
643 【桃RP】幻鏡堂にて、君を待つ
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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が5人、共鳴者が3人、王子様が1人、人狼が1人いるようだ。
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……ジッ、……ジジッ……タララ…タ、タ…… ザーーーーーー……
(0) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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[それは、何人目の来客の時であったか。]
あら、あら、まぁ。 今日は本当に、お客様が多いんですのね。 だぁれもいらっしゃらないことも、珍しくないんですのに。
[目を丸くして少女は心の内で呟く。]
あ、兄さまずるいですわ! 櫻さまと、またお話なんですのね! ずるいですわ、ずるいですわ!
[しかし程なくして少女にも来客があれば、おのずと静かになる…]
(=0) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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稀代の人形師、黒鵜が最期に遺した自律人形は三体。
青年型自律人形 和泉
女性型自律人形 翼砂
少女型自律人形 紅緒
そして、黒鵜が三人のために遺した場所――『幻鏡堂』
かつて黒鵜は、生まれたばかりの自律人形にこう言った。
「私は君に、幸せになって欲しい。
そのために、私は君に魔法をかけました。
たったひとりでいい。
誰かを愛し、その人に愛されることで…
君は、人間になる。」
(#0) 2014/10/03(Fri) 00時頃
壽歴十二年、神無月、二日
黒鵜の願いは、叶うのだろうか…?
(#1) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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[次々と現れる来客に、少女は驚きを隠そうともしない。]
今日は、随分にぎやかなんですのねぇ…
[呟きと共に、心の内で何やら囁いたようだった。 少女の様子を見れば、そわそわと何やら落ち着かぬ様子が見て取れたことだろう。
人が来れば、片端から会ってみたいと思ってしまうのが、この少女である。 しかし、階下で渚と話している様子をこっそり観察するのも楽しい物だから、悩ましい。
そうこうする内、少女を尋ねてきた人の存在を告げられれば、かけていた椅子からぱっと立ち上がった。]
千恵子さん?千恵子さんですの? お待ちしておりましたわ!
[伸ばした手の先で、すこーん、と開け放たれる扉。 その向こうに待ちかねた人の姿を見つければ、少女はぱたぱたと駆け寄った。 扉口からきっかり一歩手前で立ち止まれば、手にしたままの手毬を抱え、その女性を見上げる。]
どうぞ、お入りになって! 渚、渚ーぁ?千恵子さんに、お茶!ですのよ! 千恵子さん、何がよろしいですの?
[仕事に来て貰ったはずなのに、すっかり話す気満々の少女である。]
(1) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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/* いやぁ、紅緒は可愛いなぁ。 お兄ちゃん、目の中に入れても痛くないぐらい可愛いと思ってるんだぞ(?)
年の離れた妹ですら目尻が下がるのに、娘なんて出来たら溺愛しそうだぞこいつ。
(-0) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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その分、渚は忙しそうだな。 しかも、初めてのお客さんも居るみたいだし大変そう。
[櫻氏に茜に宮田と名乗った男性、計三名の客相手の対応は大変そうだな、と思ってた矢先、紅緒がずるいを連発し始めた>>=0。 それには、申し訳無さそうに苦笑するしかなく。]
あぁ、すまん紅緒。 大丈夫、紅緒も誰かと話は出来るさ。
[咎める事は無く、いつもの様に温かく宥めるのであった。]
(=1) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 00時半頃
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/* 兄さま素敵。 結婚して(こら
(-1) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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─約1ヶ月前・幻鏡堂─
「…どちらでお聞きになったんですか?」>>0:83
[肯定でも否定でもないその返答に、ごく僅かながら牽制のような気配を感じて一瞬目を伏せる。]
隣の島に住む長兄が、この壱番街に住む次兄に聞いたと。 どちらも、この店を訪ねたことがあるわけではないそうで……。風の噂に、程度の話でした。
[まずそれが真実かどうかも、樹は知らない。 ただ、今日はこの書見台に巡り会えたことで随分と満足していて。]
あぁ、そうだ。 素敵なものを譲っていただいた御礼に、と言っては何ですけれど。
[支払いを終えて品物を受け取ると、財布を仕舞い込んだ手で鞄から一冊の文庫本を取り出す。 中身は読まれなくとも構わなかった。ただ不思議と、この場所に己が来た証を残しておきたいという気持ちが湧いたのだった。]
僕、こういう者です。
[常に名刺代わりに持ち歩いている、唯一世に出た己の本。受賞を喧伝する帯はさすがに外してしまったが、今の己を語るのにこれ以上ふさわしい名刺はない。]
(2) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[淡い色遣いの表紙には、『水無月の後に』という標題が行儀よく配置されている。その右下に書かれた著者名に指を滑らせて、一音ずつ確かめるようにゆっくりと名乗った。]
椋原樹。──筆名ですけれど。
[声調からして同年代の男性と推察される店主に、その名を知られていることはさすがにないだろう。とてもではないが小説家として名が売れているとは言い難いし、何より己の書くものは、いわゆる少女向けの恋愛小説なのだから。]
これ、差し上げます。 それと。
[微笑みをたたえたままの彼に、己も淡い笑みを返し。]
また、来ます。近いうちに。
[丁寧に包まれ紐をかけてもらった書見台をもう一度大切に抱え直すと、一礼して店を出た。]
(3) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[すこーんと良い音と共に扉が開くのが見える。 話す気満々な様子にくすりと楽しそうに笑って]
ふふ、こんにちは。 元気だね。 んー、渚さんのお茶は美味しいからね。 緑茶…かな?
[>>1彼女の問いに、手渡した飴玉を思い出して、合いそうなのはそれかと答えて、お邪魔しますと、一言断って、お部屋にお邪魔するだろう。 部屋を軽く見るが、>>0:82小さな人形といってたけれど、どの子のことなのだろう?]
あ、そうだ。 紅緒さん、設備してほしいのがあるって聞いたのだけれども。 えーと、どの子?
[首をかしげて、そう尋ねてみた**]
(4) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[あの店には本当に稀代の人形師が遺した自動人形が居るのだろうか。
……もし、彼らが己の書いたものに目を通すことがあるとすれば。 そこに、感情は生まれるのだろうか。
その好奇心のひとつひとつが、とても大切な贈り物であるような気がして。 いきなり全てを暴こうとするのは勿体ない、と思った。]
……近いうちに。
[振り返って藤色のステンド・グラスを見上げて呟き、幻鏡堂を後にする。]
(5) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[こうして樹は、足繁く幻鏡堂へ通うことになるのだった]**
(6) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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/* ここまでくらいはプロのうちに終わらせておく予定だったのですが、 都合により入村が遅く……orz すみませんペースアップ頑張ります; */
(-2) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[煮え切らない返事に小さく笑って茶を波立たせた。>>0:84 彼は若い―――或いは若く見えるのに、時折酷く老成した顔を見せる。 街を行く自動人形には無い憂いを抱えて生きているのだ。]
その言い草では、まるで他人事だな。 君はもしかしたら逆しまなのかもしれない。
[目的のために外を知りたいのではなく、外を知り目的を持ちたい。 そんな風に響いて聞こえたのは、己の気のせいか。
彼の語る奇跡は何処か御伽噺めいていた。 或いは親が子に掛けた魔法か。何時解けるとも知れない曖昧な魔法。 彼の思案の横顔を、暫し肴に茶を啜り、ふむ。と相槌を打った。]
―――役目に人形師の願いか。 確かに私も親や家令に散々云われてきたがね。
……他の人が同じかは分からない。 ただ、私は少し違う。
宿命に添いたいわけでも、誰かの願いに因りたい訳でもない。 自由が欲しかったのは―――紛れもなく私の願いだった。 [同じだろうか?と迷える彼に眼差しで問いかけ。 余りに性質の悪い質問だと、瞬きを自戒として挟む。 続く言葉を選ぶ間を置いて、おはぎに手を伸ばすと口元に運びかけ。]
(7) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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幸せに生きるとは物語の中でなら容易いが、中々どうして難しいものだ。 和泉だって押し付けられる幸せなんか御免だろう。
[そこで気付いたように、おはぎを持った五指を彼に差し向けた。 彼が特別な食事以外を摂取できぬ事を知りながら、そっと口元へ。]
そう言えば、私は君の願いと言うのもを知らないな。 黒鵜の話は界隈では実しやかに囁かれるが、それは親の願いだ。 [ずい、と差し出したおはぎは少しだけ強引。 無理に口に押し込むような真似はしないが、揶揄の色を多分に孕む行為。 しかし、彼と眼を合わせると音もなく笑い、そのまま手を引いて菓子を齧る。 餡子の香りは桜香より強く、甘く優しい気配が零れた。]
―――…例えば、こうした甘味を賞味してみたいだとか。 窓から時折見える飛行艇に乗ってみたいだとか。
そんな些細な願いでも良い。 君に芽生えたら教えておくれ。
[良く噛んで甘味に舌鼓を打ち、嚥下してからまた口を開く。 指先に付いた甘味を舐め取る所作は、聊か粗野だがご愛嬌。]
それに和泉。―――君、
[彼の瞳を覗くように、漆黒の瞳が瞬いて、僅かに声を潜め、内緒話でも語るかのように少しだけ顔を寄せた。]
(8) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[千恵子のリクエストを耳にすれば、もう一度。]
渚、緑茶ですわよ! 千恵子さんの分だけでよろしくてよ!
[その時渚はもしかしたら忙しかったかもしれないが、そんなことに気を回している余裕はなかった。 また、お茶が届けられなかったとしてももしかしたら気づかなかったかもしれない。]
そう、そう! この子ですの!
[整備の話題になれば、少女は踵を返し、飾り棚へと駆け寄る。 そこから掬い上げるようにして、うさぎの形をしたからくり人形を取り上げた。 ゼンマイ式のそのからくり人形は、きりきりと巻いてやることで、ぴょんぴょんと跳ねる愛らしいものであるが、自律人形などとは大きく離れた構造をしていたため、渚にはちょっと直せなかったのだった。]
この子、ゼンマイを巻いても跳ねてくれなくなっちゃったんですの。 千恵子さん、直していただけますの?
[少し眉を寄せて、そうっと差し出して見せる。 少女の手の中のうさぎは、本物そっくりの、ふわふわの白い綿毛に包まれていた。]
(9) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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人間になるなんて、本当は、如何でも良いのだろう?
(-3) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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[何事か囁くと、緩く顔を起こして、にっこりと微笑み。 彼の目の前で手を合わせ、ご馳走様。と満足の音を奏でた。
暮れ往く夕日の色が、室内を赤く染め、セピア色の世界の完成。 一時の歓談と旨い茶を味わい、カァカァ鳴く烏に誘われ腰を持ち上げる。]
また来るよ。 答えは想像で補完するが、憂うくらいなら考えてみると良い。 [茶器を重ねて小さな音を立て。 指先で夕に焼けた空気を掻き混ぜ、男は部屋を後にしたのだった。**]
(10) 2014/10/03(Fri) 00時半頃
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―回想・ひと月前―
[その青年が、一冊の本を渚に差し出す>>3のを、少女はしっかりと視ていた。 青年が店を後にし、帰った後で、少女はさっそくおねだりを始める。]
渚、渚! 先ほどの方が置いていらしたご本、私にくださいな!
[仮に貰えなかったとしても、せめて貸してくれ、と暫く粘ることだろう。 どうにかして手に入れた後、少女は何度となくその本を読み返す。 青年の書いたという本に描かれた恋愛とやら。 未だ幼いままの少女にとって、それは何やら新しい世界を見せるようで。 全てを理解できたわけではないが、描かれた台詞が、光景が、人たちが。 ひとかけらの夢のような何かとして、胸の内に蓄えられることになる…]
―回想終わり―
(11) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 01時頃
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-回想・少し前-
[渚からの茶を飲み終わり、今度はガラス製の玩具をぽっぺんぽっぺんしていた時だった。]
……?
[外の様子を眺めていた翼砂はどこからか視線を感じて窓から離れる。>>0:44 ちらりと窓の端から道行く人並みを眺めてみても、幻鏡堂を見上げる人影は見当たらなかった。]
……むぅ、気のせいかな?
[これでも存在は秘密の自律人形なのだ。外から簡単に見られるなどあってはいけない。 改めて自制し、再びぽっぺんぽっぺんと音を鳴らし始める。 息を吹き込むことで、内圧が高まるとガラスの一部が外へ反りかえり、その反動で音が鳴る仕組み。 これもまた翼砂のお気に入りであり、遊んでいる最中は店の中へなど意識を向けない。]
(12) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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んっ…!(ぺっぽん) ぷっ…!(ぽっぺん)
[それからしばらくぽっぺんぽっぺんしていたのだが。 どうにも先程の視線が気になった。 瞑想でもするように目を閉じて、ゆっくりと意識を【飛ばす】。]
[すると、丁度渚が桐箱らしき箱の中をあらためているところだった。美しい蝶の絵が描かれた、惚れ惚れする逸品。>>0:79]
「―――蝶は、翼砂さんをいめぇじしながら描いたんだ。」
…素敵。
[ポツリと、口から感想が出ていた。 翼砂が、硝子細工以外を素直に褒めるのは珍しい。 それほど、心を打つものが絵付けにはあったのだろう。]
セン…
[虚空へと呼んだ名は、来てほしいという翼砂の意思の表れだろうか。 静かな部屋の中でその声も小さく残響して、やがて消えた。**]
(13) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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/* あらかわいい
(-4) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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/* びぃどろで遊ぶ姉さま可愛らしいですわ!!
(-5) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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/* 翼砂ちゃんの「むぅ」が可愛いなぁ。 和泉くんもお美しいですな。
宮田さんと椋原さんはバックグラウンドが壮大で、 もうちょっと読み込んでから絡みに行きたい気も。*/
(-6) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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[宮田となった男に行儀を躾けた者は居ない。 ついおはぎを隠すようにしてがっつき、手早く飲み込むと腿で拭った。 食事は速く、良い物は盗られぬように。普段と違い懐に金子のあると言えども、習い性はどうにもならない。
客扱いに尻がむず痒いような思いがするが、不思議なことに、また同時に至極落ち着くような気もする。
音を立てて出された茶を啜ると、空にした湯飲みを返した。 湿した口は先程よりもよく回るようだ。 歩み同様にゆっくりとした喋りだが、これで宮田にしては非常に饒舌な方なのだ。]
ありがとう。うまかった。 おまえが狐狸で、いま食ったのが泥まんじゅうだったとしても、ちっともかまわないくらいだ。
[うろうろと視線を机にさ迷わせてから、宮田はまた口を開いた。]
――渚。おまえ、おれが客にみえるか。
[返答はふむと、得心したような流したような調子で、よく分からない頷きを返した。]
(14) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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ここはぜんたい、へんな店だな。 あんなお大尽なぞも客なのだろう。 なにか目玉でもあるのかい。
[話をしていると、カラリコロリと音が聞こえた。 >>0:82 席を外すと言う渚に、最後にひとつ、と問う。]
なにか顔が映るものがあれば使っていいか。水鏡でもやかんでもいいのだ。 この包帯を巻き直したい。
[渚が台所を出て後、自分はどこまで居ていいものやら訊くのを忘れたと気づいた。 まあ急ぐ理由はこちらにはない。 念の為に入口を背にして、包帯をごっそりと外し、締め直しにかかった。**]
(15) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 01時頃
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-1ヶ月前・幻鏡堂>>2-
[わずかな警戒を含めて投げかけた問いに帰って来たのは、兄弟づてに聞いたというありきたりなもの。 長時間店内で様々な品を見て回る彼の様子に、元々好意的な印象を持っていた渚はそれ以上深く追求しようとはぜず。 「ボク、こういう者です。」と渡された本を素直に受け取る。
『水無月の後に』と書かれた淡い色遣いの表紙。その下部に書かれた筆者名を目で王都同時に、本人がその名を口にする。]
椋原…樹様…。
[繰り返すように青年…椋原の名を声に乗せる。 渚の記憶にはない名前だが、本好きの和泉なら彼の名前を知っているだろうか? 後で和泉に尋ねようと考えていると、「差し上げます」と言われて、驚いたように本から顔を上げる。]
そんな。 大切な本でしょう? いただくなんて…
[しかし椋原に受け取る気が無いのだと分かると、せめてもの礼儀と微笑んでありがたく受け取ることにした。
書見台を大切そうに抱えて、「また、来ます。」と言い帰ってゆくその背中を見送って。 受け取ったばかりの本を、ぱらりと捲る。
和泉ほどではないが、渚も本を読むのは昔から好きだった。]
(16) 2014/10/03(Fri) 01時頃
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[最初の数ページを読んだところで、3階から紅緒の声が聞こえて来た。>>11
目新しい物に対する興味だろうか? 熱心に本を欲しがる紅緒に、さてどうしようか…と困り顔で思案する。]
…では、なるべく早く読み終わりますから。 その後でも構いませんか?
[その後も待ちきれないという様に催促を繰り返す紅緒に「もうちょっと待ってください」と答えながら。 いつになるかは分からないが。次に椋原が店を訪ねてくる前に読んでしまおうと。 渚は少しだけ、ページを捲る指を速めた]
-回想終了―
(17) 2014/10/03(Fri) 01時半頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 01時半頃
下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 01時半頃
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[>>14よほどお腹が空いていたのか。 飲み込むようにおはぎを平らげて、勢いよく茶を啜る。 和泉たちはもとより、一二三でももう少し落ち着いて食べたであろうが。宮田の一見すれば躾のなっていない粗暴なふるまいに、渚は眉をひそめるでもなく。反対に「お代りはいかがですか?」と勧める始末。
「おれが客にみえるか」>>14と訊ねられれば、なぜそんなことを聞くのかと少し首を傾げた後、にこりと微笑んで。]
幻鏡堂の扉をくぐってこられた方は、誰であれ私にとってはお客様ですよ。 なら、大切なお客様にお茶の一杯もお出しするのは普通のことです。
[渚の答えに曖昧に頷くと、幾分聞き取りやすくなった調子で宮田が問うが。 それに答えるよりも先に、店の扉に付いたベルが鳴り来店を告げた>>0:82
調理場を出る直前に包帯を巻きなおすために顔が映るものを借りたいと言われるが、生憎調理場に鏡の類はない。 申し訳ないと思いつつ手早く水鏡を用意すると、待たせている来客の元へ向かった]
[千恵子を紅緒の部屋に案内した帰り、2階の自室に寄って20センチほどの丸鏡と使われることのない包帯を二巻ほど取ると、宮田の待つ調理場へ戻る。 顔の包帯は、既に巻終わった後だっただろうか?]
度々すみません。 あの、余計なお世話かもしれませんが、よろしければこれ…。 お使いください。
[差し出された鏡と包帯に、宮田はどのような反応を示すだろうか?
その後。 宮田が宿に困っているようであれば、3階にいる3人の許可を取って2階の空き部屋…。 元は一二三が工房として使っていたその部屋に、宮田を案内するだろう。**]
(18) 2014/10/03(Fri) 01時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 02時頃
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― 幻鏡堂三階 翼砂の部屋 ―
[>>0:57店主から小皿を受け取ると、フミを伴い3階の翼砂の部屋へと真っ直ぐ向かう。
翼砂はひふみおじいちゃんから一番最初に紹介された自律人形だった。 当時10を超えたばかりの茜にとって、年上の風貌をした玲瓏な雰囲気を纏う翼砂に対し、憧れに近い感情を抱いた事が懐かしい。 もう時は過ぎ、自分の歳が"彼女"の見た目を越えてしまっていても、それでも、姉のように思っているのには変わりない。]
――翼砂さん、茜だよー。入ってもいいかな?
[扉の前で一度立ち止まり、部屋の中に向かって声を掛ける。 招かれれば、空いている方の片手でゆっくりとその扉を開けて――あっと声を上げた。]
…この子も一緒だけど、いい?
[もし拒否されたら、扉前で待機しててねとフミには言うつもり。]
(19) 2014/10/03(Fri) 02時半頃
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[翼砂の返事を聞いてから、「おっじゃましまーす」と言いながら部屋へと踏み入れる。久しぶりに遊びに来れてうきうきしているのが、声色にも表れていて分かりやすい。
まずは手にしていた小皿を、ガラスのテーブルの上にコトリと置いた。テーブルの傍らには、渚が用意したのであろう湯呑が置かれたまま(>>0:25)なのに気付き、「新しいのを貰おうか?」と声をかけつつ]
――あのねあのねっ、これ可愛いんだー。
[見て見て、と翼砂の注意を手元に寄せる。店主が用意してくれた小皿の上には、人差し指と親指でつまめる程の小さな砂糖菓子が7粒。 形はそれぞれ、招き猫や張子の虎の他に、銀杏と紅葉と桔梗の、秋を思わせるものが混ざっている。]
こういう細工がされてると、なんだか食べるの惜しくなっちゃうね?
[などと言いながら、翼砂の表情(かお)を*窺った*]
(20) 2014/10/03(Fri) 02時半頃
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─三週間前・零番街の自室(下宿)─
[ショート・ケーキの苺は、最後までとっておく。のみならず、いい加減食べてしまいなさいと母に催促されるまで、飽かずつついたり眺めたりしているような子どもだった。 クリームもスポンジも間に挟まったスライスされた苺も控えめな色彩で佇む中で、堂々と存在を主張するそれこそが、あの菓子の本質であるような気がしていた。 そして、それを味わってしまうまでは、“ケーキを食べる”という好ましい時間も継続しているように感じていたから。
すぐ上の姉とも五つ離れた末弟だったおかげで、大事にとっておいたそれを搔っ攫われるような経験がなかったのは、幸か不幸か。 いずれにせよ、ケーキの苺の扱いに象徴されるその性格は、現在に至るまで変わらないのだった。]
そろそろ、行ってもいいかな……。
[書見台から顔を上げ、自室の壁に掛かったカレンダーを見上げて呟く。 長兄から教えられたアンティーク・ショップにてそれを手に入れたのが一週間前。 「近いうちに、また」と言っておいてここまで引き延ばしたのは、時間がないのでもなければ、もちろん行く気が失せたなんていうわけでもない。 むしろ、早く再訪してあの空間に身を置いていたかったし、静謐で重厚な店にしっくり馴染む優雅な店主とも話をしたかった。自動人形の話の続きも敢えて聞かずに帰ってきたようなものであったし、興味は尽きず毎日そわそわするのだけれど。]
(21) 2014/10/03(Fri) 07時頃
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ショート・ケーキの苺みたいなもの、なの。
[書見台に置いた己の本─先週、幻鏡堂の主人に渡してきたのと同じもの─の、とあるページを眺めやり、主人公の少女の台詞を呟くように読み上げる。 己を投影したかのような彼女は、物語の最後まで淡い恋心を想い人に告げることはない。些細な出来事に一喜一憂して揺れ動いては、己の感情に戸惑い、ただただそれを抱きしめるかのような、淡い淡い想い。
彼女と同じく樹も、人並みに異性に想いを寄せることはあっても、手を伸ばす前に終わってしまうのが常だった。 だから。 実った後の恋物語は、書けないでいる。未だに。]
(22) 2014/10/03(Fri) 07時頃
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─三週間前・幻鏡堂─
[前回より心持ち財布の中身を増やして、かの店を訪れる。]
こんにちは。
[扉を開けた途端、外とは異なる不思議で心地良い空気に満たされ、ふっと相好を崩す。 先週訪ねた時は他に客はなかったが、今日は先客が居た。店主と親しげに言葉交わしていた長身で身なりの良い男性に会釈をし、お久しぶりです、と店主に告げる。]
書見台、毎日使っています。 素敵なものを、ありがとうございました。
[彼が己のことを覚えているだろうかと少し不安になって、購入した品物のことを先に口にしてから。]
本は、読まれましたか?
[最大の関心事について、思い切って尋ねた。]**
(23) 2014/10/03(Fri) 07時頃
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ー幻鏡堂・神無月、二日ー
[渚の朝は、早いとも遅いとも言えない。 店を営む者からすれば少々遅いが、世間一般と比べれば早いとも言えるだろう。
布団から抜け出し、少し思案した後に洋服ダンスから白いシャツと濃い灰色を地としたチェックのズボンを取り出す。 生地に余裕を持たせたふんわりとしたシルエットのシャツの全面には、女性が好みそうなフリルがあしらわれている。 幅の広い黒のリボンを襟元で結び、同じ色のリボンで髪をひとつにまとめれば、女性的な立ち居振舞いもあり男装の麗人を思わせる。]
さて、今日のお茶はなににしましょうか…
[隣室の工房で眠っている宮田を起こさぬよう、慎重に部屋を抜け出して階段を下りる。
厨房に入り、茶葉をしまう棚を開けて…1**]
1アッサムとクッキーの缶を取り出した 2アップルティーとブラウニーに決めた 3アールグレイとパウンドケーキに決めた
(24) 2014/10/03(Fri) 08時頃
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[うさぎは件の人形技師の手によって、再び跳ねるようになっただろうか。 もしかしたら預けたかもしれないし、あるいはその場で直してもらったかもしれない。又は、直らなかったかもしれない。 何にせよ、仕事に区切りの着いた千恵子を相手に、話しをしようとする。 それと前後するようにして、渚の声>>18が聞こえた。]
お客様、ですの? 私は、構いませんのことよ!
[目の前にいた千恵子には、渚の言葉は聞こえなかったはずであるが、唐突に床越しに階下を眺めて返答を返す少女の姿は、一体どのように映ったのだろうか。 その後、すぐに千恵子へと意識を戻そうとして、再び視線を階下へと向けて。 その包帯の巻かれた男をきっかり一秒眺めてから、少女の口元は緩い弧を描く。]
渚。その方、後で是非ともこちらへお連れしてくださいませ? 約束ですのよ?
[一方的な約束を取り付ければ、漸く少女の意識は目の前の千恵子へと戻るのだった。]
(25) 2014/10/03(Fri) 10時頃
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―回想・三週間前―
[渚が読み終えた後、漸くお目当ての本を入手した少女は、あっと言う間にその本を読み終えてしまう。 あまり難しい文章は読みなれないのだが、この本はそう難しい物ではなく、少女にとっては割合読みやすいモノであった。 しかし、問題が1つ。]
渚、渚、この、ショートケーキ、というもの。 食べてみたいですわ!ね、お願い!
[当然そんなものを口にすることができないのは、双方よくわかっている。 しかしこれまでにも、食べられない物を食べてみたいと駄々をこねる少女は良く見られる光景であった。]
だって私、ショートケーキの苺みたいなもの、の意味が分かりませんわ! だから、ご本をちゃんと理解するために、必要なんですのよ! そうじゃありませんこと?
[そんな少女を、叱る姉さまの姿が見られることもあったかもしれない。 そして叶えられるはずの無いおねだりは、いつも通り、お決まりの落としどころへと収束して行く。]
じゃぁ、渚、私の代わりに食べて、感想を教えてくださいませ! 絶対ですのよ! ちゃんと、苺の乗った、ショートケーキ、ですのよ!
[それに渚が頷いたかどうか。
そんなやり取りをしていた折であろうか。 その本を持ちこんだ張本人が、店へと再び訪れる>>23。]
あ!ショートケーキの方ですわ!
[少女の興味は尽きることがなかった。 青年と渚の話す様子を、まじまじと、観察していることだろう。]
―回想・終わり―
(26) 2014/10/03(Fri) 10時半頃
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/* あ、普通にショートケーキなんて見たことも無いアレにしちゃったけど、よかったかな… 見た事あったかな… ま、いっか…?
(-7) 2014/10/03(Fri) 10時半頃
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/* 紅緒ちゃーん!俺だーっ!罵ってー!!
(-8) 2014/10/03(Fri) 14時頃
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/* チラ見 紅緒ちゃんかーわいい
とりあえず、皆の名前がまだ覚え切れな…げふげふ 二日目ねぇ、連日通うための理由が必要だなぁと思ってぐるぐる
(-9) 2014/10/03(Fri) 16時頃
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― 回想:三週間前 ―
[あの書見台を買った青年が、名刺代わりに『水無月の後に』という本を渡して、一週間くらい経った頃。
ショートケーキの苺が食べたい、と駄々をこね始めた紅緒>>26。 一体何事か、と思って話を聞いてみれば、ショートケーキの苺の意味が分からないと。意味を知る為に食べたいと。
残念ながら、自分は『水無月の後に』を読んだ事が無くて、彼女の言う意味は見当もつかなかった。]
……そうか、本の意味を知りたいのか。 苺を食べれるのは、人間になってからだとは思うのだが。
[間に翼砂のお叱りがあるのだろうか。 もしあった場合、紅緒も無理な事を知ってるだろうし、ちゃんと考えてるさ、と庇うつもりだ。
紅緒が落とし所を見付け出しているのを見たら、此方からは何も言うつもりは無く穏やかに見守っていた*]
(27) 2014/10/03(Fri) 16時半頃
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― 昨日のこと ―
[櫻氏に逆しまかも知れない、と言われて>>7。 正に困った、と言わんばかりに眉尻を下げ、微笑を浮かべた。 それと同時に、紅緒の呟きまで聞こえてしまったのだから、苦笑しか出来ない。]
そんな、邪な事しようとか思ってませんよ。 ただ、知ってはいけない事もある、というのを知ってるだけです。
[懐にしまい込んでた煙管を取り出す。 自分が起動した日に黒鵜から貰った物だ。 20年以上大事に使い込んできた煙管を、そっと唇に咥えた。
相槌を打ち、茶を啜りながら言葉を紡いでいく櫻氏。]
俺は、期待に応えられない、と言っておきながら……。 期待に応えようとしてるのかも知れません。
[食べる事が出来ぬおはぎを手に取り、その口に運ばれていく様子を静かに眺めていたら。 持ってたおはぎが己の口元へと押し当てられた。 此方はおはぎを食べれない事を知ってても尚だ。
黒曜色の瞳が大きく開き、身体がピクリと跳ねた。]
(28) 2014/10/03(Fri) 16時半頃
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[身動きが出来ず、おはぎを押し当てられる。 僅かばかり開いた唇から舌の先端をおはぎに当てれば。 自律人形が食する特殊な砂糖とは違う甘さが味蕾を刺激した。 おはぎが離されれば、咄嗟に手で口元を覆って、視線を逸らしてしまう。]
俺の願い、ですか……?
[小さな願いでも構わない、という櫻氏。 彼がおはぎを咀嚼し、嚥下し、口を開けて見せるその仕草がちょっとした意地悪さを感じてしまうが、口を噤む。
と、此方の目を覗き込み、間を置きながら君と呼び、顔を近付けられてしまえば、自ずと注意を引かれてしまう。 そして、囁かれた言葉が耳に入れば、大きく息を漏らし、瞼を閉じ、頭を掻いた。]
……本当に人が悪いですよ、それ。
[夕暮れになり、席を立つ櫻氏に一瞥し、見送った後、オレンジの光が差し込む窓を眺める。]
そう言えば、あの日もこんな夕焼けだったな。
[独りごちを漏らし、まだ温もりが残る座布団を取り、片付けた*]
(29) 2014/10/03(Fri) 16時半頃
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― 神無月、二日 ―
[あれから自分の望みについて考えた。 自分の望みは無いとは言えない、色々な願い、というよりはやってみたい事が幾つかはあったのだ。 酒を飲んでみたい、煙草を吸ってみたい、風呂に入ってみたい、美味しい物を腹いっぱい食べてみたい。 そんな日常的な願望もあるし、外の世界に触れたい願望もある。 でも、それらは『人間にならなければ出来ない事』なのだから、今の自分には諦め半分に我慢をしてきたのだが。]
あんなの見せられたらなぁ……。
[昨日の櫻氏の行動から、願望や欲求を引き出されてしまい、人間になりたいと思いたくなるじゃないか、と心の中で詰ってしまう。
櫻氏を詰ったとしても、変わる事では無く、溜息を漏らし、押入れから松葉色の生地に薄い白の縦線が入った着流しを身に付けた。]
(30) 2014/10/03(Fri) 18時頃
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/* 兄さま、目隠しアクション入れてらっしゃらないから、まさかの生着替えですの?
(-10) 2014/10/03(Fri) 18時半頃
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/* 共鳴ロルで
きゃぁ!兄さまったら、お着替えなさる時は隠してくださいって、いつも申し上げてるじゃありませんの!
とか入れてみたい、がやったらギャグだ
(-11) 2014/10/03(Fri) 18時半頃
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[一先ず、考えを一旦止め、二階の元一二三の部屋へと意識を向けてみる。 昨日の新しいお客さん、宮田と名乗った男性が泊まってるらしい、との事で興味を示しているのだ。
櫻氏との雑談の後で渚と宮田との会話を聞いたので、事の全貌は分かりかねる部分があるのだが。 渚が宮田を泊める事に許可を求めた>>18ので、激しい警戒心は抱かず許可をした。 されど、人見知りがあるのと、気になる気持ちがあるので、そのまま看過する事は出来ず、暫し考え。
机の上に置かれてる、【10cmくらいの硝子製のハンドベルを鳴らした】。 程なくして渚が此方の部屋へとやって来るだろう。 彼がここにやって来る前のタイミングで、お願いをしてみる。]
あの泊まってるお客さん、……宮田さん、って言ったっけ? あの人をここに案内して貰えるか? ついでに俺と彼の分の茶も頼む、俺は何時もの濃い緑茶な。
[渚に宮田を此処に案内する事と、茶の事を頼み、宮田がこの部屋にやって来るのを静かに待つ。]
(31) 2014/10/03(Fri) 18時半頃
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イズミは、はた、と思い出し、慌てながら座布団を引き出し、敷いた。
2014/10/03(Fri) 19時頃
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-回想・幻鏡堂、1日-
[鏡と包帯を持って階段を下りながら、ふと、渚は宮田の服が土で汚れていたことを思い出す。 それに、包帯を巻いているぐらいなのだから、傷の手当てもした方がいいのかもしれない。 とてもお腹を空かせているようだったし、何より自分の様な者を警戒するその様子がとても気になる。 まるで黒鵜の家の庭で見た、警戒心の強い、白い野良猫のようで。
少し考えた後、渚は誰も居ない階段で独り言のようにつぶやいた。]
宮田瀬名様…。 二、三日…。いえ、せめて今日だけでも。一二三さんの部屋に泊めることはできませんか?
[ほどなくして、自分の声を聞き取った三人から是の返事が返ってくると、渚はほっと口元を緩めた。 それと同時に、紅緒から部屋へ連れてきてほしいとせがまれる。]
ありがとうございます。
紅緒さんの部屋に…? ……わかりました。千恵子さんがお帰りになったら、ご案内しますね。
[つい、と天井を見上げれば、紅緒の部屋にはまだ千恵子がいる。 翼砂の部屋には茜とフミ。和泉の部屋には櫻が。 この二十年、幻鏡堂がこれほど人に溢れることも珍しいだろう。 渚はトン、トンと、少しだけ軽快に階段を降りた。]
(32) 2014/10/03(Fri) 20時頃
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―>>18の後半を挟み…―
あの、不躾なお願いではあるのですが… 家人が是非、あなたと話をしてみたいというのです。 お急ぎでなければ、会っては頂けませんか?
[包帯や服装のことを気にするなら、微笑んでやんわりと。]
でしたら、先に湯を使われてはいかがでしょう? 少し大きいですが、着替えもご用意いたしますし。 今のお召し物も、早く汚れを落とさないと土汚れが取れなくなってしまいますよ?
[あくまで下から相談しているのに、なぜか断ることができないその会話に。 和泉などは、ふと自らの生みの親を思い出したかもしれない。
その後上手に宮田を風呂に入らせ、大事に取っておいた一二三の着物を着せて紅緒の部屋へ案内する。 紅緒の部屋から解放された頃には夜も更けていたため、渚は食事と共に一夜の宿を勧めるのだった。]
-回想終了-
(33) 2014/10/03(Fri) 20時頃
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/* あれ? また、読み違え、た?(震えて) 紅緒が先に呼んだ、の? てっきりまだかと思って、俺やっちゃったかも?(震えた)
(-12) 2014/10/03(Fri) 20時頃
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-回想・幻鏡堂、1日>>33-
[宮田が風呂に入っている間に、工房兼寝室を兼ねた一二三の部屋に入り灯りをつける。 元々は人形技師であった一二三の作業部屋として作られたものだが、私室として使っていた隣室を渚のために空けたため、必然的に布団が持ち込まれた過去がある。]
…一二三さん。 着物…、お借りしますね?
[囁くように小さな声で許しを求めて。 持ち主の居なくなった箪笥の引き出しを開けると、着物を包むたとう紙をひとつ、ふたつと取り出してゆく。
一二三は和泉と体格は変わらぬものの、背は少しだけ高かった。 宮田には和泉の着物でも一二三の着物でも、丈が長く感じられるだろう。 多少であれば着物ゆえに調整が利くのだが…。
一番背が近いのは翼砂であるが、男性である宮田に女物の着物を渡すのは失礼すぎるし。 なにより翼砂本人が貸してはくれないだろう。 かといって、比較的背の近い渚の着物は胴回りの方が足りないはずだ。 渚は自分が、男性としては細いという自覚がある。
そういえば、黒鵜はどうだっただろう? ふと、稀代の人形師と呼ばれた中年の男性を思い出す。 渚が記憶している黒鵜は病で細っていたが、おそらく一二三と比べれば健康な時であっても細かったに違いない。
渚は湯上り用の着替えに着物と帯を一組用意すると、残りを丁寧に元の場所へしまう。 着る人が居なくなっても、定期的に陰干しをしていつでも着れるようにしてあった着物だ。
それは、渚の持ち主に対する思いにも似ていた。]
(-13) 2014/10/03(Fri) 20時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 20時半頃
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-幻鏡堂・2日-
[いつもの通りお茶の用意を済ませた後で、はたと、朝食の準備を忘れていることに気付く。]
あぁ、いけない…。 宮田様、朝は和食でしょうか…?
[困った…というように頬に手を当てて首をかしげるしぐさはまさに女性そのもので。 そうこうしているうちに、3階からチリン、チリン、と涼やかな硝子の音が聞こえて来た。>>31
こんな早い時間から一体何の用だろうかと首を傾げ、和泉の部屋まで階段を上ってゆく。 部屋の前に付くと、扉ごしに和泉が声をかけて来た。]
えぇ、分かりました。 朝食の後でとなると、少々時間がかかりますが…。 なんでしたら、和泉さんのお部屋で朝食を召し上がりますか?
[砂糖とお茶しか口にしない自律人形には馴染みが薄いが、人間という生き物はなにかしら口にしなければ簡単に動けなくなったり、調子が悪くなる生き物だ。 一二三が生きていたころは、和泉も毎日三食食べる様子を見ていたはずだが。 最近は『小食で、食べても朝と昼だけ』の渚の食生活しか見ていないのだ。 うっかり忘れていても仕方がないと、それとなく尋ねてみる。]
(34) 2014/10/03(Fri) 20時半頃
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― 幻鏡堂/回想 ―
[夕焼けの中で見た自律人形の下がり眉。>>28 決して安価なものではないが、己の屋敷では人形を使っていない。 購う財が不足しているわけでは無く、桜家の当主は代々移ろいを愛す。 毎年、パッと咲いては散り行く桜花のように。
故、自律人形とは云え、こうして変化を見せる彼には、つい稚気が滲む。 悪趣味だと言い当てられたら言い訳の仕様もない。]
良き事じゃないか。 親の願いは子にしか叶えられないよ。
―――…と言うほど、私も年を重ねている訳では無いがね。
[まだ子供も持たぬ若輩者。 彼の言い分に訳知り顔で頷きながらも、重さが足りず。 何処か揶揄色が混じるのは、漸く三十路峠を越えて日が浅い為だ。]
(35) 2014/10/03(Fri) 21時頃
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[甘味を彼の口唇で遊ばせ、ほんの僅かな味わいを移して戯れ。 されど、結局は自身の腹に仕舞いこむ。>>29 菓子を分かち合い、茶を啜るには、聊か性急に過ぎる。]
おや、知らないのかい。和泉。
私は君を朋だと思っているけれど、 この年頃の男にとって、朋と言うのは悪友を兼ねるのだよ。
[外を本でしか知らぬ彼に、嘘だか真だか境界線の曖昧なる言葉を掛けた。 無論、朋と幾ら言葉に変えてみても、それも“願い”と同じで、意図して作られるものでは無いと知ってはいる。 それでも、茶化すように繰り返すのは、生来の酔狂さ。 或いは、宛てのない願いを託された彼らに、複雑な親近感を抱く為か。
そっと、夕日の眩しさに眼を伏せて、名残惜しい逢瀬を断ち切り、夕焼けに紛れて消える。 彼の超えられぬ敷居を跨ぐ背に光片が差しこみ、明るく。 されど、零れ桜と言うには―――、少々茜の色が強すぎた。*]
(36) 2014/10/03(Fri) 21時頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 21時頃
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―3週間前・幻鏡堂>>26>>23―
[ショートケーキを食べてみたいと紅緒が強請るのを聞きながら、茶を淹れてくれないかとやって来た櫻の応対をしていると…。]
―― カラン コロン
[と、先ほどまでの閑古鳥が嘘のように来客を告げるベルが鳴る。 渚がその人物を確かめるよりも前に、紅緒の声が渚だけの耳に届く。
「いらっしゃいませ」と微笑んで出迎えれば、先週購入した書見台のことを言われて、嬉しそうに目を細める。]
「本は、読まれましたか?」
[少しだけ不安そうに尋ねられたので、渚は普段より少しだけ、本当に少しだけ大げさに頷いて見せた。]
えぇ、読ませていただきました。 私のような者が言うのもなんですが、主人公の少女の淡い恋心に、胸が切なくなりました…。 [渚の答えに、椋原はなんと答えただろうか? もし注意深く渚の様子を見ていれば、両手をそっと自分の胸に添えて目を伏せるその姿が、秘めたる恋をそっと胸に抱くようにも見えただろう。]
2014/10/03(Fri) 21時頃
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/* 今気づきましたが、pt死ぬほどある…! と思ったけど、改行制限対策かな? 結構一レスが長い方が多いのでなるほど納得。*/
(-14) 2014/10/03(Fri) 21時頃
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―3週間前・幻鏡堂>>26>>23―
[ショートケーキを食べてみたいと紅緒が強請るのを聞きながら、茶を淹れてくれないかとやって来た櫻の応対をしていると…。]
―― カラン コロン
[と、先ほどまでの閑古鳥が嘘のように来客を告げるベルが鳴る。 渚がその人物を確かめるよりも前に、紅緒の声が渚だけの耳に届く。
「いらっしゃいませ」と微笑んで出迎えれば、先週購入した書見台のことを言われて、嬉しそうに目を細める。]
「本は、読まれましたか?」
[少しだけ不安そうに尋ねられたので、渚は普段より少しだけ、本当に少しだけ大げさに頷いて見せた。]
えぇ、読ませていただきました。 私のような者が言うのもなんですが、主人公の少女の淡い恋心に、胸が切なくなりました…。
[渚の答えに、椋原はなんと答えただろうか? もし注意深く渚の様子を見ていれば、両手をそっと自分の胸に添えて目を伏せるその姿が、秘めたる恋をそっと胸に抱くようにも見えただろう。]
(37) 2014/10/03(Fri) 21時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 21時頃
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[渚から朝食がまだ済んで無い事を伝えられて>>34、あっ、と声を漏らした。 人間はちゃんと食事を取らなければならない事を思い出す。 額を軽く叩いて、また考える。]
そうだなぁ……。 あの人、食べる時、凄く警戒してなかった?
[昨日貰ったおはぎを隠しながら食べてる>>14のを思い出して、渚に確かめてみる。 確かめながら、うーんと唸り声を上げてしまうのはある。 自分も人見知りするが故に、いきなり知らない人と一緒に食事するのは気が引けそう、と想像してしまう。]
やっぱり、いきなり俺の部屋で食事するのって気になって食が進まないんじゃないか、と思うんだ。 だから、食事が終わって、改めて来るかどうか本人に確認するのが良さそうかも?
まぁさ、俺も色々な事に警戒する事があるから、自分に当てはめて考えたっていうのもある。
[渚に宮田に自己投影しちゃったと伝えつつ、最終的に自分に会うかどうかは宮田自身に一任する旨を言って、渚には変に働かせてしまってすまない、と謝罪した。]
(38) 2014/10/03(Fri) 21時頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 21時半頃
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-幻鏡堂三階 翼砂の部屋-
[茜が初めて幻鏡堂へ来た日のことは、今も昨日のように思い出せる。 一二三が来客の訪れを伝え、翼砂の部屋へと一人の少女を案内した。 幻鏡堂で過ごす何度の季節の巡りだっただろうか。時が止まったように変化のない翼砂と幻鏡堂にとって、唯一外界の時間を運んで来てくれるのが来客の変化だった。 客は訪れ、去ってゆく。 その単純な循環(めぐり)こそ、草花の隆盛よりも目覚ましく翼砂へ、或いは幻鏡堂の3体の人形へと時間の流れを教えてくれる。]
セン…
[茜も、翼砂にとってそんな来客の一人だった。 まだ自分を見上げるほどの背の高さだったお嬢さんが、今や自分と同じくらいまで背も外見も、比例して陶芸の腕も成長した。 今日もまた、階段を上がって自分の部屋を訪れてはくれまいか。そんな風に翼砂が望んでいたのが伝わったのか。]
「 ――翼砂さん、茜だよー。入ってもいいかな?」>>19
ひゃっ…! せ、セン…!ど、どうぞ、入っていいゎ…いいぞ?
[驚いて女性口調が出そうになるが間一髪で自制したらしい。 渚の時にはスルリと移動していたのとは対照的に、今回はパタパタと足を動かして扉へ【触れる】。 それだけで、部屋の入り口にかかっていた『錠』は効力を失う。 まるでそれが当たり前のように、簡単に扉は開くだろう。 開いた扉の先には、茜と、お付の自律人形が立っていた。]
もちろんどうぞ。 花は愛でる主義でね、部屋の外に立たせておくなんて私の主義に反するよ。
[ひらりと両腕を広げ、お辞儀とともに片腕をたたみ奥へどうぞと招き入れる。 これが燕尾服の男性なら格好もついたのだろうが、生憎と翼砂は和服を身にまとった女性型だった。大げさなお辞儀も、やや不釣り合いに映るだろう。]
(39) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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あー…っと…
[しかし残念ながらこの部屋の主は複数人の来客を想定しておらず、椅子は自分用と来客用の1つずつしかなかった。]
……すまないね、立って我慢できるかい?
[と、お下げ髪の人形の頬に触れようとした。 これではまるで軟派な男が口説こうとしているようではないか。
ともあれ、茜と二人でガラス製のテーブルを囲み歓談に興じる。 茶は、店主の手が空いていればおかわりを注いでもらうだろう。]
[砂糖菓子をいくつかさらに広げる茜。 それらは、まるで小さな硝子細工のように透き通った色合いをしていて、なおかつ細かい意匠が施されていた。>>20]
おお、可愛いねぇ。 中々凝っている。 確かに、口の中で溶かしてしまうよりは飾って置きたいだろうね。
[発条(ばね)や歯車からできたからくり仕掛けの自動人形に、飴を溶かすだけの唾液や体温は無い。 それどころか、普通の人間が食す材料でできた食料を口にした日には一日かけて身体検査(おそうじ)しなければならなくなる。 だが、それをここで言葉にするのは野暮というもの。 むしろ、どれだけ砂糖菓子を触っていても溶けてしまわないことは、これを愛でる上では人形ならではの利点とも言えよう。]
みんなもこのお土産を喜ぶと思うよ。 ありがとうね、セン。
[感謝を込めて、柔和に微笑みながら茜と二人の時間を楽しむ。*]
(40) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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/* >>40 毎回 自動人形 と 自律人形 を間違える… 気をつけてたつもりなのに…眠いままロル打ったらあかんわな…
(-15) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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― 幕間/茜色の帰路 ―
[世界は鮮紅で染まり、大通りを歩む長躯の男。 久しい朋と交わした一時は中々、充足に満ちたものだった。 自然と、館へ戻るまでの足取りも軽くなる。
そこで、ふと視界の端に細い煙が空に向かって線を引くのが見えた。 ゆっくりと振り返れば、長い坂の向こうに窯元の煙突が伸びている。 恐らくは、幻鏡堂とも近い神蔵のものと見立てた。 正月に近づき磁器を入れ替える家が増えてくる時分だ。
無論、己の家もその一つだ。櫻本家は神蔵を代々贔屓にしている。 しかし、特に当代に変わってから注文が細かくなったとは、窯元の次女である茜も父より聞き及ぶところだろう。 元々、柔和な振りをして気難しいことでも有名であったが、特に物欲に対しての拘りは露骨に発揮される。
零れ桜の画を入れた茶碗は、毎年一度で納品と相成らない。 淡く熔けてしまうような儚さを願う癖、目の覚めるような存在感を所望する。 彼女は注文を楽しみにしていると云ってくれたが、今年もさぞかし苦労させると、自分自身の注文ながら予想できた。>>0:78]
(41) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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[溌剌した印象を受けて好ましい彼女の手を煩わせるのは多少思うところが無いでもなかったが、己の審美眼を慰めてくれる窯元は多くない。 謝礼は恙無く支払っていたが、それは対価としてでしかなく、礼状を送りこそすれ、実際相対して礼を告げたことはなかった。
ああ、しまった。と、そこまで考えて、己の不義理を呪った。]
――…野暮天を気取らず、日頃の感謝を伝えておけば良かったか。 職人に礼を欠くとは、私も未だ青い。
[緩やかに首を振り、失態を詰るが、男は直ぐに気を切り替えた。 彼女が幻鏡堂に納品する役を司るなら、いずれあそこでまた逢える、と。
己は待つものではなく、待たせるもの。
そのように生まれて、育った櫻の貴人。 自省もそこそこに、あの不思議な見世へ赴く理由をまた一つ増やす。 己の不躾さえも純粋な喜びと結びつけ、茜色の空に昇華させたのだった。*]
(42) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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/* なるべく一レス一スクロールくらいに収めたいけど、 装飾過剰で長くなってしまいますな。猛省!*/
(-16) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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―三週間前・幻鏡堂>>37―
[己の問いに頷いてみせた店主の様子に、ほっとして表情を緩める。続けられた感想には僅かに赤面したが、言葉紡ぎながら目を伏せた彼には知られずに済んだだろうか。]
あぁ。……ありがとうございます。
[思えば、本を読んでくれたひとに直接言葉を貰ったのは初めてかもしれなかった。長兄は己の理解者ではあるけれども、書いたものを読もうとは思わないらしかったから。]
あれを渡すの、 ……緊張してたんです、本当は。
[照れ笑いを隠すように、芥子色のストールを口許へ引き上げ。ほんの少し自嘲を込めて、小さく呟いた。]
いい歳した男が書くもんじゃないでしょう? あんなの。
[その言い草が彼の応対を煩わせるかもしれないと気づいたのは、口にしてしまってからのことだった。]
(43) 2014/10/03(Fri) 21時半頃
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/* 渚が来たときに包帯を2 1まきますか 2まきませんか
(-17) 2014/10/03(Fri) 22時頃
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―回想・幻鏡堂、1日―
[渚が出ていき、台所はまた宮田一人になる。>>15 急いでいたのに悪いことをしたと思う。
用意された水鏡を覗きこんで、まだ不慣れな手つきで包帯を巻き直しながら、宮田は渚の返答を反芻していた。
買い物もしていないのに客と言われるのは奇妙な心地だった。 やはり化かされてでもいるのかと、供された二個目のおはぎをじっと見てみたが、泥に変わることはなかった。
客と思うかと問うたときに、渚はちらと首を傾げていた。>>18 脅してもいないのに怖くはないかと聞くのも、顔を見せてもいないのに気持ち悪くはないかと聞くのも、またおかしいように思う。
だから、やはり、客と思うかと聞くよりなかったのだ。
水鏡には真っ赤な影が映っている。 唇から上が火に包まれているような真っ赤だ。
記憶はないが、生まれついてのものなのだろう。大怪我や大火事に遭ったという話は聞いたことがない。 痛くも痒くもないのだが、知らずに見た者がひっと声を上げて逃げるような有り様である。
田宮の店に居た頃は――つまり昨日までは、ほっかむりなどをするだけだったのだが、今はそのままでいるわけにもいくまい。
きちりきちりと、白で素顔を覆っていく。]
(44) 2014/10/03(Fri) 22時半頃
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[巻き終わる頃に渚が戻ってくる。 思わず手で顔を覆ったが、どこを撫ぜても布の感触ばかりで、ほっと安堵して手を下ろした。]
「あの、余計なお世話かもしれませんが、よろしければこれ…。」
[大きめの丸い鏡と二巻きの包帯が差し出される。宮田はいよいよ困惑した。 口をへの字に結んでしばし物品を見つめる。]
ぐぶぅ……。 おれは、返せないぞ。
[物だけでなく恩義やら親切心やら諸々を含んでのことだ。 だが渚には通じたのか通じなかったのか、何やかにやで押されて受け取ってしまった。
どういった態度が客として不審でないのだろうかと思いながら、包帯を掌で遊ばせていると、渚がまた口を開く。>>33 ]
……そいつは、へんなやつだな。 おれはたしかに急いではいないが、話せることなどなんにもないぞ。
ふぅん。
渚がそれがよいというなら、おれもそれで良い。
[いやなもの――高価そうで腹の膨れない物を扱っている店に、よく分からない店主が揃っているのだから、家人とやらもまた酔狂なのだろう。 楽しませられるとは思えないが、渚がよくしてくれた恩を少しばかりなり返せるならば、何でもするのが良いのではないか。 そう思って了承する。]
(45) 2014/10/03(Fri) 22時半頃
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― 三週間前・幻鏡堂 ―
ボトルシップであるとは分かるのだが――…、 この瓶の中に浮かぶ飛行艇はどのようにして作られたのだろうね?
[その日は未だ残暑の厳しい長月だった。 少しだけリボンタイを緩めた長身が、ウェストコート姿で両手に少し余る程度の瓶を掲げて店主に問うていた。
手にしているのは、横倒しに為った瓶の中に飛空挺が浮かぶ代物。 ご丁寧に飛空挺の模型からは重石代わりのアンカーが降ろされ、ふわふわと瓶の中心線と並行に浮いている。 小さな動力を組み込み、浮力を得ているのは分かるのだが、親指も通らぬような瓶口しか出入り口は無いのだ。
純粋に考えるのであれば、この狭き穴を潜り、瓶の中で組み立てたのだろうが、職人気質とは縁遠い男は物珍しげに店主に仕組みを伺う。 己の知らないことを解き明かすように一つずつ、一つずつ。
そんな風に、茶菓子代わりの尽きぬ興味に溺れていたときであった。 涼やかな声と、控えめな気配を伴い、彼が現れたのは。>>23]
(46) 2014/10/03(Fri) 22時半頃
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おや、相変わらず商売繁盛だね。 君の見る目があるのは知っていたが、人を見るのも得意らしい。 [矢継ぎ早の問いかけを、来訪者に気付いて一度止め。 そうして、来客へ会釈を向けて腰を折ると店主へ揶揄めく微笑を向けた。
されど、書見台、本と青年の口から紡がれれば、緩やかに首を捻り、興味を傾けたまま、久我と青年のやり取りを聞く。>>37>>43 一口二口、温くなった茶を啜り、どうやら目の前の青年は物書きらしいと合点が行く。]
……久我に少女の淡い恋心なんたるかを語らせるとは、 凄まじ…、いや、素晴らしい。 君の浮いた話を聞いたことは無いが、解するのかい?
[先ずは軽口宜しく店主へとやや失礼な相槌を漏らし。 失言は少しばかりの咳払いで誤魔化すと、改めて青年へと向き直った。]
(47) 2014/10/03(Fri) 22時半頃
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いい歳をしながら、と言うが、 年を重ねても思春期の機微を理解するというのは才能だよ。 皆、年を取ると次から次に忘れてしまう。 ……君は本を書くのか。 純文学に造詣は深くないけれど、この久我を唸らせるなら惹かれるね。
―――名を、……聞いても良いかい? 私は、櫻 貴人と言う。
[さらりと彼の才を汲み上げれば、彼の名を問うた。 此処での質問は身分を明らかにするものではなく、一作家としての名を知りたがるもの。彼個人よりもまだ作品への傾倒が強い。 名を求める代償に、此方は随分と筆名めいた自身の名を彼に渡し、彼が紙面に綴る世界へ興味を寄せたのだった。*]
(48) 2014/10/03(Fri) 22時半頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 22時半頃
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―3週間前・幻鏡堂>>43―
そんなことはありませんよ。 物であれ本であれ、人の心に残るもの。響くものを形にできるのは、とても素晴らしいことだと思います。 そのことに年齢や性別は、関係ないのではないでしょうか?
[椋原の書いた本に比べれば随分と稚拙な言葉だが、その言葉には嘘も偽りもない。 けれどあまりに自信のない…、悪く言えば自分を低く言う椋原に、どうすれば伝わるだろうかと考えて…。
渚はそっと、3階の様子に耳を澄ます。 今は三人とも部屋で自由に過ごしているのか。それとも【お茶会】に興じているのか。 目立つ物音や声は聞こえない。
これなら大丈夫だろうかと考えて。]
そうだ。 椋原さまに頂いた本ですが、私の後に読んだ方が居まして。 いたく気に入ったようですので、もしよろしければ、少しだけ会ってはいただけないでしょうか?
[渚の提案に、紅緒と椋原はなんと答えただろう? けれどあれだけ椋原の書いた本に夢中になっていたのだ。紅緒が渚の提案を断ることは、きっとないだろう。
椋原が返事にためらうようなら、悪戯を打ち明けるように、自らの唇に伸ばした人差し指を当てて…]
(49) 2014/10/03(Fri) 22時半頃
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お会いしていただけるなら、噂の元となった黒鵜の遺作。 その一体をお見せ致しましょう。
(-18) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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[渚の提案に、はたして椋原は首を縦に振っただろうか?
頷いたなら、椋原を3階の左側にある紅緒の部屋へ案内するだろう。]
あぁ、申し忘れていましたが…。 少々かしましい子なので、驚かないでくださいね?
[そう言うと、渚は紅緒の部屋の戸を三度叩いた]
(50) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 23時頃
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[立ち上がると、どこへ付いていたのか、土の欠片が床に落ちた。 袖か裾かと、そこらを捩じって見てみたが、出処はよく分からない。 外で払ってこようかと勝手口を探すと、渚の声がする。]
「でしたら、先に湯を使われてはいかがでしょう?」>>33
[固辞するのもまた、会うという家人に対して失礼か。 悩む間もなく、流されるように行動が決まってしまう。 風呂は烏の行水のように飛び出たが、まあさっぱりとした。渚のものではなさそうな渋い着物に袖を通し、新しい包帯を巻いていると、やはりよく分からないところに来てしまった、という感じがするのだった。]
(51) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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―1日、紅緒の部屋― [渚の案内で階段を昇る。
店主と言えば店で一番偉い人間だ。その店主や客をおいて、家の者が三階に部屋を取っているのだろうか。 また変わったことだ、と思いながら後をついていく。
さて、三階に着いてからは驚き通しだった。 店主の渚が妙に腰が低いのも奇妙だったし、手も触れずに戸が開くのにも目を見張った。
部屋の中、何よりも目を引いたのは一人の美しい少女である。 いやよく見れば人ではない。 艶やかな髪に今まで動いていたかのような形、サンザシの実のように瑞々しく紅い唇をして、一瞬人と見間違えたのだ。
では家人とはどこにいるのか、と部屋の奥を見ようとした時に、弾けるように少女人形が喋りだしたものだから、驚くあまりに尻餅をついた。]
う、うわあ! 喋った! 喋ったぞこいつ!
[今まで人形というものを遠巻きにしか、しかも木製で質の低い自律人形しか見たことがなかったので、語彙や調子の豊富なことに、それはもう面食らったのだった。*]
(52) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 23時頃
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[自嘲気味の呟きの処遇に惑っていれば、店主と親しげに話し込んでいた長身の男性が助け舟を出すかのように此方へ話を渡してくれた。>>48 それまでの会話から汲み取ったのか、さりげなく己の作品に興味を示しながら名を問うた彼の心遣いに内心感謝する。仕立ての良い衣服を纏った彼へ向き直り、改めて軽く一礼して。]
はい。……まだ、世に出た作品はひとつしかありませんけれど。 椋原 樹、といいます。
[おそらく求められたのは、作家としての名だろうと、筆名を名乗る。 櫻、という姓には朧げながら聞き覚えがあった。確か、名の知れた旧家であったはず。 道理で、店主に軽口を言いながらも所作に何処かしら気品を感じるはずだと、勝手に納得した。]
(53) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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―3週間前・幻鏡堂>>47―
[櫻の揶揄を含んだ言葉を素直に賛辞と受け止めて、渚は椋原の方へ向かう前に一度櫻に微笑んで見せる。
その後椋原との話は書見台から始まって先日読み終わった『水無月の後に』に移り。 感じたとおりの気持ちを言葉にすれば、背後から聞こえた櫻の、少々ずれた相槌に振り返り。]
そこは、私より経験豊かな櫻さまのご想像にお任せ致します。
[いつもと変わらぬ微笑みで、軽く受け流してしまった。*]
(54) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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[そういえば渡した本は今どこにあるのだろうかと、店主のほうへ視線を戻せば、彼もまた己の言葉を掬い上げてくれていて。>>49 気を遣わせてしまったことを申し訳なく思いながらも、その優しい言葉にほっと胸が暖まる心地がした。
しかし、続けて告げられた言葉は予想外で、咄嗟に返事ができず言葉に詰まる。 それはもしかして、と、尋ねようとした時。 伸ばした人差し指を唇に当てて悪戯気な表情をこちらに向け、己にだけ届くくらいの声量で、あることを提案される。]
(55) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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…本当ですか。願ってもないことです。
(-19) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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/* やばい、俺、みんなの時間軸把握出来なくてぱあああんし始めてる_(:3」∠)_
(-20) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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[思わず己も声を潜めて返答すれば、店の三階へと案内された。>>50]
かしましい、ですか。 本当に、人間のように個性を持つんですね…。
[前回訪れた時は、その自動人形が本当に居るのかも定かに知らなかったものだから。 一足飛びに会わせて貰えることになっても、未だ半信半疑でいるのだった。
店主が部屋の扉を叩くのを僅かに緊張した面持ちで見つめ、部屋の主の返答を待つ。]
(56) 2014/10/03(Fri) 23時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/03(Fri) 23時頃
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/* む。久我さん上手いな。 薔薇の下かぁ…、桜の下には死体が埋まっているのが通例ですが、 同じく秘密を埋める者同士、仲良くなれると良いですなぁ。
(-21) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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/* 紅緒ちゃんがやってきたら、宮田さんのも僕のも回収することになるので忙しそうですね…w
なかなか時間軸が現在に追いつけなくて申し訳なく。 久我さんと櫻さんは、上手いこと拾ってくださって感謝です。 */
(-22) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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/* んー、今更かも知れないが、椋原さんは三週間前のやるんだろう?(´・ェ・`) 村の流れは1~2迄の間でやってるんだけども。 多分、椋原さんの考えがあるとは思うが……むむむっ。
(-23) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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―幻鏡堂、二日>>52―
「う、うわあ! 喋った! 喋ったぞこいつ!」
[尻もちを付いて盛大に驚く宮田に、失礼だとは分かっていてもつい口元に手を当てて笑ってしまった。]
紅緒さん、初対面の人にそんな悪戯をしてはダメでしょう?
[一応紅緒をたしなめて。 床に座り込んだままの宮田に手を貸しながら、本当に申し訳なさそうに眉尻を下げる。]
驚かせてしまって申し訳ありません。 先に、少し説明をしておくべきでしたね…。
彼女の名前は紅緒。 ご覧のとおり自律人形ですが、本人に意思や自我があり、この部屋は彼女の領域です。 この幻鏡堂には、彼女のような自律人形があと二人おりますが、そちらはまた機会があれば…。
[引き留められれば宮田と共に紅緒の部屋に入るが、そうでなければ飲み物を用意するために一度部屋を辞するだろう。
その夜、紅緒と宮田がどのような会話をするのか。 少しだけ興味に耳をそばだてながら…。]
―回想終了―
(57) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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― 神無月二日/壱番街 ―
[本日も空の高い場所を秋風が抜けて行く。 煉瓦通りに落ち葉もちらほら惹かれるようになって、秋と言う季節が榛名を包んでいるようだった。
男が旧い邸宅を構えるのは榛名零号であるが、散策に降りるのは専ら壱番街である。中心街の賑やかさは嫌いでは無いが、聊か空が近すぎる。 特にこの季節の空は壱番街から遠くに置いて鑑賞することを好んでいた。]
――……さて、幻鏡堂へ赴くのも良いが、土産が足りないね。 久我は相変わらず得体が知れないし、和泉に書籍貢ぐにしても、か。
……ああ、そう言えば。 椋原樹と言ったか、あの若い作家は。
[前半はついつい笑みを小さく零しながら漏らし、後半に出るのは三週間ほど前に見えた青年文士の名。>>53 あれから彼の処女作を購入し、己は彼の読者となった。]
(58) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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[久我の揶揄はともあれ、己は彼の綴る世界を好いた。 感性の豊かさでは久我>>54に劣る武骨者だが、なるほど、頭の奥に訴えるものがある。と言うのが最初の感想だった。]
―――…けれど、不思議だ。 何故、彼女は欲しいものを求めないのだろうか。
[歩みを進めながら、少しだけ眼を細めて独り言を吐き出した。 野暮天である己に物語の登場人物に疑問を抱かせるとは、彼の才だろう。
されど、求める事に躊躇いを持たない待たざる者には遠い世界だ。 温和な皮を被った櫻の貴族の半分は無意識の傲慢で出来ている。
―――…なにやら、昨日も似た想いを抱いた気がするのは気のせいか。]
(59) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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[空は高い。秋の空はとても高い。
もしかしたら、物語の少女にとって、人に最も近しい自律人形にとって。 或いは黒鵜にとって、幻鏡堂にとって。
願いを叶えることは、空を掴むよりも果てしない事なのかもしれない。]
―――…成すべきことを成せば、未知は道に。 しかして、求めるるものは、足を踏み外し堕ちた先にあるのかもしれない。
[上手く言語化出来ぬ感情は、空に昇らせ見送った。 そうして、己の言葉を噛み締めると小さく笑い。]
私では、空を落してしまいそうだな。
[はは、と物騒な言葉と笑い声。のらりくらりと、壱番街の空の下。**]
(60) 2014/10/03(Fri) 23時半頃
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―三週間前―
[階下の様子を窺っていれば、ショートケーキの方を誘う渚>>49。]
きゃぁ! いらしてくださるんですの? 素敵ですわ、素敵ですわ!!
[ぱちぱちと手を叩いて喜ぶ様子は、渚にも当然筒抜けであろう。 自分の腰かけていた椅子から立ち上がり、そして机に向かっておかれていたもう一つの椅子からは、大きなクマのぬいぐるみを抱き上げて。 それを傍らの床に下して、椅子の上のクッションをぱたぱたと整える。 そうこうするうち、ノックの音が聞こえれば、その三度目を叩くとほぼ同時、少女の伸ばした手の先で、すこーんと小気味よい音と共に戸が開いた。]
開いておりましてよ!
[たった今、開けた張本人の癖に、平べったい胸をついと張って告げれば、戸口越しに彼の人の姿が見えた事だろう。]
渚、渚! お茶、よろしくお願いしますわ! 今日は、紅茶…ダージリンがよろしくってよ!*
(61) 2014/10/04(Sat) 00時頃
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>成すべきことを成せば、未知は道に 何ですか、この素敵な表現はあああああ!! 流石ももてんさん……ぱないっす。
(-24) 2014/10/04(Sat) 00時頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 00時頃
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/* なんだろう、この紅緒の可愛さよ。 紅緒可愛いとしか言えない。
渚も可愛くなってるしさぁ!!
(-25) 2014/10/04(Sat) 00時頃
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―1日―
[千恵子さんが帰った後、先の要望通り、渚が客人を連れてきてくれたようだった。 その特異な容貌に、既に少女は興味津々である。 だから、渚がノックすると間髪入れずに、扉へと手を差し向けて、常通り、勢いよく戸を開けたのだった。]
…。
[少女にしては、極めて珍しい、沈黙の時間が流れる。 先ほど視ていたとはいえ、やはり包帯でぐるぐる巻きにされたその顔のインパクトが、いささか強すぎたようだった。 きっかり3秒たってから、少女はにこりと大きく笑む。]
ようこそいらっしゃい、ですのよ! 宮田さん、でよろしくて?
[その後少女が何を続けようとしたのかはわからない。 驚いた男が、盛大に尻もちをついてくれた>>52のを目にし、思わず言葉が途切れた。 驚いたように目を丸くしていると、少女をたしなめる渚の声>>57。]
(62) 2014/10/04(Sat) 00時頃
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まぁ!嫌ですわ! 私、そんな意地悪いたしませんのよ!
[恋に驚かそうとしたわけではない。少女は不服そうに頬を膨らませる。]
いつもいつも、姦しいだのなんだの、小言を言うのは渚じゃありませんの! こうして、おしとやかにしていても文句をおっしゃるんですもの、わたくしどうすればよろしいのかしら!
[口調こそ理不尽に文句を言うようであるが、普段から渚の小言など丸無視であることは、渚のみならず兄さまや姉さまも良く知っていたことだろう。 遅ればせながら説明を始める渚を大人しく見守って。 それから宮田の視線が向けられれば、気取ったように深紅のスカートの裾をつまみ、お辞儀を一つした。]
紅緒、ですわ。 せっかくいらしたんですもの、少々お喋りにでも、お付き合いくださいませ!ね!
[にこにこと笑いながら、テーブルを示したが、果たして宮田は素直に席に座ってくれただろうか。*]
(63) 2014/10/04(Sat) 00時頃
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[応答を待つ時間は一瞬だった。 店主が三度目のノックをするとほぼ同時に、勢い良く戸が開き、部屋の主が姿を現す。>>61
華やかな装飾をたっぷりと施したワンピースの似合う彼女は、しかし、己が想像していたよりも小さかった。 生家に居た『梅ちゃん』をはじめ、これまで樹が見たことのある自動人形はすべからく成人の態をしていたものだから、勝手にそのように思い込んでいたのだ。 彼女は、男性として決して上背のあるほうではない己よりもさらに頭一つ分ほどは小さく、面立ちも幼い。愛玩用の人形もあるとは聞いていたが、……いや、しかし、目の前で賑やかに軽やかに動き回る彼女が本当に人形だというのだろうか。
店主に紅茶を要求する少女の勢いに押され、目をぱちくりさせたままその様子を眺めていた。*]
(64) 2014/10/04(Sat) 00時頃
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―三週間前>>64―
[渚にお茶を言いつければ、どんな反応であれ持ってきてくれることだろう。 その背を見送るようにして、そのまま視線を青年へと戻せば、呆けた様な顔をしているようだった。]
あら、ごめんあそばせ! 椋原樹、さまでしたわね? 私、紅緒、と申します。 よろしくお願い致しますわ!
[紅い華を散らせたスカートを指先でつまみあげ、気取ったようにお辞儀を一つ。 けれど、淑女――それも、少女が思い込んでいるだけなのだからかなり怪しげであるが…――の真似ごとも一瞬で片づけてしまい、くるり背を向ければぱたぱたと椅子へと向かう。]
さ、どうぞ。 お座りになって!
[斜め向かいに据えられた椅子を示して、青年を誘った。]
2014/10/04(Sat) 00時半頃
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―三週間前>>64―
[渚にお茶を言いつければ、どんな反応であれ持ってきてくれることだろう。 その背を見送るようにして、そのまま視線を青年へと戻せば、呆けた様な顔をしているようだった。]
あら、ごめんあそばせ! 椋原樹、さまでしたわね? 私、紅緒、と申します。 よろしくお願い致しますわ!
[紅い華を散らせたスカートを指先でつまみあげ、気取ったようにお辞儀を一つ。 けれど、淑女――それも、少女が思い込んでいるだけなのだからかなり怪しげであるが…――の真似ごとも一瞬で片づけてしまい、くるり背を向ければぱたぱたと椅子へと向かう。]
さ、どうぞ。 お座りになって!
[斜め向かいに据えられた椅子を示して、青年を誘った。*]
(65) 2014/10/04(Sat) 00時半頃
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―幻鏡堂・2日― [いつも通り、日の出たか出ぬかで起きだす。秋ともなればこの時分はまだ空も暗い。手探りで起きだす。 布団を畳んで部屋を出ようとして、やることが無いと気がついた。
やれることを聞くより前に黙って探しだせ、と年嵩の使用人の怒声が記憶の中で響いた。だが勝手の分からないところで動いて、何かしてしまってはいけない。よく分からない品の多い店なのだから、渚に指示を仰ぐべきだろう。
ただ正座して朝を待つのも暇である。 ぺたりぺたりと守宮の床を這うように、足音を立てずに廊下を進む。 どんなに整った見せかけであっても部屋の隅を見れば油虫や鼠の糞や蜘蛛の巣などがあるものだと探してしまうのが習い性なのだが、この店はどこを見てもそういったことが無かった。
一度首を伸ばして三階に続く階段を見やったが、店へと降りていくことにする。]
(66) 2014/10/04(Sat) 00時半頃
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[ここまで良くしてもらって、何も買わないではおられないと思うのだが、果たして自分の買えるような品があるのだろうか。
店の隅っこに腰を落ち着ける。 だんだんと昇る太陽も店の中に射すには及ばない。 時計の歯車の音だけがチキチキと響いている。 自分も物になったような心持ちで、じいっと固まっていた。
ここにあるものはきれいすぎる。 きれいなものというのは、遠かったり高かったりで、結局己の手の永劫届かぬところにしかないのだ。
硝子細工やランプなど、指を伸ばせば触れる距離にありながらそんなことを思う。 知らぬ島へと飛んでいった飛空艇も、この店のものも、感覚の中では同じようなものだった。
渚の降りてくる音がするまで、そうして小さく固まっていた。]
(67) 2014/10/04(Sat) 00時半頃
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[こっそり渚と入れ替わりに戻っていた自分を、渚が呼びに来る。朝食まであるとは、宿のような古物商だ。]
なあ、渚。 こんなに良くしてもらっては、おれも居心地が悪いのだ。 何か仕事はないか。割る薪や汲む水や何かはないか。 ここの勝手は知らないが、おまえよりは力のあるつもりだ。
[何か頼まれれば何であっても引き受けるだろう。 そう思っていたら、また一体の家人が、朝食の後にでも、自分に会いたいのだと聞く。>>31,>>34,>>38]
ふぅん。
おれは今すぐにでも構わない。 どうせまた、おかしなやつなのだろ。
[また、とは紅緒のことを前提にして言っている。]
それで渚が良いのならいいんだ。*
(68) 2014/10/04(Sat) 00時半頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 00時半頃
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[少女の口から当然のように己の名が紡がれたことに幾許か驚き、そして店主の言葉を思い出す。 >>49「いたく気に入った」というのは、どうやら慰めや誇張の類ではなかったらしい。
おしゃまな仕草で一礼し己を部屋へと招き入れる少女の表情に、確かな好奇心を読み取って、また先ほどの疑問が頭を過る。 ──生きている人間と、なんら区別がつかない。少なくとも、この距離感では。]
紅緒、さん。
[彼女が部屋の奥へと踵を返せば、紅い華咲き誇るスカートがふわりと揺れる。 その彩は、白い肌と黒い髪に良く映えていた。]
じゃあ、お言葉に甘えて。
[案内をしてくれた店主に小さく一礼して部屋に入ると、勧められるまま示された椅子に掛け。]
本を読んでくれたと聞きました。──ありがとう。
[此処へ招かれる原因となったであろう話を、持ち出してみた。*]
(69) 2014/10/04(Sat) 00時半頃
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/* あーあー。和泉も自分も25時までなのに和泉の部屋まで回らないー。あー。 となった結果のこれ。>>68
会話や行動に隙間は開けてあるつもりだったのですが、見なおしてそうでもないような。 うーん、確定が窮屈だったら申し訳ないです。
そして紅緒と会話、混ざる、ごめんなさいね。
(-26) 2014/10/04(Sat) 00時半頃
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>>68
[和泉の部屋からの帰りに工房に目を向けて中を覗いてみれば、既に宮畑は起きているようだった。 工房の扉を三度ノックし、返事を待ってから扉を開ける。]
おはようございます。 よく眠れましたか? 朝食の用意をしようと思うんですが、如何なさいますか?
[返事の代わりに、何か仕事はないかと訪ねる宮田に、少し首をかしげて考える。 確かに力仕事なら、自分より宮田にやってもらった方が早く片付くだろう。 けれどお客様にそんなことを頼むのも申し訳ない。
そこで、先ほどの和泉の用件を伝えてみることにした。]
…では、ひとつ私のお願を聞いていただけますか?
実は先ほど、もう一人の家人が宮田様とお話がしたいと言いまして。 宮田様さえよろしければ、朝食の後にご案内いたしますが…。 もちろん、気が進まないのであれば断っていただいても構いません。
[こういうお願いの仕方は卑怯だろうかと思ったが、宮田は渚の願いを快く引き受けてくれた。]
ありがとうございます。 今すぐ…という事でしたら。 まだ食事の準備ができていませんので、後で持ってあがりますから、上の部屋でお食事を召し上がりますか?*
(70) 2014/10/04(Sat) 01時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 01時頃
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/* 渚に懐きまくるミャー田さんなのであった。
(-27) 2014/10/04(Sat) 01時半頃
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-回想-
[渚が私室として使う部屋には、和泉たち三人も知らない物がいくつかある。 そのうちのひとつが、20年前からおよそ10年間にかけて書き続けられて来た一人の手記だ。
夜、時間のある時にそれを少しずつ読み進めるのが、数年前からの渚の習慣だった。
薄墨の表紙に、端の黄ばんだ平綴じの本が数冊。 大切に保管されてきたそれは、時間の経過のわりに状態もよく。
宮田を一二三の工房に案内した後。 渚は蝋燭の灯りを頼りに、一枚一枚、手記のページを捲り始めた。]
(-28) 2014/10/04(Sat) 01時半頃
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永歴二十六年、長月、二十日
以前より風邪のようなだるさがあり、季節の変わり目による風邪だろうかと、先日病院を訪ね医者に診てもらった。 風邪ぐらい普段なら病院になど行かず自宅で療養するのだが。 来週より摩耶の公智神社へ人形を作成しに行くので、一二三に用心のために診てもらえと連れて行かれたのだ。
どうやら私は、胸に重い病を患っているらしい。 それも、治る見込みはあまりないという。 病の発見が早く、また進行が非常にゆっくりとしたものなので、医者は入院して熱心に治療をすれば60まで生きられると言ったが、私はそれを断った。
私から人形師であることを取り去ってしまったら、一体何が残るというのだろう? むしろ私は、死に病を患っていると聞いて安堵したのだ 嗚呼、ようやく私も死ねるのだと。
病のことは、一二三には伏せてくれるよう医者に頼んだ。 知れば一二三は、私を病院へ閉じ込めてしまうだろう。 治療も延命も望んでいない私にとって、予想される彼の善意は酷く残酷だ。
(-29) 2014/10/04(Sat) 01時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 01時半頃
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―1日・紅緒の部屋― [言葉というより音楽を聴いているようだ。 渚の流れるような難しい説明も少女のきゃんきゃんと反論する声も、宮田の頭を上滑っていった。
よくは道理が分からないが、なるほど、こんなのが三体も居るとなれば店主の浮世離れも当然なのかも知れない、と思う。 ――その浮世というのは宮田にとってのもの、田宮の店の裏側でしかないのだが。
紅緒と名乗った少女人形は、西洋風のお辞儀をして、テーブルを薦めた。>>63 この少女にとっても自分は客らしい。店主と同じようなことを言うのだなと、宮田は昨日のことを思い出した。>>18 ]
宮田…セナだ。 しゃべるのはあんまり得意ではないぞ。いいか。
[紅緒の名乗りに答えながら、ゆっくりと身を起こす。 少し離れたままで少女をじろじろと見て、ふぅんと鼻を鳴らした。]
よくできてる。 おまえは器量よしだな。おれの知ってるなかでは一等だ。
[そう言ったあと、苦虫を噛み潰したようにぐうっと口を歪めたが、すぐに戻して薦められた卓に着いた。*]
(71) 2014/10/04(Sat) 01時半頃
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/* メモ・渚さん> そうでした 全部回してもらって申し訳ないのでした(五体投地べとーん)
(-30) 2014/10/04(Sat) 02時頃
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― 神無月・一日 翼砂の部屋>>39>>40 ―
[翼砂の快い返事に安堵したように笑むと、フミの手を取って。開かれた扉から射し込む斜陽を受けて煌めく、硝子細工の世界へと踏み入れる。 いつの頃から集めていたかは分からないが、茜が初めてここを訪れた時も、飾られたそれらは眩しく映ったものだ。
椅子の用意が2名分しか無かった事に気付いた翼砂が、「すまないね、立って我慢できるかい?」とフミに触れようとしたならば、人形は戸惑ったように身を半歩引き、茜の方へと視線を投げて来た。]
ふふっ、人見知りしちゃったのかな?
[言葉をあまり流暢に話す事が出来ない自律人形故、人と変わらぬ翼砂の動作に困惑したのかもしれない。 そんなフミに対してにこりと微笑み返すと、落ちついた様子を見せて、翼砂に向かってぺこりと頭を下げていた。]
(72) 2014/10/04(Sat) 04時頃
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[お土産を気に入ってもらえた様子を見て、嬉しそうに目を細めながら]
これはねー特殊なお砂糖で作られてるみたいだから、一緒に食べれるといいなーと思ってさ。
あ、そうそうっ。今日納品したお皿、"見て"くれた?? 今回のはけっこーな自信作っ。
前にこの部屋で見た――
[と、言葉を止めて棚の上に視線を向け、探し物を見つけるとそれを指さしてみせた。]
―――あった。 あの硝子細工の蝶を見た時に、あたしの絵にしてみたいって思ったんだー。 硝子細工には敵わないかもしれないけど、お気に入りの一つにしてもらえたら嬉しいなって。
[絵付けした蝶の色は、様々な蒼を使い分けて描かれており、丁度今の翼砂が着ている浅葱色の着物の様に、空に溶けてしまいそうな色合いであった。 だから、今日この部屋で彼女の着物を目にした時に、イメージ通りだったと嬉しくなってしまったのも事実で。]
(73) 2014/10/04(Sat) 04時頃
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[話している途中で、店主がお茶を持って来てくれたなら、それと共にお土産の砂糖菓子も一つ口に含めてみる。 食べた後で、自律人形用のお砂糖は食べちゃだめだっけ…?と頭に過るが、過去にもここで、誤って頂いてしまった事があったが何とも無かったので、きっと大丈夫なのだろう。
次に作ろうと思ってる作品の構想などを翼砂に話し、アドバイスを貰ったりなど会話を楽しんでいるとフミが寄ってきて、帰らねばならない時間だと知らせてくれた。]
うわわ、もうこんな時間? むー…ちっちゃい時みたくお泊りって訳にはいかないし、名残惜しいけど…。 ああ、いっけない、フミの調整してもらう時間が無くなっちゃった。
[フミに向かって、ゴメンねと両手を合わせ謝って。着ていた作務衣を軽くはたいて整えてから、「またね」と笑顔で手を振って、翼砂の部屋を後にする。]
(74) 2014/10/04(Sat) 04時頃
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― 神無月・一日 幻鏡堂前 ―
[1階に下りれば、射し込む陽の光は暗さを増していて、いつまでも夏の感覚で過ごしてもらっては困るぞと、夜の空に言われているような気分になった。 渚に一声かけてから出ようとしたが、奥の台所に居るらしく、誰かと話す声がかすかに聞こえて来る。 内容までは聞き取れないが、邪魔しちゃ悪いと思って、扉前で「おじゃましましたー」と声を出すに留め、店を後にするのだった。]
…急いで帰ろっか。
[後をついてきたフミに向かって話しかけ、表通りの工房へと足を向けた所で、幻鏡堂のドアが再び音を鳴らすのが聞こえた。 誰だろう?と思って振り返ると、それは見知った顔だった。]
…あ、れ…?ちえちゃん?
[日が沈みかけた夕暮れの暗さの所為で、思い浮かべた人物かどうか少し自信が無く。進んでしまった分の距離を戻し、幻鏡堂の入り口へと近付いて行く内に、やはり間違いないと確信していく。 此方を見て立ち止まった彼女に手を振り、気安い感じで話しかけた。]
(75) 2014/10/04(Sat) 04時頃
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やぁ、偶然っ。ちえちゃんも来てたとはねー。 あたしより後に来てたのかな?
[今日、ここに来た時には客らしい人物は櫻様しか居なかったはずだから…と考えて、後に来たのだろうなと推測する。千恵子が幻鏡堂を訪れるより先に3階へと上がってしまったので、来ている事は知らなかったのだ。
軽く言葉を交わして、自分は注文の品を届けに来てたという旨を話し、千恵子も仕事で来ていた事を知る。 彼女が人形技師である事は、フミを購入した1年ほど前。 購入した店から薦められたのが涼宮さんで、何度か調整を頼む内に自分と年が近い事を知り、今は友達感覚で話している。
そして唐突に。そうだっと、思いついたように手を鳴らして――]
ねね、ちょっと急なんだけど、明日この子見てもらえないかな? 予定埋まってたら別の日にでも。 あ、別にどこか壊れてるわけじゃないんだけど、定期調整って感じでお願いしたいなー。
[と、店先で予約を取り付け、帰路が途中まで同じであれば、話しながら石段を下っていっただろう。]
(76) 2014/10/04(Sat) 04時半頃
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― 神無月・二日 磁器工房「神蔵」前 ―
[昨日、帰宅が遅れてしまった事は特に咎められることも無かった。 茜にお使いを頼んだら、何かしら道草を食って帰って来るのは日常茶飯事の事で、多少遅れたとしても煩く言われる事はないのだ。 帰宅後すぐ、幻鏡堂での出来事を兄に嬉々とした様子で話したら、「そうかそうか」と適当な感じであしらわれてしまって、茜目線ではやや不満ではあったりするのだが。 しかし、僅かであっても、翼砂と話せたという仕合せな時間を思い出せば、今日も一日良い日になれそうな気さえして来る。
今は正午の鐘が鳴る頃。 午前中の作業は順調に進んでいて、休憩時となったので外の空気を吸いに、工房前に出て来たところだ。 うーん、と思い切り体を伸ばし遠くを見ると、秋晴れの空に、飛空艇が浮かぶのが見えた。]
んー…あれはどこに向かうやつかなー?
[太陽の眩しさを遮るように手を翳し空を仰ぎながら、飛空艇の進路を適当に予測する。 まだ、あれには乗った事が無い。 他の浮島へと行く必要は無かったし、遠出する際の主な交通手段は、汽車で十分なくらいだから。いつかはあれに乗って、榛名以外の地を観光してみたくも思う。
――――――!
工房の中から、父の呼ぶ声が聞こえる。さて、今日の午後のお使い先は何処かなと思いながら、声の方へと*戻って行った*]
(77) 2014/10/04(Sat) 04時半頃
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/* あっ、櫻さん>>41>>42の丁寧なロルありがとうですv
その辺うろうろしてたら、散歩中の櫻さんにまた会えるかなぁ…?
(-31) 2014/10/04(Sat) 05時頃
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-回想、1日目>>72-
[砂糖菓子の話題に花が咲くころ、茜の持ってきた作品の話に話題が移る。]
自信作か…確かにアレは素晴らしかった。 見た瞬間ため息をついてしまったくらいだよ。
[そう、あの皿に描かれていた蝶。 あれは、とてもよく似ていた。 翼砂の、蒐集品の一つである、硝子の蝶に。]
…これのことかい。
[儚くも繊細なこの蝶は、羽根の根っこの部分にちょうつがいが仕込んであり、好きな角度へ羽根を動かすことができる。 茜はこれを題材として描いたという。]
敵わないなんて…ないわ。 とっても、素敵だったもの。
[感情のままに話した時のみ出てしまうその口調で。 翼砂は、茜の作品に対して賛辞を贈る。]
(78) 2014/10/04(Sat) 10時頃
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あー、ゴホン。 まったく、君はまだ若いのに大した腕だよ。 この私を唸らせる作品を持ってくるなんて! これでも私の目は厳しんだからな?
[しかし素直さより気恥ずかしさが勝ったのか、照れ隠しに話題を逸らし始める。 例えば、次はどんな作品を作ろうとしているのか。 いっそ、ここの3体と渚の全員をそれぞれ構想に練り込んだ作品を一人に一つずつ作ってしまうのはどうか。 などなど、実現可能性を無視して空想と夢想が泉のように湧いて尽きない。
楽しい時間は刹那に流れる。 茜の自律人形が帰りの時間を伝えるまで、二人はその刹那がどれほどの時間だったのかを知らなかった。]
そうだなあ、流石にご両親が心配されるだろう。 また遊びにおいで。新作も楽しみに待ってる。
[手を振って部屋を後にする茜に向かって、翼砂も小さく手を振る。 そうしてまた、部屋の中は一人、無音の蚊帳が落ちる。]
……渚に、お皿立てをお願いしないといけないわ。
[小さい笑い声と一緒に、冗談とも本気ともつかない言葉が零れ出ていた。]
(79) 2014/10/04(Sat) 10時頃
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[どうやら宮田は既に起きていた様で、渚と会話を交わしていた>>68>>70。 宮田は渚に仕事を求めているようで、支持を仰いでる。 そんな様子を【見て】、懐かしそうに目を細めた。]
生まれたばかり時、黒鵜にそんな事言ったっけ。
[自身が起動したばかりの頃、黒鵜に命令を求めたりしてたな、と思い出した。 その時の黒鵜との会話は25年経った今でもよく覚えている。 一人、感傷が込められた笑みを浮かべ、その時に貰った煙管を口に咥えた。
続く会話の内容を【聞く】と、宮田はすぐに此方の部屋に来るらしい。 食事前に申し訳無い事したな、と心の中で謝りつつ、部屋の前にやって来た彼を出迎える様に、扉を開けた。]
初めまして、和泉と言います。 まぁ、見ての通り、俺も自律人形なんで、驚くかも知れませんが……。 取って食べませんので、どうぞ中へ。
[昨日宮田が紅緒の部屋に来て、驚きのあまり尻餅をついていた>>52のを目撃してたので、驚かれなきゃ良いなぁ、と思いつつ穏やかに誘って。]
昨日、紅緒が迷惑を掛けた様で……。 見た通りお喋りが好きな子でして。
[そんな事を言ったら、紅緒が反論するのだろうか。 どちらにしても、昨日の件は知っている旨は伝えてみる。]
2014/10/04(Sat) 12時半頃
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[どうやら宮田は既に起きていた様で、渚と会話を交わしていた>>68>>70。 宮田は渚に仕事を求めているようで、支持を仰いでる。 そんな様子を【見て】、懐かしそうに目を細めた。]
生まれたばかり時、黒鵜にそんな事言ったっけ。
[自身が起動したばかりの頃、黒鵜に命令を求めたりしてたな、と思い出した。 その時の黒鵜との会話は25年経った今でもよく覚えている。 一人、感傷が込められた笑みを浮かべ、その時に貰った煙管を口に咥えた。
続く会話の内容を【聞く】と、宮田はすぐに此方の部屋に来るらしい。 食事前に申し訳無い事したな、と心の中で謝りつつ、部屋の前にやって来た彼を出迎える様に、扉を開けた。]
初めまして、和泉と言います。 まぁ、見ての通り、俺も自律人形なんで、驚くかも知れませんが……。 取って食べませんので、どうぞ中へ。
[昨日宮田が紅緒の部屋に来て、驚きのあまり尻餅をついていた>>52のを目撃してたので、驚かれなきゃ良いなぁ、と思いつつ穏やかに誘って。]
昨日、紅緒が迷惑を掛けた様で……。 見た通りお喋りが好きな子でして。
[そんな事を言ったら、紅緒が反論するのだろうか。 どちらにしても、昨日の件は知っている旨を宮田に伝えてみる。]
(80) 2014/10/04(Sat) 12時半頃
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[>>70 あとで朝食が出来次第持っていくという渚に、うん、と頷きを返す。
案内する渚の後をついて三階へと階段を昇る。 まっさらな気持ちで相対しようなどと意気込んだわけではなかったが、特段聞いておきたいことも浮かばない。無言のまま、みり、みり、と微かに踏み板を鳴らす。
自律人形であるのに、紅緒には働いた様子がなかった。あれは愛玩用なのだろう。さればここの掃除や支度はこの店主が全て行っているのか。そういったことばかり考えてしまう。
渚が扉の前で中へと声をかける。イズミ、というのが部屋の主たる人形か。 これまたさあっと戸が開く。
紅緒の部屋とは大分趣が違う。 壁には棚があり、その棚の中にも床の上にもたくさんの本が置かれている。 卓袱台に畳の方が馴染みがあるなと宮田は思う。
部屋には緑の着流しを着た青年人形がいる。]
宮田セナだ。 厄介になっている。
[一言告げると、その場に立ったまま、じいっと和泉の眼を見つめた。]
(81) 2014/10/04(Sat) 13時半頃
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[どうぞ中へと促され>>80 、ゆっくりと一歩入る。 昨日会った紅緒の名が出たので、ひとつ頷く。]
おれの行ったあと、変わりはなかったか。
[楽しそうにはしていたと思うが、思い返して怖がったりなどしていなければいいが。 伏せた目をぱちぱちさせると、ややあってまた口を開く。]
迷惑なことはないんだ。 人形というのは、話し好きなものなんだろう。
[朝っぱらから自分を呼んだ和泉へと、目を合わせながらそう言う。]
それで、おまえはなにか聞きたいか。*
(82) 2014/10/04(Sat) 13時半頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 14時頃
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[宮田が名前を名乗り此方を見つめる>>81。 宮田の包帯に巻かれた姿は、店に入って来た時や渚とのやり取りを見ていたので、動揺せず静かに見つめ返していた。]
紅緒は人間と話すのが好きな子だ。 誰であれ、話が出来たなら喜びますよ。
[自分から見たら、紅緒はそういう子だと思っているし、宮田に対しての悪評は聞かなかったのでそんな事を言ってみる。 と、続く言葉、人形達は話好き、と言われてしまえば、苦笑を浮かべて。]
あぁ、俺達は外に出れませんから、どうしてもこういった形で話をしてみたいんですよ。
[立ち話もどうかと思い、宮田に座る様に勧めてみれば、自分も腰を下ろして。]
何を聞きたいか、ですか……。
[ふむ、と考えを巡らせる事数秒。 失礼な事を言ってしまったら申し訳無い、と前置きを言いつつ、宮田に聞きたかった事を聞いてみる。]
どういった経緯で此処に来たのでしょうか? 骨董でも俺達を求めに来た訳でも無さそうだったので、ちょっと気になりましたので……。
あ、話したく無かったら、無理に聞くつもりも、追い出すつもりも有りませんので。
[紅緒を見た時の反応が印象的だったのと同時に、自分らを求めにやって来たとも思えなかったので、それが不思議に思えて仕方が無かった。 ふーむ、と息を漏らしながら、宮田の返答を待つ。]
(83) 2014/10/04(Sat) 14時頃
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-回想・もうちょっと続くよ1日目-
[ふと、テーブルの上に置かれた砂糖菓子を手に取る。 それは、小さいながらも葉脈まで再現された紅葉の形をしていた。]
朱(あけ)の、葉…か。
[何かを想うように目を閉じながら、口の中へと砂糖菓子を放りこむ。 特殊な砂糖が原料だというのなら、食しても大丈夫だろうか。あとで渚に陳謝しながら検査を頼むことにならなければよいが、と思案する。]
そういえば、イチゴは無いのかな。 流石に秋のものの中にイチゴは無いか。
[もう三週間も前になるだろうか、物書きを名乗る男性が何度目か幻鏡堂を訪れた時、『最後に取っておくもの』の比喩としてショートケーキのイチゴを例に挙げた。>>22 そしてそれを聞いた好奇心旺盛な紅緒がイチゴを食べたいと駄々をこね始め、和泉と二人で諌めたことがあった。>>26>>27]
まあ…この砂糖菓子が気に入れば、食べてく内に分かるかもしれんな。
[歯にくっつかない様に、しかし大きい粒が残らないように慎重に砂糖菓子を食べながら、そんなことを思うのだった。]
-1日目回想・了-
(84) 2014/10/04(Sat) 14時半頃
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ちなみに私にとってのイチゴは銀杏の砂糖菓子だ。 蝶に形が似てるからな。
[ポツリとそんなことを考えたことが、『繋がり』に滲み出ていたかもしれない。]
(=2) 2014/10/04(Sat) 14時半頃
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[宮田を和泉の部屋に案内した後、トントンと階段を下りながらはたと気づく。]
…しまった。 また…、朝食は和食かどうか聞き忘れました。
[階段の上を振り返るが、話している最中に戻って尋ねるのも気が引けた。 少しの間考えた後、好みがあれば朝食を運んだ時にでも訊ねようと階段を降りた。
洋装に割烹着というのも変な組み合わせだが、渚は気にせず台所に立つと、米を研ぎ釜に入れて竃に置いて火をつける。 米が炊き上がるまでの間に頂いた梅干しをひとつ、ふたつ小皿に乗せ、お菓子を作るつもりで用意しておいた卵で卵焼きを作る。 大根とわかめの味噌汁を用意して、椀に注いだ頃には、丁度米の蒸らしも終わっていた。]
一二三さんに作るのと同じぐらいの量にしたけど…。 宮田様はこれぐらいで足りるでしょうか…?
[出来上がった料理を前に首をかしげて自問自答するが、少々時間がかかりすぎてしまったことに気づき急いで割烹着を外すと一人分の食事を大きめの盆に載せた。 米に味噌汁、漬物に卵焼き。 質はよくないが、普段渚が食べるのに比べれば倍以上の量がある。 最後に宮田と、少し濃い目に入れた和泉用のお茶と角砂糖を用意して厨房を後にする。]
昼の内に、肉か魚を買っておくべきでしょうか…。
[早くも次の食事のことを考えている渚の口元は緩く弧を描いていて。 少しだけ軽い歩調で階段を上ると、和泉の部屋の前に立った。]
失礼します。 朝食をお持ちしました。開けていただけますか?
[和泉と宮田の話しは、ひと段落ついていただろうか? 扉があけば、渚は流れるように部屋の卓袱台に朝食を並べてゆく。]
質素なものですが、お口に合えばよいのですが…。
[洋装の渚に和食。少々ミスマッチな組み合わせだが、男二人はどう思っただろう?]
(85) 2014/10/04(Sat) 14時半頃
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/* >朱(あけ)の、葉…か あけは! そうか、そこで繋げたのか! って事は、翼砂はモデルの名前知ってるのね。
(-32) 2014/10/04(Sat) 15時頃
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-2日目-
[活動状態を省動力状態から起動状態へ移行した。 つまり、翼砂にとって目が覚めたということである。 自律人形とて動力は無限ではない。 他人と接することのない時間に必要のない熱量を使わないよう、目や意識を閉じて省動力状態を取ることもある。 人では睡眠に当たる行為だ。]
さて…いつもの朝…だな?
[幻鏡堂の中を見てみると、工房に一人、男が居た。 確かに昨日、渚に客の宿泊について許可を求められた気がする。>>18 生返事で承認したように思ったが、彼がその客なのだろうか。
どうやら和泉が客を部屋に招くそうで、階段を上がる音が3階の翼砂の耳にも聞こえてきた。]
ふぅん。どうやら彼はまた…不思議な出で立ちをしているね。
[彼が昨日、自分が感じた視線の主かもしれないなどとは露ほども考えなかった。]
…。
[何を話しているのだろうか。 小さい好奇心で、朝食を男とともに摂る和泉へと念を送る。]
(86) 2014/10/04(Sat) 15時半頃
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和泉、その男が気になるのかい? なにやら事情がありそうな御仁だけれどね、彼。
[ややからかうように、しかしちょっとした心配を込めて、そう問いかける。]
(=3) 2014/10/04(Sat) 15時半頃
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俺達を求めて来た訳では無かったからな。 何らかの事情で迷い込んで来たのかねぇ。
まぁ、渚に恩義は感じてるみたいだから、やましい事は無さそうだが。
[宮田の返事を待ちながら、翼砂の囁きに答えた。
仮に宮田が自分らを連れ去ろうとしても、扉は開かないし、自分らは部屋の中を感知出来るので、すぐに伝達出来るのだから、その点に関しては心配はしていない。]
(=4) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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―三週間前>>69―
[腰かけた青年から、本の話題が出れば、ぱちりと両手を合わせて微笑む。]
とても、興味深く読ませていただきましたわ! あのようなお話を書く方は、一体どんな方でしょうと、思っておりましたの!
[少女にとって、恋とは、愛とは、未知の物であり。 作中に描かれた登場人物の心情なども、はきと理解したとは言い難いだろう。 だからこそ、その作者に興味を抱いたともいえる。]
せっかくなので、お聞かせくださいませ。 椋原さまにとって、恋、とは、愛、とは、一体どのようなものでございますの?
[ショートケーキの苺のようなもの。 それの、意味するところは何であろうか? 物語の少女の口にしたその表現は、何やら深い意味を得ていたように思えたのだが。 その答えを得られたならば、理解ができてもできなくても、首をかしげながら次の問いを投げたことだろう。
あの少女は、“幸せ”でしたの?
…と。*]
(87) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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お兄様、お婿様ですの? お婿様になられるんですの?
[話の流れを理解しているのかいないのか、やや頓狂な声がそこに混じった。]
(=5) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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/* ごめんなさい、つい…
(-33) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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/* しかも、お兄様になってるしw 兄さまだよ、兄さまw
(-34) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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/* どうしよう、気を抜くとギャグキャラになるぞこの子… 何故だ…
(-35) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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――……。
[紅緒の話が予想外過ぎて一瞬返答に困り沈黙した。]
どうして俺が婿に行く話になるんだ。
[至極真っ当な疑問を紅緒にぶつけて。]
(=6) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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違いますの? 残念ですわ、折角兄さまのお婿様が見られると思いましたのに。
[くすくすと笑うその様子に、どこまで本気かを推しはかるのはなかなか難しいだろう。]
兄さまに真っ白はお似合いになるかしら? ヴェールと、指輪と、お花も必要ですわね! 髪には何を飾るのがよろしいかしら…
[最早独り言のように呟いているのは、どうあがいても花嫁衣装だった。 放っておいても実害はないだろうが、少女の妄想は暴走するかもしれない。]
(=7) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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/* ごめん、ごめん兄さま… つい…つい…
(-36) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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いや…和泉なら女装も似合うんじゃないかと常々思っていたが…
やはり紅緒のセンスは侮れないな。そこを見抜いてくるとは…
[うんうんと紅緒の言葉に頷き返す。]
(=8) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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/* だって兄さま可愛らしいんですもの…
(-37) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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/* 姉さまwwwww 乗って来るのそこwwwwwwwwww
(-38) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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あ、でも兄さまなら和装の方がよろしいかしら? 白無垢も素敵に違いないですわ、きっと! それでしたら、角隠しですわね。 あぁでも、色打掛も捨てがたいですわ!
[少女の妄想、改め暴走は、留まるところを知らないようだ。]
(=9) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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[勧められた場所に胡座をかくと、畳と本の、粉っぽいような匂いがする気がする。
何を聞きたいと問うた以上、知っていることは何であっても話すつもりであった。 このような風体である訳を聞かれることも考えたが、いざ幻鏡堂に来たわけを話すとなると、どこから始めればよいものやら迷うものだ。
頬を掻いて少し思案する。 短く端折るべき理由もないし、最初の最初から始めることにした。]
(88) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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[上手くは話せないがと前置きする。]
おれは、参号の島の、 田宮という商店にいた。 街でも指折りのでかい店だ。 おれは子供の時分よりそこにいる。
旦那をはじめに、皆、ごうつくな奴らだが、商売はずっとせわしい。 おれもこのなりでは、他に行かれるところもない。
[このナリでは、と口にするとき、手で右の顔を覆った。]
主人たちはけちの上に見栄はりで、金は入るのに金なしで、だから、いつからか、下男はおれとあと一人だ。
[詳細と大筋とを行きつ戻りつし、更に質問が挟まればそちらに答えただろう。]
(89) 2014/10/04(Sat) 16時頃
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―1日>>71―
宮田さん、ですわね。 あら、お話に特異も不得意も、ありませんのよ? よろしくお願い致しますわ!
[無垢な少女は屈託なく笑いかける。 ぶしつけな視線にも嫌な顔一つせず、こちらもとっくりと目の前の男を眺めた。 褒められればぱちりと両手を合わせて、より一層笑みを深くする。]
まぁ、嬉しいですわ! そんなこと言ってくださった方、初めてですのよ!
[男の表情の変化には、気付いていたのかいないのか、一切触れられることは無かった。 傍らに置いてあって紅い手毬を抱え直し、少女はついと男に顔を寄せる。 ほんの少し、真顔になって、内緒話の様に囁いたのは…]
ですけれど、姉さまの方が、私より、ずっとお綺麗ですのよ! きっと、お会いになったらもっとずっとびっくりなさるわ!
[当然そんな言葉も、当の本人に聞えているだろうが。 上体を立て直すと、少女はほんの少し、首をかしげて問いかける。]
宮田さんは、どちらからいらしたの? 随分、苦労なさったのかしら。 私、旅などしたことがありませんの。 何でも良いわ、お話していただけませんのこと?
[問いかけに対し、男は如何なる返答を返したことだろうか。*]
2014/10/04(Sat) 16時半頃
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―1日>>71―
宮田さん、ですわね。 あら、お話に特異も不得意も、ありませんのよ? よろしくお願い致しますわ!
[無垢な少女は屈託なく笑いかける。 ぶしつけな視線にも嫌な顔一つせず、こちらもとっくりと目の前の男を眺めた。 褒められればぱちりと両手を合わせて、より一層笑みを深くする。]
まぁ、嬉しいですわ! そんなこと言ってくださった方、初めてですのよ!
[男の表情の変化には、気付いていたのかいないのか、一切触れられることは無かった。 傍らに置いてあって紅い手毬を抱え直し、少女はついと男に顔を寄せる。 ほんの少し、真顔になって、内緒話の様に囁いたのは…]
ですけれど、姉さまの方が、私より、ずっとお綺麗ですのよ! きっと、お会いになったらもっとずっとびっくりなさるわ!
[当然そんな言葉も、当の本人に聞えているだろうが。 上体を立て直すと、少女はほんの少し、首をかしげて問いかける。]
宮田さんは、旅をしていらしたの? 随分、苦労なさったのかしら。 私、旅などしたことがありませんの。 何でも良いわ、お話していただけませんのこと?
[問いかけに対し、男は如何なる返答を返したことだろうか。*]
(90) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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田宮には跡継ぎ息子が一人いて
[そこで一度言葉が切れる。 続いて絞り出した声は先程より一層低く震えていた。]
そいつが、そいつが……ぐう。
[宮田の目はもう和泉を見ることができず、卓袱台を睨み付けていた。 なんとか客観を持って説明しようとするのだが、湧き出す憤懣遣る方なく、ぐいと奥歯を噛み締める。 激情を表す術を持たないために、怒りは喉につっかえて、震える唇からはただ、ぐぶう、ぐるうと、蛙の声がするだけであった。]
(91) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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[宮田の返事を待ってる間に、右の肘は卓袱台に付き、右手を額をに当てて頭を抱えた。 深い深い溜息を漏らしてしまえば、宮田は不思議がるのだろうか。 人形達の【お茶会】に巻き込まれて困惑してるのは、中々理解して貰えないかも知れない。]
……何でこういう事に限って仲が良いんだよ。
[ポツリと溜息混じりの呟きを漏らしていたら、宮田が身の上を話し始めた>>89。 真面目な顔をし、姦しい妹達に黙って念を送って、静かに話を聴き始めた。]
(92) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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……悪い、少し静かにして貰えると助かる。
[女装談義に色々とツッコミを入れたいのだが、それより宮田の話に集中したく、翼砂と紅緒に手短な願いを言う。]
(=10) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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はぁーい。
[割合あっさりと引けば、そのまま大人しくなる。 そして兄さまと客人の会話に集中した。*]
(=11) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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[しばしあって、ふうと息を吐く。]
おれはどうにも腹が立って、そいつを殴り倒して、服と金とを盗って逃げたのだ。
[肝心なところをごっそり飛ばすことで、ようやくひと区切りまで話終えた。 握りこんで真っ白になった指を曲げ伸ばしし、より曲がった背を少し戻せば、元の調子に戻ったようだった。]
捕まればよくてころされる。 だので、おれはまっすぐに逃れてきたのだ。
(93) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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ふむ。確かに客人の話は気になるしな。
[翼砂もあっさりと聞き分け、楽しみに揺れていた感情を落ち着かせることにした。]
(=12) 2014/10/04(Sat) 16時半頃
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[話を聞く限り、宮田は参号の島の出身で、田宮という店に子供の頃から居たという。 そこの人間関係は良かったとは言えなかったらしい。 しかも、宮田は外見の事もあって中々その場から逃げれなかった、と言う。 ふむ、と納得の吐息を漏らした。]
主人に恵まれなかった、という事ですね?
[話が進む毎に、段々声が低くなっていくのがよく分かる。 次第に怒りを覚えたのか、身体を微かに震わせながら蛙の様な声を発し始めた>>91。 これ以上話させるのを止めようとしたら、少し落ち着きを取り戻してくれたみたいだ>>93。 ほっとしつつ、此方から口を挟まず、宮田の話が終わるのを待ってから口を開いた。]
だから、あんなに怯えていたのですね。 事情は分かりました、話して頂いてありがとうございます。
貴方の様子から嘘をついているとは思えないし、その田宮商店の人に差し出そうとは思いません。 暫く落ち着くまでの間でも構いませんから、ここで身を隠すのは如何でしょうか? まぁ、姦しいのが居ますので大変かも知れませんが。
[何故か姦しいという言葉は強調するが、宮田に身を隠す提案をすれば、彼はどう反応するか。
そして、タイミングを見計らってか偶然か。 渚が部屋の前に来たみたいだ>>85。 すっと扉を開けて彼を通してあげれば、卓袱台に食事が並べられる。 洋服に和食とちぐはぐな出で立ちの渚の姿に、和食と砂糖菓子というちぐはぐさに、思わずクスリと笑い声を上げてしまう。]
ともあれ、今はゆっくり食事をして頂ければ幸いです。
[ふっ、と自然な微笑を浮かべながら、角砂糖を一摘みし、それを口の中に入れ、咀嚼する。]
(94) 2014/10/04(Sat) 17時頃
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[砂糖菓子をもぐもぐとゆっくり噛み嚥下した後、渚を見やって。]
渚も翼砂達も話聞いてただろ? 俺としては、落ち着くまで此処に居ても良いとは思うんだけど、どうだろう?
[それは、渚に限らず、此方の会話に耳を傾けてる翼砂や紅緒にも提案をしてみるが、彼らの反応は如何に。
話が纏まった頃を見計らって、渚を呼んで耳を貸してくれと言う。 彼が耳を貸してくれたのなら、そっと耳打ちをする。 何故か助けを求める様な面持ちで。]
(95) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
|
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なぁ、俺の代わりに、翼砂や紅緒達の前で白無垢とか白いドレスとか花嫁衣装着てくれないか? 俺が女装とか勘弁して欲しい……。
[先程あった【お茶会】の愚痴を漏らしつつ、渚に助けを求めた。]
(-39) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
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>>95 [早速角砂糖を食べている和泉の横で、宮田の分の食事を並べていれば。 落ち着くまで宮田をここに置いておけないだろうかと言われる。]
私が最初に宮田様をお招きしましたし。 3人が良ければ、私は構いませんよ。
[そう返事するようすは、傍目に見ればいつも道理だが。 よく見れば、普段より少しだけ表情が明るかったかも知れない。
客人に茶や菓子を振る舞うのは実益をかねた渚の趣味だが、やはり自分の作ったものを人が食べるのを見るのは別の楽しみがある。
その後話がまとまると、困り顔の和泉に耳を貸してくれと言われる。 なにか、宮田に聞かれたくない話だろうかと耳を貸せば…]
(96) 2014/10/04(Sat) 17時半頃
|
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はい?!
[非常に珍しく、すっとんきょうな声をあげる。 至近距離にいた和泉などは、多少耳が痛かったかもしれない。
渚はお盆を持っていない方の手で顔を覆うと、深く溜め息を付いた。]
それは… いくらなんでも、私だって着れませんよ。
[いくら線が細くて、顔立ちから女性に間違われることがあるとはいえ。 流石にそれは無理があるでしょうと。]
それに、流石にそういった物は置いてありませんよ?
[聞いているであろう、紅緒と翼砂へ向けた言葉ではあったが。 そんなことを言い出す和泉にも、渚は珍しく呆れたような顔をした。]
(97) 2014/10/04(Sat) 18時頃
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[けれど間近でよく見れば、長い髪に隠れた耳元がうっすらと赤く色づいていて。
無いのだから着ない、と言う言い分は、あれば着てもいいのかと、和泉に多少思わせたかもしれない。]
(-40) 2014/10/04(Sat) 18時頃
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/* なになに?! メイド服? ウェディングドレス?? やー着てよー キャッキャツ
(-41) 2014/10/04(Sat) 18時半頃
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/* ふむ、複数の時系列が混在している気がするが。 各々の場所が把握出来ないな、少しマイペースにいこう。
(-42) 2014/10/04(Sat) 19時頃
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― 神無月二日目/→幻鏡堂 ―
[高い空の下、男は散策がてら立ち寄った飴屋で土産を購った。 美しい結い髪の看板娘より煌くような星の欠片を受け取り、談笑も二三交わして金を払う。己は別段是と云うほどの有名人では無いが、畏まってしまう目敏い商家も多い。 恐縮を当然と思いながらも、何処か寂寥感を覚えるのは自身の若さか。 そんな中で気安く言葉を遣り取り出来る相手と言うのは、やはり感慨深い。
己が土産を携え、向かう幻鏡堂も、その感慨深い見世の一つであった。 足は本日も、表通りを離れて、石段を踏む。
発条の象徴と、名品が閉じ込められたショーウィンドウ。 そこに並ぶ品々は、どれもが在るべき場所を求めているように見えた。 この見世は在り処を探すものばかりが集まっている。 此処へと寄ってしまう己もまた、何かを探しているのかも知れないが。 対等な会話とは身分に因らず、心持にあるのやもしれない。
ともあれ、男はゆっくりとショーウィンドウより身を引き剥がし、店内へと足を踏み入れた。]
(98) 2014/10/04(Sat) 19時頃
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─三週間前>>87─
[興味深く読んだ、と両手を合わせ微笑みかける少女に、嬉しげに微笑み返す。]
それは、良かった。
[己が書きたいから書いているのだとはいえ、やはり物語は読まれてこそ、とも思う。 ひとりでも読者が増えることは、樹にとって喜ばしいことだった。
物語のみならず書いた己にまで興味が及んだらしい少女に、恋とはどのようなものかと問われて目を眇める。]
…ひとことで言い尽くせるのであれば、本を書いたりはしません。 でも、そうですね…
[両手を組み合わせてしばし天井を仰ぎ、ゆっくりと言葉を探す。]
その想いが心にあるときは、とても幸せです。 理屈はわからないけれど、どうしてだか、相手のことを考えるだけで満たされます。 ずっとこの時間が続けばよいのにと、思う。
[外見は十かそこらの少女のように見える彼女が、しかも自立人形たる彼女が恋をしたことがあるのだろうかと、少し悩んで。 そこまで言って、一度溜息をつくと、少女に視線を戻して問いかける。]
紅緒さんは、何をしている時間がいちばん幸せです? その時間は終わって欲しくないと、思いませんか。
[彼女から何か答えがあれば、頷いて肯定しただろう。]
(99) 2014/10/04(Sat) 19時頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 19時頃
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それで、ね。
[恋とは何か、も表現しづらいけれど、愛の定義もこれまた難しい。 考えてはみたけれど、やはり己自身の言葉にはならず。匙を投げて、ひとの言葉を借りることにする。]
僕の好きな作家が、こう言っていました。 恋に、終わらない魔法がかかると愛になる、って。 ……本当かどうか知りませんけど。 僕は、その表現がいちばん、好きです。
[そして、己の書いた少女の言葉をふと思い出し、こう付け足した。]
苺を食べてしまったらショートケーキの時間が終わる、なんて、心配しなくていいんですからね。
(100) 2014/10/04(Sat) 19時頃
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[続いて、首を傾げながら投げかけられた問いには曖昧に微笑んで、黒目がちの彼女の瞳をじっと見つめた。]
紅緒さんは、どう感じましたか? ──物語は、だれかが読んだ時点で、そのひとだけのものになるんです。
[物語の結末。主人公の少女は、自分の想い人が他の女生徒に想いを寄せていることに気づく。けれど、その恋を手放すでもなく、叶えるために告げるでもなく。 その気持ちが揺れたことは本人しか知らぬまま、水無月の後も想いは続くのであろうと、推測される描写があるのみで。]
貴女は、あの少女が“幸せ”だったと思いますか?
[その答えがどうあろうが、己の書いたものがその疑問を呼び起こしたこと自体が嬉しくて。 問いかけながら、きっと、部屋に入ってから一番の笑顔を見せていたことだろう*]
(101) 2014/10/04(Sat) 19時半頃
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/* >>97和泉さんが何を言ったのか気になって仕方ないですw */
(-43) 2014/10/04(Sat) 19時半頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 19時半頃
店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 19時半頃
店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 19時半頃
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[宮田の話が落ち着けば、今度は渚との話が始まる。他愛のない話が。 素っ頓狂な声を上げる渚>>97。かなり珍しい。 珍しい様子は見れたが耳が痛い、軽く耳を押さえながら、至って真面目な顔で渚の話を否定する。]
いや、渚だったら大丈夫だ。 そもそも、渚が無理だったら、俺はもっと無理。
俺は現物があれば着てくれるのを信じてるからな。
[宮田が話が分からなくて困惑していてもしていなくてもこう言うつもり。 「渚は花嫁衣装似合う」と思いませんか?と。 それを言ったら、宮田はどう反応するか。 にっ、と笑みを作って、ちょっとした朝食の賑わいを演出してみせる。]
まぁ、こんな他愛のない話とかするかも知れないが愛嬌って事で。
[渚はこの後どうするのか。 此方は、宮田が食事を終えるまで見守っていたり、話をしたりしているつもりだ*]
(102) 2014/10/04(Sat) 19時半頃
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/* おおっ、今ので丁度1000pt使いきった!('∀'*) 一回ミスして発言取り消したけど、結構喋ったなぁ。
(-44) 2014/10/04(Sat) 19時半頃
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― 宮田との会話を終えた後 ―
[正午を告げる鐘の音が微かに聞こえた。 音に誘われる様に、窓の景色を眺めてたら、秋の空に浮かぶ飛空挺が一つ。 飛空挺はいつも通り何処かへと向かい飛び去って行く。]
あそこの中から見た景色ってどんなのだろう。
[行けない、と分かってる筈なのに、今はどうして行って見てみたいと思ってしまうか。 そんな想いをしなかった筈なのにな、と心の中で呟き、溜息を漏らした。
小さな箱庭という名の鳥籠の中で、人形と店主との日常が当たり前、となった世界が少しずつ何かで塗り替えられていく。 いや、ぺきぺきと何かがひび割れていくのだろうか。
何とも形容し難いが、自分の中で何かが変革しよう、とするのだけは分かる気がしてる*]
(103) 2014/10/04(Sat) 19時半頃
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[少し調子の悪いラジオから、男性の声で今日のニュースが読み上げられる。 それを聞くともなしに聞きながら、渚は午後から店の商品をひとつひとつ、丁寧に磨いていた。
抱えるほど大きなボトルシップ、ステンドグラス調のランプ、ローマ数字の置時計、ガラスと金細工の宝石箱、子供の頭ほどある地球儀、真鍮の秤。
唐草模様の透かしが彫られた蓄音機のラッパ部分を磨いていると、カランコロンと扉の開く音がした。>>98]
いらっしゃいませ。
[微笑み扉の方を向けば、何か小さな紙袋を持った櫻が立っており。 渚は少し驚いたような顔をする。]
あれ? 櫻様、今日はいつもよりお早い…
[そう言って店内の掛け時計を見たが、気付けば正午もとうに過ぎ、櫻が来店するいつもの時間だった。
時間が過ぎるのに気付かないほど熱心に商品の手入れをしていたのだろうかと、無意識のうちに飛んでいててしまった時間に首を傾げながら。 櫻には、どこか恥ずかしそうに苦笑いを浮かべて。]
すみません。 思ったより時間が経っていたようで…。
今日はアールグレイとクッキーをご用意していますが、如何なさいますか?
(104) 2014/10/04(Sat) 20時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 20時頃
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/* もうしわけない
(-45) 2014/10/04(Sat) 20時半頃
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[店先を潜れば、ノイズ混じりのラジヲが鳴いた。 今朝のニュースは聞いていないが、もしかしたら参号にある田宮商店の事件も流れるのかもしれない。されど、男は趣味人らしく、世に流れる瑣末な話よりも、物々の奥に見えた店主に意識がスライド。>>104 ドレスシャツを身に纏った中性的な麗人は今日も古美術を愛し、黒鵜の忘れ形見を護っている。まるで番人めいた半生だ。]
――…やぁ、また来たよ。久我。 今日の茶は何かな、一寛ぎさせておくれ。
[アンティークショップを茶店代わりに使うのは、聊か気も引けるが、何分此方で持て成される茶も給仕も零番街のサロンに勝るとも及ばず。 時を忘れる彼の声に、揃えて壁掛け時計を確認し、小さく笑気を噛み殺すと、ワーカホリック。と笑って見せた。]
それは是非とも頂きたい―――が、君も一緒にどうだい? 私が見るに君にも休息が必要だ。
[暢気な声で彼を茶に誘いつつ、足音も静かに距離を埋めて近づいた。]
(105) 2014/10/04(Sat) 20時半頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 20時半頃
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/* 本当は進行に口を出すようなおこがましい事などしたくないのですが、 1d回想も終わりきっていない方も居るようだし、 大事なところを巻くのも勿体無い…と思うのです。
村建て様が気を悪くされていなければいいなぁ。 本当に一言居士で申し訳ない。*/
(-46) 2014/10/04(Sat) 20時半頃
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[>>105ワーカホリック、と笑いをかみ殺すように言われれば。 確かにその通りなので、渚も肩を竦めて笑うしかない。
渚の一日は、全てが幻鏡堂…。ひいては黒鵜が遺した三体の自律人形のために費やされているのだから。 それをライフワークと捉えるなら確かにその通りだろう。]
そう…ですね。 ですが、せっかくのお茶の相手が私でよろしいんですか?
[近づかれると、やはり櫻は大きい。 距離が近くなるほど、否応なく見上げることになり。]
(嗚呼。やっぱり櫻様は、一二三さんと同じぐらいの背丈でしょうか…?)
[などと、櫻の返答が帰ってくるまでの間に片隅で違うことを考えてしまう。 傍から見れば少しぼーっとしているその様子に、櫻に声をかけらればハッとして。]
櫻様が普段飲まれるものほど良い茶葉ではありませんが。 今日は牛乳があるので、ミルクティーにしましょうか?それともストレートになさいますか?
[詰められた距離もそのままに、少し首をかしげて微笑み訊ねた。]
(106) 2014/10/04(Sat) 21時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 21時頃
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[黒鵜が残したのは三体の自律人形。 稀代の人形師が遺した品ならば喉から手が出るほどに求む輩は多い。 死去に伴い遺品が流出し、行方知れずとなるなど、飽くほど聞いた話。 それに歯止めをかけたのは一二三なる幻鏡堂の先代だと聞いた事がある。
彼の左手首を飾る数珠は、己が来店するより前から揺れていた。 もうずっと、彼は人形の行く末を見守っているのだと知れる。
彼もまた、人形達の願いを“探す者”であるのだろう。 その願いが全て叶った先と言うのは、今一想像が付かないが。]
ああ、君が良い。 袖になんてしないでくれると嬉しいよ。 私は君が考えるほど、遊び歩いている訳ではないのさ。
[昨日の揶揄を含ませて唇を三日月に撓らせ、自然と彼を覗きこんだ。 彼と己の身長差は一目瞭然で、榛名の平均よりも随分と高い。 頭一つ分の距離を顎を引いて稼ぐと、緩やかに頷き、不意に重なる眼差しに、双眸を撓めて返す。>>106]
―――…久我? 大丈夫かい。 心配せずとも、彼らの買い手なら良き人が見つかるよ。
[つい、先ほど過ぎった思考が零れ、彼の眼差しに明後日な言葉を漏らす。 されど、即座に失言を咎めるように己の口元を掌で軽く隠し、咳払いを挟んで誤魔化すようにミルクティーを所望。 無論、当然、彼の分も。と、先ほどより僅か強引に茶席に誘って。]
(107) 2014/10/04(Sat) 21時半頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/04(Sat) 21時半頃
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― 一日 紅緒の部屋 ― [>>9紅緒の元気な声にくすりと笑う。 設備の話題になれば、そっと差し出すうさぎの形をしたからくり人形。 彼女少し眉を寄せてる表情に、大丈夫だよと笑みを向ける]
大丈夫。 ちょっと見せてもらってもいい?
[ふわふわもこもこ。 とても可愛いうさぎのからくり人形。 ぜんまいを巻いてみる。 1回くるりと]
んー?
[手ごたえがない。 くるりとひっくりかえして、白い綿毛に包まれた物を少し捲ると歯車がたくさんついている部分が見える。 鞄からルーペやらピンセットやらを取り出して、ピンセットでツンツンとつつく作業は紅緒からはどう見えたのだろうか? 丁寧に元に戻して再びぜんまいを巻く。 カリリ、カリリ 手を離せば、ぴょこぴょこと白い兎は再び跳ねる。]
(108) 2014/10/04(Sat) 21時半頃
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歯車が外れてたみたいだね。 [>>25跳ねる兎をみながら、そう言って。 唐突、床を眺めて、話す紅緒にきょとんとして、一方的な約束が交わされてるのを聞きつつ、紅緒がこちらへと戻ったのを見て問う。]
他のお客さんが来るのかな?
[どんな客がくるかは気になりはするものの、お邪魔になるだろうし、暗くなる前には帰った方がよいだろうし。 ゆっくりするには遅すぎるか そう考えると、腰を上げて]
またお話しよう?
[そう声をかけて、部屋を後にするのだった。]
(109) 2014/10/04(Sat) 21時半頃
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― 一日 幻鏡堂前 ― [1階へとおりて渚へと声をかけようとしたが、奥の台所にいるらしい。ならば、邪魔をせずに帰るのが良いだろう。]
お邪魔しましたー
[ドアのベルを鳴らして幻鏡堂を出ると、日が沈みかけた夕暮れ。 ぽつぽつと灯りがほしい。]
「…あ、れ…?ちえちゃん?」
[声のする方へ顔を向ければこちらへと近づく影。 手を振ってるのは]
茜さんだ。
[軽く言葉を交わして、茜は注文の品を届けに来たことを知る。 何度かの依頼に仲良くなった。歳が近いせいもあるかもしれない。]
うん?大丈夫よ。
[フミを見て、茜を見ると頷きを1つ。 この前調整したのはいつだっけと思いながら。 途中までは同じ道を通るから、話しながら石段を下る。]
今日は紅緒さんとお話したよ。元気だったわ。
[うさぎの話やら、お菓子や、花の話やら。 そんなお話しながら、帰路へ]
(110) 2014/10/04(Sat) 21時半頃
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―神無月二日 工房― ん…。 [ベットの上でもぞり。 被っていた毛布から顔を出して擦る目を摩りながら毛布を畳み、お湯を沸かす。 作業着からもぞもぞと袴に着替えて、呟く。 外を見れば日差しが差し込まれている。]
……朝だ。
[作業机には設備が終わったばかりの人形が置いてある。 帰ってからずっとやってたのか、部品や道具はそのまま。 すっかり日は昇っていて、空をみれば飛空艇が浮いているのが見える。]
浮いてるなぁー…。
[そんな寝ぼけてたことを呟きつつ、お湯が沸けば。 紅茶にして、マグカップに注ぐ。 その間に目玉焼きをやいて、スライスしたパンにサラダ、ハム、トマト、玉ねぎをのせて、挟む。 本日の予定は、思い出しながらもぐもぐ、零れても気にせずに食べる。]
あ、茜さんとこ行くの午後になるかな。
[フミの設備といってたけれど、軽く見てから、後日設備かなと思いながら、幻鏡堂寄り道できたらいいな。]
(111) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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[暫し物思いに耽っていたら、ドアベルがカランと鳴る。 色々と巡らされた思考の鎖がプツリと切られた様だ。 いつもの様に渚が対応している>>104中、櫻氏がワーカーホリックと揶揄し、休息を勧めていて>>105。 自分で良いのか、と確認する渚>>106に、渚が良いと言う櫻氏>>107。]
良い機会だから、ゆっくり茶を飲むと良いさ。 たまには、こういう日もあって良いしな。
[自分らの為に働いてくれている店主を労い、櫻氏のフォローを入れる。 当然この声は彼には届かないのだろうが、渚が聞こえるのだから問題無い。]
(112) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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[>>107意識が目の前の櫻からそれているのを、案じるように名前を呼ばれて。 ハッと意識の焦点を目の前に合わせれば。 自らの口元を手で隠して咳払いをしてミルクティーを頼む櫻の様子に、渚は目元を緩めて同意する。]
えぇ。 善い人と巡り合えるなら…
[彼らが幸せになることが、黒鵜の望み。 そして願い。 それを託された一二三…。
けれど、嗚呼…。]
(113) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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愛し、愛され。 幸せを手にすることのできる彼らの、なんと妬ましく、怨めしいことか…。
(*0) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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[胸元に手を当て、そっと目を閉じる渚の手首で。 白いシャツの袖から、琥珀の数珠がジャラッと音を立てる。 伏せた睫毛の下に影が差し、普段の微笑む様子とは違う表情を形作ったのは一瞬のこと。]
ミルクティー、すぐにお淹れしますね。 少々お待ちください。
[>>112和泉の言葉に背を押されるように顔を上げた渚はいつも通りの柔らかな微笑みを浮かべ、風に舞う白い花弁のようにふわりと店の奥へ姿を消した。]
(114) 2014/10/04(Sat) 22時頃
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[変化に乏しい緩やかな日々の中に、新しい風を吹かせることはとても大事だ、と翼砂は考える。 宮田がしばらく幻鏡堂に腰を据えたいというのであれば、断る理由もない。>>95]
構わないよ。 なに、彼に先立つものが必要であれば、渚か渚のお客のツテで求人を用意してもらうといい。
[貿易商や骨董鑑定士など、客の中には特殊な職業についているものも多い。そういう人物たちは大抵顔が広いものだ。]
さて…昨日は何やら来客も多かったらしいが、今日はどうなのだろうね。
[翼砂はそんなことを独り言ちながら、部屋の棚からビー玉を取り出しつつジャラジャラとガラス製の器に並べていじり始めるのだった。]
(115) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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………久我? [彼の願いは先代からそっくりそのまま明け渡されたもの。>>113 されど、同意を示す言葉に、眼差しに違和を覚えるのは何故か。>>114 翳りを作り、憂いを帯びる横顔が、何処か青年人形に重なって見えた。]
―――…ああ、よろしく頼むよ。 けれど、その前に一つ。
聞きたい事が。
[手近な椅子を引き、借り受けるように腰を落ち着け、ゆっくりと足を組み、ほんの少しだけ声のトーンを落した。 特段内密にする話でもなかったが、赤裸々に問うには憚られ。 良く通るテナーが奥へと下がる彼に届く。]
(116) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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――…もしや、『君の願い』は、『黒鵜の願い』とは違うのかい?
[答えなど求めず、低音域が彼の耳裏を過ぎ去った。 他愛も無い疑問だ。ただ、何故か、問わずには居られなかった。]
(-47) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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[立ち去る直前。 櫻の問いに、一瞬だけ、微笑む。
それは、肯定とも否定とも取れただろう。
そして次に厨房から茶と菓子を持って戻ってくるときには、櫻が投げかけた問いも抱いた疑問も、なにもなかったかのように振舞うのだ。 それはさしずめ、寄せては返す波に石を投げいれても、ほんの一瞬波を不規則に揺らめかせるだけのように…。]
(-48) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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[厨房へと入った渚は、水瓶からカップ一杯より少し多めの水を汲むと片手鍋に注ぎ火をつける。 その間に棚の扉を開き、アッサムとラベルされた数種類の缶の上で指を滑らせる。
選んだのはアッサムセカンドフラッシュ。 続いて、金の縁取りがされた白磁のティーカップとソーサーを二組取り出す。 ティーカップの底には、繊細な筆遣いで描かれたピンクローズが咲き誇っている。 これも神蔵の作品で、茜が絵付けをしたものだった。
丁度良く沸騰した湯の中に茶葉を入れ、2分程煮たたせて充分に茶葉が開くのを待ち…。 ティーカップ二杯分になるよう牛乳を入れて強火にし、沸騰する少し前に日を止めて、蓋をし3分ほど蒸らせばロイヤルミルクティーの完成。
蒸らす3分の間に白い皿に数枚のクッキーを並べると、飽きることなく店内の品々を見ているであろう櫻の元へ運んだ。]
お待たせいたしました。 アッサムのミルクティーと、ジンジャークッキーです。
(117) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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ごちそうさまでした。 [一通り片づけて、設備をした人形を包んで、箱に。 いつもの鞄を肩から下げて工房を後にした。]
(118) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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-二日 磁器工房「神蔵」前- んん。 [午後、昼下がり。 そわそわと入口前でうろつく。 手土産を忘れたのが、いやちがう。 茜さんに会いに来たのだが。 そわそわすること4分。]
すみませんー。 茜さんいますか?
[工房の中の人に声をかけた。 はたして茜さんはいるのかどうか。]*
(119) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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[疑問に返されたのは物言わぬ眼差しだけ。 解を欲した訳ではなかったが、曖昧にはぐらかされて、ふむ。と独りごちた。]
あれは得体が知れないんじゃないな。 ―――秘密主義なんだ。久我め。
[己も人のことをとやかく言えた義理でないものの、一人きりにて店主に対する評一つ。つい零れ出てしまった本音を今更取り繕う事もなく、ただ、彼の姿が厨房に消えてしまうまで、揺れる数珠の音色に耳を傾けていた。]
(120) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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[そうして、時を置けば煮出される紅茶の香りが鼻腔を擽る。 此処では古今東西の茶で持て成されるが、そのまろやかな香りも、少しだけ遠くに感じた。まるで水面の向こう側だ。
本来ならば、この時間を利用して、店内を開拓するところだが、今日ばかりは大人しく彼の茶を待っていた。 ふらりと現れ、眼を喜ばせ、稀には自律人形等と歓談を交わし、時が過ぎれば何時の間にやら零番街の屋敷に帰っていく男。 誰かを待つということを全くしない傲慢な男が、である。
つい、と茶を運ぶ彼に視線を渡し、掌閃かせると彼にも着席を勧めた。]
ありがとう、良き香りだね。 あの子達にも今日は此方を?
―――ああ、ミルクは飲めたのだったか。 それとも私専用かな、手間を取らせるね。
[先の問いは心底に澱として残ったが、改めて問うほど無粋ではなかった。 ただ、彼からソーサーごとカップを受け取ると、恭しい仕草で頭を下げ、冗句をめいて言葉を足した。>>117]
(121) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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「――…もしや、『君の願い』は、『黒鵜の願い』とは違うのかい?」
そのようなことはない。 もし黒鵜と渚の願いが食い違うなら、これほど献身的に三人の世話をし、幻鏡堂のために尽くすことなどできないだろう。
けれど、怨みや妬みと言った負の感情は月日が経つごとにどす黒さを増し…。
行く当ても、還す場所もなく。 ただひたすらに、渚の胸中でくすぶり続ける。
(-49) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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黒鵜…。何故、私たちをこのように作ったのですか…?
(*1) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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―三週間前>>99>>100>>101―
[青年の答えは、とても穏やかで、そして優しく少女に語りかける。 けれど少女には、分からなかった。]
…幸せ…
[幸せに、なってほしい。 そう、願ったお父様。 それに対し、幸せになってみせると答えた少女は、未だ幸せの形を知らない。
青年の答えは、少女を更に困惑へと導いた。 満たされる、とは。 何が、だろう。 あぁ、でも…]
そう、ですわね。 終わって欲しくない時間なら、確かに…
[それは小さな呟きのような答えだったが、それ以上は告げること叶わなかった。 だって、この会話さえ、聞いている者がいるのだから。 少女は青年へと、そっと顔を寄せると小さな声で続けて、そして淡く微笑んだ。]
(122) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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ここへ連れてこられる前、お父様と過ごしたあの家は、確かにきっと、幸せだったんですわ。 今だって、満足していないわけではありませんのよ? けれど…
(-50) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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[続けられた、愛への答えには、再度ぱちりと手を合わせた。]
素敵。 何だか、とっても素敵な表現でございますのね。
[けれど、ショートケーキの苺の喩は、やはり少女にはイマイチ理解しがたいようであった。 苺の無くなったショートケーキは、ショートケーキではないのかしら? 微妙にずれたことを考えつつ、曖昧に頷く少女であった。
そして、質問に対して返された問。]
…あら、意地悪なんですのね。 質問に、質問で返されてしまいましたわ。
[くすりと笑いつつも、頬に人差し指の先を当てて考え込むそぶりを見せる。 暫くの沈黙の後。]
…少なくとも、私の知るハッピーエンドとは、異なりましたわ。 素敵なお話は、決まって、長い道のりの末、女の子は好きな王子様と結ばれるんですのよ。
(123) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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[少女が多く読んできたのは、子供向けの童話である。 そのうちのいくつかは、本来の結末を書き換えて、優しい物語へと姿を変えたもの。 少女は、それらが好きだった。 だって、“幸せ”がとても分かりやすく描かれていたから。]
でも… 私、椋原さまのお話も、嫌いじゃないんですのよ。 恋の一つの形、という意味で、とても興味深いと感じられましたもの。
[けれど…と少女は続ける。]
やっぱり、分かりませんわ。 あの少女は、あれで、よかったんですの…?
[それは、少女自身が結論を出すには、いささか難易度の高い問題であるようだった。*]
(124) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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/* 村建て様に気遣いされている気がして、お恥ずかしいけれど安心します。 折角皆様美麗な世界を展開されているのに、巻き進行は勿体無い。 時には加速しないとぐだってしまうことも在りますので、一概には言えませんが少なくとも今はその時じゃない。ゆっくり参りましょう。
そして何処かで茜ちゃんにも逢いたいですなぁ!*/
(-51) 2014/10/04(Sat) 23時頃
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―2日>>102あたり―
渚の花嫁姿! 素敵ですわ!
[そんな、やや頓狂な声が、渚含めた幻鏡堂の住人へと、唐突に届けられたことだろう…*]
(125) 2014/10/04(Sat) 23時半頃
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[>>121テーブルにカップを置こうとすると、それよりも先に直接受け取られてしまう。 こういう時に待てないほど、彼はせっかちだっただろうかと一瞬思考がよぎるが…。 席を勧められて、大人しく対面に座り自分の分のティーカップと、中央にクッキーの皿を並べる。 手間を取らせたねと頭を下げられば、少し慌てたようにそれを否定した。]
そんな! 手間ということはありませんよ。 私が、お客様においしいお茶を飲んでいただきたいだけですから。
牛乳は…。残念ながら三人は飲めません。 ですからストレートに砂糖を入れたものをお昼に。
[元々、渚のお茶を淹れる趣味は三人のために始めた物だった。 渚がお茶を淹れはじめる前は、毎日毎日一二三の淹れる緑茶だけだったのだ。
そのうち一二三のお茶に飽きた紅緒が「たまには違うお茶を飲んでみたいですわ!」と言ったことが発端だったか…。 三人が飽きないよう、嗜好品という意味も含めてあれこれ試行錯誤するうちに、渚自身お茶を用意することが楽しくなってしまったのだ。
そんなことを、ミルクティーを口に運ぶ間につらつらと語ったかもしれない。]
(126) 2014/10/04(Sat) 23時半頃
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―2日朝・和泉の部屋― [>>94 「主人に恵まれなかった、という事ですね?」 との言葉には曖昧に頷いたが、実際そうと言ってしまってよかったのかは分からない。扱いはどうあれ、今日まで食えて生きてこれたのもまた田宮のおかげなのだから。
自分が怯えていたとは感じなかったが、指摘されるのだから、そうなのだろう。 とにかく、坊を殴打して逃げた以上、このまま逃げおおせなければならない。このまま、ずっと、一生。そんなことができるかどうか、不安であるし、追手がかからないかも心配なのは確かだった。
だから和泉の申し出は有難い。有難いのだが耳を疑う。]
おまえは……おかしいぞ。
嘘ではないが、嘘ではないほうが、悪だろう。 たとえば、おれがめっぽう悪で……いまおまえを抱えて店を出たりしたら、どうする。 和泉はきっと高く売れるぞ。
[自分も打ち明け話をして警察に突出されるとは全く考えなかったのだから、滅法抜けているのだが。 宮田なりに精一杯の悪いことを考えて、困り顔で注意してみせる。
何だってこの店の人間――人形は、警戒というものをしないのかと、不思議でならない。
そんな話をしていると、渚が朝食を持ってきた。>>85 握り飯一つで良かったのだが、盆で来たので面食らったのだった。]
(127) 2014/10/04(Sat) 23時半頃
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[宮田のことを話している和泉と渚の声を聞きながら、温かい朝飯をかつかつと掻っ込む。 止める理由は無いと言えども、何だかまた、止める間もなく話が進んでいる。 >>95 >>96 ]
「はい?!」
[突然渚が頓狂な声を上げたので>>97、飯が詰まって軽く噎せた。 急に一体何があったのだろうか。思わず箸を止めて見ていると、和泉もまた、花嫁衣装がどうのとおかしなことをこちらに振ってきた。>>102 ]
花嫁衣装?
[宮田に思いつくのはウエディングドレスではなく、白無垢・打掛・角隠しの方である。 今一度、渚の格好を見る。宮田の目には、今日の服も女物に見える。]
背はあるが、着れないことはないな。
[似合うかどうかは判断の埒外だ。 笑いかける和泉に、こちらも不器用に唇を歪めて返した。]
(128) 2014/10/04(Sat) 23時半頃
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――花嫁か。
[ぽつり、言葉と視線を落とす。 ず、と味噌汁を啜ると、熱さが胃の腑に滑り落ちてくる。]
女だったらいい嫁になるかもな。
[褒め言葉のつもりで、そう渚に言った。*]
(129) 2014/10/04(Sat) 23時半頃
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/* このあとどうするか考えたけど、宮田のエリートニートっぷりすげぇや
(-52) 2014/10/04(Sat) 23時半頃
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[彼から受け取った紅茶の香りに惹かれ、充足めいた呼気一つ。>>126 卓を挟んだ向かいへの着席を待ってから、茶器の曲線に口付ける。]
君は商い人らしく持て成すことが好きだね。 私の家は華族からの方向転換だから、如何にも野暮が抜けない。 空挺貿易も殆ど伝手下地が在ってのものだからね。
[存外、運営自体は嫌いでないが。と、彼をワーカホリックと揶揄った口で、己も似た言葉を吐き出していた。 彼の持て成し上手に甘えている身は、気性を褒めるように茶を煽り。 舌の上を濡らしていく角と雑味のない滑らかさを味わう。]
―――旨いね、あの子達もいつか飲めると良いのだが。 君があの子達為に磨いた技巧なら、是非とも振舞いたいだろう?
私も相伴に預かっていて思うが、 君は茶自体より、淹れて誰ぞに出している方が楽しそうに見える。
君の天職はこの見世の主人だろうけれど、 もし、人に天職以外の役割があるのだとしたら、 君のお役目とは、誰かの為に旨い茶を淹れる事なのかもしれないね。
[主観を述べるともう一口茶を啜り。
話してくれた趣味の始まりは、やはり自律人形等に起因しているらしい。 男は会話を愉しみながらも、この箱庭めく幻鏡堂と店主は良く似ていると、美味以外の感想諸共嚥下した。]
(130) 2014/10/05(Sun) 00時頃
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/* むぅ……色々と申し訳ない……(´・ω・) 朝に、動くよ。
(-53) 2014/10/05(Sun) 00時頃
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-回想・幻鏡堂、二日>>128-
[渚に呆れたと視線で訴えかける当の本人は、あろうことか宮田に話の続きをふった。 つま先から頭の先まで、宮田の視線が不満そうな渚の上をなぞる。]
「背はあるが、着れないことはないな。」
宮田様まで…
[耳に届いた紅緒の黄色い悲鳴もあいまって>>125、渚はがっくりと肩を落とした。 女だったら…という最後の言葉には、子供っぽいとは思いながらもぷいとそっぽを向いて。]
もう、知りません!*
(131) 2014/10/05(Sun) 00時頃
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