけど…それはこの館に願った方が確実だね。
[主に味が などと言いながら望みどおりに新たな林檎を手中に呼び、渡すのに遠ければ席を立って彼女に渡したか。 そうして、自身も林檎を齧りながら不躾にファリシアの様子を眺め]
ここに居るという事は、君も彼の計画に乗ったということだね。 私のように生きるのに飽いたようには見えないけれど。
ああ、でも…不満はありそうだ。
[彼女が不機嫌そうに見えたからそんな風に言葉にはしたが、心中などわかるはずもなく。 感情の薄い声音で落とす言葉は、真剣さが欠けている様に聞こえたかもしれない。 ただ単に、吸血鬼個人の思惑に興味がないだけではあったけれど。*]
(93) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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[――――生きたい?
……生きたいに決まっている。 予言を、言霊を司る存在として奇跡ではなく脅威と判断されても。 大人達に町中を引き摺り回され磔になりそうになっても。 産みの親に自らの生を何度否定されても、飢えてもいくら喉が乾こうとも。 生きることだけは絶対に諦めてこなかった。
それでも今回ばかりは挫けそうになった瞬間の問いかけ。 迷いながらも、恐る恐る言葉を紡ごうとして空気を震わせようとすると目の前の文字が形を変えた。
望むのならば、生きられる場所へと連れていくと。]
………… (私、は)
[この生を無駄にするのは嫌だ。 この場所よりも酷い場所はない筈だろうと、すがるような気持ちで手を伸ばせば。
そこで文字通り 娘は、消えた**]
(94) 2016/08/01(Mon) 21時頃
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―紅薔薇の館・とある一室―
[それは突然の、しかし決めれれていた目覚め。 窓辺には白いカーテンがすこしだけ揺れていた。
その物音にか、それとも自然にか。少女はゆっくりと目を覚ました。
あたりをゆっくりと見渡せば、全く知らない光景。 しかし一つだけ確かな事は、先ほど落ちてしまった狭い貯蔵庫ではないという事実。 そっと床へと足を下ろせば、僅かに冷たい気がした。]
………?
[ここは、何処だろうか。 首を傾げても答える者もなれば自分を導いた黒いレースもない。 仕方なく慎重に扉を開け、廊下に誰かいないか覗き込んでみたけれど。
さて、何があっただろうか。*]
(95) 2016/08/01(Mon) 21時半頃
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/*
「……お前、本当に林檎のパイとコンポート好きだよな」
とか言う目でこっちを見るんじゃないルチル
(-32) 2016/08/01(Mon) 21時半頃
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― 一時の夢幻は醒めて ―
[マスケラに闇世終焉の事を問い掛けたら、不意に昔の思い出が蘇った。 先ず疑ったのは禁断症状による幻覚か、と思ったのだが、それに伴う渇きを感じない。 なら何故か?と考えるが答えは出ず、一度投げてから。
マスケラの返事を待つ間チラリと周りを見たら同胞が二人>>28>>65。 林檎を齧る同胞に、愛想が足りない同胞。二人はあまり面識は無いのだけど、一言二言ぐらいは声を掛けてみよう。]
あぁ、林檎と言えばやっぱり創世記かな? ほらアダムとイヴが禁断の果実食べて楽園を追い出されたやつ。 確かイヴから食べて、その後アダムが食べたとか?
[此方から一方的に話を投げたらマスケラの答えが返ってくる>>67。 林檎の壊し方の例え、それは中々意図は読み難いものではあるが。 噛み砕くと、普通のやり方では無く、変わったやり方でいくのだろうか? 続く言葉は別の世界をぶつける、という事>>68。]
(96) 2016/08/01(Mon) 21時半頃
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つまり、この世なり、別の世界を作るなんぞしてから。 それを闇世にぶつけてぱぁぁん、と無くなってしまうって事かな。
[推理が当たっているかどうか確かめようとしたが、当の本人は何処かを見て笑んだと思いきや>>69。 答えを出さずにそそくさと食堂を出てしまったじゃいか。 えー、と明らさまに不満げな声を漏らすが、ゆくゆくは詳細を話すだろうと思い、一応弁えるが。
マスケラを見送った後、気怠そうな同胞と不機嫌そうな同胞のやり取りを再び見遣れば、少しだけ考える。 このまま自分が残っても盛り上げ役に回りそうだな、と思うと面倒になってきて。]
じゃ、僕もふらっと遊びに行こうかな。
[愛想の良い作り笑顔を向け、手をパタパタ振って別れを告げてから。 食堂の扉を潜りフラフラと当ても無く歩いてみよう。 さて、これから何が起きるんだろうな?楽しみ*]
(97) 2016/08/01(Mon) 21時半頃
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[あぁ、それにしても、右目が――痛い*]
(98) 2016/08/01(Mon) 21時半頃
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/* 一応、こいつの人間だった頃の名前は用意してあります。
「ルーチェ」です。イタリア語で「光」 最初「サンタ・ルチア」にかけようと思ったんだが「ルチア」は女性名詞なんだ。
ちなみに、鉱石名としてのルチルは「金紅石」の事で、針水晶の針の部分単体の名称。 それを含む水晶だから「ルチルクォーツ」と言う名称になる。
パワーストーンとしては実は水晶より力が上(ルチルの効果も重なるため) 特に金運に効果があるといわれている。
(-33) 2016/08/01(Mon) 21時半頃
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― 薔薇園 ― [声をかければ大げさなほどに驚き咽る人間。>>82 その様子にオブシウスも意外な反応が返ってきたと言いたげに人間をじっと見つめた。
大半の人間は、オブシウスを見た途端に恐怖の呻きを漏らすか、不興を買わぬようにと怯えた素振りで従うかの反応が多かった。
その為、この人間の妙に間の抜けているが恐怖で萎縮しない自然体な態度は新鮮で好感が持てた。 しばし、人間の呼吸が落ち着くのを気長に待つ]
そうか、急に声をかけて悪かった。 ……ああ、そのままで構わない。 月を見るにはその姿勢が一番よかろう。
[どうもすごく驚かせたらしく、素直に詫びる。>>83 何やら寝転んだまま話すのが居心地悪そうな素振りだったので、特に気にしていない事を端的に告げてそのままの姿勢で会話をしやすいように視線を寝転がる人間から月へと移す]
(99) 2016/08/01(Mon) 22時頃
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/* やっと落ち着いたから、回想の補足をば。 ・旅人(吸血鬼)は白い髪を持っているという事以外は、今現在でも知らない。 ・嘘つき村人と別の村人の死亡に関しては旅人が殺害した訳では無い。 ・土砂崩れも偶然の一致による不慮の事故。 ・土砂崩れで生き残った村人が旅人を犯人に仕立てようとして殺そうとしたから返り討ちにされた。 ・シェニに命を差し出せ、と言ったのは村人が怒らせたから落とし前的なあれ()
とまぁ、白髪の吸血鬼は謎のままでございます。 謎の演出で性別も曖昧にしたらゴーストさんまで曖昧だった事に草を生やしてしまったのは内緒( ˙ ꒳ ˙三 ˙ ꒳ ˙ )
(-34) 2016/08/01(Mon) 22時頃
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[「素敵な月夜ですね」と言われてもう一度、月から人間へと視線を移すと、屈託無く笑う顔があった。 それを見て、オブシウスはふっと目を細めて笑みを見せる。 自らが美しいと思うものを同じように思える相手がいるのは久しく無い出来事であった]
そうか、お前にはあの月が美しく見えるか。 私もそう思う。 ……この闇世では月ですら見る者によって形を変える。 見る者によっては月すら見えない真の闇の場合もあるらしい。 美しいと思えるものが一つでもあれば、闇世でも生きる励みになろう。
[恐らくはマスケラに吸血鬼への贄として連れて来られた人間だろうと推測し、オブシウスは遠回しに人間が今後辿るであろう過酷な道程への慰めの言葉をかける。 しかし、オブシウスの表情はフィオレに背を向け月を見上げたままだったので、どんな表情をしていたか窺い知る事は出来なかった]
ああ、そうだ。 私はこれから館の主であるマスケラのもとに行くつもりだが……。 お前は……ふぅむ。
[ここまで会話をしていて、名乗るのを忘れていたと思い出して会話を一旦区切る。 吸血鬼にとって人間は下位の存在ではあったが、だからと言って礼儀を忘れるのはオブシウスの中では納得のいかない行為でもあった]
(100) 2016/08/01(Mon) 22時頃
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[見上げていた月から視線を人間に移し、影のように付き従う従者を身振りで自身の隣に並ぶよう指示を送る]
私はオブシウス、こっちは私の従者だ。 ……お前の名は?
[自分の名と従者の存在を告げ、人間の返事を待つ。 そうして会話が一段落すればもう一度、先程の自己紹介で中断してしまった会話。 マスケラの待つであろう食堂への道案内の話をしようと考えた。
もしフィオレが未だに起き上がるのが辛く、求められれば手を貸したかもしれない。弱いモノを助けるのに特に理由は必要なかった。 が、自力で起き上がろうとするなら何も言わずにその様子を見守っただろう。**]
(101) 2016/08/01(Mon) 22時頃
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/* めっちゃ手借りたいです( でもフィオレの性格的に自力でよたよた起き上がりそうなんだよなぁ…
多分この子は自己防衛機能がない。 ないから、捕食者(吸血鬼)が相手でも怯えないし身構えないし畏怖しない。
(-35) 2016/08/01(Mon) 22時頃
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/* オブシウスおじ様、気に入った相手には優しいな……。 気に入らなかった時は恐ろしいほど態度違うけど。
たとえば串刺しにしたりー。 串焼きにしたりー。
……と、中の人が言っている。 人を串刺しマニアみたいに言うのをやめてほしい。
(-36) 2016/08/01(Mon) 22時頃
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- 廊下 -
[窓の外は紅い薔薇。 歩く度に足が沈むのではないかと思う絨毯。 華美を良しとしない教会の生活では全て知らぬ世界。
子供の様にあちこち見まわしていると、目の前に 知らぬ者が現れた>>70
衣装を見るに地位は高そうだ。 ここの主か、主を知る地位にはありそうだったが、 紡がれる金の文字が呼び主と教えてくれた。]
吸血鬼、か。 不可思議な力は持つべきかな。
最期に人ならざるものと関わる事が出来たのだから。
[契りを交わす。 その意味を問う手も金の文字は望みの言葉を紡がない。
全て彼の掌の上かと思えば腹も立たぬ。 腹は立たぬが、空きはするらしい。]
なんだ。この世界でも空腹はあるのか。
[万能の世界かと勘違いしそうになったと付け足して、 服の裾を引っ張るピエロの姿に目を丸くする。]
(102) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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随分可愛らしい案内人だな。 ありがとう。 では少しお腹を満たさせてもらうよ。
ワインとパンと肉を少々。
[それ以上は贅沢だと教えられた。 教えた師父の前に並べられた食事は贅沢では無いのか。 それを問う機会も勇気もなかったけれど。]
それでは少し寛がせてもらうよ。
それにしてもここは不思議なところだ。 身体が軽く感じるよ。
[主が最後に紡いだ金は急かすピエロのお陰で認めることは 出来なかったが、久しぶりに軽い身体が 何かを感じていたかもしれない*]
(103) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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[林檎を齧りながら周囲を伺っていたら、また違う方向から声が掛かる。>>96 創世記とはまた古いものを、と思いながら口の中の林檎を飲み込んで]
あぁ、イヴが蛇の誘惑に負けて先に食べてしまったんだっけ。 そのせいか、女性は誘惑に弱いとされているようだけど。 アダムが口にしたところで神様とやらに見つかって、慌てて喉に詰まらせたのが喉仏だとも言うね。
[言葉の主が聞いていたかはさておき、それに関して思い出したことを聞かせるともなく返す。 仮面の吸血鬼が先の問いに答えるのが聞こえたから>>67、 彼のほうも恐らくそちらに気が向いたかもしれない。
創世記に合わせたか偶然か、仮面の吸血鬼が例えに出したのもまた林檎の実。 それにあわせて語られる「闇世を壊す方法」に、珍しく感情の色を濃くしたか]
新たな世界、とか、私たちにアダムとイヴを演じろ、と? んん?違うか、似たようなものか、結果が同じなら変わらないか。
[砕け散る二つの林檎。 世界が壊れたら、と言うその言葉>>68は男の望むところだったから]
面白いね、上手く行く保障はないけど、面白い。
[普段より若干笑気を帯びた声音でそう言って、齧りかけの林檎をちろりと舐めた]
(104) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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人の子を迎えに行くのかい? どんな者が来るのか楽しみにしているよ。
[楽しげに食堂を後にする仮面の吸血鬼を見送る。 不機嫌そうな同胞の反応はどうだったか、笑えばきっと華やぐだろうと思うが、下手に口にして機嫌を損なうのも困るのでやめておくが。 もう一人、一見愛想の良い同胞が手を振り外へいくと言うなら>>97 此方もひらりと手を振って見送ろう]
行って来るといい。 ああ、人の子に会ってもあまり驚かさないでやっておくれ。
[大事なお客様らしいからね、と一応言ってはみるがどうするかは彼の自由だ。*]
(105) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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[小さな唸り声が、廊下に響く。>>84 犬より低いそれに、身体が竦んだ。
怒っているんだろうか。 背中を向けたら飛びかかってくるんだろうか。 王宮の庭で飼われる番犬が侵入者に噛み付いていたのを思い出して 逃げ出しそうになる足を堪え、睨むように見つめ続ければ。
程無くして、止んだ唸り声にほっと小さく息を吐いた。 それ以上動物の方から縮めてこない距離を見る限り、 飛びかかろうとする前触れも感じられない。
怒ってたわけじゃないのかな。]
貴方、ここの子と違うの?
[問いかけに傾いた動物の頭に合わせて、わたしも首を傾ける。>>85 まるで言葉がわかるみたい。 意思が通じているんじゃないかなんて都合がよすぎるけど、 人間くさいその反応ちょっとだけ嬉しくなったから。
動物の高さまで視線を合わせたわたしは、 おいで、と手招きを。]
(106) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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[ゆっくりと縮まる距離。 招く掌へすり寄せられたのは、ふかふかの頭。
混じりけのない白の綺麗な毛並みを撫ぜれば、 尖った耳先が微かに動くのが見え、くすりと口元が綻んだ。 わたしは壁に隠れるのをやめて、もう片方の手も伸ばし 両手の指で頭から胴体に向けて毛並みを撫ぜてみる。
ふかふかで抱きついたらとっても気持ちよさそう。 どこまでさわってもいいのかな。
大人しく触らせてくれるその鼻先を見つめながら、 心細さと警戒心が解ければ次は湧き上がる好奇心に、 珊瑚色を細めていると。 不意に、スカートの裾を引っ張られた。]
もしかして、連れてってくれるの? あ、ちょっと待って。強く引っ張らないでね。
[身体の線に沿って落ちる、柔らかい布地に注意を促せば わかりきってると言うように視線を向けられた気がした。 その通り、引っ張る力はとても優しいもので。
やっぱり言葉がわかるみたい。 だなんて、まるで本の中か夢物語みたいなことを考えて わたしは毛並みから引っ込めた手の指で頬をつねってみた。
ちょっとだけ、痛かった。]
(107) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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/* ええ、まあ、あれです
イタリアの男だからね、息をするように口説くよこいつ(イタリア人への偏見である) 実際、イタリア人に「何ですぐ女性を口説くのか」って聞いたら 「何で口説かないの?」って返ってきたらしいからな……
え?天然口説き魔はいつもだって?
(-37) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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- 食堂 -
[ピエロに連れられて導かれた先は やはり普段はお目に掛かれない豪奢な食堂。
シャラシャラと飾りが触れあい音を立てるが、 少し無作法にも思えて、耳飾りを押さえながら食堂へと 足を踏み入れた。]
案内ありがとう。 もう皆さんお集まりなのかな。
[扉に入る前に一礼すると、ピエロに視線を向けて感謝を口に。 そして食堂に集まっている人影を見付けると、 同じく一礼して音を立てない様に近付いた。]
(108) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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初めまして。私の名はギュルセルと申します。 図体だけの人間ですが、よろしく。
[頭を下げたのは、同じ金でも、柔らかい文字では無く、 針の鋭さを感じさせる髪の男と黒を基調とした ドレスを纏った令嬢へ。
見たところ人間なのか人ならざるモノなのか。 判別し難いから、私は私で名乗るだけに。]
ところで私はこう言う席には不慣れなのですが、 席は決まっているのでしょうか?
少し何か口にしたいのですが、何処で食べれば。
[まだピエロが傍にいるなら、尋ねれば良いのかも知れないが、 折角出会った人たちだ。
普段なら声を掛ける事も出来無さそうな人たちかもしれないから。 思い出と言うには少なすぎるが、貴重な会話の機会。 無礼と怒られるのは承知の上で問い掛けた*]
(109) 2016/08/01(Mon) 22時半頃
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[例え目に映る姿形が違っていても、同じ『月』を見て綺麗だと気持ちを共有することができるのは嬉しいものです。 ですからぼくは、Sirの言葉ににこにこと目を細めました。>>100 月を見ていたSirには、後ろの地面で寝転がるぼくの顔なんて見えなかったでしょうけれど。 それは、ぼくがSirの表情を見ることができないのと同じ。
ふと、月を向いて月影を背負うSirの姿が、ぼくには月の表側と裏側のように思えました。 生きる励みになるだろうと、まるで憂い慰めるような言葉と声色のせいだったのかもしれません。
ぼくには青い双子の月に見えますが、Sirの目にはどのような月が映っているのでしょう。 気になって尋ねようとした矢先。 呼吸ひとつ先に音を発したSirに、ぼくは居なくなった仮面の彼を思い出しました。]
(110) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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[寝転がっていたために、もう一人の存在に気づいたのはその人がSirの隣に並んでからでした。>>101 流石にさきほどのようにびっくりはしませんでしたが…。
青い月明かりの下。 従者と紹介された男性の顔は死人のように青白くて、ぼくの心臓はまたドキドキし始めてしまいました。]
オブシウス、様…
[教わった名前を確かめる様に呟いて、ぼくはもう一度二人の姿をじぃーっと見つめます。 彼が人か吸血鬼かは分かりませんが。 従者がいると言う事は、きっと身分の高い方なのでしょう。
でしたら、いつまでもこうして寝転がっているのは流石に失礼過ぎるとぼくだって思います。 よっこいしょ…と、まるで体の不自由な老人のようにのろのろと起き上がり、ぎこちなくお辞儀をしました。 ぎこちないのはお辞儀に慣れていないからではなく、杖も無しに立つのが久しぶりだったからです。]
(111) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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はじめまして。 ぼくはフィオレといいます。
[孤児院では、フィーやフィオと愛称で呼ばれることもありましたけど。 ぼくは尋ねられた通り、生みの親から与えられた最初のギフトを告げました。]
マスケラ様の元へ行かれるのでしたら、ぼくもご一緒していいですか?
[お庭から見ただけでも、目の前のお屋敷は孤児院と同じぐらい広そうですので。 何も知らないぼくでは、彼の元へ辿り着くのに一体どれだけ時間がかかるでしょう。
あぁ。誕生日に弟たちがプレゼントしてくれた樫の杖を置いて来たのは失敗でした。 闇世へ来てから後悔しても遅いのですけど。
一日の殆どをベッドの上で過ごしていたぼくの足はすっかり頼りなくなってしまいましたが。 同行を許されれば、あまり遅れないよう懸命に足を動かしました。*]
(112) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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/* ここへ来て、フィオレはマスケラを呼び捨てだったか敬称を付けていたか忘れて悩むという…
もういいや。 全員基本は様付で( と開き直ってここに至る。 孤児だから身分低いもんな!
(-38) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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[立ち上がれば、廊下を歩き出す後ろをついていく。 今見つめているのは足取りに合わせて、左に右に揺れる尻尾の先。
わたしの速度に合わせてくれてるのか ゆっくりと数歩先を歩く毛並みをまた撫ぜたいなぁ、なんて。 掌をうずうずさせていたら、長く続く廊下をぬけたところで ぐにゃりと視界が歪んだ。
慌てて足を止めて目を擦れば。 目の前にいたはずの白くて大きな動物が消えて。 代わりにそこに居る若い男の人を見上げ、珊瑚色を丸くした。]
えっと、あの。わたしは、コーラリア。
[訊かれたことに反射的に答えながら、 立ち尽くしてぽかんと口を開けたわたしは きっとすごい間抜けな顔をしていたはずだ。 動物が、人になった? それとも、人が動物だった? 再び歩き出そうとするその背中に気づけば咄嗟に手を伸ばし 黒い服の裾をぎゅっと掴んだ。]
ま、待って。待って! 貴方……あの犬、なの? ここでは人が動物になれたりするの!?
[もしかして、わたしもなれたりするのかしら。
まるで本の中の、夢物語。 期待にきらきらと目を輝かせて問いかけながら。 廊下の先に見えた食堂に、今度は並んで歩きながら向かおうと。]*
(113) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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[部屋の扉からそっと廊下を覗けば、話声も聞こえず静かだったかもしれない。 見慣れない内装、見慣れない廊下。 窓の外をみてみれば薔薇園が広がっていたかもしれない。
そっと音を経てないように部屋を抜け出せば、くるりとその場をまわってみたけれど。 やはり此処が何処だかさっぱり分からなかった。]
………ここ、どこ?
[自分の住んでいた所の近くでは無さそうなのは確かだ。 少女をこのような綺麗な部屋に寝かせてくれる親切な人なんて、あの街には誰一人いない。
ならば、ここは。
ぐるぐる、ぐるぐると内心不安が渦巻くのだが、顔には出さないため相変わらずの無表情。 困っているようには微塵も見えないだろう。 そのまま少し廊下を歩けば、ふらふら歩いている紫色を見つけたような気がして>>97追いかけてみる事にしたのだった。*]
(114) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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― 廊下 ―
[何気無く散歩がてら廊下を歩いていたら、窓から薔薇庭園と、薄汚くドロドロとした月が青紫は捉えていた。 見る者によって見え方が変わるという月。当然自分は綺麗に見えるとは思わなかったが。]
……分かってるよ、クソが。
[そう毒吐いていたら、見覚えのある同胞が見える>>101。誰かと一緒みたいではあるが>>83。 先ずは同胞の方に意識を向け、内なる何かを燻らせながら彼を眺める。 何年前か、何十年前か忘れてしまったけど。 人間の、それも死者を連れて歩く同胞には並々ならぬ想いを禁じる事は出来ない。 だってねぇ、僕は吸血鬼に殺された訳だし?
指を宙にくるくる、と二回転。 何も無い空間に生まれるのは目玉。瞳の部分は口になっている異形ではあるが、一個の幻を作り上げれば、オブシウスに向い指を指す。 目玉の化け物はそのまま窓をすり抜け、目的の吸血鬼へと言霊を伝えてから霧散させよう。]
(115) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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[言霊を伝える声は常と変わりは無い。 人間を殺した吸血鬼に対して恨みは持てど、それを表に出す程若くは無いのだ。]
やぁ、また会えたね? 君も計画に協力をするのかな? ともあれ、後でさ話しようよ、楽しみにしてる。
[後で、と言うのは同胞達にしか聞こえない声で雑談しようよ、と誘いながら。 彼の隙を狙い、見えぬ毒の言霊を浴びせようと画策していた。 年は明らかにオブシウスの方が上で、まだ若い自分では敵わないかも知れないが。 執拗な性格故か、簡単には諦めそうに無かった*]
(-39) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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/* ゴーストさんのNG、セーフみたいでよかったああああ 気をつけまする。
同世代の男の人とかあまり免疫はないはずなんだけどね。 狼で出会ったせいか、リアントへの警戒心がぐんと下がってしまったこのコーラリア
(-40) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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[幻の魔物を消してから唇に弧を描かせて歩いてみたら。 どことなしか人間の匂いが漂う。何処から? 此方の様子を伺っているのか、後をつける女の子が一人>>114。 ぴたりと歩を止め、ゆるりと首を傾げ暫し思考。
人間だし少し驚かせてやろうか?なんて思ったけど。 同胞に止められた手前>>105、彼の顔を立てるつもりで一応悪戯は自重した。 彼女の様子は如何だっただろうか? やぁ、と声を上げてから。]
ねぇ君、何で僕の後をつけたのさ。 そんな事しないで声を掛ければ良かったのに。
[女の子は何かの事情があるのは分かるのだが、何も言われず後を付けられるのもどうかと思う訳だが。 素直に思った事を口にしてから、改めて名乗りは上げよう。]
僕はシェニ、っていうけど、君は誰かな? まぁこんな所に居ても始まらないから、食堂辺りに行く?
[中々上手く話せ無い事情を持っているなんて気付かない自分は一方的にペラペラと話すが。 彼女はどう反応するのか、何を言ってくるのか分からないまま*]
(116) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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/* ごほっ、ごほっ!! シェニからの負縁故キターーーーーー!! こちらの設定が設定だけに誰かから来ると思ってましたが、いざ来るとどっきどきが止まらなくてはわhわはわあ(中の人が狂乱中)
うん、負縁故苦手だけど頑張るっ!!!
(-41) 2016/08/01(Mon) 23時頃
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[林檎を齧りつつ話をしながら自身は最初に座っていた席へ戻ると、シャラリと何かが擦れる音。>>108 それに惹かれて顔を上げたなら新たな姿が見え、それが人の子であると気付けば興味深げな視線を向けただろう。 身を飾る装飾が音を立てぬように気遣いながら礼をする様子に、厳しく躾けられたらしい様子が伺えたか]
初めまして、だね。ギュルセル。ようこそ闇世へ。 私の事は…そうだね、ルチル、と呼んでくれればいい。
[吸血鬼とまでは言わないが、闇世の住人であることと、薄く笑う際に覗かせた鋭い犬歯で正体は知れるだろう。 図体だけと言うが、礼を弁えている様子は好ましく、また、必要以上に臆していないところも退屈な男の興味を引いたか]
そんなに畏まる必要はないよ。 席は特に決まってはいないから、好きなところに座ると良い。 それと、ここは特別でね、席について食べたい物を願えば出てくるよ。
[そういうとテーブルに向けて一言二言呟いて目の前に料理を呼び出す]
こんな風にね。
[と、現れたジェノベーゼのパスタを示したなら反応はどうだったか]
(117) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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私が出してもいいけどね。 でも、今君から「対価」を貰うわけにはいかないだろう?
[ここで言う対価が何かは察しがつくだろうか。 それでも気まぐれにひらりと手を動かし、掌中に今度はオレンジを呼び出す]
お近づきの印、と言うわけではないが、ね。
[そう言ってオレンジをギュルセルの前においた。 受け取るかどうかは、彼の自由だ。*]
(118) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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───パチンッ
[真っ先に聞こえたのは、木枝が炎に爆ぜる音。 なじみがあるはずの音に、かつてないほどの安堵と尊さを覚えるのは初めての体験だ。 なるほど、目前にまで迫っていた死から生還すると、あらゆる事象に対する価値観が変わるらしい。 目を覚まし、床に這いつくばるようにしてから起き上がる]
……、なんだ…分かっていたんじゃないか…。 だったら、もっと早く迎えにきておくれよ…。
[雪山に似つかわしくない風貌の彼に対しても、別段驚いた素振りを見せずにあっさりと会話にのる。 出されたスープを口に運び身体を温める。 これは夢か、あるいは現実か。これが現実でなければ、わたしは既に死んでいるのだろうな。死後の世界というものは、存外良いものだ]
(119) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[己の生死はともかく、何かが目の前に起こっているならば、己が思うがままに進むしかない]
会ってみたいよ。 会ってみたいから、わざわざ死ぬ覚悟でここまで来たんじゃないか。
[まるで親しい友人と言葉を交わすような気軽さで、その提案を受け入れる]
ぜひ、連れて行ってくれたまえ。 なぁに、今まで居た世界にはさほど未練はないよ。わたしはきっと、死んだものとして扱われるだろうね。
[己の顛末を滑稽なもののように片づけると、示された方へ目を向けてから立ち上がる。 雪山で消耗していた体力は、自力で歩けるほどに回復していた。すっかり軽くなってしまったリュックを背負って小屋の扉を開く]
(120) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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─闇夜─
[外に出れば、そこは無音の世界だ。 漆黒の闇に塗りつぶされたような空には星一つ瞬いていない。夜の帳とは正にこの事か]
……館…が、あるね…
[林の中を抜けていくと、館のような建造物が見えてきた。 ふと足を止めて振り返ると、先ほど己が出てきた山小屋は既に消失している]
ふむ…、あそこに行けば良いのだな。
[こちらの住人に招かれたと解釈してよさそうだ]
(121) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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─ 紅薔薇の屋敷・回廊 ─
[こつん、こつん、と影が歩く。 伽藍堂の筈の屋敷の中に、いつの間にやら複数の気配。どうやら『お客様』が集まり始めたらしい。 姿の見えない誰かは、大仰にふうむと息を吐き、耳を澄ませた。
自重じみた呟き>>28、 好意的な配慮に含ませた毒>>31、 誰かが走り回る音や蝙蝠の羽音>>48、 戸惑いを含む小さな問い>>47、 月を見上げた呟き>>55、 死者の足音をを連れた軍靴>>56、 高いヒールの音>>65……、
どうやらまだまだ増えそうだ。 さて、何処へ遊びに行こうか。楽しそうなのは、どの辺りだろう。迷子の誰かを攫ってしまうのも愉快だし、気の強そうな子を揶揄って遊ぶのも好い。
そうしてうきうきと思案をする耳に飛び込んできた次の音>>71に、影の足音がぴたりと止んだ。 誰もいない回廊の窓硝子には、幽鬼のように佇む誰かの姿が映り込む。 『それ』は、ゆっくりと、滲むように口元を歪めた。]
(122) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[先ほどの彼は、先回りしてこちらに到着してるのだろうか。 この館自体にも興味は尽きぬが、やはり中に居るであろう”住人”が気になる。 建物の前までくると、迷わず扉を押し開ける]
さて、案内はいるのかな…? それとも、勝手に入ってしまって良いのだろうか。
[招かざる客ではないと分かっているからか、初見の場でも恐怖より好奇心が勝る。 まずは、誰か話の出来そうな人物を探してみよう、…───。**]
(123) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[林檎の男がふっと手のひらから林檎を呼び出しつつ>>93自らの名を呼ぶのを聞いた時、思い出した。 ああ、この男は"ルチル"と名乗っていたっけ。どこで会ったのかは思い出せないし、正直そこまで興味もなかったが。]
……ええ、ルチル、それくらいかしら。 ご機嫌麗しゅう。
[出された林檎を手に取れば]
ありがとう。あら、紅い。本当凄いのね。
[無から何かを生み出すその能力に、すっと目を細め。 無へと帰してしまう自らの能力よりも、有益で、高尚なようにも思えた。 手の中には紅く、艶やかな林檎が収まっている。]
不満……ね。 そうねぇ、禁断症状が酷すぎて、早く血を吸いたい、くらい。
[シャリ……と音を立てながら林檎に牙を当て。瑞々しい果汁が口に広がるけれど、どこかそれは灰の味がした]
(124) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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…──嗚呼、莫迦なセルゲイ。 『鍵のかかった部屋には、入ってはいけない』だなんて!
[くつくつと喉を鳴らす。 酷く楽しげな声は、わん、と静謐な回廊の空気を揺らした。 かつん、と、また足音が続く。]
秘密は、存在する事自体を隠してしまえば暴かれる事も無いのに。 …ふふ、莫迦で、可愛いセルゲイ。 いつまで経ってもそうだから、御前は付け込まれるのにねえ、例えば、僕に!
[からからと嗤った影は、先ほど自身が後にした棺の部屋を思い出す。 鍵の有無なんて生まれてこのかた気にした事は無かったけれど、気配を探れば成る程そこには重厚な幾重もの障壁が施されている。 ヒトの子はおろか、例え吸血鬼であろうと立ち入る事は出来ないだろう。]
お姫様への置き土産は喜んでくれるかな… 僕としては、久し振りに、御前が激昂するのを見たいのだけれど。
[余裕ぶった物腰の仮面の青年を思い浮かべ、影はまたひっそりと笑う。 透明な棺の中、その名に相応しい紅い花弁に包まれて眠る少女の胸元に添えられた、酷く甘ったるい香りを放つ無垢の白い花。 薔薇とは違うそれを見付けたら、彼はどうするのだろう。
再び歩き出した足音は、幾つかの気配のする方へ。 『ここに居る』と言わんばかりのそれは、眠る少女へ贈られた花の芳香のように、無遠慮な存在感を撒き散らして広間へと消えていった。*]
(125) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[そうして林檎をひと齧りした所だったか。こちらへ向かってくる同胞の姿を目に捉え>>96。 アダムとイブ、禁断の果実>>104。そして、世界をぶつけて消滅させる、闇世のコト>>68。]
あぁ、この果実が禁断の果実だとしたら。 さしずめ、私はイブ、あなたはアダムってとこ?
[少しだけ伸び、こちらもブルーと黒で彩られた人差し指の爪先で、すっとルチルの喉仏を指差せば]
詰まらせないように、お気をつけ遊ばせ? ……なんてね。
[不機嫌には不機嫌なりの、冗談も、言うのだ。]
(126) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[仮面と愛想の良い吸血鬼を見送ったあとで、指先で林檎を弄んでみれば、また。今度は入り口のほうからやってきた人間に声を掛けられる>>109
長いこと、同胞とも人間とも会話をしていなかったからだろうか。どうにも愛想の振りまき方など忘れてしまっているな、と自分でも思いながら。
久しぶりの人間の"匂い"に、きゅっと目の奥が狭まる。ごくり、と喉を鳴らして"それ"を見て。――おいしそう。なんて思ってしまったのを表情に出さないように。
紳士的にルチルが彼へと彼なりの挨拶をするのを見聞きし、ああ、この同胞は、"この世"に居ても困らないだろうな、と思うのだ。人当たりの良さや社交性の高さは、餌や退屈しのぎにも困らないだろう。餌が無くなればぼんやりと、木製の椅子に座りながら機会を待つ、そんな私とはきっと、違うのだ。
尤も、彼自身がこの世界に飽いていることなど、 知るよしも、ないのだけれど。]
あー。私は、ファシリア。 ようこそ、闇世へ。
[もし目の前の人間がこちらへの自己紹介を求められるなら。 簡潔に、素っ気なく、そう答えることしかできないかもしれないが。*]
(127) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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/* 右手にロリコン(セルゲイ) 左手にマザコン(キング) 傾かざる紅薔薇の天秤…
(言ってみたかっただけである)
いや、キングであってた…よな…? 前村で紅薔薇を演じる際、ちょこちょこ裏設定聞いてたので多分ゴーストの正体はマザコンの彼だと思うのだけど…
(-42) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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学者 フェイは、メモを貼った。
2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[見詰め合うこと数秒の後、 怯えと警戒の色が珊瑚色の瞳から消えたように見えて、 俺も内心で小さく息を吐いた。
ここの子と違うのって、>>106 重ねられた問いに傾けていた首を元の位置に戻す。
意思が通じるってわかったのか はたまたわかっていないのかは俺にはわからないけど 手招きをする様子からは少なくとも怖がられてはいないんだろうなって。
俺は彼女の元に四つ足の歩を進めた。
すり寄せた頭を撫ぜる手は温かく、柔らかい。>>107 ああ、血の通った人間の手だ。 胴体の方まで両の手の指に撫ぜられると くすぐったいような心地がしてハタハタと尻尾が揺れた。
撫ぜられるのはとても心地はよいのだけど、 元の姿が年の頃も(見た目はね)そう変わらない男の姿だってわかったら ショックを受けやしないかって今度は別の心配が出てきた。 それでも、どこか心許なさげだった彼女の気配が和らぐまでは 大人しく撫ぜられていただろう。]
(128) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[館の主の元までの案内を引き受けるんだったということを ちゃんと覚えていましたとも。
スカートの裾を引けば意志は伝わったようで。 勿論俺も彼女の意志はわかるわけで、 強く引かないでという注意を促す言葉に目配せを返した。
吸血鬼に招かれてやってきた人間なのだから、 俺の正体にも気づいているのかな、なんて考えたりもしたけど、 頬をつねっている様子からはやっぱりよくはわかっていないみたい?
まあ、ここが夢の中ではないってことはすぐにわかるだろうから、 俺は今は何も言わず(このままでは喋れないんだけども) 案内をするために歩き出す。
でもやっぱり喋れないというのは不便だ。 せっかく会った人間と喋らないというのはどうにも歯がゆいもので。
我慢できずに元の姿に戻ったってわけ。]
(129) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[名前を尋ねたら、返事はちゃんと返ってきた。>>113 だけど彼女はびっくりしたような、 呆気にとられたような顔をして俺を見上げている。
夢じゃないってわかったかなって歩き出そうとしたら 服の裾が引かれる感触がして彼女のほうへ振り返った。]
よろしく、コーラリア。 えっと、さっきのは犬じゃなくてー、狼だよ?
[問いかけとはちょっとずれた回答だったかも。 でも、続いた言葉に思わず小さく吹き出した。]
ここでは、っていうか、うーん。 俺以外の吸血鬼はどうなんだろう。 いろんな奴がいるからさ。
[人それぞれ?吸血鬼それぞれ違った能力があるから 同じことが出来る奴がいるかどうかはわからない。 首を傾げながらそう言って。
でも何だか彼女は嬉しそうに見えたから。]
なれるチャンスもあるかもね?
[に、と笑ってそんな風に答えたよ。]
(130) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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[もう食堂は直ぐ先で、今更って感じだけど 紳士らしくエスコートしようと手を差し出してみたら 彼女の反応はどうだったろう。
並んで食堂に入れば、そこにはまだマスケラはいただろうか。 出て行こうとしているところだったか。>>69
その姿が目に入ると、俺は遅ればせながらちゃんと挨拶をする。]
ここの廊下は広くていいね。
[挨拶もそこそこに廊下で遊んでいたってことには悪びれる様子もなく。 でもちゃんと迷子になりかけていたお客様に道案内をしたんだから 怒りはしないよねって顔をしておいた。
食堂にはもう何人かの吸血鬼がいるようだ。 人間のお客様の姿もあっただろうか。>>108 入れ違ったりしてしまった者もいたかもしれない。>>115
物珍しげに食堂内を見渡して。 ついでに何か食べ物はあるかなって考えてたりもする。*]
(131) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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/* すみません、全然ログ読めてないからね…!!← 話かけるにしても、流れが読めてないからむりなの。明日から本気出す。ごめん、ごめんよ
(-43) 2016/08/01(Mon) 23時半頃
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- 食堂 -
[どの様な答えが返ってくるかと構えていると、 この場所に負けぬ金の髪の青年が名前を返してくれた>>117]
ようこそ、と言う事はこちらの方と言う事ですか。 宜しくお願いします、ルチル様。
[視線は針の様に刺すものではないが、 その牙は皮膚を貫くには足りる物の様だ。 挨拶の内容と、その牙から、仮面の主が口にした 吸血鬼を彷彿とさせる。
だがそれ以上の問い掛けを今はせずに、名を間違えぬ事に 気を注ぎ、最初に呼ぶ名は丁寧に音を紡いだ。
シャラとまた音がして、耳飾りを押さえながら 食卓の席の説明を聞く。 聞いたが、少しおかしな説明を聞いた気がして 訝しげな視線をルチルへと向けたのだが。]
(132) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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……え? え? ……パスタ?
[実りの色を思わせるパスタの登場に、長身の腰を折り 不思議そうにパスタの皿に顔を近付け、コンコンと テーブルを叩いてみた。
種も仕掛けも無さそうだ。]
随分便利なものですね。 ですが生憎私は物を知りません。
望みのものと言っても、ミルクやワイン。 大麦のパンとベーコンと卵焼き位しか……。
[口にはしたが、随分恥ずかしい事を暴露している自覚があった。 何も知らぬことを曝け出す恥ずかしさに、 目尻が熱くなっているが、 褐色の肌が赤の色を隠してくれている事を願うのみ。]
(133) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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対価、ですか。 私が差し上げられるものがあるなら、 なんなりとと言いたいところですが。
ご好意に感謝します。
[テーブルに願うのは恥ずかしいが、 ルチルの言う対価>>118を差し出しても 相応しいものを願えるかも怪しい。
何より差し出す対価の色まで黒く染まっていたらと思うと。 おいそれと差し出せず、途方に暮れかけた。 だが助け船の様に差し出されたオレンジに、 綺麗な色に惹かれる様に手を差し出す。
偽か否かを確認しよう等は思いもしなかった。]
有難く頂きます。 瑞々しい食べ物は好物です。
[ほんの少し力を込めただけで果汁を滴らせそうな オレンジに笑みを浮かべて改めて頭を下げた*]
(134) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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― 薔薇園 → 廊下 ― [自己紹介を聞き、了解したと言うように頷く>>112]
フィオレか……、分かった。 では着いて来るといい。
[懸命に足を動かすフィオレに合わせて普段よりゆったり歩く。 自力で歩こうとする意思があるならば、介助など無粋というもの。 オブシウスは特に何も言わず、懸命に自分の足で歩こうとするフィオレの様子を見守り歩く。
と、そこに飛んでくる目玉と口で出来た誰かの使い魔らしいモノ>>115]
あれは……。
[オブシウスにしか聞こえない声で囁かれる声はシェニのもの。 あの親しげな態度と口調の同胞、しかし、その瞳に宿る光は紛れもなく――……。 傍にいるフィオレには聞こえぬ吸血鬼特有の声を発する]
(135) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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[親しげに誘われれば了承の返事を送る]
久しいな、シェニ。 私も故あってこの計画に参加する事になった。 話……か、分かった、覚えておこう。
[どこか楽しげな調子すら含めてそう誘いに乗る。 親しげな言葉とは裏腹に隠す事の出来ない毒の宿る瞳。 数多の修羅場を潜り抜けてきた経験の差から、その毒に勘付いていたとしてもオブシウスはどこか期待を抱いていた。
自らを断罪するに足る存在が現れる事を――……]
(-44) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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― 廊下 → 食堂 ― [ふっと、楽しげな笑みがオブシウスの口元に浮かぶ。 それはフィオレと月を見上げて笑いあった穏やかなものではないもっと別の――]
……ああ、もうすぐ食堂だな。 恐らくはマスケラがいるはずだ、挨拶をしてくるといい。
[どこか心ここにあらずといった様子でフィオレに告げる。 もしかしたら、誰かにすれ違ったかもしれないし、会わなかったかもしれない。 しかし、オブシウスは先程のシェニとの会話を反芻するようにどこか遠くを見ていた。
もしフィオレがどこかに行くのなら、オブシウスはその場で見送っただろう。**]
(136) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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/* ………ちほうろうz(殴 ふわっと全員と接点持ちたいんだけど、異常に眠くてだなぁ… 間に合うんだろうか…色々と…
(-45) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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[友好的に声を掛けてくれたルチルとは逆だったのは もう1人の令嬢だった。
彼女もまた闇世の住人のようだ>>127
何かを耐えているなど、出会った直後で見切るなど出来ず。 素っ気ない挨拶も、貴族然として見えた。
私など語る相手には不十分なのかもしれない。]
初めまして、ファシリア様。 折角お話されているところを邪魔してしまい、 申し訳ありません。
どれも私が見たことの無いくらい豪華で綺麗な世界なので。 知らずに無礼を働いていたら注意して下さい。
[言葉通り何が常識で無礼かなど判りはしない。 ただ入った瞬間、まるで絵の様だと思わせる室内と そこにいる2人の姿を穢すのは嫌だなと 素直に思ったから口にしていた*]
(137) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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/* なんと言うか、こう、穢したくなっちゃうよね!凄くそわる訳で、僕どうしよう( ˙ ꒳ ˙三 ˙ ꒳ ˙ )
(-46) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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[ファリシアが此方の名を呼ぶのに、ほんの少しだけ意外そうな色が浮かんですぐに消える。 ご機嫌が麗しいか、というのはこの際お互い様なので受け流し>>124]
名を覚えていてもらえて光栄だね。
[などと冗談めかして返したか。 手の内に納まる林檎について落ちた言葉の、 その影にあるものを読み取れるほどの興味はなかったが]
私自身はあまり良い力とは思っていないけど、ね。 でも、便利な事は便利かな。
[極稀に人の世と闇世を繋ぐ力をもつ吸血鬼がいる。 そういう連中の望むものを対価に道を開けて貰うことは何度かあった。 そして、血を貰う代わりに望むものを与えると言えば、 人の子は、特に困窮した物はわりとあっさり首を差し出すものだから。 とはいえ、最近はそれも殆どしなくなったけれど]
禁断症状か…それは難儀だ。 でも、もう少しの我慢じゃないかな、それは。
[彼女の持つ禁断症状については知らないが、吸血の欲求を抑えるのが難儀な事は男もよく知っている]
(138) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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[そうして続いた計画や創世記の話に混じっていれば、 かけられた言葉>>126にほんの一瞬林檎を詰まらせかけ、飲み込んで]
いや、どちらかと言えば、私は蛇の方かもしれないよ? 君のようなイヴなら歓迎するけれど、ね。
[など、やはりどこか淡々と返す、その喉元を爪先で撫でられたなら 軽く手を上げて降参のポーズなどしてみようか]
ああ、気をつけるさ。 私たちにとってのアダムかイヴを見つけなければいけないしね。
[吸血鬼同士ではアダムにもイヴにもなれない、なんて 冗談にもなりはしないけれど。*]
(139) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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[周遊する足音から、するりとひとつの小さな影が飛び降りる。 ミャオ、と小さく鳴いたそれに、姿の無いゴーストが笑いかけた。素早く走り出した仔猫の影を追うわけでもなく、そぞろ歩きの靴音をおいて仔猫は広間の先まで駆け抜けた。
ミャオ、ナァ、と小さく漏れる鳴き声が、少しずつハッキリとした意味を持つ。 食堂へと入り込んだ頃には、影だけの仔猫は甲高いキィキィ声で誰彼構わずこの世界の言語を喚き散らした。]
『ゴーストが出るよ! ゴーストが出るよ! 紅薔薇様の御屋敷には、 有相無相のゴーストが出る! 【鏡の中の自分に】 【カップの水面に】 【窓硝子の向こうに】 【磨かれた食器に】 自分の姿に似た向こう側の誰かに御用心! "映るもの"には御用心!』
[喧しいキィキィ声の主は、捕まえようとすればあっという間に逃げてしまうだろう。 走り回って誰かとすれ違う度、追い払われるまでまた喚き散らす。 御用心。 姿はそこになくとも、映るものには御用心。]
『そう、秘密を暴かれたく無かったら。ね?』
[Miao、と鳴いた鈴の音の声は、果たして誰かの耳に届いたか。*]
(140) 2016/08/02(Tue) 00時頃
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/* どうも、僕です ミスリード回収と可愛いセルゲイを煽り散らかすのが基本的なお仕事です
参加者さんたちはペア作るのに時間取ったほうがいいよなー、あんまり積極的に行くのもあれだよなー ということで任意という丸投げ
(-47) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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/* 本当はこう、いろいろ刺しに行きたいのだけどな… いつでも対応出来るように拾っておこうか
(-48) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[館の気配が、ひとり、ふたりと増えて行く。 その数を、正確に把握すること等、造作ない。 何なら、どこに誰がいるかも意識すれば分かるのだ。 …そう、わかる、ハズなのだ。]
『おや?』
[自らの居住する部屋でもある、眠る彼女のいる部屋へ、至ろうとして。 ドアノブに触れたところで、ぴたりと動きを止めた男の頭上で、金文字が流れる。 感じたのは、そこはかとない、違和感。 ざわり、と背中に流れた金糸が揺れた。]
…――、
[吐息のように、彼女の名を口にしようとして、けれどそれ以上の枷が男の喉を戒めたかのように声にならない。 違和感の正体に気付けぬまま、男は閉ざされた扉を開く。 そして。
吸い込んだ空気の香りが、常と異なることに気付いた次の瞬間、少女の胸を飾る純潔の白を目にし、ひゅ、と喉が妙な音を立てた。]
(141) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[誰だ、と唸るように零した囁きは、音になったか否か。 男の周囲を紫電がバチバチと纏わりつく。 マスクの奥の瞳が、深紅に萌えたように煌いた。
足音も荒く、眠る少女へ歩み寄ると、いささか乱暴な手つきで純白の花を叩き落とす。 触れた途端に、精気を奪われたかのように萎れた白は、そのまま焦げ付いたように真っ黒な塊になって床に転がった。 バチバチと、男の周囲では火花が散る。
…しかしそれでも少女には傷一つつけない。
獣のような唸り声を零してから、床に落ちた黒い塊を踵で何度も踏みにじった。 何度も、何度も。 繰り返す内、紫電が収まり、ふーっとため息のような吐息を零して、漸く当たりの気配を探る余裕ができた。 目を閉じて、深呼吸。
ひとり、ふたり…9人、10人。 誰一人、この部屋に近づいてすらいなかった。 そもそも、結界を破られれば己が気づかぬはずがないのだ。
男から、ごっそりと表情が抜け落ちる。 それ自体が仮面であるかのように固まった表情の裏で、男はゆっくりと、思考を止めた。]
(142) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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『そう、いるはずがないんだ』 『誰も…そう、誰も、ね』
[踊る金文字は、誰が見るわけでもないのにまるで言い聞かせるかのような口ぶりである。 ぱちりとひとつ火花を残し、待とう雷が消えると、そうと伸ばした指先で少女の白い頬に触れた。 どこからともなく取り出した、一輪の紅薔薇。 それを、少女の胸元に飾ってやる。]
『…いつ見ても、君は本当に、美しい。』
[着せた深紅のドレスは幼さを残す少女にはあまり似合っていなかったが、気にする風もない。 少女の首筋に半ば覗いた紅薔薇の刻印が、生々しく男の罪を語っているが、それすら視界に映らないかのように。
ゆっくりと体を起こした男は、近くの机から革張りの表紙の冊子を取り上げ、そのページを捲った。]
(143) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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……ああ、いえ。お気になさらず?
[丁寧に非を詫びる人間>>137に、さっと左手を挙げて。尤も。"館に招かれた"という点では、自身も人間も大差はなかろう。そう気づいてしまえば漸く頬も綻んで]
……何でも出てくる便利な場所だから。 好きなものを、望むといいわ。
[私は――と手元の林檎と何もないテーブルの上。じっと見比べて逡巡したあと、そこへは薄く色づいた液体の注がれたシャンパングラス。真新しい気泡がグラスの中で弾けている。]
こんな、風にね。
[相手の分までグラスを用意するなどという気の効かせ方は持ちあわせておらず、ひとつしか沸かなかったグラスを軽く傾けてみせると、乾杯の様相を呈したか。唇をそっと触れれば、甘い香りと久しぶりのシャンパンの味が、五感を刺激していくのだ*]
(144) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[元々の身長差に加えて、萎えた足でのろのろと歩くぼくの歩みは、オブシウス様には非常にじれったく感じられるものだったでしょう。 それとも、人の目から見れば手を貸すことなく隣を歩くオブシウス様の姿は冷たいものに見えたでしょうか?>>135
ですがぼくには、自分の足で歩こうとする意志を尊重し見守ってくれることこそ、なによりの善意に思えたのです。
外から見た大きさは孤児院とそれほど変わらないように思ったのに。 廊下の様子は孤児院とは雲泥の差でした。 まるで噂に聞く貴族の館のように、埃ひとつなく磨き上げられた廊下に目を奪われていると。
何かに気づいたオブシウス様の元へ、目玉のようなものが飛んできました。]
―――…?!
[空飛ぶ目玉、なんて。 どんな辞書や図鑑でも見たことは有りませんでしたから。 今日三度目のびっくりついでに。 ぼくは思わず、黒い衣服の裾を縋るように握ってしまいました。]
(145) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[見るからに高そうな服の裾を無遠慮に掴んでしまい、ぼくは慌てて手を離します。 ひっぱったつもりはないのですが、ぼくの行動は気付かれてしまったでしょうか。 もうすぐ食堂だと告げたオブシウス様の様子は、さきほどまでと違ってどこか心あらずの様子でしたので、どちらかは分かりませんでしたが。
綺麗なお洋服を、ぼくのような孤児院育ちが掴んでしまったのは事実ですから。 咎められなくても、やっぱりお礼と謝罪をと。
ここまで案内してくれたオブシウス様に、ぼくは扉の傍でもう一度頭を下げました。]
オブシウス様、ありがとうございました。
それと…。 さっき、びっくりして洋服の裾を握ってしまいました。 ごめんなさい…。
[許されたならほっとしたように微笑むけれど。 もしかしたら、どこか遠くを見ている様子だったオブシウス様の目にぼくはもう映っていなかったかもしれない。
それは少し悲しいことだけれど、仕方のないことなのでしょう。]
(146) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[ここまで送ってくださったオブシウス様と従者の方にもう一度お礼を言って頭を下げた後。 ぼくは食堂の壁にもたれるようにしてちいさく息を吐いて、すこし乱れていた呼吸が落ち着くのを待ちました。
食堂の中にマスケラ様の姿は見当たりませんでしたが、代わりに林檎を囲んで交わされるアダムとイブの話しは聞こえてきました。*]
(147) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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聖女は元々奇跡の力を持っていた。 傷を癒し、未来を予言し、約束された勝利をもたらした。 だが、人間とは汚いもので、聖女が民衆の信仰を集めてしまったと気づくや否や、あっさりと手のひらを返した。 魔女裁判なんて、予定された結果から遡って演じられるに過ぎない。 髪を切られ、ぼろ布を着せられ、処刑を待つばかりだったかつての聖女を、彼は浚ってきたのだと、事もなげに言った。
嗚呼、お前は私のものなのに! お前に命を与えたのは、お前に居場所を与えたのは、私だったはずなのに。
これは酷い裏切りだ。 だから、私は彼に一つ、呪いを施そうと思う。
そんなに大切な女であるならば、共に滅びるが良い。 お前が伴侶と呼んだその女の寿命を、お前が引き受けるが良い。 そして…お前が大事に抱えてきたその女も、お前が滅びると同時に消えてなくなってしまうのだ。
しかし彼は、それで良いと言った。 私と共に永久を揺蕩うよりも。 彼女と共に終焉を迎えることを選んだ。
あぁ、本当に…忌々しい。
(-49) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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間もなく彼は、死ぬだろう。 女と共に、死ぬだろう。 姿かたちこそ変わらないが、流れる時がそれをはっきりと予感させる。
あぁ、あんな呪いなど、かけなければ良かった。 私は又、一人になってしまう。 また、誰かを連れて来れば良いだろうか。
否。 もう、それでは駄目だ。 思っていたより私は彼に、執着してしまっていた。
私は、孤独が怖い。
(-50) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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/* フィオレはいい子だな……。 まだシェニとの内通に気をとられて心ここにあらずですまん。 誰の嫁になるか分からんが、幸せになってほしい。
私が嫁にもらった場合は……。 自分の子供のように可愛がるだろうな。
(-51) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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/* マスケラが紅薔薇を愛し過ぎている件について…>>143
だって紅薔薇って年齢的には並みの吸血鬼より生きてそうだけど… 外見は10歳前後の少女だからね…?
(-52) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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女が、妙なモノを生み出した。 産んだのかどうかは実際定かではない。
何と名付けて良いのか分からないそれを、私は種と呼ぶことにした。 何だか、命のような何かを感じたからだ。
私は、それを彼らから取り上げることにした。 どうせ間もなく死ぬ彼らだ。 私が貰っても良いだろう。
形見。 ふと、そんな言葉が頭に浮かぶ。 これは、まるで。 忘れ形見…
言葉が頭の中で形になると同時、種が姿を変えた。
(手記はここで妙な汚れで塗りつぶされている。)
(-53) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[吹き出されて、むっと頬を膨らませる。>>130 そんなわたしの期待に対して、リアントの反応は外れを示すもの。]
そっかぁ。 誰でもなれるわけじゃないのね。
[残念、と肩を落とせば優しいフォロー。 見上げた先で笑うその瞳は、さっきと同じ色をしていて。>>129 わたしもまたくすりと笑って肩を竦めた。
驚きがおさまれば今のリアントの姿が本来のものであり。 年の頃も同じくらいに見える男の人だと今更のように自覚して 慌てて握っていた服の裾を離せば、なんとなく手を背中に隠した。 さっきあれだけ撫ぜていたのだから、本当に今更なのだけど。>>128
王宮では『王』以外の──ましてや同じ年頃の男の人に 近づく機会なんて、滅多になかった。 当然こんな風に、並んで隣を歩くなんてことも。 見上げていた珊瑚色が、落ち着かなさ気に宙を泳いだ。]
(148) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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その……よろしくね、リアント。 いろんな奴ってことは、他にも貴方みたいな人がいるのね。
[遅れて挨拶をしながら、リアントの声に耳を傾ける。 『おおかみ』。『きゅうけつき』。 鸚鵡返しに呟きながら、記憶を辿る。 王宮から出られないわたしの知識は本に頼るしかなかったけれど どちらも覚えのある言葉だった。]
もしかしてここって……闇世、なの?
[周囲を見回し窓を探す。そこにあったのは、光の射さない世界。 空と呼ぶには深い暗闇に浮かんだ、ふたつの大きな月明かり>>55 ふるりと小さく震えたのを誤魔化すように首を振った。
後悔は、湧いてこない。 ここがわたしの生きていた世界と違うとしても。 それでもわたしは、あの鳥籠から出たかったのだから。]
(149) 2016/08/02(Tue) 00時半頃
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[何がファシリアの頬を綻ばせたのか判らないが>>144 笑顔を見るのは嫌いでは無い。
顔に出来た大きな痣を受け取った娘は幸せそうに笑っていた。 何度も何度も私に感謝をして去って行った娘は 幸せだろうかとふと思い出す。]
好きなもの、ですか。
[ルチルと同じ事を言う、と私はオレンジをくれたルチル様を見た。 品の良い所作だと思うが、私と同じく作られたものだろうか。 決められた所作を守り続ける間、私は私の感情を 見られなくて済む。
何故私は他人の傷や痣や病を受け取らなくてはいけないのだろう。 そう言う宿命だと言われても、納得出来ない。 だが納得出来なくとも、答えをくれる者はいなかった。
教会では私の個人の想いを必要とせず、 聖なる者として相応しい言動のみを求めた。
いつしか私はそれを受け入れるしかなくなって、 私は私を失い、私自身で最期を選びたいとここに来た筈なのに 誰かに合わせようとしている事に気付いて。
笑った。]
(150) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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乾杯は、ワインなら知っています。
[ルチルもファシリアも仮初の姿だろうか。 判らぬまま、ファシリアが 薄い色の液体を湛えたグラスを呼び出し、軽く傾ける。
それなら判る、と、私は一度頷いてオレンジを片手に テーブルにそっと手をやった。
器の事など思いもしなかったが、この部屋に相応しい グラスに入った赤いワインが現れて。]
私からも。
[本当に出て来たワインに目を輝かせ、うきうきしている 様子を隠せないまま、グラスを同じように傾けて ごくりと喉を鳴らして胃の中へと送り込んだ*]
(151) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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ええ、こちらこそ。 覚えていただいて光栄ですわね。
[――覚えていなかったなんて言えない。
>>138 相手の吸血鬼が語った"便利な能力"。それが、吸血鬼が"餌"を確保するのにとりわけ便利であることを、彼の心情から読み取ることはできないものの、能力から容易に想像することはできた。
人間と吸血鬼が"GIVE AND TAKE"であることなど、経験上良く知っている。大抵の場合上位種の吸血鬼のほうがTAKEが多いように思うけれど、さて、私の場合はどうだったかしら、なんて。欲求の代償に払った対価は、些か大きかったのではないか。
失った闇世での生き甲斐。右腕に巻き付いた消せない鎖。]
(152) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[相手の吸血鬼が語った"便利な能力"。それが、吸血鬼が"餌"を確保するのにとりわけ便利であることを、彼の心情から読み取ることはできないものの、能力から容易に想像することはできた。
人間と吸血鬼が"GIVE AND TAKE"であることなど、経験上良く知っている。大抵の場合上位種の吸血鬼のほうがTAKEが多いように思うけれど、さて、私の場合はどうだったかしら、なんて。欲求の代償に払った対価は、些か大きかったのではないか。
失った闇世での生き甲斐。右腕に巻き付いた消せない鎖。]
[禁断症状については館に溢れた"人間の匂い"にふふ、と少し笑みを見せ。唇の端から鋭い牙をすこし、覗かせたか。"君のようなイヴなら歓迎する"の冗談にはこのまま口の達者な年長の吸血鬼の首をかっ割いてやろうかしら、なんて思ったのは秘密で。さらりとそれを受け流したあと] そうね。 アダムとイブを見つけて起こるのは 世界のはじまりなのかしら。 それとも終わり……?
どちらにしろ。 ここに呼ばれてやってきた私たちにとってはきっと。
"望んでいた世界"がそこにあるのは 間違いないの、かしらね。
[その後"誰かのアダム"となるかもしれない人間の到着。思い出される"餌"の味。**]
(153) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[目の前に差し出された手に、足を止めて目を瞬かせる。>>131 リアントの瞳と、白い手袋に覆われた手とを交互に見てから、 わたしは背中に隠していた手を出して、そっと重ねた。]
ありがとう。 狼、の姿じゃないとちょっと照れるかも。
[慣れない距離に、ちょっとだけ頬が火照るのを覚えながら。 食堂に入れば、入れ違いに出ていく闇色のマントに仮面の人。>>69 誰、とリアントを見上げればその言葉から この人がこの館の主なのだと気づき。
リアントの手を離し、軽くスカートの端をつまんでお辞儀をひとつ。 視線を落とせば、主の指に光る金色が 細い鎖を連想させて首元が苦しさを覚えたのは一瞬。]
わたしを連れ出してくれて、ありがとう。 それで、わたしはここでどうやって力を生かすのかしら。
[肌で感じる限り、ここでわたしの雨と風を乞う力が 必要そうには思えないから。 憎らしい、見透かしたように嗤う金糸を思い返して、 視線が険しくなる。
答えが得られずとも、何も言わず。 食堂を出ていくそのマントを見えなくなるまでじっと見送った。]
(154) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[乾杯ならワインを、と真紅のワインを取り出した人間を面白そうに見つめ。
この場には林檎が2つ、オレンジが1つ。暖かそうなパスタの皿。そして、ワイングラスとシャンパングラス。]
ルチルも、どう? 創世の乾杯に、なんて。
[グラスを傾けて、相手に眼差しを送り。ああ、もちろんここでも。自分からグラスを出してやろうなんて気は、効かない。 尤も彼の場合には。館のテーブルなんぞを使わなくても物を取り出せるのだから。やはり、便利なものだなと思わざるを得ないのだけれど。
取り出されたグラスの数だけ、乾杯を。 滑りこんだキィキィ声>>140に気づくのは、その後のことだっただろうか。まだグラスの中に映り込むゴーストには、気づくこともないまま**]
(155) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[入口の扉近くに立っていましたので、ぼくがその声に気づいたのは早い方だったと思います。
ミャオ、ナァと、聞こえて来た聞き覚えのある鳴き声に。 闇世にも猫がいるのでしょうかと。 少しだけうきうきと気持ちが上昇するのを感じながら、ぼくは鳴き声の主を探しました。
それは程なくして、扉の隙間を通り抜けて現れました。]
こね、こ……?
[空飛ぶ目玉を見た後では、心臓がびっくりするほど驚いたりはしませんでしたが。 キィキィと甲高い声で歌う仔猫>>140に、ぼくは首を傾げます。
走って追いかけるような体力はありませんから、ぼくは仔猫の歌を聴きながらその背を見つめるだけでいたが。]
Miao…
[揺れる仔猫の尾にあわせて小さくつぶやいた鳴きまねくらいは、誰かの耳に届いていたかもしれません。**]
(156) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[此方の方か、と言う問い>>132に、若干説明不足だったかと それでも威圧感を与えないように気をつけながら]
あぁ、うん、吸血鬼だ。 とはいえ、無闇に噛んだりはしないから安心するといい。
[丁寧な口調を警戒と捉え、少しでも気が楽になるように気はつけてみるがどうだったか。 彼が今までどのように生きてきたかなどもちろん知る由もないから それが周りからの抑圧で作られたか生来の物かはわからないのだが。
食卓について説明すれば、やはりどこか訝しげな表情が浮かぶのが見え パスタの登場にその表情が変わるのに、珍しく楽しいと言う感情を覚えていた]
闇世が何処もこうだと言うわけじゃないよ。 この館が特別なんだ。
[これから過ごす事になるだろう世界について、妙な誤解を持たないようにと説明を付け加えて。 その後で人の子が困ったように口にするのに、はたりと首を傾げて見せたか]
(157) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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君は……相当に食べ物については制限されていたようだね。 物を知らぬというのなら、知っている限りで望めばいい。 大麦のパンにベーコンに玉子焼き、充分にご馳走だと思うよ。私はね。
知りたいと思う事があればこれから知って行けばいいさ。 ここでは、制限をするような人はいないはずだからね。 知る機会を制限されていたのなら……知らないことは、恥ではないよ。
[声音と目元が僅かに変化したように見えて、それを宥めるかのようにそう返す。>>133 彼が口にしたものはどれも質素な物ばかりで、贅沢とは無縁だった事が伺えたから。
差し出したオレンジを受け取る様子にどこか安心して 対価については今はあまり触れないようにしようと思う。
それは、どこか思い悩むように見えたからで、その内容についてまではわかるはずもないが]
私が望むものは、そう難しいものではないよ。 差し出せないものを求めるつもりはないし それに、オレンジ一つとか、その程度で対価を取ろうとも思わないしね。
[どこか恐縮している彼が少しでも落ち着くならいいと言葉を落とす。 やがて、ここに呼ばれた意味を知ったなら、彼がどうするだろうなんて思いながら。]
(158) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[そうして、自らが出したパスタを口に運びながら、同胞と人の子が話す様子をみていた。>>144>>149 好きなものを、とやはり同じように言われ視線が泳ぐのに、小さく頷いて同意する。 実際、そうとしか説明の仕様がないからだ。
ファリシアがシャンパンを呼び出し乾杯を思わせる仕草をすれば ギュルセルが応じるような言葉と共にワインを呼び出し、 望むものが本当に現れたことを喜んでいるその様子にやはりどこか安堵する]
ほら、ちゃんとでてきただろう?
[そう言いながら、自分の前にも赤ワインのグラスを呼び出して 皆に合わせるように軽く掲げて見せた。**]
(159) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[館の主を見送ってから食堂を見回せば、他にも人がちらほらと。
パッと見て性別くらいはわかっても、 人間か闇世の住人かなんて区別は、わかりはしないから。 何かを探している風なリアントを見上げれば、首を傾げて。]
喉渇いちゃったから、飲み物ないか探してくるわ。 リアントは?
[食べ物を探しに行くようなら、ここまでありがとう、と もう一度感謝を告げて。 少しだけ、はにかんだ。]*
(160) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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[ぱたん、と音を立てて革の表紙の手帳を閉じると、その表紙に刻まれた金の刻印を指先でなぞる。 それを静かに机に置く。]
『聖女は吸血鬼と契りを交わして種を産む』
[男の頭上に金の文字が流れて消えた。 そう。 "僕は、もうその方法を知っている。"
振り返った眼差しが、ガラスの棺に眠る少女の姿を捕えた。 …もう少し。 僕たちの時間からすれば、ほんの瞬き一つするような刹那で。
眠る少女に歩み寄った男が、その傍らに膝を付き、小さな手を掬い上げる。 拾い上げた手の甲にそっと唇を触れさせ、それから立ち上がった。]
『行ってくるよ、愛しい子』
[硝子の棺で眠る少女は、まるでドレスのように紅い薔薇で覆われている。 その首筋に咲く、紅薔薇の刻印は、男の罪の証明。 それをしっかりと焼きつけるようにして、それから男は部屋を後にした。 最後に一度、振り返り、部屋に施した結界をまた数枚強化することは忘れずに。 …意味などないのかもしれないが。
廊下を歩きだす男の足元で、小さなピエロたちが駆けては転び、じゃれ合って遊ぶ。]
『客人を皆、食堂に集めるんだ』
[金の文字が命令を紡ぐと、蜘蛛の子を散らす様に四散した。 迷子になっている者がいればそれを見つけ出し、様々な方法で食堂へと誘うであろう。 それを見届けてから、男が向かうは、やはり食堂で…*]
(161) 2016/08/02(Tue) 01時頃
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/* 物凄く… 睡魔に負けました…
(-54) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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いや。吸血鬼だと言うのは予想はつきましたから大丈夫です。 この館……闇世に来てから、驚く様な光景ばかりなので 何処までが本物か判らなくなってきたところでして。
[無闇に噛んだりはしないと、 安心させてくれる様な言葉選び>>158に大丈夫を繰り返し。]
嗚呼。 ただ、歯磨きは不便そうだとは思いました。
[オレンジやパスタを出すなら食べるのだろう。 食べたなら歯磨きが必要だが、あの歯は磨きにくそうだと 少し見当外れの心配をしていた事を口にしたが、 この館が特別なのだと追加の説明にまた目を丸くする。
どうやら闇世はこの館だけでは無いらしい。 考えればそうかもしれないが、今は頭の容量がいっぱいだった。 取り敢えず不相応な食事しか思い浮かべられなかった 恥を何処かに吹き飛ばしたい気分が最優先だった。]
(162) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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制限、と言うのか……与えられるものが私の全てでしたので。
[物を知らぬ私の恥を恥と思わなくて良いと言われ>>158、 私の知っている貴族たちとは違うのだなと、 最初感じた針の印象が柔らかいものへと変わる。]
私にはこのオレンジもご馳走です。 ですからルチル様にとっては「オレンジ程度」でも 私には余りあるものです。
[それでも対価を求められないなら、その事にも感謝して。 ワインが呼び出された事に、奇術を見た時の様に 目を輝かせたままファシリアの促し>>155に 応じる様に呼び出されたルチルのワイン>>159と共に もう一度グラスを傾け喉を潤した。]
(163) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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[吸血鬼にはあまり役に立たない能力が、人の子には神の業として映ると気付いたのは まだ闇世に馴染む前、吸血の衝動に見かねた年長の吸血鬼の指摘からだったか。 影を通じて人の世に道を開く事が出来たその吸血鬼は、それからすぐに闇世から姿を消したけれど。 望むものにほんの少しの色を添えれば、人は従うなどと言う話は どこか金に物を言わせて奪い取る権力者のようにも思えて 結果的に必要なだけの血しか奪わないようになった。
感情が薄れていく事に気がついてはいたけれど誰に迷惑が掛かるわけでなし 変化のないこの闇世で、感情の変化も失いただ在るだけになるのもいいか、などと そう思っていたことなど、もちろん口にすることはないのだけれど]
(164) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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[館に増えた幾つかの気配、人の子の匂いに笑みを浮かべる様子>>153に、 賛同するように少しだけ口の端を上げて見せよう。 此方の冗句はさらりとかわされたが、実際現実味がなさ過ぎるので放り投げておこうか]
終わりか始まりか、どちらだろうね。 その前に、私の相手になる物がいるかどうかだけど。
そうだね、どういう形になるかはわからないけれど 「望んだ世界」が近くに在るのは間違いないだろうね。
[ほら、一人、と現れた人間に目を向けたなら 此方の思惑は今は伏せて、この手を差し出して見せようか。**]
(165) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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/* すいまーの限界がだな(ぽてり)
そうやさんごめん、アー様に特別出演してもらった( 他の人間とも会話したいなー。 早くみんな来ないかなー。
って事で、寝ます
(-55) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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/* フィオレにとって「望んだ世界」っていうのは、一体どんなものかな… 必要とされて、誰かの役に立って、認められて、肯定されて、ありがとうと言われる世界だろうか。
(-56) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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― 食堂 ― [扉の傍で頭を下げるフィオレの礼儀正しい感謝と謝罪の言葉>>146 その言葉にようやく自らの服の裾を握られた事に気付く。 服など代わりはいくらでもあるし、汚れやシワも従者がすぐに治してしまうのでオブシウスはまったく気にしていなかったが、握られた事にすら気付けなかった自分に驚く。
どうやら同胞の毒気に少しあてられてしまったようだと微かに苦笑する。 しかし、すぐに首を横に振りフィオレの謝罪に応える]
いや、私はまったく気にしていないよ。 だが……不安に気付いてやれずにすまなかったな。
[こちらの言葉にほっとしたように微笑むその姿。 それがオブシウスが人間だった頃にいた息子の面影に重なったような気がして、思わず目を見開く。 しかし、すぐに頭を振ってその思考を振り払う。
息子は息子、フィオレはフィオレだ。 私にはもう人を想う事すら罪だというのに――……。
傍らの従者がそんなオブシウスを虚ろな目で見つめていた。 自らを殺した男の消えぬ罪に苦悩する姿を]
(166) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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/* 正直ここで離れるきっかけを作らなかったら、マスケラの話があるまで延々オブシウス様と会話してそうでな…。 流石にちょっと、私が拘束しすぎじゃないかと…
(-57) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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[自分と、更には従者にまで頭を下げるフィオレ>>147 瞬時の躊躇いに瞳が微かに揺れる。 フィオレの運命はフィオレ自身が切り開いていくもの、それでも、これだけは伝えるべきだろうと彼との距離を詰める]
フィオレ、少し耳を貸しなさい。
[自らの態度にフィオレはどんな反応を見せただろうか。 だがしかし、構わずフィオレの耳元で囁く]
(167) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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[気付けば他にも人が増えていた。 様々な様相の人物たちに、少し話しかけてみたいと言う 欲求が生まれる。
だがお腹が空いているのも事実。 そして食事は座ってするものだとしか教えられていない身が 選んだのは。]
ええっと……大麦パン、大麦パン、とミルク!
[慌てて傍の椅子に座るとテーブルに願いを掛ける。 現れたパンは今まで見た事無い程の大きさで、 皿の上で温かく、指先で千切る抵抗の弱さに、 パンの柔らかさを感じて一瞬感動すら覚えてしまった。]
(168) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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[囁くは警告の言葉。 せめてこのか弱い人間が少しでも最善の選択をできるようにと自らが持つ同胞の情報を与える]
シェニという吸血鬼には用心するといい。 アレは心の内に毒を持っている。
[その言葉をフィオレはどう受け取るだろうか。 情報は与えた、後はフィオレが決める事だと解釈を委ねる]
(-58) 2016/08/02(Tue) 01時半頃
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いただきます。
[感謝の言葉を口の中で紡ぐと、食べた事の無い柔らかな パンを勢いよく口へと突っ込みました。
それこそ傍から見れば顔の半分が口になった位に開いていたかもしれないが、今は夢中で口に押し込んだパンが出ない様に ミルクで流し込みながら両手で口を押さえる事暫し。
話しかけられれば噎せた様に咳込む程度には焦って食べていた**]
(169) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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[すっとフィオレの耳元から顔を離し、それ以上の追求を避けるようにその場を後にする。 館の主であるマスケラを探すが今は不在らしく、彼の帰りを待つ事にした。
テーブルでは既に同胞の数名と人間とが話している姿を見かけるが、喧騒の苦手な自分にはその会話に加わるよりも眺めているほうが性に合って気が楽だ。 しばし、会話で賑わう席から離れた場所に座って様子を眺める。
もし、誰かが彼に気付いて声をかけたならば会話に応じただろう。
すっとテーブルに手を伸ばして望めば現れる真紅のワイン。 それを口に運びながら、しばし場の喧騒に耳を傾けていた。
と、どこか好奇心に満ちた目で周囲を見回す男を見つける。>>123 目が合えば会釈はしただろうし、話しかけてくるなら拒むつもりはなかった。**]
(170) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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[服の裾を掴んでいた手を離して、 背中に手を回すコーラリアの仕草と 宙を泳ぐ珊瑚色に目を瞬かせる。>>148
狼や吸血鬼。 吸血鬼はともかく、狼は俺があっちで生きていた時も そんなに珍しい言葉ではなかったと思う。
それを反芻するように呟く様子に、箱入りって言葉が浮かんだ。]
うん? そうだよ、此処は闇世だからそりゃ吸血鬼だっているさ。 他の吸血鬼を見たら俺よりそれっぽいって思うんじゃないかな。
…もしかして、此処が闇世って気づいてなかったの。
[ぱちぱちと、再び瞬きをして彼女を見た。>>149 てっきり、ここに来る人間は望んできたものだとばかり。 だから、わかっているものだとばかり。
彼女は無垢に思えるから、騙されて連れてこられたのでは? マスケラが何を考えているかはよく理解できていない俺は そんなことが頭を過ぎった。]
(171) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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[此処が闇世とわかって困惑しているんじゃないか、 本当は帰りたいのかも、 そんなことをぐるぐると考えていたけど、 差し出した手に、コーラリアの隠れていた手が再び視界に入って 重ねられたことにはホッとした。>>154]
そう? 狼の姿の方が良かったらいつでもなるけどね。
[ちょっと照れる、と微かに色づいた頬に笑って 食堂までの長くはない距離のエスコートをする。
マスケラに挨拶をする彼女の言葉に、 どうやら騙されて来たってわけではないみたいだ。 彼女は、彼女の意志でここにいるということは確かなようで。
コーラリアの力が何かっていうのは気になったけど、 口は挟まずに彼女の表情を見ていた。
彼と話している間、視線が険しくなったように見えたのは 気のせいだろうか。
計画に乗った吸血鬼の理由が様々あるように 此処に来た人間にだって様々理由があるってことを まだ俺は深く考えられてはいなかった。]
(172) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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[ふと、食堂に好奇心に満ちた男がいたような気がしたが気のせいだったようで少し不思議そうに空白の席に首を傾げる]
幻か何かか……?
[幻と呟きシェニの事を思い出すが、恐らく絶対に違うだろう。 酒を一口含んだだけで幻を見るというのも情けない、と誰にも分からぬよう一人で苦笑を浮かべつつグラスを傾けた。**]
(173) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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[飲み物を探してくる、というコーラリアに>>160]
多分、どこかのテーブルにつけば出てくるみたいだよ。
[飲み物も、食べ物も、と、浅黒い肌の人間の男を囲んで 乾杯をしている吸血鬼二人の方を視線で指して答える。
俺はあまりこの館に慣れていないから、勝手がよくわからないのだけど。 そう付け加えて肩を竦めた。]
後は確か、世話を焼いてくれるピエロがどこかに…。>>70 見かけたら何か頼んでみてもいいかもね。
[どういうわけか、あの小人に俺は言うことを聞いてもらえたことはないのだけど。 コーラリアの言うことなら聞くかもしれない。]
俺は何を食べようか少し考えようかな。 その辺にいるから何かあればいつでも言ってよ。
あ。いきなり噛まれるなんてことはないだろうけど、気をつけてね。
[冗談めかして言うと、こちらこそありがとう、と笑みを返した。*]
(174) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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/* リアントやさしい……!ありがとう、ありがとう!!
そしてオプシウスのおじさまの謎のそろーるふいた かわいい
(-59) 2016/08/02(Tue) 02時頃
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[何を食べたいか考える。
そう言って俺はコーラリアから離れると 適当なテーブルに手を置いた。
出てきたのは空の皿だ。
それは俺が何を食べたいかってことがうまく纏まらなかったからかもしれない。
知れず小さなため息をつくと 皿だけを持って、食堂の入り口付近の壁に凭れた。
何を食べたいか。
(人間の、血?)
過ぎった考えに俺は首を振る。
食堂内には人間の姿が散見された。 これからまた、増えるんだろう。
大丈夫、うまくやれるよ。 人間だった頃は、それはうまくやっていたんだから。]
(175) 2016/08/02(Tue) 03時半頃
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[好奇心は猫をも殺す。
それは俺が人間だった時、最期に聞いた言葉だ。
確かに確かに? 俺が死んだのは好奇心のせいだと一見見えるし、 実際に外れではない。
けど、一番の原因は俺の持ってるビョーキのせいだ。]
(176) 2016/08/02(Tue) 03時半頃
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― 回想・死に至る病 ―
[人間だった頃の俺は、いつでも周りにたくさんの人がいた。 だから、幸せな人生だった。 そう、思っている。
反面、俺は人に嫌われることを何よりも恐れていた。
誰が持ってきた噂だったか。 郊外の古い城に、幽霊が出るとか何とか。 俺は仲間たちとそこに肝試し行ったんだった。
城はかなり広くて、見て回っているうちに日は暮れていた。 城はボロくなっていて足場も悪いしもう帰ろうと誰ともなしに言って、 一人欠けていることに気づく。 俺は、探してくるから先に帰っててと他の仲間に告げると、 そいつを探して、それで。]
(177) 2016/08/02(Tue) 03時半頃
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[血の匂いがしたんだ。 嫌な予感が頭を駆け巡って、 震える足で辿り着いた城の地下室で俺が見たのは、 何かに食われている友人の姿だった。
今思えばあれは食われていたわけじゃなかったんだと思う。 血を吸われていたんだ。吸血鬼に。
さて、こういうときに人が取るべき行動は何か。 逃げることだ。
俺は、逃げることが出来なかった。 目が合ってしまったから。 血の気をなくして死んでいく友人と。
彼がもう助からないってことは一目でわかったよ。
その時俺は何を考えていたと思う?
このまま逃げたら 死んでいくアイツは俺をどう思うか。 それから、友人を見捨てて逃げてきた俺を周りがどう思うかってことさ。
これは優しさでもなんでもない、偽善にすらならない。 利他的に見せた利己的。もはやビョーキだ。]
(178) 2016/08/02(Tue) 03時半頃
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[そんなわけで、俺は闇世の住人になった。 友人の方がどうなったかは知らない。 死んだんじゃないかな。
人でなくなっても俺はね、人間が好きだよ。
だから人間と関わる機会が殆どない此処に生きることが 寂しいと思うと同時に、どこか安堵を覚えていた。 ―――人間がいないなら、人に嫌われる心配もないから。
俺は吸血鬼になってからも人の血を吸おうと思わなかった。 理由は人に嫌われたくないからだよ。 ナントカは死んでも治らないっていうのは本当の話。
その代わり、誰に愛されることもないのだけれど。 けれど、それが永遠に続くのはやっぱり―――]
(179) 2016/08/02(Tue) 04時頃
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[この計画に乗ったのは、 闇世を終わらせることで、俺のビョーキを 死んでも治らないこれを、終わりにできるんじゃないかって どうしてかな、そう思ったんだ。
根拠は全くないのだけど。]
(180) 2016/08/02(Tue) 04時頃
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[この100余年で禁断症状は、数度。
普段意識をしないで済む割に、飢餓のピークが来るとひどいことになる。 その時に自分がしたことを思い出したくもないし、 またいつかアレが来ると思うと正直、苦痛だ。 周期的に、そろそろかもしれない。 今は、困るな。だって人間がたくさんいるんだ。
そんなことを考えていたら、 空の皿に映った自分の唇が動いた、気がした。
そいつは何か喋っただろうか。
現実に意識が引き戻されたのは、 近くで猫の鳴き真似が聞こえてから。>>156]
―――…猫?
[尋ねるとも呟きともつかないそれは、 小柄なその少年には届いたろうか。**]
2016/08/02(Tue) 04時頃
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[この100余年で禁断症状は、数度。
普段意識をしないで済む割に、飢餓のピークが来るとひどいことになる。 その時に自分がしたことを思い出したくもないし、 またいつかアレが来ると思うと正直、苦痛だ。 周期的に、そろそろかもしれない。 今は、困るな。だって人間がたくさんいるんだ。
そんなことを考えていたら、 空の皿に映った自分の唇が動いた、気がした。
そいつは何か喋っただろうか。
現実に意識が引き戻されたのは、 近くで猫の鳴き真似が聞こえてから。>>156]
―――…猫?
[尋ねるとも呟きともつかないそれは、 小柄なその青年には届いたろうか。**]
(181) 2016/08/02(Tue) 04時頃
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/* 久々のト書き一人称は難しいね! リアントは、椅子にすわっていない。メモした。 >>175
(-60) 2016/08/02(Tue) 08時頃
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……歯磨き。
[人間の同胞へ発した感想>>162へは思わず笑みが漏れたか。 吸血鬼皆がそうなのかは分からないけれど、生きるのに食料をそこまで必要としなくなってからというものの、そして何十年、という単位で他人に会わなくなってから、というものの。こまめに歯を磨く、ということをしなくなったことに気づき。人間として、生きていた頃の習慣を思い出して苦笑するのだ。
人間は同胞と熱心に話し込んでいて、此方の反応には気づかなかったかもしれないが。
やがて人の子の願いを傍目に見れば>>168、遠慮や配慮を知らない吸血鬼はくつりと笑う。 それは決して嘲笑った訳ではなく、単に急かすように質素な食事を流し込む人間>>169を微笑ましく思って眺めていたのだが、さて、周りにはどう映ったことだろうか]
(182) 2016/08/02(Tue) 10時頃
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パンやミルクは逃げないわよ。 ゆっくり食べたら、どうなのかしら。
ここを出たら。 ご馳走が出る環境へは行けないかもしれないから。 ……今のうち、しっかり、良い物を食べておくといいわ。
[それは吸血鬼によっては。食料などない環境で暮らす者も居るだろうから。ルチルのように、好きなものを取り出せるような相手と、共に暮らせるのなら、別だけど。
勿論、それ相応の食料を、調達することも可能だが ――現に、"彼女"はそうしていたのだから。
尤も、思惑通り人間たちが嫁になるのなら。人間の身体にどのような変化が訪れるのかは、此方は知ることもない。あわよくば、食事の要らない身体になると良いわね、なんて思いながら*]
(183) 2016/08/02(Tue) 10時頃
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― 回想:百年間幾度となく見た夢 ―
籠の中で守られたブルーの鳥
優しい笑みも 瞳の奥の憐れむような光も
差し伸べられた従者の手のあたたかさも
手繰り寄せられないもどかしさも
この恋が叶わぬのなら いっそ
身を焦がして永遠に
そう思っていたのに
なぜ 死なせてはくれないのか
生きたいなんて願わなかった
生まれ変わりたいと願ったけれど
こんな姿に生まれ変わるなんて
決して望んではいなかった
(184) 2016/08/02(Tue) 10時頃
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― 回想:想い人の声 ―
『自分が自分で居ることが苦痛でしか無いのです』
[――彼女は、私みたいな事を言う。
現実を離れて尚、彼女に残った傷、痛み、トラウマ。 彼女が彼女である限り、課せられた鎖。
だが、私は彼女を開放してやる義理はない。 何故なら彼女は私の"餌"である以上に――]
『恋?可笑しいでしょう。
立場も違う。種族も違う。身分も違う。
決してそんな関係になってはいけないでしょう。
ファシリア様は狂ってる――』
[――彼女は、あの時の、誰かと同じ事を言う。
それなのになぜ、そんなに淋しそうな顔をするのか。 それなのになぜ、そんなに苦しそうな顔をするのか。
それなのになぜ。私と同じ瞳で此方を見るのか。
やめてくれ、私は、私は。
暴走する 力
燃え盛る 庭
庭一面の白い百合が 灰に 灰に 灰に 灰に]
『やめてください!私は、此処に、居ますから!』
(185) 2016/08/02(Tue) 10時半頃
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― 回想:想い人の声 ―
『ファシリア様。 私はとてもおばあちゃんになってしまったでしょう。
私はこんなにも長く生きてしまったけれど もっともっと長く生き続けるあなたに。 私の最期を見届けて欲しい。 "あの時の約束"を願わくば。
私はあなたから受けた痛みや悦びを、忘れない でも、あなたには忘れて欲しい
ファシリア様。 あなたはずっと、美しいままでいて。 あなたが私の"希望"なのよ。
私よりももっと壮麗で、賢くて、 あたなにたくさんのものを分け与えられる 最期を遂げるなら、そんな、人と。
あなたはずっと、美しいままでいて。 それが、最後の――』
(186) 2016/08/02(Tue) 10時半頃
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― 回想:刻まれた傷 ―
[いつしか美しく笑うようになった彼女は、 皺くちゃの手で綺麗なままの頬を撫で。
そんな彼女を望み通り、灰の庭へ"帰し"たら
古い、古い火傷の跡の上、真新しい火傷の痕が刻まれる 薔薇の棘のように。それが巻き付いたように赤黒く残る傷跡。
消えない、鎖。]
(187) 2016/08/02(Tue) 10時半頃
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― そして再び紅薔薇の館にて ―
[ふと、窓のほうを見れば 自分のような自分ではないような"何か"が映る。
食べ続ける人間や、それを静かに眺める同胞に背を向けて、ふらり、ふらりと弾かれるようにそちらへ歩を進めたか。
カツン、カツン。
ゆっくりと靴が鳴り、その影がすこし、ずつ、近づいて。**]
(188) 2016/08/02(Tue) 10時半頃
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[当然のように、この場所が闇世だと肯定するリアントの声。 聞き返された、何気ない言葉。 改めてわたしの無知を指摘された気分になって、言葉に詰まった。
暗闇の夢の中、金文字にしたように。 昔は、知りたい外に出たいと無知を思い知る度に癇癪を起したけど。 今は、ほんの少し眉根を寄せただけで我慢する。
こうして出ることができたのだから。 知らないことはこれからわたしが、覚えていけばいいことだ。]
吸血鬼の住む世界だって、本で読んだことあるわ。 その物語には、すっごくこわい吸血鬼の挿絵がついてて…… でもリアントはこわくないわね。 吸血鬼っぽいってあんななのかしら。
[気づいてなかったことに、頷きをひとつ。]
ただ、暗闇から差し出された手を掴んだらここにいたの。 連れてきてくれた誰かの顔すら、見てないわ。
それでもわたしは”運命”を、選びたいって思ったから。 だってわたしは──……
[そこで、言葉が途切れる。 ちょうど差し出されたリアントの手。>>172 その気遣いに、優しいのね、と呟きをこぼして。 強張りかけた表情を緩めて館の主の元へと。]
(189) 2016/08/02(Tue) 11時頃
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[ここが闇世だとわかっても、 何のために連れて来られたのかまではわからない。 でも理由どうあれ、わたしにとっては王宮の鳥籠よりずっといい。 決められた運命じゃなくて、わたしが選んだ運命だと思えるなら。
仮面に覆われた館の主に挨拶を済ませれば、 リアントの視線を追ってテーブルへと。>>174
料理の並んだテーブルを囲み、乾杯をしている三人の姿。 他にも人がちらほらいるのが見えるけれど、 本の挿絵のような姿をした者がいないことに安堵するのと同時に ちょっとだけがっかりしてみたり。]
なんでも出てくるのかしら。だったらすごいわ。 ピエロ? サーカスみたいな?
[リアントの言葉にわたしは目を輝かせて頷きながら、 食堂を忙しなくきょろきょろ、きょろきょろ。 申し訳なさそうに肩を竦めるリアントに、首を傾げた。]
(190) 2016/08/02(Tue) 11時頃
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あらわたしよりよっぽどよく知ってるわよ。 うん、わかった。また困ったらいろいろ教えてね。
[笑うリアントの口元に、ちらりと見えた鋭い歯。 思わず、わたしは首を隠すように手をあててしまい。 その口ぶりに冗談だとすぐに気づけば、 もうおどかさないで、と慌てて拗ねたふりして誤魔化した。
吸血鬼って、何を食べるのかしら。 過ぎった疑問は、さっきの声で呼ばれたと勘違いしたのか 現れたピエロの小人にくいくいとスカートを引かれて、中断。>>70
またね、と手を振ってわたしはリアントへ小さく手を振った。]**
(191) 2016/08/02(Tue) 11時頃
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/* >>164 前回の村にいたアーノルドの事か? 予習で村ログを読んだから知っているよ。
ファリシアがソーヤさんと思ったけど、アーノルドの中の人ソーヤさんだから、むしろルチルがそうなのか……? 中の人の中身予想センサーがお粗末すぎて誰が誰だか分からない。 同村経験の多いすてらさんですら予測すらできていない。
中身予想、もういいか……素直にRPを楽しもう。
(-61) 2016/08/02(Tue) 12時半頃
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/* ああ、それと登場時に焼き付けた十字架の傷跡。 治さずにおこうかとも一瞬考えたんだが……やめる事にしたよ。
あの傷以外にも数多の傷と罪をこの身に受けているのだ。 だから十字だけ残すのは他の語られない傷や罪に失礼だろう。
それに……人間に傷や痛みを肩代わりさせてしまうのは、少し哀れに思えて気が引けてしまってな。 せめて体の傷程度は自力で癒そうと努めたよ。
心のほうは……まだ対応はできていないようだが。
(-62) 2016/08/02(Tue) 12時半頃
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/* 昨日半分寝ながら書いてたから、ロルが途中で一回消えたりとかした結果、なんか変な感じになっていることに今更気づくなど
>>143 >>161
(-63) 2016/08/02(Tue) 13時半頃
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― 食堂を出る間際 ―
[吸血鬼の一人に伴われるようにしてやってきた娘は、どこか勝気そうなまなざしを閃かせる>>154。 その様子に、マスクの下の口元がうっすらと笑みを見せた。 す、と建てられた細長い指が、その口元の前に立てられると、まるで幼い子供をたしなめるような塩梅になる。] 『もうしばらく、待っていて』
[そう、一言だけを残し、翻ったマントは食堂を後にした。*]
(192) 2016/08/02(Tue) 13時半頃
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/* 26(0..100)x1
(-64) 2016/08/02(Tue) 14時頃
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/* うおあ、プロ中って抽出できないんだった…! 手作業でがんばるぞ!
(-65) 2016/08/02(Tue) 14時半頃
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- 食堂 -
[ルチルとの会話の途中、鈴が鳴った様な気がした。 それがファシリアの笑みの籠った言葉>>182だと判ると、 私の発言に何か不備があっただろうかと不安と共に、 僅かでも笑みを浮かべてくれた事を喜ぶように笑みで返す。]
何か、おかしかったでしょうか? ああ。吸血鬼の皆さんは歯が悪くなると言う事は無いのですね。
[それなら理解出来ると、勝手な解釈で笑われた意味を探ったが、 どんな答えが返ってきたか。
私が望んだ食事にも笑みが零れるなら、 やはり私は無知なのだろうと多少なりとも恥ずかしくはあるが、 焼き立ての大きなパン等、滅多にない事。
1人で全部食べられる事の喜びに恥ずかしさも鳴りを顰め、 私は一時の幸せに浸る。]
(193) 2016/08/02(Tue) 15時半頃
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ありがとうございます。 私もゆっくり食べたいのですが、こんなにふかふかで 温かいパンは殆ど記憶にないのでつい……。
[ただもう少しゆっくりと言われると>>183、教会で 窘められた事を思い出して、慌てて無作法になっていた 食事を皿へ置き直して食べ直すのだが。
続く言葉がファシリアなりの優しさだと判れば、 数度目を瞬かせ、また微笑んだ。]
(194) 2016/08/02(Tue) 15時半頃
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お優しいのですね。 教会では人ならざる者は冷酷無比で、残忍な存在だと 教えられてきました。
[人の心の拠り所になり、唯一の正義であろうとする教会の教え。 だが本当は知っている。 誰でも助けよと言う割に、寄付金で、地位で救う人を選び、 あからさまに冒涜する。
教会の皆が皆そうではなかったけれど。
私の目には時折、何故教会には人ならざる者の様に 写る者すらいた。
豪華な儀式の服を纏い、声高に美しい事を説く姿を 幼心に不思議に見ていたこともある。
だから教会の教えがあっても、何処かでそれを信じる事が 出来ずにいた私がいて。
目の前で現実に会った吸血鬼は、教会の人ならざる者たちより 余程人間に見えたのだ。]
(195) 2016/08/02(Tue) 15時半頃
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ご馳走が出る環境では無い……。 それは残念です。
でももしこれが最後になっても、私は幸せです。 こんなに大きくて温かいパンは、本当に久しぶりですから。
それに他のものは判りませんし。 [他のご馳走とやらを教えてもらえると嬉しい。 其処までは、我儘過ぎて言葉に出せなかった。
だがアドバイス通り、噛み締める様にパンを食べ、 ミルクで流し込もうとした時。
猫の声が聞こえた>>140]
(196) 2016/08/02(Tue) 15時半頃
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猫?
[何処から?と見まわしても見付ける事が出来ず、 気のせいかと水面に戻した私の瞳に。
見知らぬ私が映っていた。
髪も肌もミルクの様に白い私では無い私。
押し付けられた運命を拒否すると言う選択肢に気付かず 漆黒に染まった私を、本来あったであろう真白の私が見つめている。
私は、声を喪った様に揺れる白い水面を見つめるしか出来なかった**]
(197) 2016/08/02(Tue) 15時半頃
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─ リアント/空っぽの皿のに映るのは、─
[磨かれた皿に映り込んだ影が、ゆるりと焦点を結ぶ>>181。光を反射する髪、纏った服、皿を見つめる瞳の色。それは間違いなく皿を覗き込んだリアント本人の姿を形取っているのに、口の端を引いた酷薄そうな表情だけが、あからさまな違和感を放っていた。]
『久し振りに人間と話しちゃった。手にも触れちゃった。あったかくて、柔らかくて。優しそうだったな。良い娘だったな。ね?』
[唄うように言ってくつくつと喉を鳴らす幻影に、青年はどう反応したか。例えば、周囲を見渡したところで、他の者が気付くことはないけれど。]
『そう、きみは人間が好き。──人間の方は、そうじゃないみたいだけど』
[だって、さあ。 愉しげな声は続ける。覚えてるでしょ?あの目。]
『きみだって、怖かったのに。死にたくなかったのに。 ずっとあの目が言うんだ、"お前だけ逃げるなんて許さない"、って。忘れてないだろ? ああ、分かってる、恨んでるんじゃないよね?ただ、良い子にしてないと好いて貰えないもの。──良い子にしてたのに、逃げることすら許して貰えなかったけれどね。』
[鏡面の向こうのリアントが、唇に人差し指を宛てがいうっそりと笑う。 どこかでミャオ、と、また仔猫が鳴いた。"映るものには、御用心"──、]
『きみは人間が好き。──それって、本当?』
[さあ、きみの秘密を教えて。 他でもないリアントの耳の奥だけで、甘ったるい囁きがころころと鳴った。**]
(198) 2016/08/02(Tue) 15時半頃
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― 食堂にて、ギュルセルや同胞と ―
[“歯が悪くなることはない”の言葉に>>193、思わず目を瞬かせてしまったか。そういえば、この数百年気にしたこともなかったな。舌先で自らのエナメルを沿うように舐め。
――纏わりつく灰の味が不快だったが
確かにそこには数百年変わらない、鋭くつるりとした牙が並ぶのだ。]
そう、ね。 そういう意味ではこの身体は便利かも。 病気も傷も、治そうと思えば勝手に治るんだもの。
[目の前の人間が、そういう傷をすべて請け負って生きてきたとは、知らない。“傷”という言葉に無意識に、左の掌が右腕を撫でた。]
(199) 2016/08/02(Tue) 17時半頃
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/* みゃおぅ
(-67) 2016/08/02(Tue) 17時半頃
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冷酷で残忍。 どうなのかしらね。 吸血鬼にも、個性があるから。
[人間の言葉>>195には首をかしげて。さてわたしは、どうだったかしら。周りにいる同胞を見回したけれど。 きっと、闇世にいる時間や、理由、いかに人間らしさを失った、人で在らざる存在に染まったか。そういうのにも所以するのだろう。
わたしは――]
私は。人間臭いのかもしれないわね。 多くの記憶も感情も持ち合わせている。
確かに“餌”は、人間の血液だけど――
[言ってから、その表情を伺い見て。ひとつため息。]
それでも、お前たちと“違う”とは、 あまり思わなくて、ね。
[それはきっと、生前の記憶が、感情が。 色濃く残っているからかもしれないし
――すこし“人間”に感化されすぎたのかもしれない*]
(200) 2016/08/02(Tue) 18時頃
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[彼が歩みを止めたのと同時に、自分もぴたりと止まる。 視線が合えば、二度、三度瞬きをして喉元を左手で軽く抑えた。 黙って後に着いていってしまったことを怒られるのだろうかと身構えた少女に降ってきたのは、なんとなしに柔らかい声だったか。>>116]
……ごめん、なさい
[見知らぬ姿だったが故に声をかけるタイミング逃したのは事実ではあるが。 まず最初に発した声は、反射的に彼に謝るものであった。
次に出したのは、告げられた彼の名を小さく繰り返す音と、]
……、ミーナ
[自分が誰なのかをはっきりと示すものだった。 それに会わせて小さく頭を下げることも忘れずに。 ……最も、こんなことをしても街の住人と同じような反応をするのだろうなと半分諦めるように瞬きをひとつ。
食堂、という単語を聞けば微かに困ったような表情をした。 行ってもいいのだろうか。
しかしここで自分が迷っても、目の前の彼を……シェニを困らせるだけだと考え直すと、こくり、と頷いたのだった。]
(201) 2016/08/02(Tue) 18時頃
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[同胞の返答が来て心無しか機嫌が良くなり、企みっぽい笑みを浮かべ。 返って来た言葉は謝罪>>201、そして何処となく怯えに近い様な人の顔色を伺っている様な雰囲気を自分の中で感じ取りつつ。]
ミーナちゃんだね? ここはバケモノが住む世界だけど……。 まぁ、此処は変に襲って来る吸血鬼は居ないと思うよ。
[他の同胞は知らないし、此方は隙あらば襲うかも知れないけど。 非人道的な扱いをする様な雰囲気は無いと思って言ってみて食堂に行くのに誘い、目的地へ自分のペースで歩きながら。 躊躇う様子を見て、大きく息を漏らして一言。]
君が何を思って闇世に来たのか知らないけど。 目的の為に何をすれば良いのか考えたり、自分で行動したりしないと。 きっとこの世界で生きていくのは難しいだろうね?
[ミーナが生きたいと願って闇世に来た事は知らない。 だけど言葉短く話し、怯えの色を見せる様な雰囲気を感じる自分は思った事を素直に伝えてみた。 怖いなら怖いなりに何かやる事はあるだろう、と思うのは御節介かも知れないが。
さて、そうこうしている内に食堂に戻り、扉の前に立てば。 ミーナの方へ振り向き、ここで大きな犬歯を見せ付ける様に笑って見せてから。]
――さぁ、着いたよ。
[ゆっくりと扉を開いた。]
(202) 2016/08/02(Tue) 19時半頃
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― 回想・鳥籠の中 ―
[わたしを産んで、間もなく亡くなった母。 母のいないわたしを育ててくれたのは、乳母。
王宮の中、一番高い塔の上。 空に近いその場所が、わたしの部屋。 街並みの向こうに広がるのは、一面砂の地平線。 長く雨が降らないと オアシスの水が減り、水路が枯れ、飢餓で人が死ぬこともある。
そんな土地で生きながら、食べるものも着るものも寝る場所も 困ることのない鳥籠の中を。 不満に思い始めたのは、いつからだっただろう。
今はわたしのこの部屋は母が、祖母が、曾祖母が使っていたもの。 みんなここで何を見て、思って、過ごしていたのか。 幼いわたしが寝物語に母のことを問えば、 乳母がそっとおしえてくれた。
『先代の御巫は、あの窓からいつも 雨を喜ぶ街の人を眺めてましたよ。
役に立てていると、嬉しそうに。』
言葉のとおり、恵みの雨。それを喜ぶ人の姿。 雨を降らせるのはいつも、晴天が続き王の命があった時だけ。 どんなに晴天が続いても、塔から見える街の人が苦しんでも わたしが勝手に風を呼び雨を乞うことはゆるされない。
王の権力を繋ぎ、畏怖の象徴であるがために。 いいこにしていなきゃ、食事も与えられない鳥籠の中。]
(203) 2016/08/02(Tue) 19時半頃
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[────ああ、でも。 一度だけ、逃げ出そうとしたことがあった。
あれはわたしの身体が子を宿すことができるようになった、 次の年のこと。
このままここで終わりを迎えることに とうとう耐え切れなくなったわたしは、塔から逃げ出した。]
(204) 2016/08/02(Tue) 19時半頃
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[背後に迫る追手の砂煙、王の怒声。 見張りの兵士と厩番の首は落とされた。 塔を抜け出す手引きをしてくれた仲のいい女中もいなくなった。
変わらない日常、変わってしまった人々。 それでも変わらずわたしの傍に残ってくれたのは乳母ひとり。 砂埃と擦り傷に塗れたわたしの身体を清めながら もう外に出たいと望んではいけませんよ、と諭す声は震えていた。
わたしが塔から逃げ出したことを王に告げたのが ずっと育ててくれた乳母だと知ったのはもう少し後の話。 納得できなくても悲しくても悔しくてもやるせなくても わたしは、乳母を責めることなんてできなかった。
この地に雨が降らなくなったら、困るからと。 知りたい外に出たいと癇癪を起こすわたしの声を一番傍で聞いていて 目を逸らして見てみぬフリをしていたことを。
そう。
人間というのはとてもとても残酷なのだと 金文字に嗤われる前から、わたしは知っていた。]*
(205) 2016/08/02(Tue) 19時半頃
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─館の中・どこか─
[エントランスを通り抜け、その奥にある廊下へと向かう。 壁に描かれた模様は特別なものではなく、内部を等間隔に照らす調度も、いずれも年代を感じさせるものだが、こちらの認識から大きく外れない。 こちらが人の世のものを模しているのか、あるいは人である己にそのように見せているだけなのか。 興味深げに観察しながら足を進めていると、先の方で何やら動いているものが見える。 大人ではなく子供か、…あるいはさらに小さい…か]
…ピエロ…?
[道化の姿をした小人か、または人形か。 彼は目の前まで来ると、まるで御用伺いのように見上げてくる]
やあ、君はここの家人かい? 広いお屋敷で、どこへ向かったらいいか分からなかったところだ。わたしを適切な場所へ案内してくれるかな?
[ごく気安い口調で尋ねると、ピエロはその意を受け止めたのか、さっと踵を返して歩き出そうとする。 そこでふ、と思いつくと、先に行ってしまいそうになるピエロを慌てて呼び止める]
(206) 2016/08/02(Tue) 20時頃
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ああ、そうだ。 先に着替えを貸してくれないか。今の服は少々動きづらくてね。
[こちらを振り返るピエロに、完全に着ぶくれした己の姿を示す]
見立ては君に任せるよ。わたしはそうした事にまるで疎いから。
[願いは聞き届けられただろうか。どこかぎくしゃくしている小人の動きを面白そうに見守りつつ、やがてとある個室の前に到達する]
ここを使っていいのかい?それじゃあ、ちょっと借りるよ。 服は中にあるのを借りればいいのかな…───では、また後で。
[扉を開けて室内に入った。**]
(207) 2016/08/02(Tue) 20時頃
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学者 フェイは、メモを貼った。
2016/08/02(Tue) 20時頃
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― 食堂 ―
[いざ食堂に入ってみれば、人間達の匂いが鼻をつく。 指を曲げ鼻をの下に当てれば、こほんと軽く咳をして。]
ここが食堂。 吸血鬼でも人間でも、捕まえて話をして良いし、黙って眺めるのでもいいんじゃないかな? あとはミーナちゃんが好きにして良いよ。
[後は誰に話し掛けるのかはミーナ自身が決める事で、此方は彼女に任せつつ。 さて、自分はどうしようか、と思い辺りを見回してみれば。 明らかに此方より背の高そうな男性が多く、何だかムカついてきて。]
あぁもう、みんな地獄へ落ちろ。
[つい漏れ出た黒い本音を漏らしてしまう。 何気に身長に対してコンプレックスあるのは内緒*]
(208) 2016/08/02(Tue) 20時頃
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[バケモノ。それは散々自身に投げつけられて言葉で。 そんな物が住む世界だったとは…金色の文字が教えてくれた『少なくとも生きられる場所』とは此処で間違えがないらしい。
詰まらせていた息を一気にはくと、それは身の安全が確保され安心しているようにも見えたかもしれないが。]
本当に、いて良い場所なんだ…
[辺りをもう一度見渡し、もう一度息を吸って、はきながら彼の後を雛のようについていく。 それはのんびりな足取りだったかもしれないし、少女には少し早いペースだったかもしれないが、逸れることなく着いていった。 そうしていれば、青年の方から溜息一つ。>>202 そして伝えられた言葉を聞くと、ゆっくりと一つ頷き喉を抑えていた手を下ろした。
そんなやり取りえおしていると、何時の間にやら目の前には大きめの扉が。 足を止めたシェニがこちらへ振り向き、人より少し大きな犬歯を見せながら笑う。
それを真似するかのように、小さく口の端を上げた。]
(209) 2016/08/02(Tue) 20時半頃
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―食堂―
[彼が開けてくれたとびらを潜れば、既にそこには複数の人影があった。 その多さに肩を跳ね、本能的に逃げたくなるのをぐっと堪える。 甘えるつもりはないが、案内をしてくれた青年を思わず見上げてまった。
――…自分で動かなければ、生きていくのは難しい。 先ほどそう、言われたばかりなのに。
食堂の中を一度視線だけでぐるりと一周し、もう一度シェニを見つめ。>>208 ようやく一歩中へと入れば、私の好きなようにして良いとアドバイスを貰った。 それに従うように先ずは彼の服を軽く引っ張り、シェニの意識を一瞬でも自分へと向け。]
……シェニ、さん 色々と、ありがとう
[案内をしてくれた事にお礼を告げ、ゆっくりと食堂の中ほどへと進んでいったのだった。 ……聞こえてしまった黒い本音に、僅かな苦笑を浮かべながら。*]
(210) 2016/08/02(Tue) 20時半頃
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― 食堂 ―
もうしばらく、ってどれくらいなのかしら。
[お喋りを嗜めるような仕草で、綴られた館の主の一言。>>192 笑みの形に歪んだ口元を思い出して、むっとしたまま ピエロの小人を連れてわたしは食堂を横切って行く。
ふと目に入ったのはさっき見たテーブル。 黒い男の人と>>163、金色の男の人。>>159 それからもう一人は。]
……女の人もいるのね。
[一緒のテーブルを囲んでいる青い彼女は、>>183 人間なのか吸血鬼なのか。 匂いで判別ができるわけでもないけれど、どこかこの空気に 馴染んでいるその様子は、吸血鬼なのだろうか。]
(211) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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[ミャオ、とまた猫の声がする。>>140 きょろきょろ、きょろきょろ。 今度こそその姿を探して見回したけど、またその姿は見つけられずに。
代わりに見つけたのは、壮年の男の人。>>170 傍にいるのは、従者だろうか。 纏う雰囲気からなんとなく王宮で見かけるような 誰かを従えることを知る者だろうことは、見てとれた。
従者ではなく空白の席に向かって首を傾げる不思議な姿に>>173 わたしは足元のピエロを見つめて、珊瑚色を瞬かせた。]
あの人は、近づいても大丈夫?
[ピエロに、小さく問いかければ 引っ張って止められはしなかったから。
わたしはスカートを揺らしてその席に向かってみた。]
(212) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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[服の裾を握ってしまったことを正直に告白すると、オブシウス様は気にしていないよと>>166と笑ってくださいました。 ですのでぼくもつられる様に笑ったのです。
それを見たオブシウス様の表情が驚いたように変わり、何かを否定するように頭を振っていましたが。 ぼくには人の心を読むような力はありませんので、オブシウス様がその時抱えていた葛藤も。 従者の虚ろな視線にも、気付くことはありませんでした。
もう少し。 そう、薔薇のお庭でオブシウス様が見た月の姿を聞いてみたい程には、もう少しお話して居たかったのですけれど。 ここまで連れてきていただいたし、あまりご迷惑をかけてはいけないと。お礼を言って頭を下げたぼくに、オブシウス様は一歩近づいて。>>167]
………え?
[ぼくの頭はオブシウス様の肩にようやく届くかどうかというところですから、覆いかぶさるように近づいて来た黒に思わず後ろへ下がりかけたのですが。]
(213) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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[ぼくの背は女の子くらいしかありませんから。 見上げるほど高いオブシウス様が耳元へ囁くように身を寄せるのに、驚いてしまったのは仕方がありません。
その陰で、また衣服の裾を掴んでしまいましたけど。]
毒…?
[用心を促す言葉は、その意味よりも耳に心地よい声音の方が印象に残ってしまって。 迷子の子供が道を聞く様に、どういうことでしょうかと尋ねようと見上げた頃には、優しい黒曜石の瞳は遠く離れてゆくところでした。]
(-68) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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[離れてゆく黒い背中に、ぼくは聞けなかったいくつかのことを思って小さく肩を落としました。>>170]
シェニ……、毒…?
[先ほど聞いたばかりの名前を確かめる様に呟いて、ぼくは食堂にいる幾人かの顔を見回しました。 この中に、シェニという吸血鬼がいるのだろうかと…。
実のところ、件の方は食堂の外で別の人に話しかけている最中でしたが。 壁にもたれたまま先ほど言われた言葉の意味を考えていたぼくですが、歌を歌う不思議な仔猫の登場に、その事は少しの間記憶の隅に追いやられてしまったのです。]
(214) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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[孤児院では鶏やヤギなどの動物を飼う余裕はありませんでしたから。 まだ元気だった子供の頃、町の路地や塀の上で見かけたのと同じように。 歌う仔猫の気を引けないだろうかと。
あわよくば、抱っこさせてもらおうなんて、思ってません。 思ってませんよ?
仔猫の気を引きたくて小さくつぶやいたぼくの鳴きまねは、全く違う人の気を引いたようです。>>181
猫?と呟く彼の視線は、食堂の床を我が物顔で歩く仔猫ではなく、間違いなくぼくの方へ。 それはつまり、ぼくの拙い鳴きまねを聞かれていたと言う事で…。]
あ……え、っと…… Miao...?
[恥ずかしさで赤くなる顔を誤魔化すように笑って首を傾げながら。 ぼくはもう一度、今度は彼に向って鳴いてみせました。**]
(215) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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/* みんなニャーニャー鳴いてくれてかわいい、うれしい! みーんなかわいいmia gattina、おうちから出したくないなあ
(-69) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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/* さてファシリア嬢とギュルセル君の傷を毟らねば メモの準備
(-70) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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[テーブルの傍で足を止める。 長いスカートの裾が微かな音をたてた。]
こんにちは。 貴方は人間? それとも吸血鬼?
[物怖じせずに問いかけてから、 視線は真紅の揺れるグラスと空いた席へ。]
わたしは、コーラリア。 この席は座ってもいいのかしら。 誰かくるようなら、やめておくわ。
[首を傾げながら傍らの従者を見て、わたしは息を呑んだ。 離れた距離ではわからなくても、こうして近づけばわかってしまう。 白を通り越して、青白い肌。 視線の合うことのない、虚ろな目。
ぞくり、と小さく身体が震え。 立ち尽くしたまま顔を強張らせた。]*
(216) 2016/08/02(Tue) 21時頃
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- 食堂でファシリア様とルチル様と -
[本当に牙が傷む事が無いのかは吸血鬼で無ければ判らぬ事。 何かを噛み締める様に牙を舐めているとは気付かず、 齎された不思議な力の1つの説明>>199に 少し困った様に動きを止めた。]
病も傷も……それは……便利ですね。
[それでは私が呼ばれた意味が無い。 もっとも、もう移す力の無いこの身体では 元々意味は無かったのかもしれないが、 果たして主が望んだ助けるとは。]
私に出来る事は何なのでしょうね……。
[思わず呟いてしまった心の内。 聞かれたかどうかも判らないのに、はは、と苦笑で誤魔化せるか。]
(217) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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個性ですか。 そうですね。 そう言う意味では人間も変わらないと思いますね。
[急いでファリシアの話>>200に意識を切り替える。 やはりと言うか当然と言うべきか。
人ならざる者も人と同じで。
ひどく安堵を覚えた私はすっかり緊張を解いて 秘密ですがと付け足してルチルとファシリアへ告げた。]
では私の知っている“人間”の方が人ではないかも知れません。
何しろ、彼らの口癖は『私とお前たちは違う』でしたから。
[清潔で豪華な衣服を纏い、街の人たちから 尊敬を受けている男の言葉とは思えなかった。
同じ服を着ても貧しい人たちと同じ存在だと言う人もいた。]
少なくとも、お二人の方が人間のようですよ。
[素直に感じたままを口にして、後は食事を味わい、ファシリアが 席を外すなら一度頭を下げて見送った*]
(218) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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[不意に引かれる服>>210。青紫の瞳を不思議そうに向ければ、浴びせられるのは感謝の声。 言葉短いのだが、ミーナなりの懸命な言葉だと悟れば。]
いいえ? 君は運が良いよ、マスケラの招待が無きゃ壊しに掛かったんだけどねぇ。
[通常ならば、誘い出しゆっくりと恐怖に怯えさせてから心を破壊させるのだが、流石にマスケラの客人らしい故に手は出さない。 ちょっと惜しい事をしたな、とは思うが、彼女の言葉は気を悪くはさせない。
食堂の中へと入って行くミーナは、時間を掛けて話をし少し背中を押せば伸びるのでは?と思ったが、此方は口に出さず彼女を見送った*]
(219) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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/* ギュルセルとお話したいなぁ( ˙ ꒳ ˙三 ˙ ꒳ ˙ ) ちょいちょい滲み出る可愛さに僕はsit!
(-71) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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― 食堂 ― [周囲の喧騒に耳を傾けながらグラスの中の真紅の液体を眺める。 血のようでもあり、炎のようでもあるソレはオブシウスが抱く「赤」の想念を具現化したかのように不吉で暗いモノのように思えた。
と、グラスの中に移りこんだ赤に自らの姿が映る。 自分のようでいて自分ではない姿。
グラスの中の自分は血に塗れて残忍な化け物の姿をしていた――……]
…………。
[しばしグラスの赤に見入っていると、ふわりと現れる柔らかな赤>>212 オブシウスでは思い描く事すら出来なかった明るく美しいその色彩に瞬時、眩しい物でも見るように目を細めた]
(220) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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[そうしていると物怖じせぬ歯切れのよい問い掛け。>>216 オブシウスは微かに細めた目を普段通りの表情に戻して口を開く]
御機嫌よう、お嬢さん。 私は吸血鬼のオブシウスだ。
[グラスに目を向けられれば、先程まで映りこんでいた自らの不吉な姿が見えはしないかと危惧を抱くが、どうやらオブシウスにしか見えない幻だったようで胸中で安堵する。
自己紹介をされ、同席を求められれば許可を出そうとする。 しかし、傍らの従者が死者である事に気付いて目に見えて怯えた素振りを見せる姿がそこにあり、しばしその様子を観察する。
――そして、やはり普通の少女なのだなという実感が過ぎる。
今まで突然の変化の連続で、夢の中のように恐怖を感じていなかったのだろうが、人間の死者。しかも吸血鬼に操られて生かされている人間という恐ろしいモノを見たのだ、無理もなかろう]
(221) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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【ファシリア嬢の傷を毟る用メモ】
灰のお城に住む、能力、禁断症状共に灰>>23>>24 大切な人は女性かな?死亡済み>>24 人間の記憶は某女性が死んでから戻った、その際お城が灰になったぽい(人間時の死亡理由もたぶん身分違いの悲恋)>>62 ヒトの子おそらくエメリア>>63 死んで生まれ変わりたかったけどヒトの子に請われ美しいまま生きる?>>64 無愛想(かわいい)>>65 無愛想デレ(かわいい)>>126 人間=おいしそう、しっかり吸血鬼寄り>>127 望んだ世界が手に入ると思ってる(マスケラの思考誘導に嵌ってる)>>153 気が利かない(かわいい)>>155 従者と恋に落ちて無理心中?焼身自殺>>184 違うな、拒まれた?ぽい。エメリアにも拒まれた>>185 右手の火傷の痕はエメリアを灰にした結果>>187
(-72) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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[そして、オブシウスはあえて初めてこの館で恐怖を感じたコーラリアが今後どのようにこの恐怖と向き合うのか……それとも、逃げ出すのかと興味を惹かれる]
私は構わんよ。 給仕が必要ならば私の従者に命じるといい。 ……その勇気があるのなら、な。
[どこかコーラリアを試すかのような態度で席を勧める。 コーラリアがどうするか決めているであろう間。 従者に命じて、自身との同席中はコーラリアが己の従者に命じればその要求を全て叶えるようにと指示を出しておく。**]
(222) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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出来ること……ね。 それは、貴方と契約を交わす"主"が何を望むか―― じゃ、ないかしら。
[苦笑しながらもポツリと零す人間>>217にはそう、呟きを返して。彼の心の内などは知らない。所詮、今求められているのは人間との"契約"だ。単なる契約では――"伝説"とやらが再来するのかは、私には分からないけれど。
ねぇ?とルチルを伺い見て。 もしかしたらこれも。遥かに長い時を生きている彼の意見は、私と異なるかもしれないから。]
(223) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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[徐々に目の前の人間から、緊張が解れるのを感じる。それは手にしたワインや食事のお陰かそれとも。 "人間も変わらない"と告げる彼の話を、きっと私は。隣に居る同胞とは違う心持ちで聞いていたのではないだろうか。
"私とお前たちは違う"と彼に告げた"人間"の真意は、彼の言葉からは読み取れなかったけれど。 それでも――
『貴方は一国の姫なのですよ』
『汚らわしい従者などに 手を差し伸べるなど』
『二度とあのような者に 近付かないで下さいまし』
チリチリと、目の奥が熱くなるのを感じて目を伏せる。 それはまだ、窓辺に映る自分自身のようなものに、気づく前のこと。*]
(224) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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/* さて、どう行こうか 昔の従者よりエメリア引き摺ってるぽい?
(-73) 2016/08/02(Tue) 21時半頃
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/* なんだか忘れそうですが、あと3時間ほどで本編開始。
ちなみに先ほど宝石チップは女性、男性の順で並んでいることを思い出し… まぁ、順番から見たらフィオレって女性だよね。だよね!! しかし私は男性だとおもってた…
入村時から、実はひとつ決めていたことがある。 今回は人間側に選択権があるけど、フィオレからは誰かを選ばない。 もし誰かが矢印ぶん投げてきたらそれを受け取る。
なので万遍なく接点を持たないといけないのだけど… まぁ、無理だな!
(-74) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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/* そういえば昨日から気になってたのですが… **って退席マークだよな…?
(-75) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[青紫の彼から離れ思い出したかのように少し痛んだ服を申し訳程度に整えると、 とりあえず食堂全体が見える部屋の端の方へと足を進める。
何だか人離れしている雰囲気を感じる者と、そうでない者。 この違いは何だろうかと首を傾げながらもぼんやりと光景を見つめていた。 ある者達はお喋りを楽しみ、ある者はグラスの中身を眺め楽しみ。 その中でも、窓辺に佇む美しい女性に目が止まった。>>224 何だか悲しげな雰囲気を感じ気にはなったのだが、声をかけていいものかと迷い。
結局、二度、三度と開こうとした口はそのまま閉じられたのだった。]
(225) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[乾杯の様子を見つめテーブルを眺める。 晩餐や祝いの席にしては質素な、だけど闇世では珍しい取り合わせが並ぶ。
一緒に、と水を向けられたなら>>155、自身もワインのグラスを出して応える>>159 キイキイと耳障りな音に視線をめぐらせ猫の影を追う>>140 この館に猫などいただろうかと思案すれば、頭の中で意味を成す言葉に眉を顰める]
ゴースト、ね……映る物にご用心、って 私が覚えているのは……――
[覚えているのは最期の事だけ。他を思い出そうと思うこともない、が
果たして、それは本当に「忘れている」のか それとも「思い出さない」だけなのか……「思い出したくない」のか
それすら、男は忘れているのだけれど]
(226) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[ギュルセルに此方の正体を明かしても、予想はしていたと怯え恐れる事もなく。 此方に来てからの事を驚きと共に告げられ、その様子に素直に好意を抱く。 闇世に来たばかりの頃は吸血鬼といえど同じようなことを思ったものだ、と]
歯磨き……ああ、確かに。
[言われるまで失念していたと言うように苦笑する。>>162 同胞も同じように思ったか、零れた声音>>182に僅かに口元が緩んだ。 その様子に何か気付いたか、思うことを口にするのに頷いて見せた。>>193]
元々、食事は必要ではないしね。趣味とか、嗜好品のような物で。
それに、彼女の言うようにどんな怪我も時間を掛ければ治ってしまうから。
[同胞の言葉を借りて>>199そう伝える。 同胞が消えない傷を抱えている事も、目の前の人の子が他人の「傷」を負って生きてきた事も知らぬまま。]
(227) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[闇世がここだけではないという説明には驚くだけで言葉はなく。 それは追々彼自身で知る事になるだろうと此方もそれ以上説明はせずに]
与えられる物だけ……君は、誰かに飼われて……いや、失礼 余程縛られて生きてきたのだね。
[飼われる、というのは吸血鬼的発想かと言い直す。 彼自身に選択の余地は与えられなかったと、その言葉でわかるけれど。>>163 それが、彼がこの闇世へ向かわせる一因とはまだ知らないけれど]
なるほど、それならば確かに「オレンジ程度」ではないね。 長いこと不自由しなかったから忘れていた。 パン一切れでも、必要な人にとってはご馳走だという事を。
[人であったあの頃、確かにオレンジなど手の届かない物だったと どこか自身の傲慢さに気付かされたようで、薄く苦笑しながら首を振った。 乾杯のワインを飲み干した頃には、キイキイ言う声はどこかに行っていただろう。
無意識に零れたような言葉>>217は、すぐに苦笑で誤魔化されたけれど]
この闇世で何ができるかは、君次第じゃないかな。 君自身が「何をしたいのか」…まあ、これからどうなるかにもよるけど。
[なんて言ってみても、余計に困らせるだけかもしれないが。]
(228) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[ワインを飲みながら残りのパスタをつつく。 流れで出したが、そういえば普通に食事をするのは久しぶりだった。 人の子はと見れば、どうやら空腹を思い出したようで>>168 席につき願う様子を、まるで子供でも見るように眺める。 急いで食べる様子は、まるでそうしないと消えてしまうというようで>>169 その様子を嗜めるような同胞の声>>183に、やはり同意するように頷いた]
この先、美味しい物が食べられるかどうかは、君次第じゃないかな。 吸血鬼にもいろいろいるからね。
冷酷で残忍なのもいれば、人と友のように接する者もいる。 教会なら、悪い物と教えるしかないだろうけどね。
[同胞に向けて零れた言葉を聞いて、男もそのように返す>>195 彼のどこか礼儀正しく、そして控えめな態度は教会で培われた物かと気付く だとして、どこか人目を伺う様子はただ教会で祈りを捧げていた訳ではないような気がして だけどそれは、今ここで問うことではないと蓋をしてしまおう。 落ち着いた様子に水を挿すのは無粋と言うものだろう。 ギュルセルが落とす人間についての言に>>218、珍しく小さく笑い声を立てたか]
教会の人間は自分が神にでもなったつもりなのかな。 ふふ、ありがとう。 700年以上吸血鬼をやっていて、そう言われるとは思わなかった。
[元は人であったけれど、同胞はともかく自分までそう言われた事が何故か楽しかったのだ。]
(229) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[暖かいパンを食べられる事が幸せ、と人の子は言う>>196 他の物はわからない、と言う様子に、先ほど告げた言葉をもう一度落とそう]
わからない事、知りたい事があればいつでも訊くといいよ。 知りたいと思う人間に意地悪をするつもりはないから。
少なくとも、私はね。 それと、彼女も。
[同胞が呟く言葉を拾って>>200 他の吸血鬼は知らない、と言外に込めて,席を立つファリシアを見送った。>>188]
ああ、お客様が増えてきたね。
[片目の同胞に話しかけるどこか控えめな少女と>>210 長身の同胞の傍らで周りを伺う小柄な青年と>>214 物怖じせずに此方を見る女性と目があったなら>>211、軽くグラスを掲げて見せようか 此方の表情は、相変わらず退屈そうなままだったかもしれないけれど。*]
(230) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[地獄へ落ちろ――……。>>208 シェニの呟きにオブシウスの口元から楽しげな笑みが零れる]
ふふっ……何を今更。
[ここが地獄ではないといつから錯覚していた? そう言いたげにオブシウスは恨みを向けられつつもどこか憎めない青年の吸血鬼へと人知れず視線を向ける]
/* 恐らく、距離的にシェニの恨み言が聞こえない距離だと思うので。 「オブシウスの耳に入っていたら」なIFロルをかきかき……。
(-76) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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─ ファシリア/窓の中の虚像 ─
[かつん。 それが靴音であると、青を纏った吸血鬼は気付いただろうか。>>188 けれどその思考が形を結ぶより先に、窓硝子に映る麗しい女性の虚像が、首を傾げて口元を緩める。 どこか嘲笑じみたそれ。窓の前に立つ彼女──ファシリアと視線がかち合えば、硝子の中の虚像は艶然と笑いかけた。]
『ねえ』 『本当にいいの?』
[爛と光る瞳が、意思を宿して彼女を見詰める。ファシリアはどう反応したか。どうであっても虚像はそれすら見越したように目を細めるだけだ。]
『恋をするのは苦しかった?』 『そうだね、望んだものが手に入らないのは苦しい、とても』 『だから一息に終わらせてしまいたいんだね?その傷痕も、きみのその身すら焦がすほどの愛も、その人との想い出も、約束も、全部ぜんぶ、一緒くたに。』
[ゆるゆると蠱惑的な囁きをファシリアの耳朶に忍び込ませる。硝子に向かい合う間、まるでそこだけ切り離されたように周囲の喧騒は消えている。
かつん、と靴音はもう目の前。ここに居るよ。ほら、僕の声を聴いて。 さあ、きみをどうやって暴こうか。
窓硝子の中、青い吸血鬼とよく似た誰かは、唇の動きだけで囁く。その左腕に巻き付いた、彼女の罪をなぞりながら。*]
『ねえ、本当にいい? ぜんぶ"無かったこと"にしてしまっても。』
(231) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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/* 他の吸血鬼の方にもお会いしたいけれど、誰と誰が会話しているのか既に判らなくなっていたら、ルチル様>>230ありがとう。
(-77) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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/* 食堂…大勢いるなあ…まだ、誰とも絡めてないから行くべきなんだろうけど、多すぎて尻込みしているwやばいw
(-78) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[目の前の人の子に何ができるか 同胞の意見を聞き>>223、此方を伺うのを見遣って 落とした此方の考えは>>228彼女にどう届くだろう、と]
誰かの望むままに生きるのでは人形と同じだろう。 もちろん、主の望みも大事だけれど その主に自分が何をしたいかも大事だと思うよ。
誰が相手になるかによるけれど。
[少なくとも、男自身はただ言いなりになる相手は望まない。 それでは……退屈なままだろうから。*]
(232) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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[さて、これからどうしようか? ちょっと暇になった故、手持ち無沙汰を解消しようと扇子を出して貰おうと願えば。 すっと音もなく現れたのは、空色の扇子。 それが右手の上に現れ掴み取れば、一人壁へ向かい背を預けよう。 慣れた手付きで扇子を開き、ゆるりと緩慢な動きをしながら扇ぎ周囲を眺める。]
なーんか居るのかな?みんなには見えない何かが。
[チラッと猫の鳴き声が聞こえた気がしたが気のせいか? それは兎も角、今食堂にいる面子の中で何かを眺めているみたいだが、はて。 真っ先に思い浮かぶのは、自分が操る幻ではあるが。
今は全然能力を使っていないのだが、此方以外誰か幻を使っているのか?それとも幽霊? 其処に関して僕はノータッチだから良いんだけど。]
……さぁ? どうしてでしょう。
[誰に答えた訳でも無く呟いた言葉は、そのまま消えていく様に小さいもので。 無意識に左手は喉を当て、一度撫でてみた。 それと同時に右目がじわりと疼き始め、静かに瞼を閉じる*]
(233) 2016/08/02(Tue) 22時頃
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-去りゆく背中と仔猫の幕間-
[ぼくが言葉の意味を考えながら食堂の中を見回していると、ほんの一瞬、人にはない金色の瞳と目が合いました。>>230 あまりにも一瞬だから、それはぼくの気のせいかもしれませんけれど。
ただ、まばゆい金色の髪とお揃いの色をした瞳は、まるで人ではないように見えました。
如何にも退屈そうな表情と気怠い視線は、春の日の午後に微睡む猫のようでしたけど。*]
(234) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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/* 滅茶苦茶ゴーストに煽られたい…!!!! (一番は硝子の棺で眠る姫君に会いに行くことだけど) (いやしないけどっ!!!)
(-79) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[口を噤めば、今度は金色ににた色と視線がパチリと合った。>>230 何だか酷く退屈そうな彼はこちらに気がついていたのか、グラスを軽く掲げていた。
ぺこり、と小さく頭を下げれば彼と共に食事をしていたもう一人も見えたかもしれない。>>218 そちらのヒトとも視線が重なれば、同じように小さく会釈をしようとした瞬間だったか。
なにかか、空腹を訴えるかのように音を経てた。]
………、
[気まずそうに顔を逸らすと床を見つめ、土で汚れた靴先を暫く眺めていた。 食事にありつけないなんて良くある事ではあるが、流石にこの人数の前で鳴るというのは。
多少なりとも恥ずかしいものがあった。…表情には、出なかったが。]
(235) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[幾つかの同胞の話には頷き、そして同調したり、傾聴していたか。人間との話が終わる頃、小さく同胞が笑い声を漏らす>>229のを聞いて、おや、と思ったのは事実。ずっと退屈そうにしていた彼が、そうやって笑みを見せるのは、少なくとも私の前では初めてではなかったろうか。
なるほど。やはり人間と関わるのは、面白い。
こうやって新しい刺激を、 長い歴史に吹き込んでくれるのだから。]
(236) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[続くルチルの言葉>>232には、「ああ」と何か気づいたように頷いて]
そう、ね。 貴方は何を与えてくれるの? 何ができるの?
これってすごく、大切。
[だって私は――ただ消えることしか望んでいないのだから。それなら消えるまでの期間、きっと。刺激が多い方が、いいじゃない。]
……魅力の無い人と、添い遂げるのは。嫌だわ。
[ふ、と小さく零して。
――ねえエメリア
あなたよりも
"私に幸せを分けてくれる人" なんて
この世に存在するのかしら。
**]
(237) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[皿の中に映る自分の唇が動いた、気がした。
酷薄に引いた口端。 俺は今、こんな表情をしているのだろうか。 いや、していないはずだ。
思わず自分の口元を触るが、皿の中のそれは構わずに話し始める。>>198
久しぶりに人と話して、触れて。 喜んでいた俺の行動を嘲笑うみたいに。
何が悪いって言うんだ。 彼女だってありがとうって言っていた。 怖くないって。 優しいのねって、そう言ってくれたんだ。>>189
だけど、それは本心なのか? 俺の口元を見て、首筋を隠しはしなかったか?>>191 本当は怯えてるのかもしれない。 嫌われているのかもしれない。
耳元で、直接頭の中に響くみたいな声が更に続けるのを聞いて、そんな考えが頭を巡って。 元々良くない顔色が白くなるような感覚がした。]
…うるさい、黙れ、黙れよ…
[怒鳴り声をあげはしなかったけれど、皿の中の俺に低く呟く。]
(238) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[そうして。 投げかけられた問いに、息を飲んだ。 微かに皿を持つ手が震える。]
…嘘じゃない。 本当に人間が好きなんだ。
[本当に?
再び問いかけるのは皿の中の顔じゃない。
嫌われたくないのは誰のため? 自分がかわいくて仕方がないから、人に嫌われたくないだけじゃない? お前の優しさは他人のためのものじゃない。 全部、全部自分が好かれるためだろう?
そう問いかけるのは紛れもない俺の声。 ビョーキの根っこにある、後ろ暗い醜い性根だ。]
誰のことも真剣に好きになったことがない奴が、人に好かれようなんて烏滸がましいって言うんだろ。
[憎々しげに呟いて、皿を持つ手に力がこもる。 ミシ、と小さな音がして。
それを砕きそうになる前に耳に届いた声で我に帰った。>>156]
(239) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[俺は今どんな顔をしているだろう。 ちゃんと、ちゃんとしなきゃ。 人前なんだから。
俺が小さく猫?と問いかければ、青年の耳には届いたようで、彼は顔を赤くして首を傾げた。 多分、誰にも聞こえないと思っていたんだろう。 恥ずかしがっているように見えたから。 悪いことをしたかな、と思ったけど。返事はまた猫の鳴き声だ。>>215
猫がいるんだろうか。 ああ、確かに俺も聞いたような… 考えようとすると先の出来事が頭を過ぎり、かぶりを振る。]
君は、猫が好きなの?
[食堂では行儀が悪いだろうか、なんてちょっとだけ逡巡したけど。 何だか今は上手に笑える気がしないから、俺は表情を隠すついでに、好奇心で死ぬそれに姿を変える。
ぐにゃ、と周りの空間がわずか歪んだら、青年の前には一匹の白猫がいるだろう。]
Miao!
[さっきの鳴きまねの手本みたいに、ひとつ鳴いてみせた。*]
(240) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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/* >>213 実は私もフィオレともう少し話していたかったんだが……。 まだお互いに周囲の者達と話をしていないのに二人きりで話し込んでいては、周囲の者達に悪い気がしたのでな。
だが、また機会があればゆっくり話をしたいと思っているよ。 許されるならば……の、話だがな。
(-80) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[歌う仔猫の後姿を追いかけるのに一生懸命でしたから、食器を覗きこむ彼が直前までどんな表情をしていたか。 ぼくは少しも知りません。
けれど何かを振り払うように頭を振る姿は、さっきオブシウス様もしていたものでした。>>240 仔猫の気を引くための鳴きまねは、仔猫の代わりに彼の気を引きましたけど。 彼の気を引いたのは、良くない事だったのでしょうか? 不安に眉尻が下がる頃、猫が好きなのかと彼に尋ねられましたので。
ぼくは躊躇いも逡巡もなく、素直にこくりと頷きました。
すると、どうでしょう! マスケラ様から断片的に聞いていた、吸血鬼の不思議な力! 初めて目にしたそれは彼と彼の周囲の空間をぐにゃりと歪ませ、ひとりの青年を雪のように真っ白な一匹の猫に変えてしまいました。]
わぁ…!!
[Miao!と元気よく鳴く白猫に、ぼくは表情を明るくしました。 許されるならだっこしてみたいのですが、彼はそれを許してくれたでしょうか? 本当の猫にするようにしゃがんで、ぼくは白猫になった彼に向かって両手を伸ばしてみました。*]
(241) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[生きていない。それなのに、動いている。 知らないことは、知りたいと思っていた。 けれど知らないことの目の前に、こわいと思ったのは初めてだ。 覚束ない指先が、無意識にスカートの端を握り締める。
顔を強張らせたまま、死者を従える吸血鬼に視線を戻せば>>221 まるで、わたしを観察するような黒と、目が合った。]
…………。
[さっき『いろんな奴』がいると、リアントが言っていた。 同席の許可と共に付け加えられたそれは、試す声色。
オブシウスは座っているというのに。 まるで上から見下ろされているような物言いに、 わたしはむっとして眉を吊り上げた。]
(242) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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[歯磨きに関してはやはり吸血鬼の間では不要のものらしい。 ファシリアだけでなく、ルチルの苦笑>>227に 人ならざる者達との違いを感じて、彼らの口元を じっと眺めていた。
あの牙は確かに林檎を噛むには向いていない。
ただの嗜好で終わらされてしまう食事を口にも出来ず 終わる命を思えば恵まれていると思わずにはいられない。]
飼われ……どうでしょうか。 私には服も食べ物も身体を休める場所も与えられました。
読み書きも一通り教えていただきましたが。
籠に飼われた鳥と何が違うかと言われれば少し困ります。 私は人間だと思っていますが、もし鳥が「私も人間だ」と 言ってきたなら何が違うかと答えられそうにないからです。
せめて姿形が違う事で示す事が出来る位でしょうか。
[ルチルから私の身を蔑む様な物言いが聞こえても>>228 否定する言葉が見つからず、私は存外諦めてしまっていた事に 気付かされた。
だから諦めた中でも考えて出した答えが。]
(243) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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/* ほぼほぼ条件反射だけで書いたのでロルが早い(
(-81) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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『何が出来る』のか、私には判りません。 ですが、私はここに来て、何が起きても後悔するつもりは ありません。
私は初めて私の意志でこの闇世に来る事を選んだのですから。
教会の為に力を使う事が 出来なくなった私は もうじき端っこの部屋で命尽きるはずでした。
その最期の時間をどう使うかを私は決めたのです。
ですから食事が出来なくなっても仕方ないですが。
[ルチルやファシリアの言葉を聞きながらも、 私なりに唯一誇れると、選んだ道に胸を張る。
だがそれも一瞬。 少しだけ照れたように笑い。]
(244) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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でももう少しだけベーコンと目玉焼きとオレンジは食べたいです。
[そう言うと、テーブルに現れたカリカリに焼けたベーコンの 匂いに鼻の孔を広げる勢いで顔を寄せ。 パンに付ける為に出て来たマーマレードの甘さと 目玉焼きの温かさに頬を綻ばせた。]
こんな事を言っては教会では怒られますが。 神様がいたら、きっと吸血鬼のあなたたちより よっぽど意地が悪いのだと思います。
[そうでなければ、何故苦しみ泣く人が溢れるのか。 同じ様に人を苦しめ、泣かせるものが悪魔だと言うなら、 そちらの方がより身近に感じられた。]
(245) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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はい。 知らない事ばかりなので、親切な吸血鬼のお二人に お会い出来て良かったです。
では他の方にも挨拶をしてみます。
[親切な吸血鬼の言葉>>230に、一通り腹を満たした後、 感謝を込めて頭を下げて立ち上がる。 増えて来た人たちに挨拶をしなければと、 席を離れようとして。]
そうですね。 私は今まで望まれるままに生きてきましたが。
1つだけ、ずっと見ていたいと思うものはありました。
私は笑顔を見るのが大好きです。
[退屈そうな顔を崩さぬ吸血鬼>>232に、それだけ言うと 挨拶を交わす為適当に人波に歩いて行った*]
(246) 2016/08/02(Tue) 22時半頃
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─館の中・どこか─
[借りた服に着替えると、案内役のピエロに続いて次の目的地へと向かう]
君のご主人は、仮面を付けたあのお方かな。 この先へ向かえば会えるのかい?
[相手は人形とわかりつつ、色々と話しかけては反応を見る。 こちらを時々振り返るものの、特に答えが返ってくるわけではない。 足音を潜め、わざと立ち止まって距離を空けてみると、少し先まで行った人形がそれに気づいてか、慌てたように駆け戻り服の裾を引っ張り前へと促そうとする]
ははは、勝手な行動をされると困るって感じだね。
[まるで叱られるのを恐れた子供のようだ、とからかいつつ、手を煩わせるのはこのくらいにしておこうか]
(247) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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[やがて、他の部屋よりも大きな扉の前に辿りつく]
ここに入れって? はいはい、…ここまでどうもありがとう。
[そこが食堂とは知らずに、案内通りに扉を開ける]
……ほぅ、実に…賑やかだね…。
[思わず嘆息し、軽く目を見開く。 扉を開いた先には、予想外の人数がそこに集まっていた。彼らは皆、この館の住人なのだろうか。 あるいは、自分のように客人として招かれた者もいるのだろうか。 集まった面々の中に、仮面の男はいないようだが]
(248) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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[集まった面々は若い男女だ。吸血鬼に関していえば、見た目通りの年齢ではないかもしれないが。 ピエロがここへ連れてきたがっていたので、住人や来客たちを一同に集めようという意図があったのは間違いないようだ]
やぁ、遅くなってしまったかな。 まだ始まっていないのだったら、待たせてもらうよ。
[談笑したり食事をしている者がいるのだから、空いている椅子に適当に腰を下ろしても差し支えはないだろう。 誰かがこちらを向いたら、笑みを浮かべて軽く会釈を返す]
わたしはフェイ。こちらの世界ではない所から来た…学者だ。
[名を名乗りつつ、しばらく周りの会話に耳を傾け情報を集める事にした。**]
(249) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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学者 フェイは、メモを貼った。
2016/08/02(Tue) 23時頃
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[人が増えてくると多少の音が混ざっても大丈夫かと シャラと音を立てる耳飾りを押さえるのを止め周囲を見渡した。
誰も皆人らしいと思えば人に見えてくる。
その中でふと背中を壁に預けた人物が目に入った>>233
恐らく無意識に眼帯を目に留めたからだろう。 移す力は無くした筈なのに、未だに傷や痣を持つ者を 探してしまう。
それしか私の存在意義がなかったから。
染み付いた我が身の業に苦笑を浮かべながら シャラと音を鳴らしながら目を閉じている人物へと近付いた。]
(250) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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うん? 学者さま?
[見知らぬ顔ばかりの中で、聞いたことのある職業>>249が耳に入る。 私が聞いた事があるのは神学者だったが。]
こんな所で神様を勉強している方がいらっしゃるなんて。 初めまして。私はギュルセルと申します。
[それ以外に学者がいるとは思わず、当然とばかりに 決めつけた口調で名を告げ、頭を下げた*]
(251) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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―忘れられた欠片―
[祈りましょう、と、その女性は言った 神に祈れば、正しい行いをした者は救ってもらえると
何が正しい行いなのか、男にはわからなかった
その家の家長は厳格で、その妻は信心深く、神の教えは絶対で
家長が戦で家を空けても、神に祈れば上手く行くと そして家長が二度と帰らなくても、教えに従えば救われると
そうして、良き行いをすれば、神は必ず手を差し伸べてくれると そう言い聞かされながら、すごした日々は とても神に愛されていると思い難いものだった]
『私たちよりも貧しい人に食事をしてもらいましょう』
[そう言いながら、子供たちの食事まで人に与えるような人。 空腹を訴えたなら、もっと苦しい人がいると そう言って、やがて全ての財産を慈善と言う偽善につぎ込んだ
それでも、彼女は「救われる」と信じていたから]
(252) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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──席を、引いてちょうだい。
[物怖じしない声を、今度は生気のない従者に向けて。>>222 空いている椅子が引かれるのを待ち、 ゆっくりと重い足を動かし腰掛けたなら、背筋を伸ばす。 かなり長身らしく座れば少し高い位置にあるオブシウスを 丸い珊瑚色で真っ直ぐ見つめた。
さっき、一瞬だけその表情が柔らかくも見えた。>>220 今も変わらず温厚そうな雰囲気はあっても どこか冷たい気がするのは何故だろう。]
わたし、喉が渇いているの。 テーブルにつけば出てくると聞いたのだけど、 どうすればいいのかしら。
教えてちょうだい。
[見ている限り、従者が喋るようには思えないし。 何も置かれていないテーブルを見つめて、問いかける。 座ってからもずっと、スカートの端を握り締めたまま。]
(253) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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─ ゴースト・窓の中の虚像 ─
[その"影"は何も映らない筈の窓硝子にくっきりとそれを映した。
私であり、私ではない、誰か。 不機嫌そうな私――ではない。 緩やかに弧を描く口元が、私に、告げる。
――誰
なんて問う暇すらなかった。 ふと周りを見ればそこに在ったはずの喧騒が、無い。
――ああ、それは私だけに見えているのだ
『本当にいいの?』
その意味が分からず、眉を顰めて、虚像を見つめる。しかしその答えは存外直ぐに、そして傷を抉る形で、やんわりと帰ってきた。]
2016/08/02(Tue) 23時頃
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それと、彼は…… 死んでいるのに、どうして動いているの?
[わたしは、それでも知りたいもの。 知らないことがあるのなら。]*
(254) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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─ ゴースト・窓の中の虚像 ─
[その"影"は何も映らない筈の窓硝子にくっきりとそれを映した。
私であり、私ではない、誰か。 不機嫌そうな私――ではない。 緩やかに弧を描く口元が、私に、告げる。
――誰
なんて問う暇すらなかった。 ふと周りを見ればそこに在ったはずの喧騒が、無い。
――ああ、それは私だけに見えているのだ
『本当にいいの?』
その意味が分からず、眉を顰めて、虚像を見つめる。しかしその答えは存外直ぐに、そして傷を抉る形で、やんわりと返ってきた。]
(255) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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[男は家を継ぎ家長となっていたが、母親を止めることは出来なかった なぜなら、彼女のしている事は周りから「正しい事」とされていたから それが、どれだけ家族を苦しめて居たとしても
やがて、体が弱かった末の妹が死んだ。 誰が見ても衰弱死とわかるその姿を見て、女性はこう言ったのだ]
『ああ、あの子は神様が迎えに来てくれた。救われて神様の元へ行った。 早く、みんなも迎えに来てくれるといいわね。 それまで、神様に全てを捧げましょう』
[正気とは思えなかった もしかしたら、もっとずっと前から歯車は狂っていたのかもしれない このままでは死んでしまう…殺されてしまうと漸く現実を見た男は
………――その時、あの人は確かに男の名前を呼んだ 忘れてしまったその名前を
そうして、男は、そこに残っていた施しのための食料を抱えて、そして
――思い出さない記憶は、深く冷たい闇の中。*]
(256) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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……苦しくなんて、無かった。
["恋"と言われて直ぐに思い出したのは、"彼女"とのこと。それは決して苦しくなんて無かった――筈だったのに。
なのに、なんでこんなに、"今"苦しいんだろう。]
(257) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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私は……手に入れた。 彼女との幸せな毎日も、愛情も
日々変化する彼女の表情を見ているだけで幸せで 彼女だってそれに応えてくれた
何も……知らないくせに……
[恋が実ったかといえば、それはそう、なのだろう。彼女の希望を叶えることだけが生き甲斐となり、彼女の日々の変化を見ることだけが楽しみとなった。現に彼女はあんなに白髪だらけになるまで、私の傍で寄り添ってくれた。逃げることだって、出来たはずなのに――。人の世で虐げられてきた彼女もきっと、闇世で意外にも触れてしまった暖かさに、居心地が良かったのだろうと。少なくとも私はそう捉えていた。
だから、私は、辛いことなんて無い。苦しいことなんて無い。 虚像の言葉を聞いてなお、私はそう言い聞かせる。]
私は辛いことなんて無い。 苦しいことなんて無い。 私は全て手に入れたんだ 苦しいのは――
[彼女を、失ってしまったこと。 自らの手でその"希望"を叶えてしまったこと。]
(258) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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[かつん、鳴る靴音は、何故か止まらない。遠くで語りかけているような、耳元で囁かれているような。そんな声に不快感を露わにして]
五月蝿いわね!
……全部。終わらせたいの。 あの人がいない闇世なんて。
もう。必要ないじゃない。
[声が震える。無意識に擦られる右腕。ぎゅう、とそれを抓れば自らの爪がそれに食い込んで痛みを感じる。 もうとうに治っているはずの傷の跡。消し去ることもできるはずの灰の庭。ちりちりと燃えるように崩れていった白い百合の花。それがまだ、この世には全て、残っている。
消し去りたい、生前の記憶も。 消し去りたくない、彼女との記憶も。
彼女の残した最後の望みは、"私が私で、居ること"。
それが、とても、苦しい。]
もう……必要、ないの。全部。
[ぎゅっと目を閉じて、ゆっくりと開けば。 そこにはまた再び、元の喧騒が戻っていたか**]
(259) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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【ギュルセル氏の首を真綿で締める用メモ】
>>13 グリーンマイル的治癒能力 >>20 肌や髪が力を使ううち黒へ >>21 命じられるのが当然の生活、人間らしさが薄い? >>22>>42>>50 自分で選んでる風で自己犠牲強いないじるならここか >>102 腹立たない 抵抗の意思なし やっぱ自己犠牲愛だなやめてよ性癖に響く(かわいい) >>103 粗食(かわいい) >>133 テーブルこんこん(かわいすぎる有罪) >>137 謙虚過ぎる 卑下まではギリいかないか…? >>150 他人の決定に従えば自己の本音を見ないふりできる ああでも自分で気付いてるな >>151 ワインにうきうき(かわいいいっそ殺せ) >>162 歯磨き(死んだ) >>168>>169 (二度死んだ) >>195 人間の汚さ把握 吸血鬼にすでに絆されてるこの辺いけるかな >>197 白い頃の姿、ミルクに
全体的に役に立つのかこのメモ
(-82) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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[大人しそうなその青年の猫の鳴きまねに気づいて視線を移したら、彼は眉を下げたから、>>241やっぱり俺はあまり良い顔はしてなかったんじゃないかって。
猫を好きかとの問いにすぐに頷いたのを見て、俺は白猫に姿を変える。
彼の表情が明るいものに変わったのと嬉しそうな歓声に気をよくした俺は、しゃがみこんで手を差し伸べる彼の両の手の間に収まった。
彼がいくら細身であろうとも、この猫の体は抱き上げるのくらい容易だろう。 そのまらま抱き上げられるならば、暴れたり爪を立てたりはせずに、静かにゴロゴロと喉を鳴らした。
彼が見ていた方に視線をやるが、入り口の向こうには暗い廊下があるだけで猫の姿は猫の瞳には映らない。
彼が呼びかけていたのは一体なんだろうか。 この館にはまだ、俺の知らないことがたくさんあるみたいだ。 人間たちより知っているとしても他の吸血鬼たちよりは疎いだろう。
猫好きの彼は、一体何故ここに来たのだろうか。 彼もマスケラに連れてこられたのだろうけど、吸血鬼のことは怖くないのかなって、能力を見て喜んでいたような様子を思えば少しは知識もあるのかな。
そんなことを考えながら俺は彼の瞳を見上げたよ。*]
(260) 2016/08/02(Tue) 23時頃
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[目を閉じていたら聴覚が冴え渡る訳で、同胞の怒りの声が耳に入る>>238>>234。 まだ瞼は閉じたままだが、同胞の言葉に対し、吸血鬼にしか聞こえぬ声を彼に投げ掛け、問い掛ける。]
―――――――。
[その問い掛けに毒を含ませてしまったのは此方の悪いクセ。 彼の反応を見ようとしたら、シャラリと聞こえる金属音>>250。 近づく気配と人間の匂いに誘われて、白い同胞より先に黒い人間を見遣る。 ゆったりとしながら、まず浮かべるのは人懐こい笑顔。 さて口を開こうとしたら、食堂の扉が開き別の人間が>>249。]
おや、また人間が……何人呼んでるのやら。 まぁ良いや、こっちにおいで。
[空色の扇子を閉じ、学者だと名乗る人間を此方に誘おうとゆるく扇子を動かしながら。 近くにいる人間も一緒に誘おうと、彼もおいでと扇子をぱたぱた*]
(261) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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ねぇ、相手を好きになっても、その相手が愛を受け取らなかったらどうする? 烏滸がましい、といってもさ、結局の所相手に見返りを求めてる、って事でしょう?
[一拍息を置き間を取らせたら、淡々とした口調で問い掛けた。]
好きって何? 愛って何? その幻を真実だと証明する方法って何だろう?
(-83) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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[しゃがんで手を差し伸べれば、猫になった彼は快くぼくの腕の中にやって来てくれました。>>260]
わぁ… ふかふかー
[やわらかな白い毛に頬ずりしたくなりましたけど、流石にそれは我慢しました。 だってこの猫は、猫ではなくてひとりの吸血鬼ですから。 今は腕の中に納まる仮初めの重さと温かさに満足することにして、ぼくは頭の上から背中までをゆっくりと数回撫でました。]
あ、そうだ。はじめまして、猫の吸血鬼さん。 ぼくの名前はフィオレといいます。 あなたのお名前は…?
[物語のように吸血鬼が人の血を吸う事はマスケラ様からも聞いていたので知っていますが。 まだぼくは、誰かに無理やり襲われたわけではありませんし。 マスケラ様もオブシウス様も、腕の中で爪を立てないようじっとしていてくれる彼も。 ぼくがお話したことのある吸血鬼はどなたもみんな優しい方ですので。 怖いとか、恐ろしいとか。 そんなことは少しも思っていませんでした。*]
(262) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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─ ファシリア/失せるの虚像 ─
[苦しくない、言い聞かせるように繰り返しながら苦しげに顔を歪める美しい吸血鬼に>>259、虚像は相も変わらず硝子の中で笑うばかり。
きつく目を閉じたファシリアに、周囲の喧騒が戻る瞬間。]
『ヒトの命は巡っても、吸血鬼の死は消滅。 待ちたい人も、待つだけの理由も、そのための力もきみにはあるのに。 "彼女"じゃない誰かの手を取って、契って、全てを終えるの? それに。
──本当に、闇世を消せば終わりは来るのかな?』
[囁きは渦を巻いてやがて周囲の音と混じり、消える。 やがて開いた彼女の目には、少し前と変わらぬ食堂の風景が映りこむだろう。*]
(263) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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/* >>263タイトル誤字とか死ぬしかない
(-84) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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/* も、もっと筆…早くなりたい……。 今日日替わりとか結構プロ短いなーぐぬぬ
>>230ルチルの視線もどっかで拾えたらなーって。 貴方すっごくつまんない顔してるって言い放ってやりたい。
(-85) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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[学者のフェイと言う人物とは幾つか会話を交わせただろうか。 視線はフェイへと向けていたが、 視界の端でちらちらと舞うものが見えた>>261
その色が気になって顔を上げると、柔らかな笑顔を向けられ 私も思わず微笑んで頭を下げる。]
呼んで下さっているようです。 一緒に行きませんか?
[もしかして疲れているかもしれないと思いはしたが、 折角だからと椅子に腰掛けたばかりだろう人物に手を差し出した。 それが取られても取られなくても。
共に向かうかどうかは彼次第。
私は空色の扇子を揺らした人物の元へ向かう。]
初めまして。 私はギュルセルと申します。
人間なのですが、あなたは……こちら側の方なのですか?
[ルチルとファシリアとの会話で解けた緊張感は 警戒心も忘れさせて。 怯える事も不安も思わず近付けば笑顔で自己紹介を*]
(264) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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[こちらが名乗ると答えが返ってきた。そちらを向いてニコリと笑みを返す>>251]
神様を勉強…?実に言い得て妙だ。
[なかなか的を射ていると一人で勝手に上機嫌になると、喜々として言葉を続ける]
わたしの研究対象は”吸血鬼”だよ。 だが、未だかつて目の当たりにした事がないその姿を追い求める内に、ある意味わたしの中で神格化したかもしれない。
[一気に言うと、前傾しかけていた上体を引き、肩から力を抜いて笑う]
だからね、わたしがここに居るのは偶然ではなく必然なのだ。 ああ、ギュルセル。よろしく頼む。
[つまりは驚く事はないのだ、と言いたいらしい。 また、このような口ぶりは吸血鬼というより、己と同じように招かれた人側なのかもしれない]
(265) 2016/08/02(Tue) 23時半頃
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[此方の視線に気付いたらしい人の子が見せる表情はそれぞれで>>234>>235 連れてこられた人間達も個性豊かな物だ、などと感心する。 何かが聞こえた気がするけれど、気のせいという事にしておこう]
(266) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[此方の掛けた言葉はやはり不躾だったか、それでも言葉を返してくるのには何かを決意したかのような意思を感じ、自然と聞く態度も真剣になったか。>>243 飼われている、と言う言葉を否定したくてもできない様子に戸惑うようで それでも、この世界でどうするかと言う意思ははっきりとした物で
それが、彼が初めて「自分の意思で決めた事」と聞けば、 些か軽い気持ちでいた男自身の感情を揺らした。
今日は感情がよく動く。それは人と話しているからか まだ残っていたのに使い方を忘れていたかだろう]
そこまでの意思があるというのに、軽い気持ちで聞いてしまったかもしれない。 後悔しないというのは良い事だ…後悔する相手を選ばない事が一番だけど。 私は、君のその決意を好ましく思うよ。
ああ、食欲があるうちは大丈夫だ。
[まだ食事はしたいと、望んだものが現れる様子に、男なりの笑みを浮かべる。>>245 神様の方が余程意地が悪い、などと言われたなら、また表情を僅かに崩したろう 吸血鬼相手にそこまで言えるのであれば、それはかなり芯がしっかりしているという証だ]
(267) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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親切、だろうか。私に出来る事をしただけだよ。 ああ、今のうちに話しておくといい。 そうすれば、君が選ぶ道も増えていくからね。
[そう言って、立ち去るのを見送ろうとして 最後に向けられた言葉>>246に浮かんだ表情は きっと、これまで浮かべた事のないものだったろう。
いわば、鳩が豆鉄砲を食らったような、そんな表情をして
そうして、今度こそ周りに聞こえるような声を立てて、笑って]
本当に、君は物怖じをしないね。 こんなに愉快な気持ちになったのは200…いや、300年ぶりかもしれない。
私が望むものを教えてあげるよ。
退屈を忘れさせてくれる相手さ。 笑顔をもっと見たいなら、私を笑わせてみればいい。 喜怒哀楽、なんでもいい、私の感情を動かしてくれるなら歓迎するよ。
[この言葉は、この場にいる全ての人間に聞かせるように。 そうして、笑いが収まったとき、その男は 退屈の中にも興味と好奇心の色を浮かべていただろう。*]
(268) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[ギュルセルに向けて一方的に熱く語っていると、彼とほぼ同時に別のもう一人から招かれている事に気づいた。 こちらはまた、雰囲気の異なる青年のようだ。ギュルセルに促されると、わざわざ気遣ってくれたのだろうか。差し出された手に己の手を預けると、共に立ち上がってそちらへと向かう]
わたしはフェイです。 よろしくお見知りおきください。
[尋ねたい事はギュルセルが言ってくれたので、まずは共に彼の言葉を待とうか]
(269) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[眉を吊り上げむっとする赤の娘>>242
おやおや怒らせてしまったようだな。 ならば、その怒りに任せて逃げる口実もできよう。
そう思い同席は無理そうだと従者に先程の命令を取り下げようとする。 しかし、オブシウスの予想に反して響くは物怖じせぬ声>>253 従者はコーラリアの命令に応じて席を引くと生真面目な動作で椅子の位置を調整する]
ほう……。
[背筋を伸ばしこちらを真っ直ぐに見つめる赤い珊瑚の瞳。
限り在る生の中、圧倒的な恐怖に立ち向かうその姿。 やはり人間は美しい、そして、そうでなくてはならない。
オブシウスは赤の娘――……コーラリアに目を細めて笑みを見せた。 そうして初めてコーラリアを認めたようにその目を真っ直ぐに見つめた]
(270) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[テーブルの使い方の教えを求められれば、了解したと言う様子で口を開く]
使い方は簡単だ。 テーブルに向かって欲しいものを思い描いて念じればいい。 口に出してもいいし、胸中で願うだけでもいい。
出てくる物は願った者のイメージに左右されるらしい。
食事の他にも小物を出す者もいるようだが…… どこまで大きな物や種類が出せるのか、挑戦するような珍事に遭遇した事が無いので私には分からないな。
[なるべく詳しくテーブルの使い方を説明する。 実践するように、オブシウスはテーブルに手を伸ばして願いを口にする]
グラスを一つ。
[すると、テーブルに何も入っていない空のワイングラスが一つ現れる。 現れたグラスを従者はすっとコーラリアの目の前に持って行った]
このようにして、飲みたいものを願えばいい。
[チュートリアル終了。 とばかりにコーラリアが説明を理解して好きな飲み物を出せるか見守る]
(271) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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─ ギュルセル/白い水面の幻想 ─
『やあ、こんにちわ』
[ミルクの水面で笑う男は、覗き込んだまま沈黙した男>>197と同じ姿をしていた。 否、姿形は変わらねど、その髪や肌は抜けるように白い。 穢れひとつ知らぬような無垢の色で、それは柔らかく微笑んだ。]
『柔らかいパンはおいしかった?誰にも妨げられない、自分のためだけの食事って、最高じゃない?』
[優しげな声音で労わるように告げ、水面の向こうから、つん、と人差し指でミルクを揺らす。波紋で歪んだのは、果たして白い水面だけだったか。]
『これは、かつてのきみが選ばなかった未来。…選ぶことを知らなかった結果が今までだとしたら、随分酷い話だよね。だって知らなかったのに。』
[無知は罪だろうか。 薄い笑みが問う。教えてくれなかった方に罪は無いの?きっと誰も答えられやしない。何故だか分かる? 肩を竦めたギュルセルに似た男は、酷く柔い、甘い猫撫で声で囁く。]
(272) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[そうしていると問い掛けられる従者に関する質問に、しばしの沈黙。 そして、端的に事実を述べる。>>254]
吸血鬼にはそれぞれ固有の能力がある。 私にとって、ソレが死者を使役する力だっただけだ。
[使役する条件や、何故その能力が身についたのかなどのオブシウス個人に深く関わる内容には触れず、吸血鬼全般の知識をコーラリアに教える。 好奇心は猫を殺す――……。 どこからか聞こえてくる猫の鳴き声が、オブシウスにそんな言葉を連想させる。**]
(273) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[フェイが嬉々と語る様子>>265に、確かに彼は学者だと 頷かせるものがあった。
何の迷いも無い自分の語るものが当然だと思わせる語り口は 教会で神を語る学者に通じるものがあった。]
研究対象が吸血鬼で神格化。
[教会が聞いたら激怒しそうな事を言っていると思いつつ、 少しだけ不同意の部分に思わず口が出てしまった。]
ルチル様とファシリア様は神様の様に意地悪くは ありませんでしたが。
[そこだけは間違えないようにと力説しながら、 彼がここに訪れたのは必然だと言い切る姿が 本当に楽しそうで目が細くなった。]
(274) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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『自分の罪を知ってるからさ。…きみはもう少し、疑う事を知ったほうがいい。例えば、』
[視線だけが、近くにすわる誰かを示すみたいに横に滑る。 わざとらしく潜めた声で、けれど実際はどれ程耳を澄ませても他の誰かになんて聞こえやしない。]
『吸血鬼が、人間らしいだなんて。彼らがニンゲンをなんて呼んでいるか知ってる? ──"餌"、だよ』
[打ち明けられた秘密にギュルセルは驚いただろうか。狼狽が見えるようなら、水面の男は慌てたようにやさしく彼を慰めただろう。]
『きみをここに招いた者たちを、簡単に信じて大丈夫かなあ。きみは自分で選んだと言うけれど。本当にそう?"選ばされた"のではなくて? …まぁ、誰かの決定に従ううちには』
[諦めたような眼差しを最後に、ゆっくりと水面の影は滲んでいく。 今の今まで食堂の喧騒が遠ざかっていた事に、ギュルセルは気付いていたろうか。いつかの彼の姿をした白い幻想が、憐れむように首を振る。]
『向き合わなくて済むもんね?とっくに真っ白じゃなくなった、自分の本心にさ』
[吐いた息が揺らしたようにコポリ、とカップの中身が鳴って、それきり男の姿は掻き消えた。*]
(275) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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/* ゴースト様の抉り方、す・て・き♪ あざーす!!!
(-86) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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/* くっそ煽られに逝きてえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
(-87) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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/* Q.フィオレはご飯を食べないんですか?
A.おじーちゃんだから小食薄味なんです
(-88) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[姿を変えて青年の腕に収まるより少しだけ前、 人には聞こえぬ声が耳に届く。>>261 ただでさえ、あまり良い顔は出来ていなかった俺は その声に眉を顰めた。
それでもさ、返した口調はあくまで愛想よくしていたよ。 口調だけはね。]
2016/08/03(Wed) 00時頃
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[姿を変えて青年の腕に収まるより少しだけ前、 人には聞こえぬ声が耳に届く。>>261 ただでさえ、あまり良い顔は出来ていなかった俺は その声に眉を顰めた。
それでもさ、返した口調はあくまで愛想よくしていたよ。 口調だけはね。]
(276) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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どうするだろう? わからないな。だって受け取って貰わなかったことなんてないからね。 …見返りを求めるのは悪いことなのかな。 俺はね、返してきたよ。全部。 俺を好いてくれているだろう人には見返りをさ。
[はじめ、明るく答えた声音が、徐々に低くなったのは 彼が俺の呟きを聞き届けていたってわかったから。]
愛が何かを説くほど俺は長く生きてはいないけど それを証明することが出来るなら きっとなんだってするだろうね。
[方法があるならば俺が知りたいくらいだよ、そう付け加えた。]
(-89) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[猫の姿の俺を抱きかかえた青年は、 ゆっくりと頭から背中の毛を撫でる。>>262 俺はゴロゴロと喉を鳴らしたまま目を細めた。
やっぱり人間の手は温かくて柔らかい。 その血の巡りを毛皮越しに感じると、少しだけ うず、と喉が何かを訴えた気がしたけれど 気のせいだと思い込むことにする。
フィオレ、と自己紹介をした彼の顔を見上げて俺は小さく にゃあ、と鳴いた。
この姿だと挨拶も返せないものだから。 彼の腕に一度頭を擦り付けると、身じろぎをする。
彼が腕を少し緩めてくれたなら、トン、と 身軽なその身を床に飛び降りさせて。
また元の姿へと戻った。]
ごめんね、あの姿だとおしゃべりができないんだ。
はじめまして、フィオレ。 俺はリアント。ご覧の通り吸血鬼さ。
[ご覧の通り、で両手を広げて歓迎するように。]
フィオレは吸血鬼が怖くはないみたいだね。 此処に来た人間たちは、皆そうでもなさそうだけど。
俺もね、人間が好きだよ。 だから君たちが来るのをとても楽しみにしていたんだ。
[吸血鬼に対して警戒する様子のない彼に、 人懐こい笑みを浮かべて挨拶をする。
笑んではいたけれど、そう言ったのは少しだけ、 自分に言い聞かせる意味合いもあったかもしれない。*]
(277) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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/* あう……私のタイミングが悪すぎた……色々と独り占めしてすまないです。
(-90) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[目を開ける刹那だったか。囁くように、心の中に語りかけるように、それは言った>>263
――消滅
――彼女じゃない誰か
――闇世の"終わり"?
[ざわり、と黒い陰を残して、それは、消える。
"それは終わりか始まりか"。 先の同胞の声と一緒に、ぐる、ぐると頭の中に渦を残して**]
(278) 2016/08/03(Wed) 00時頃
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[ギュルセルを見送って周りの様子を眺める。 同胞達も人間達もそれぞれに交流を深めているようだ。
退屈しのぎ、と思ってはいたけれど、なかなかどうして 人との交流がここまで刺激的とは思わなかった、と
いつしか退屈そうな表情は緩んで見守るようなものになっていただろうか 禁断症状で感情はかなり磨耗したけれど、 それ以上に変わらない日々が感情を麻痺させていたのだと気付く]
人の子と暮らせば、笑えるだろうか。 先ほどのように。
[忘れていた物が戻ってきたようで口元が緩む。 すっと表情を作っていなかったからそれはどこかぎこちないけれど
そうして、また赤ワインの入ったグラスを呼んで軽く掲げ……
グラスに映るその顔が揺らぐのを見たような気がした。 赤に染まる顔は、まるで何かに濡れたようで 「笑う資格がお前に有るのか」と言うようで
その赤は最期の時に身を染めた己の物か、それとも*]
(279) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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/* うんあのね、情報開示の少ないプロでやる事ではなかったかもしれないなんかすいません 一生懸命拾ってはいるよ(活かせてない 刺すとこ間違えても許してね…!
(-91) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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/* ファリちゃんのメモのやさしさに泣いた
次はオブさん あとルチルさんも来た そろそろ映るもの被ってもいい?w
(-92) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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[白い毛並みに沿って撫でれば、腕の中の彼はゴロゴロと喉を鳴らして目を細めます。>>277 心地よさそうな様子は本当の猫のようで、ぼくは彼が猫になる姿を見ていなければ、本当に頬を摺り寄せていたかもしれません。
吸血鬼の恐ろしさを知る人が見れば、猫を抱くぼくの姿は無防備極まりなかったでしょう。 先ほどの耳打ちを許したように…。
猫の姿をした彼に名前を尋ねると、答えはひとつにゃあと鳴いて。 額を腕に擦りつける姿は、本物の猫に懐かれているようでした。]
ん、降りたいんですか?
[何かを訴える様子にそう呟いて。 抱きしめる腕の力を緩めれば、白猫はトン、と身軽に飛び降り。 真っ白な猫の代わりに、真っ白な髪の彼がそこに居ました。]
(280) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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[ごらんの通り、と腕を広げるリアント様の姿はどこか芝居がかっていましたが、明るく陽気な振る舞いは彼にとても似合っているようでした。]
ぼくはマスケラ様以外の吸血鬼を知りません。 言葉の通じないライオンや狼ならともかく、 何も怖いことをされていないのに、 初めて会った人を怖がるなんて変じゃありませんか?
[吸血鬼を人と呼んだことは、人懐っこい笑みを浮かべる彼にどう思われたでしょう。 けれど猫に変わる不思議な力を持っている以外、ぼくには彼がぼくたちと違う生き物だとは思えなかったのです。
なにより。 人間が大好きだよと、人懐っこい笑みを浮かべるリアント様を。 どうしてぼくが恐れる必要があったでしょう?*]
(281) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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/* 寝ない覚悟を決めたぜ(仕事
これ早めにメモ作っとかないと後の方をお待たせしてしまう
(-93) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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[さて、同胞の返答はどうだったのか、一先ず先に置いておいて。 黒い人間がギュルセルと名乗り>>251、笑顔を返す学者は椅子に座ろうとしていたらしい>>249。 嗚呼其処までに気付かなかったのは同胞に声を掛けてしまったからか、それとも他の何か?
それよりも。 何の警戒も怯えもなく近づく人間達。何か騒つく物が芽生えるが、笑顔を崩す事は無く。 二人は此方が吸血鬼なのか人間なのか気になっているみたいで、さて。 少し意地悪でもしようかと企みを廻らせ思考すれば。]
僕も他の人が吸血鬼か人間か分からないんだよね。 だからちょっと怖くてさ、みんなの様子を眺めてたんだ。 あ、ごめん、僕はシェニね、よろしく。
[口元をよく観察すれば分かるだろうし、いずれは看破されるのだけど。 如何しても素直に吸血鬼だと答えたく無くてさらりと嘘を付く。]
(282) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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[そんな事を言ってる間に同胞からの返答が来たのだが>>276。 彼へ返答はしない、いやしたくなかった、と言うのが正しいか。 胸に何かが詰まってるというか、どうもスッキリしないと言うべきか? ハッキリとした答えは見つからないが、「何か気に食わない」という感情が芽生えてるのだけは分かる。 人懐こい笑顔が一度崩れ、眉を顰めるが、直ぐに元に戻る。]
研究してるの?吸血鬼を?何で?
[学者を名乗った青年はフェイという>>269 彼が言うには吸血鬼を研究するらしいが>>265、吸血鬼を研究して玩具にでもするのか、と怒りが湧いたけどそこはセーブし、湧き上がった疑問を投げてから。]
へぇ、吸血鬼を神様に? 神様だったら、それは凄い事出来るよねぇ。 でもさ、だったら何で人の血を吸うんだろう? 神様は人間を作ったのなら、何で作り物の血を吸わなきゃならないんだろうね。 それに、さ……。 神様は何で人間に酷い事するんだろう?
どちらにしてもさ、君達……。
[じわりじわりと湧く怒りはなんなのか? 表情は変わらない様に試みているのだけど、声のトーンは少し低くく。 最後の方は言葉に間を置いて、ゆるりゆるりと扇子を扇ぎながら口を開き。]
(283) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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[不意に、笑い声が耳に入ってきた。>>268 何かあったのかとそちらを見れば、 あれはさっきグラスを掲げた金色の男の人だ。>>230]
なあんだ、笑えるじゃない。 すっごくつまんなそうな顔してたのに。
[人間ではなく吸血鬼らしい、聴こえてきた男の望み。 つまんなそうな顔をしていた理由。
『退屈』というその言葉にわたしは、ずるい、と呟いた。]*
(284) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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――綺麗過ぎるよね?
[嗚呼、毒を吐いてしまった。大きな犬歯を覗かせて*]
(285) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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[視線を前に戻せば、オブシウスが笑っていた。>>270 さっきよりも目線は近くなった気もするし、 まだまだ上から見られているような気もする。
でもわたしにそれを覆させるには、圧倒的に知識が足りないから。 今は睨むように見つめるだけで、不満を溢しそうになる口を きゅっと引き結んだ。]
思い描いて、念じる。 それだけで? 本当に?
[半信半疑で、オブシウスの説明に聞き入っていると>>271 その大きな掌がテーブルに翳されて。
現れたのは、綺麗に磨かれたグラス。 従者に目の前に差し出されたそれに、わたしはおそるおそる スカートから離した手を伸ばした。
一瞬だけ触れた指先。 グラスと同じかそれ以上に冷たい、青白い肌に また少しだけ顔が強張った。]
(286) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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/* さて、ぼっちなので独り言ー(おい
ルチルの過去ぽいちょ。 要するに、こいつは母親を殺してます( 過去についてのイメ曲はポルノグラフィティの「カルマの坂」
ちなみに四人兄弟の一番上で、下が妹・弟・妹 上の妹は嫁いで、弟は家を出ています。どちらも妹が亡くなる直前で、まあ、耐えられなかったんだね。 本音は母親から逃げるためなんですが、うまく神に繋がる物と誤魔化せるように。 末っ子は生まれつき弱かったけど、それは信心が足りないからと信じ込んだというのもあり
ただ、なんだかんだ言って母親を愛していた(だから最後まで従っていた)ので、それを自分で殺したという事を「認めなかった」
能力は飢えや物不足の欲求がうんだもので 禁断症状は「人らしくあること」への無意識の自己嫌悪だったりします
(-94) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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それじゃ……果実水が飲みたいわ。 甘くて、赤くて、とびきり冷たいのを。
[前に一度だけ、飲んだことがある。 砂漠の外からやってきた行商人が持ちこんだそれを脳裏に描いて願えば。 テーブルの上で持ったままのグラスを持つ指先が、 冷たさを感じて目を見開いた。
グラスの中で揺れる、淡く透き通った黄色。 一口飲めば、爽やかな甘酸っぱさが喉を抜けて わたしは珊瑚色を輝かせた。]
すごいわ! 本当に前に飲んだものにそっくり。
[他にも色々出せるらしい。 グラスを傾けながら、ふと思いついて 本の中で見たことのある果物を描いてみるけれど。 何も起こらない。
出そうとする者のイメージがしっかりしていないとだめらしい。 こんなに便利なのに。 王宮で食べたことのあるものしか知らないわたしには 使いこなすのが難しいことを知り。 ほんの少し、肩を落とした。]
(287) 2016/08/03(Wed) 00時半頃
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/* 今回は割と吸血鬼に対してポジティブな人多いよね。
(-95) 2016/08/03(Wed) 01時頃
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/* あっと9ふーーーん(物凄く眠いし結構空腹)
(-96) 2016/08/03(Wed) 01時頃
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ー ミルクを飲む前 -
[ゆらゆらと揺れる白い水面に映った私は白く無垢なままだった。 だがその言葉は私の今の肌より黒い靄を私に投げ付ける>>272
そこに映っているのは確かにもう一人の私だった。
誰かの肩代わりをし続け無くてすんだ私の。
もう1人の私の言葉>>275は耳を刺す。]
……餌……。
[そう人間を呼ぶ吸血鬼がいてもおかしくない。 いや、人間の中にすら同じ人間を人間扱いしないものだって。
心の内で何度も何度も否定の言葉を探す。
ルチルやファシリアを肯定する為ではない。 私が私を肯定する為に。
だが声にならない。
それが掻き回された証拠。
選択肢の無い、制限された人形の様な今まで。 細波すら立たなかった私の内の水面では無く、 水底深くを掻き回す。
それこそ見たくない私の肌より黒く溜まった汚泥を 掻き回して白い水面を穢すように。]
私を……憐れむな……。
[あの教会の殆どの人間たちの様に。 見棄てられた方がまだマシだった。
所詮私は物だったのだと諦める事が出来るから。 心から、人間として必要とされたいと言う 欲を思い出させるなと、歯噛みと共にミルクのグラスを掴み、 飲み干しても冷たさが胸に滲みる事はなかった*]
(288) 2016/08/03(Wed) 01時頃
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[吸血鬼が変化した姿だとわかっていながら 猫を抱いているフィオレの姿は確かに無防備だっただろう。
客観的に見たときに、こうして人の仔に撫でられている俺は 他の吸血鬼から見たらどう思うのかはわからない。
俺が若い吸血鬼だからか、人だった頃の性分のせいか 吸血鬼は人間より上、と言う感覚はイマイチわかっていなかったりする。
だから、初めて会った"人"と吸血鬼を指すフィオレの言葉>>281に クスクスと笑って、それもそうだね、って頷いた。]
だけどねフィオレ、怖い吸血鬼だっているよ。 それこそ言葉の通じない獣と同じような。 そうそう、俺はね、ライオンや狼にだってなれるよ。 だからってガブリといったりは――…
しないけどね。
[調子よく言葉を紡いでいた俺は、一度口元に手を置いて目を伏せた。 少し、思い出したくないことを思い出してしまったから。
思い出したのは、俺を殺した吸血鬼のことじゃない。
けれど、吸血鬼が、俺が、人と変わらない、と言ったフィオレに 余計な不安を抱かせるのはよろしくないから、 すぐに笑顔を戻したよ。]
(289) 2016/08/03(Wed) 01時頃
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人を信じられるってことは良いことだ。 フィオレは良い環境で育ったのかな。
[だったらどうして此処へ来たのだろう。 それを聞くのは不躾だろうか。
もし俺が人間だった頃に、此処に呼ばれていたらどうしたろうか。 好奇心は疼いただろうけれど。 それでも来たいとは、人の世を離れたいとは思わなかったんじゃないかな。
俺は食堂にいる人間たちを見渡して、 彼等が此処にいる理由に少し思いを馳せた。
想像だけではどうにも、よくわからなかったけれど。*]
(290) 2016/08/03(Wed) 01時頃
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[数百年ぶりの笑いの衝動が漸く治まれば、此方を見ている視線に気がついた。>>284 笑えるんじゃない、と言う声に、ああ、そう見えていたかと。
なるほど、確かに退屈そうな者よりは楽しそうな相手のほうが話し甲斐はあるだろう。 とはいえ、長きに渡って表情を作る事を忘れていたから、そう簡単に表情を操れるわけでもなく。 呼び出したグラスを軽く掲げて見せてから]
笑えるさ 笑い方を、少しばかり忘れていた。
[などと本音か冗句かわからない言葉を返した。
グラスに影が揺れる前の事。*]
(291) 2016/08/03(Wed) 01時頃
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