
643 【桃RP】幻鏡堂にて、君を待つ
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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……ザザッ……、……ザーーーーー……。
(0) 2014/10/01(Wed) 00時頃
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調子の悪いラジオが、静かな空間にノイズ交じりのジャズを流す。
古書、陶磁器、絵画、置物。
それに加え、小型の古い自律人形が並べられた空間は、古い物が持つ独特の雰囲気に包まれている。
『浮島EK三号-榛名』。
通称『榛名』と呼ばれる浮島群の壱号。
その壱番街の中でも表通りから外れ、石段を登った先。
商売をするにはあまり向かない場所に、ひっそりと建つ建物がある。
正面にショーウィンドウのある、こじんまりとした三階建ての建物。
看板に書かれた文字は…
(#0) 2014/10/01(Wed) 00時頃
『アンティークショップ 幻鏡堂』
(#1) 2014/10/01(Wed) 00時頃
20代後半の中性的な雰囲気の店主が営むその店には、一人の自律人形師が最後に作った自律人形があるという。
その人形師の名前は『黒鵜(くろう)』。
生前から稀代の自律人形師と謳われ、十八年前に突如他界した彼が最後に遺した自律人形は三体。
繊細な造形だけでなく、生きた人間にも引けを取らない感情表現の豊かさを持つ三体には、まことしやかに囁かれているひとつの噂がある。
その自律人形には不思議な仕掛けがしてあり、【自らの意思で持ち主を選び、愛し愛されることで人間になる】というのだ。
(#2) 2014/10/01(Wed) 00時頃
その幻鏡堂に、カランカランとドアベルを鳴らして、今日も一人の客が訪れる。
灰色のスーツを着た眼鏡の男性。年の頃は四十後半。
姓は宗片、名は孝二。
ある男の代理で、数年前から定期的にこの店を訪ねている。
宗片が幻鏡堂を訪れる理由はただひとつ。
『稀代の人形師、黒鵜の残した自律人形を一体。主人のために売って欲しい。』
しかしどれほどの金額を提示しようと、希少な品を差し出そうと、店主は頑として首を縦に振ろうとしない。
人形自身が自分の主と認めた相手でなければ。
例えどれほどの大金を積まれても、例えどれほど地位のある相手であろうと売るつもりは無いのだ。
(#3) 2014/10/01(Wed) 00時頃
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…宗片様。 何度お越しいただいても、私の返事は変わりません。 どうぞお帰りください。
(1) 2014/10/01(Wed) 00時頃
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先代の店主も職人気質で頑固だったが、今の店主もなかなか気が強い。
困ったような顔で出迎えはするが、人形たちのいる上の階へは決して上がらせようとはしない。
まだ若い店主の静かな気迫に押されて、宗片は数分の滞在で店を後にする。
店主だけではない。
店そのものが、宗片を拒絶しているかのように居心地が悪く感じられるのだ。
「人形たちのために黒鵜が遺した幻鏡堂…。あながち、その噂も真実なのかもしれないな…」
石階段を降り、表通りに待たせていた車に近づく。
宗片のつぶやきに扉を開けて待っていた運転手が首をかしげるが、宗片は何でもないと首を振り後部座席に乗り込んだ。
「重華様のお屋敷へ」
(#4) 2014/10/01(Wed) 00時頃
壽歴十二年、神無月、一日
ついに、運命の歯車が、動き出す…
(#5) 2014/10/01(Wed) 00時頃
店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 00時半頃
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―幻鏡堂・3階・少女の部屋―
[カランカランとドアベルが鳴ると、少女は手元の本から目を上げた。 誰がやって来たのか、視ると、少女は口元に手を添えて小さく笑う。 膝に乗せた、紅色の手毬がそれに合わせて小さく揺れた。 程なくして店の主に追い返された男を視送り、それから誰にともなく呟く。]
相変わらずですわね。あの方。 せめてご本人がいらっしゃれば、考えてみることもできるんですのに。
[膝から転がり落ちそうになった手毬を受け止め、ぽん、ぽん、と宙に投げ上げては受け止めて。 ひらひらと舞う紅の糸房を目で追いながら、少女は続ける。]
そもそも誰かを使いに寄越す、というのがいただけませんのよ。 ねぇ、渚?
[つぃと無い胸を張り、小さく鼻を鳴らして見せた。]
(2) 2014/10/01(Wed) 01時頃
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ー幻鏡堂・1階ー
[宗片を見送り、店の戸を閉めた渚の耳に愛らしい少女の声が【聞こえた】。 辛辣だが尤もな言い分に、渚は困ったようにくすりと笑う。]
そうですね。 ですが、重華様は黒鵜の作る自律人形の愛好家として有名ですから…。 黒鵜が遺した最後の人形と聞けば、欲しくて仕方がないのでしょう。
[独り言というには大きすぎる声は、間違いなく3階の紅緒に宛てられたものだ。 例えこの場に他の誰かがいたとしても、渚に聞こえた紅緒の声は、消して聞こえはしなかっただろうが…]
さて、今日のお茶は…2
1紅葉まんじゅうと熱いほうじ茶にしましょうか 2頂き物のおはぎと緑茶にしましょうか 3栗羊羮と、奮発して玉露にしましょうか **
(3) 2014/10/01(Wed) 01時頃
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― 幻鏡堂・3階・青年の部屋 ―
[本棚が多く敷き詰められた和室に、20歳すぎたくらいの青年が一人。 壁にもたれながら、本を静かに読んでいた。 その口元には、古い煙管が一本。微かに揺れている。
カランコロンとドアベルが鳴れば、文字を読む目が、幻鏡堂の入り口へて向けられるが。 すぐに本へと視線が戻ってしまい、再び読書に更けていく。]
まぁ、仕事だからな、仕方無いと言えば仕方無いんだがなぁ。 とはいえ、本人が来ても、俺はお婿に行く気は無いわ。
[聞こえた少女の声>>2に、冗談交じりではあるが来客に対し、拒絶の意味を持つ言葉を放った。 すると、そう間もない内に幻鏡堂から立ち去って行ったみたいだ。 見送る事はせず、ページを一枚捲って次の文章を読む。]
そんなに黒鵜の最後の人形が欲しいのかねぇ。 よく分かんないが、まぁ良いや。
渚、お茶が欲しい……濃い目で頼む。
[店主の話>>3に割り込みつつ、緑茶を淹れてくれる様に頼めば。 本に栞を挟み一旦閉じて、窓から見える景色を眺めていた**]
(4) 2014/10/01(Wed) 10時頃
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/* センのチップを見てると、あの谷間に顔埋めたいと思う俺ですどうも。
そーやさんにお誘い頂きました、ありがとうございます('∀'*) 掲示板から設定を見させて頂いて、こねこねしたりロルを落とさせて頂いたりして大分キャラが下りてきました(*°x°)
黒鵜とのやり取りで、自分から人を愛する気持ちの芽生えはあったりするが、人形が故に行動に移せなかったり、そのジレンマに苛まれるのも有りかな、とも思ってます。 詳しくは掲示板で、という事ですが、黒鵜が倒れた時に自分が何も出来なかった事に無力感を感じる→自分は人形だから何も出来ない→支える事が出来ないなら大事な人は作るのが怖い、と思うスタンスでいこうかなぁ。
(-0) 2014/10/01(Wed) 10時半頃
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/* 紅緒かわいい、翼砂は掲示板にあまり来れなかったから、本編でどうなるか楽しみ。 渚はどれだけ黒鵜と重なるか……ってか自己犠牲な行動したら、和泉は怒って良いよね?(*´ェ`*)
人形ズも気になるけど、お客様達がどんな設定で動くのかすごく楽しみ!(わくてか)
(-1) 2014/10/01(Wed) 10時半頃
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/* 女の子ズは誰とくっつこうか未だに迷ってますです(´・ェ・`) お相手様の動き次第で決めていこうと思ってますです。 男性陣から口説かれたらどうしようwと思う薔薇陣営であるの隠さねば()
(-2) 2014/10/01(Wed) 12時頃
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/* はい、始まりました。だいちです。 よろしくお願いします! いやー発言ポイントたくさんあって、わくわくするね!!!(
紅緒ちゃんの口調は、某ひ○らしのあの子のような「ですのよ!」みたいなアレにしてますが、わざと不完全にしてます。 何か変な言葉遣いだよ?っていう微妙なライン… 細かすぎて伝わらなそうですね、ハイ。
さてさて、どんな人がやってくるのかなー?
(-3) 2014/10/01(Wed) 13時半頃
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/* あらやだ、微妙に時系列間違えた?(´・ェ・`)
(-4) 2014/10/01(Wed) 13時半頃
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[階下にいる、店の主の返答を得れば、少女はまた、くすくすと笑う。]
ホント、そういうとこからして、ダメダメですわね! 私(わたくし)たちを、ただの人形と思っているから、 そんな、コレクションの一つに考えちゃうんですわ!
[そんなんじゃぁ、渚が通してくれるはずありませんのよ、と何故か誇らしげに言う。別の部屋から青年の声が聞こえれば、少女はこてりと首をかしげて見せた。]
兄さま、お婿様になるんですの? お婿様の兄さま…
[呟くように口にして、少女は悶々と何かを考え始めたようだ。]
(5) 2014/10/01(Wed) 15時頃
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[婿になるのか、という問い>>5。 それを聞くと、苦笑するしかなかったのだが。]
まぁ、俺が誰かと契約して『人間になった』ら婿に行く形になるとは思う。
[希代の人形師黒鵜の手で作られ、幻鏡堂に身を置いてから、己の主を来るのを待ち続けている。 そして主を選び契約を交わし、主と相思相愛になれれば『人間になれる奇跡』が起きる、と――そう聞かされてはいた。]
でもまぁ、いつそうなるか分からないからな。 それにだ、俺がお婿に行く前に、紅緒がお嫁さんになるかも知れないんだぞ。 まぁ、本当のお嫁さんになるには、もう少し大きくなってからだとは思うが。
[まだ幼さが残る紅緒が何を考えているのかは計り知れないが、諭す様に語りかけていく。]
順番はどうであれ、大切なご主人様を選んで、人間になって、幸せになる。 それは、俺も願ってる事だ。
[窓を眺めていた視線を紅緒に向けて、優しく微笑んで見せる。]
(6) 2014/10/01(Wed) 17時頃
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[青年の返答を聞いていたのかいないのか。 少女はうん、とひとつ頷いて、無邪気に言う。]
兄さまは、お婿様というよりも、旦那様といった感じですわ! お婿様というなら、兄さまよりも渚の方が似合いそうですもの。
[少女の想像するお婿様とはいったいなんであるのか、よくわからないコメントをつけた。 少女自身もお嫁さんに、と言われれば、うーん、と首をかしげてしまい、頬に人差し指を当てて、考え込む。]
大切な、ご主人様…
[それを選び、幸せになってほしい、と願いをかけてくれた人は、もういない。あの日からずっと、少女はその言葉の意味を考え続けている。 少女は人間になる事を、特別望んではいない。ただ、愛し愛されることで人間になる、ということは知っている。 それが、きっとお父様の言った幸せであることも。 壁越しに投げかけられる暖かい視線に、同じように壁越しの眼差しを投げ返し。 少女はにこりと笑って見せる。]
そうですわ、兄さま。 また、ご本を貸してくださいませ! あれ、アレが良いですわ。 魚の尾を持つ女の子のお話!
[度々青年に借りているその本の結末は、とても“幸せ”なものだった。その物語が、本来は悲しい結末を持っていたことを、少女は知らない。]
渚、渚!兄さまのお部屋へ行った時に、持ってきてくださいませね!
(7) 2014/10/01(Wed) 17時半頃
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[自分が起動した時も、翼砂や紅緒が起動した時も、創造主であった黒鵜は誰かを愛し愛される事で人間になれる、と口にしていた。 その言葉の意味や、そう願う理由を知る黒鵜は既に墓の下。 今となってはそれを語ってくれる人間はもう居ない。
ふぅ、と息を漏らしたら、紅緒が渚がお婿様が似合うと言う>>7。]
あー……あぁ。 確かに、渚はお婿さん似合うかも知れない。
[紅緒が言う事に納得してしまう自分が居て、こくりと頷いてしまう。 ご主人様の話の流れになれば、指を頬に当て、思考を巡らせているらしい仕草を見せてくる。 まだ難しい話だったのか、と思い苦笑をしてしまった。]
その内、分かる様になるさ。
……って本か? それって、人魚姫…か? じゃあ、渚に渡しておくわ。
[好きな王子様と結ばれず水泡となって消えてしまう人魚姫の悲恋。 そういうのが好きなのか?という疑問が思い浮かぶが、深く考えず数多くある本から目的の本を見付けるが、少し時間が掛かる。 本棚に収められてる本は、童話から恋愛小説や時代物や旅行記、哲学書に人形師や人形技師関連の書物等数々の本が収められてるのだ。 その中から目的の物を見付け出すのは、どうしても時間が掛かってしまう。]
……あっ。
[目的の物を見付け引っ張ったら、普通の題名に見える『子供が見てはいけない本』を出た。 無言で元に戻し、改めて目的の本を引き出した。]
(8) 2014/10/01(Wed) 18時半頃
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/* >今となってはそれを語ってくれる人間はもう居ない。 和泉は人形達の幸せを願う理由を知っているのだけど、「人間」ではないので嘘は言ってないない。 一二三さんも知ってそうだが墓の下、渚も知ってそうだが「人間」ではないから問題無いか。
ちょっとギリギリな叙述トリック(´・ェ・`)
(-5) 2014/10/01(Wed) 18時半頃
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/* あー……中の人の視点漏れしてもうたかも知れない_(:3」∠)_
(-6) 2014/10/01(Wed) 18時半頃
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濃いめですね。 すぐに持って行きますから、少し待ってください。
[>>4濃いめのお茶を、と言われ。 ...は紅緒と和泉の会話を聞きながら表の店舗部分から裏にある台所に入る。
綺麗に片付けられた室内で、とりわけ大きなアンティーク調の飾り棚。 ...が上段の扉を左右に開くと、中には様々なラベルの貼られた茶葉の缶が並んでいる。 その中から迷わず緑茶の缶を取り出すと、急須や湯飲みとあわせて木製の盆の上に並べる。]
「お婿様というなら、兄さまよりも渚の方が似合いそうですもの。」>>7
[湯を沸かしていた...の耳に無邪気な紅緒の声が届く。]
ふふっ。
[思わず笑みをこぼしながら、少し多目に掬った茶葉を急須に入れる。
お湯が沸騰したら、一度湯飲みに移して熱を取る。 緑茶を淹れる温度は70~80渡。 湯気の具合でおよそのタイミングを見計らい、湯飲みの湯を急須に移す。 葉が開くまでの1分を待った後、4つ並んだ湯飲みに半分ずつお茶を注ぐ。
濃いめを頼むと言った和泉の分は、初めは少なめに。 先に他の3つに廻し注ぎした後、最後に出る濃いめのお茶をたっぷりと注ぐ。]
「渚、渚!兄さまのお部屋へ行った時に、持ってきてくださいませね!」>>7
分かりました。 お茶が入ったので、今から上がりますね。
[...は3階の二人にそう言うと、お盆の上に湯飲みを4つ並べて階段を上がった]
(9) 2014/10/01(Wed) 19時頃
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[トン、トン、トンと慣れた足取りで階段を上がる…の左手首で、琥珀の数珠が音もなく揺れる。 琥珀の数珠は、先代当主である久我一二三の形見であり、この幻鏡堂の店主の証し。 一二三が事故で亡くなった三年前から、ずっと…の手首にあるものだ。
生活空間のある2階を通り過ぎて、…は3階へ上がる。 まっすぐ伸びた通路の右側にある扉の前に立つと、部屋の主に声をかけた。]
和泉さん、お茶が入りました。 両手が塞がっているので、よければ開けてもらえませんか?
[お盆で両手が塞がっているため、ノックの礼は省かせてもらう。*]
(10) 2014/10/01(Wed) 19時頃
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/* えっ、一二三さん事故死なの!? 掲示板に書かれて無かったからびっくりした!!
(-7) 2014/10/01(Wed) 19時頃
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[目的の本を取り出したところで、足音が聞こえる>>10。 渚が4つの湯呑みを乗せた盆を持ちながら自室の前に立っていて。]
分かった、今開ける。
[と、立ち上がる事は無く、右手をすっと横に動かせば、扉も手の動きに合わせて右から左へとスライドした。 部屋の主は、開ける意識があれば、わざわざ扉の前に立たなくても扉を開ける事が出来るのだ。]
ありがとう、渚。 これが紅緒に渡す本なんだが……。
[渚が淹れてくれた緑茶が入ってる湯呑みが、コトンと音を立て机の上に置かれた。 それと同時に紅緒に頼まれた本を渡そうとするのだが。 両手が塞がってる状態の渚を見て、大丈夫なのか、と心配してしまう。]
(11) 2014/10/01(Wed) 19時頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 19時半頃
店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 19時半頃
店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 19時半頃
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[>>11ひとりでに開いた扉に驚くことなく、...は本棚と本で埋め尽くされた和室へ足を踏み入れる。 机の上に濃い目に入れたお茶の入った湯呑みを置けば、ありがとうと言われて微笑む。]
「これが紅緒に渡す本なんだが……。」
[蒼い表紙の本を手渡そうとして、なぜか動きを止める和泉に首をかしげる。 少し考えた後、自分の両手がお盆で塞がっているからだということに気づいて「あぁ」と納得する。]
懐に入れていけばいいかなと思ったんですが…。 ダメでしょうか?
[着物というのは非常に便利である。 小さな物であれば懐にしまって置けるのだから。
だが最後まで言った後で、和泉の本をそんな風に運んでも大丈夫だろうかとうかがう様に首を傾けた。]
(12) 2014/10/01(Wed) 19時半頃
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[人魚姫の本を渡すのを躊躇った為、首を傾げる渚>>12。 つられて自分も首を傾げるのだが、懐に入れて行けば良いと言われ、納得出来て。]
……あぁ、それなら大丈夫だな。 持って行けるなら、俺は全然良いわ。
[元々大雑把な性格なので、細かい事はあまり気にする様子は見せなかった。 本の傷とか汚れとか気にしないし、返却のタイミングとかも任せてるぐらいなので、自分的には問題無かった。]
じゃあ、これ頼む。
[渚に本を渡したら、置かれた湯呑みを手に取り、濃い緑茶を啜る。 緑茶独特の渋みと香りが口一杯に広がり、黙ってコクリと頷く。 その後、渚を見て「美味い」の一言を贈り、部屋から立ち去る彼を見送る。]
(13) 2014/10/01(Wed) 20時頃
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― 浮島EK三号-榛名:櫻邸 ―
[時は馬肥ゆる秋。
大きく取られた執務室の窓の外には青い空が広がりを見せる。 上冬の季節は、朝晩漸く冷えてきたが、夏の余韻を昼に残していた。 ほんの少し開いた窓から流れ込んでくる風は秋晴れの匂いがする。
執務室には重厚な革張りの椅子に背を任せる長躯が一つ。 丁寧に整髪された黒髪に立襟のシャツ。 太い首元を飾るのは藍色のリボンタイである。 この屋敷の主人であり、櫻家紋を抱く旧家を担う当代は、硯に筆先を浸し、書面に花押を綴りゆく。 己の署名代わりに使う花押は零れ桜を模して、紙に墨を吸わせた。]
さて、この山を踏破すれば頂から自由も見えるだろうかね。 こうも天気が良いのに、誘われることも許さぬとは、 つくづくお前だけは嫁に出来ないと思わせてくれる。
[独り言を奏でて、仕事を袖にすると最後の一枚にも墨桜が散る。 紙面の数を武骨な指先で数え、文鎮を載せると腰を上げた。 朝から椅子へ沈めていた身体は鈍り、肩を揺らせば関節の音が鳴る。]
(14) 2014/10/01(Wed) 20時頃
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/* やべぇ……櫻さんまじかっけぇ。 第一声で俺惚れた。
かっけぇ。
(-8) 2014/10/01(Wed) 20時頃
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「じゃあ、これ頼む」>>13
はい。 確かにお預かりしました。
[一度お盆を机の上に置いて、蒼い表紙の本を両手で受け取り大切に懐へしまう。 飲み頃の緑茶を一口飲んで「美味い」と言ってくれた和泉に嬉しそうに微笑んだ。]
じゃあ、紅緒さんのところへ行ってきますね。
[部屋の主に一礼をして、湯呑み一つ分軽くなったお盆を手に部屋を出る。 紅緒の部屋は、和泉の部屋の対面にある。
おそらく部屋の中でこちらの様子を見ながら、絵本の到着を待ちわびているであろう少女を想像して、無意識に口元が緩む。]
紅緒さん、開けていただけませんか?
[さぁ、今日はどのように出迎えてくれるだろうか?]
(15) 2014/10/01(Wed) 20時半頃
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[卓上の呼鈴を静かに揺らし、人を呼ぶ。 程なく躾けられた使用人が現れ、出来上がった書類に満悦を示した。 朝からの精進潔斎を代償に、男は上着を受け取る。 午前の仕事を終えれば、男が街へ降りるのは日課であった。
伴いを何時ものように断れば、使用人は幾らか眉を顰めたが、数年前に櫻の家を継いだ己を曲げられるものはこの屋敷に居ない。 櫻家の基盤を支える空挺貿易も順風満帆なれば尚のこと。
それに何より、男は無粋を嫌う。 目的の敷居を潜るなら、同伴と言う理由だけでは足りない気がした。
己の目的地、―――幻鏡堂とは、そういった場所であると心得ている。]
(16) 2014/10/01(Wed) 20時半頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 20時半頃
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/* と、言うわけで入村いたしました。こんばんは。 WIKIで見かけて以来、緻密な世界観に惹かれ続け、 大地さんに融通していただきましたmomotenと申します。
この度、二週間ちょっとお世話になりますが、 思い切り楽しめるように挑ませていただきますね。
先ずは村建て様に村建て作業お疲れ様でした、と、 飴屋さんのお仕事が恙無く越えられますようお祈りして、 ご挨拶とさせていただきます。(借りてきた猫風)*/
(-9) 2014/10/01(Wed) 20時半頃
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/* 旦那様が似合うのって絶対櫻さんだろ。 何か貫禄があって似合います……。
ここは、やっぱり旦那様塗りすべきとこやろ!!
(-10) 2014/10/01(Wed) 20時半頃
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[高い空の下に出れば、落ち葉の円舞曲で出迎えられた。 上着に腕を通して、釦は掛けずに歩き出す。
街行く人々は薄手の外套を着込みだし、秋初めの装い。 自身は外套を断って屋敷を出たが、数日もすれば必要になるだろう。 足を止めずに肩越しに屋敷を振り返ると、西洋建築の我邸が見える。 まるでサボタージュだと、笑みを噛み殺し、更に一歩を踏み出した。
身分に適う四輪車も手配せず、伴も連れぬ単身は軽い。
足繁く幻鏡堂に通い詰める輩も居ると聞くが、己は少々趣が違う。 黒き鵜の鳥が残したみっつの卵は確かに興味惹かれるところであるが、金子に鳴らして購う類の詰まらぬ名品ではない。
飽かすほどの財を持ちえるこの男は、蒐集家としても名を馳せていたが、それ以上に酔狂であった。
古今東西の名品珍品を揃える幻鏡堂。 男が初来店の折、開口一番で求めたのは黒鵜の卵でも、ショーウィンドウに飾られた名画でも、当時仕入れたばかりの青銅の古壷でもなかった。 店先で、ひらりと指先を閃かせ、店主へ微笑み。
「旨い茶が飲めると聞いたのだけれど、淹れてもらえはしないかい?」
と、古美術に囲まれる麗人に安穏な言葉を投げてから、もう二年が経つ。]
(17) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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―幻鏡堂3階・女性の部屋―
[部屋の中に、髪の長い女性が一人。 閉じていた切れ長の目をパチリと開き、部屋の中ではないどこかへと目を向けていた。 その目は、幾重もの床と天井に遮られた向こう、幻鏡堂一階の来客をジッと【見ていた】。]
ふむ、あまりこういう手合いは感心しないな。 彼の「主人」とやらに買われても、陳列棚の一つに飾られて朽ち果てるのが目に浮かぶようだ。
[フフッ、と。 自分の呟いた皮肉な表現に呼応するかのように、その唇の端が吊りあがる。 やがて来客が店を後にすると、女性は綺麗に閉じられていた双眸をゆっくりと持ち上げた。 座っていた椅子から立ち上がり、八畳ほどの部屋の中をゆっくりと歩く。]
彼の「主人」は…人形の蒐集家なのだろうかな。 私もこの子たちのようなものを集めてる分、その点には親しみが持てそうだ。 もっとも、本人が現れなければ人となりも分からないからどうしようもないが、ね。
[誰に宛てるでもなく喋りながら、壁に設置された陳列棚から美しい硝子細工を一つ取り上げ、ウットリとした表情でそれを撫でる。 この子、と女性が言ったのは硝子細工のことだった。軽い材質でできた硝子の羽根が風を受けて羽ばたく、蝶を模したものだった。]
…ああ、渚。 私はまだ茶は要らないからね?
[そんな気持ちが芽生え、店主が茶を用意している間>>3に念押しとして虚空へ言葉を飛ばす。]
もう少し、この子が羽ばたく夢を見ていたいんだ。
[どうやら、この女性には陳列棚に飾られてやるつもりはないらしかった。]
(18) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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/* よし、翼砂きた!これで勝つる! 俺個人的には翼砂→紅緒→和泉の順で契約するんじゃね?と思うんだけど、どうなんだろう?(´・ェ・`)
(-11) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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/* ご挨拶が遅れました。 村建ての葬夜ともうします。
この度は拙宅の桃RP村に参加していただきありがとうございます。 正直に言うと、恋愛主体のRP村だと村建ての交友関係の狭さもあいまって、思った以上に参加者が集まらず…。 このまま頓挫かなーと思っていたぐらいです。 募集日記を見て参加に名乗りを上げてくださった方。 並びに勧誘されて参加してくださった方々。 誠にありがとうございます。 拙い村建てではありますが、楽しんでいただけるよう水面下で頑張ろうと思っていますw
実は自律人形のお三方とは、事前に別掲示板にてさまざまな打ち合わせを行っております。 URLは下記の通り。パスワードは村に参加する際に使用したものと同じになります。 よろしければご覧くださいませ。 http://www.kikuya-rental.com...
(-12) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 21時半頃
店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[秋風に誘われて、街を行く。
端正に作られた人形等と違い、唯人である男。 有象無象に紛れてしまうと長身ばかりが良く目立つ。
賑わう表通りから一本外れる際に、その高い視界を横切るものがあった。 金の掛けられた四駆動だ。慧眼の心得が微かに疼く。>>#4]
―――……おや、
[不意に足を止め、小さな呟きを口腔で漏らす。 すれ違った自動車を視線で追いかけ、指先で自身の顎を慰めた。 ツ、と眼差しをスライドさせれば、幻鏡堂の静謐なる店構え。 暫し、逡巡めいて沈黙を挟み、瞬きで眼を洗い、笑みを口元に敷く。]
久我の臍でも曲げたか、“あの子等”に袖にされたか。 ……此処は相変わらずだな。
[独り言を呟くと歩を進め、自鳴琴の演奏に導かれるまま、店を潜った。]
(19) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[ウットリと蝶を眺めながら、ふと思い立ち店主の手元へと【意識を向ける】。>>9]
……あっちゃあ…もう遅かったか。
[湯呑みは4つ。既に半分湯を注ぎ、準備が整いつつあった。 声だけ飛ばし、並べられた湯呑みの数にまでは気付けなかった己のミスだった。 既に用意しているところへ要らないと伝えて困惑させてしまったであろう店主に、やんわりと言った。]
……いや、やっぱり私ももらうよ。 君の入れる茶は格別だ。
[虚空をひらりひらりと漂う蝶の夢から覚め、お気に入りの硝子細工を棚へと戻しながら、ゆっくりと店主持ってくるお茶を待つことにした。]
(20) 2014/10/01(Wed) 22時頃
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―回想>>9>>18>>20―
[四つの湯呑みに急須からお茶を注いでいると、思い出したように翼砂が「お茶はいらな要らないからね?」と声を飛ばしてきた。]
うーん…
[お茶を淹れる手を止めて少し悩む。 翼砂が飲まないなら、それはそれで構わないのだけれど。 せっかく淹れたお茶を、このまま冷たくしてしまうのは忍びない。]
(……もう一杯淹れて、おはぎと一緒にお供えしましょうか)
[とりあえず、の代案を考え付いたところで、余ってしまうお茶をどうするか決めかねる渚の様子を見てか。 「いや、やっぱり私ももらうよ」という翼砂の声が耳に届いた。 その声に、渚は翼砂に気を遣わせてしまったことに申し訳なさを感じながら、手元に向けていた視線を翼砂のいる部屋へ向ける。]
すみません、ありがとうございます。 お茶、すぐにお持ちしますね。
[渚は眉尻を下げて、困ったように笑った。]
(21) 2014/10/01(Wed) 22時半頃
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-幻鏡堂・3階・翼砂の部屋前-
[紅緒にお茶と絵本を届けた後、湯呑みが冷えてしまう前にと廊下の奥にある翼砂の部屋を訪ねる。 湯呑みが二つ減り、軽くなったお盆を片手に、渚は部屋の扉を三度叩いた。]
-コン、コン、コン
遅くなってすみません。 お茶をお持ちしました。…開けていただけますか?
[和泉や紅緒の部屋とは違い、わずかに緊張した面持ちで部屋の主に声をかける。
お盆の上に残る湯呑みは二つ。 嗚呼、なぜ和泉の部屋からまっすぐ紅緒の部屋へ行ってしまったのか。 湯呑みの中に映る自分の顔を見て、渚は悟られないよう小さく息を漏らした。]
(22) 2014/10/01(Wed) 22時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 22時半頃
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[渚が立ち去った後、再び本を読もうかと思ったら、ドアベルが鳴る音が聞こえた。 そこに視線を向けたら、二年前から幻鏡堂に通い始めた男性が店に入って来た>>19。 すっと視線を動かして、その姿を認識する。]
あの酔狂そうなお客さん、来たみたいだ。
[誰に告げる訳も無くポツリと呟けば、彼の存在は知れ渡るだろう。
紅緒は此方を旦那様みたいだ、と言うが、彼こそ旦那様という言葉が似合いそうと思っている。 言葉に表しづらいが、貫禄というの感じさせる雰囲気を持っているな、と。]
今日も渚に会いに来たのだろうかねぇ。
[彼が二年間幻鏡堂に通って見知っているが、人見知りが強く中々部屋に招き入れようとはしないのだが。 それでも、彼に対する興味は尽きそうには無く、様子を眺めながら年期が入った煙管をトントンと叩いて。]
(23) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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-コン、コン、コン
[万華鏡をクルクルと回しながら覗いていた翼砂は、ノックの音で扉へと顔を向けた。]
開いてるよ。
「お茶をお持ちしました。…開けていただけますか?」
[おや、と扉の向こうを【見て】みれば、お盆で両手がふさがった状態である店主の姿。 なるほどこれでは開けられまいと、翼砂は部屋の入り口まで滑るように歩いて扉を開く。]
…どうぞ。いつもすまないね。
[労う言葉は渚にどう聞こえただろうか。 他人行儀には聞こえぬよう、努めたつもりだった。]
(24) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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>>24 [翼砂からかけられる労いの言葉に、努めて自然に笑って見せる。]
いえ、私が好きでやっていることですから。 私の方こそ、確認もせずにお茶を用意してしまってすみません。
[翼砂の許しが選られ場、室内に置かれたガラス張りのテーブルへ近づき、その上にそっと湯呑みを置く。 ふと、翼砂の手に握られた万華鏡の存在に気づけば微笑んで。]
また、見ていらしたんですか?
[渚が初めて翼砂の部屋を訪れた時から、この部屋は色とりどりの硝子細工で溢れていた。 和泉の部屋に数多の本が溢れているなら、翼砂の部屋には繊細で美しい硝子細工が溢れている。 そして和泉にしろ翼砂にしろ。 自分の趣味の世界に没頭している人の横顔をみるのが、渚は昔から好きなのだ。]
(25) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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「あの酔狂そうなお客さん、来たみたいだ。」>>23
[翼砂の答えと、隣室から和泉の声が聞こえたのはほぼ同時だっただろうか? 視線を一階へやれば、ドアベルを鳴らして馴染みの男性が店に入ってきたところだった。]
「今日も渚に会いに来たのだろうかねぇ。」
私にではなく、私の淹れるお茶を飲みにいらしたんでしょう。
[和泉の言葉にくすくすと笑って答えながら、翼砂に早々に退出することを詫びる。]
すみません。 お客様がいらしたので、店に戻りますね。 湯呑みは後で取りに来ますので、飲み終わったら置いておいてください。
[最後の言葉は隣室の二人に向けて。 渚はまだ手を付けていない湯呑みを乗せた盆を片手に翼砂の部屋を辞すると、少し急ぎ足で廊下を渡り階段を一階まで降りた。]
(26) 2014/10/01(Wed) 23時半頃
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-幻鏡堂・1階-
お待たせしてすみません、櫻様。 本日はどのようなご用件でしょう?
[騒々しくない程度に急ぎ階段を下りて、スリーピース・スーツの男性に声をかける。
『旨い茶が飲めると聞いたのだけれど、淹れてもらえはしないかい?』>>17
初めて幻鏡堂へ訪れた男性が最初にそう言ったあの日から2年。 彼の目的が「お茶を飲むこと」だと分かっているが、つい、最初にそう尋ねてしまう。
彼がいつも通りお茶を一杯望むなら、新しく緑茶を淹れ直すつもりで。 自分よりはるかに長身の男性に微笑んだ。]
(27) 2014/10/01(Wed) 23時半頃
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>>25 [手に持っていた万華鏡に気付いた渚の言葉に、翼砂は悪戯が見つかった子供のように無邪気に笑ってしまう。]
ええ、とっても面白いのよ。
[と、ついうっかり素の口調で答えてしまう。 翼砂は、普段は男のような言葉づかいを使っているものの、とっさの時や感情に素直な面を覗かせる時、女性の言葉を使ってしまうのだった。 一方で渚は何やら視線をどこかへと飛ばしている様子で。>>26]
……ご客人かい? いってらっしゃい、『店主』。
[退出する渚へヒラヒラと片手を振り送りだす。 そんな忙しい店主を尻目に、翼砂は再び万華鏡の世界へと身を投げるのだった。**]
(28) 2014/10/01(Wed) 23時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 23時半頃
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― 幻鏡堂 ―
[何処か郷愁を掻き立てる自鳴琴の音色が店内に溢れている。 柱も床も、飴色に輝いて見え、いつも外から入ると少し眩む。 時が過ぎることを忘れてしまったような空間だ。
眼を慣らす為、ぐるりと視線を巡らせ、広くない店内を見渡した。 立場上、滅多に榛名より離れる事の無い自身には、この店に集まってくる品々の程よい刺激が心地良い。 特に出所も使い方も知れないものに対しての興味が強い。]
久我は……、ああ、上か。 偶には勿体つけずに逢わせてくれても良いのにね。
[下には中々降りてこない子も居るが、黒鵜の残した自動人形の噂は名高く、時折その姿を見ることもあった。 男は稀代の名品と呼ばれるその子等を、店番か何かと勘違いしていると云われても不思議ではないほど気易く相対した。
未だ二十代だった頃に出逢った美しい青年>>23にも、無論、何時も通りの様子で気軽に喋りかけた事もある。 その内容と言えば、物珍しさから触れていた自鳴琴の音が突然出なくなっただとか、傍迷惑極まりないものであったが。
壊れたのかい?直りそうかい?久我にバレそうかい?――と。 螺子が切れただけの自鳴琴を彼に任せ、隣で真面目な顔で役立たず晒し、唸っていたのも今は昔の話。]
(29) 2014/10/01(Wed) 23時半頃
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そう、そう。人魚姫、のお話でしたわ!
[問う青年>>8に、ぱちりと手を合わせて微笑み。 それから本を探してくれる彼を、楽しげに見守る。 途中、青年が不穏な動きを見せたようだが、少女は気づいたのか気づかないのか、一切触れない。 お茶を淹れてくれたらしい階下の渚を視やり、青年の部屋から本を持ってくるように頼めば、快い返答を得て>>9、少女はご満悦の様子である。 程なくして青年から本を預かり部屋を訪れた渚が、その言葉>>15を言い終える前に、すこーん、と小気味よい音と共にとが開け放たれた。 伸ばした掌をそのままに、ついでに逆の手も同様に持ち上げたかと思うと、既に立ち上がっていた椅子を後に渚へと駆け寄る。]
渚、渚! 待ちかねましたわ!
[濃い紅色のスカートをなびかせて、少女は店主に飛びつく寸前で、彼の手にしたお茶を思い出して、その場でこらえた。 代わりにその周りを踊るようなステップで一周する。]
渚、渚、後でお願いがございますの! お手が空いてからでいいので、またいらしてくださいませね。 あんまりお時間は取らせないと思いますのよ。
[それから彼がお茶を置くのを見計らって、待ちかねたように懐に射しこまれた本へと手を伸ばした。 手にしたそれは、少女の意図した者とは違うようだったが、人魚姫、というタイトルは間違いなかったので笑みを見せた。]
兄さま、暫くお借りしますのよ!
[まだ姉さまの分のお茶が残っているらしい渚を見送ると、さっそく少女は借りた本を開くのだった。]
(30) 2014/10/02(Thu) 00時頃
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/* 櫻さんひでぇwwwwww さりげなくひどいことしますね(棒読み)
(-13) 2014/10/02(Thu) 00時頃
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―――…さて、あれはなんだ。
[そんな胸を張れない過去を経ても、男は好奇を飼う術を未だ持たない。
男の財でなら一山でも買えようとも、世俗に疎い身は直ぐに手を伸ばす。 実際に商品を破壊した事は幸運にも今まで一度もないが、褪せない好奇心は人の性、と、言い訳にもならない理屈を並べ立てるのだ。
今日も今日とて、星座を追うための天球儀に手を伸ばしかけ―――、]
………っと、
[上階から降りてくる人の気配に、芝居がかってホールドアップ。 そのまま振り返れば、濡れた色した長い髪を持つ店主が降りてきた。>>27
まだ何も壊していない、と雄弁な瞳で無実を訴え、軽い会釈を向けた。]
やぁ、無聊の慰みをひとつ探しに。 土産は忘れてきた、秋が私を急かしてね。 [相変わらずの彼に、相変わらずの言葉を返して笑みを重ね。 意識を珍品から引き剥がし、彼の傍へと数歩で距離を削り。]
(31) 2014/10/02(Thu) 00時頃
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/* サクラさんのロル素敵だなぁ… うん…
(-14) 2014/10/02(Thu) 00時頃
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[少女の趣味は、たくさんある。 新しいモノ、珍しいモノを集めること。 可愛らしいモノを身に着けること。 そして、物語を読むこと。
この幻鏡堂へやって来て、この部屋を与えられ。 二十余年という月日は、何をするにも長いと言えよう。 比べ、この八畳の閉ざされた世界は、酷く狭くて。
けれど、紙の上に描かれた世界は、とても広いのだ。
この部屋は、少女の好きなものであふれている。 とても、居心地の良い、牢獄。 けれど、少女は閉じ込められていると感じたことは、あまりない。
お父様の与えてくれたものだから。 それは、少女にとって絶対であり、不服を覚えること等考えもつかなかった。
少女同様、二十余年を自室から一歩も外へ出ること叶わず過ごしてきた兄さまや姉さまが、その状況をどう思っていたか、少女にはイマイチ想像ができなかった。]
(32) 2014/10/02(Thu) 00時頃
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[初めは自分からは声を掛けずに様子を見ていた。櫻氏が店に来始めた頃は。 身なりの良さから、裕福そうな身の出だろう、と思っていた。 裕福そうな人に見えたから、金で物を言わせ自分らを手に入れようとするのでは無いのか、と思い込んでいたのだが。
交渉などせずに、渚が淹れる茶を飲んだり、店の商品を触って壊す?事までしていて。 明らかにブルジョワがやりそうな事をしない男性は、これ迄の客とは違って見えた。 ちなみに自鳴琴破壊?の件に関しては、堂々と店の商品壊したのバレないんじゃないか?と言って渚にバレたのは言うまでも無く。]
まぁ、話するぐらいなら良い、と思うが。 ……いや、ちょっと話をしてみたい。
[人見知りが強いのは自覚してる。 今も話して良いのか、と迷いは有るのだが。 天球儀に興味を示しつつ、渚が降りて来た後の動作>>31につい話しても良さそう、と思い、渚に己の旨を伝える。
面白そう、そう呟き、煙管を咥えた**]
(33) 2014/10/02(Thu) 00時半頃
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[1階に降りると、芝居がかった仕草で両手を上げてパッと棚から離れる姿が目にとまる。 彼のいる傍の棚には、最近並べた天球儀がひとつ。 まだ何も壊していない、と言いたげな彼の様子に、渚は消し忘れていたラジオを止めながら、櫻が店を訪ねるようになって少したった頃にあった出来事を思い出した。
当時から、幻鏡堂には古い自鳴琴の郷愁を誘う音色が静かに満ちていた。 また、黒鵜と交友の深かった自律人形技師であった一二三の縁を頼って、昔黒鵜の作った自律人形の何体かが売り物として幻鏡堂に並んでいた。 気の利く人形であれば、渚が3階に呼ばれて上がっている間店番を引き受けてくれることもあった。
その時、渚は紅緒の部屋にいたのだったか…。 ふと気づけば、自鳴琴の音が止まっていた。
それに和泉の部屋から人の気配がする。 当然渚は和泉の部屋に誰かを案内した記憶はない。 となれば、和泉自身が誰かを部屋に招いたことになるが…。
つい、と和泉の部屋へ視線を送れば。
『壊れたのかい?直りそうかい?久我にバレそうかい?』>>29
と、自鳴琴を弄る和泉の隣で真面目な顔をして唸る男の姿。 後から和泉に聞けば、なんという事はなかった出来事だが…。]
「やぁ、無聊の慰みをひとつ探しに。 土産は忘れてきた、秋が私を急かしてね。」>>31
[昔のことを思い出しているうちに、気付けばすぐ目の前に立つ櫻の長身にはっとする。]
ふふっ。ありがとうございます。 土産などは気になさらずに、どうぞごゆるりと。 今、お茶を淹れてまいりますね。
[引き留められなければ、そのまま店の奥へお茶を淹れに戻るだろう。 冷めかけたお茶をお客様に出すつもりは針の先ほどもないのだから。]
(34) 2014/10/02(Thu) 00時半頃
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/* あああああ、申し訳ない!部屋と店を勘違いしていた…! このポンコツ貴族め!ポンコツ貴族めぇ…!(ぺこぺこ)*/
(-15) 2014/10/02(Thu) 00時半頃
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/* まさか、と思ってある村を見たら、ももてんさんが居た。 多分、櫻さんがももてんさんかと。
(-16) 2014/10/02(Thu) 00時半頃
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/* そして、俺の読み違った疑惑_(:3」∠)_ うわあああああああああ!!
(-17) 2014/10/02(Thu) 00時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 00時半頃
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[何もしていないのに壊れた。
と、何かやらかしたに違いない言葉は男にとって常套句。 何もしていないのだから壊れる訳は無いのだが、久我に咎められるだけなら未だしも、立ち入り禁止は避けたいと、その時は一見、口の堅そうな和泉を頼ったのだった。>>33 当然、悪戯を隠すような暗躍は、和泉の誠実さにより泡沫に帰したが、それでも事なきを得たには変わりない。 胸を撫で下ろし、年に似合わぬ稚気を見せてしまったことに僅かに眉を下げ、『櫻だよ』と、人見知りの激しい彼に名乗ったのも、その時の話。
温和な店主の性格を未だ知らなかった頃の話。 目の前の彼に、僅かに瞳を細めて、常のように茶を求む。>>34]
―――…いいや、久我。 山吹色の菓子と言うのは何時の世も人間関係を潤滑にしてくれる。
……と言っても、あの子達は食べれないのだったか。
[堂々と賄賂などと告げてしまう辺り、冗句めいた色を多分に滲ませ。 その実が茶請け土産と言う種を明かして店主へと首を緩やかに振った。]
しかし、世には目で愉しむ菓子もある。 それに、――…君は食べられるだろう?
[語尾を持ち上げながら、奥へ下がる彼の背へと問いかけた。**]
(35) 2014/10/02(Thu) 01時頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 01時頃
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[自律人形の体、特に内部は繊細にできている。 幾つもの歯車とバネ、ネジやゼンマイといったものが組み合わさって一個の人形を作る。
人と同じように飲食は可能だが、口にできるものは非常に限られていた。 日本茶や紅茶、珈琲などの飲料物。 それに浮島ET参号-摩耶(うきしまイーティーさんごう-まや)、通称摩耶にある公智神社周辺に自生する特殊な樹の樹液から作られる砂糖。
言ってしまえば、このたったふたつが、自律人形の食事となる。]
彼らなら、菓子より話し相手の方が喜ぶと思いますよ。
「しかし、世には目で愉しむ菓子もある。 それに、――…君は食べられるだろう?」>>35
[語尾をあげて言う櫻に渚は振り向き微笑んで。]
では、その時はお菓子に合うお茶をお淹れ致しましょう。 頂き物ですが、今日はお茶請けにおはぎがありますから。 よろしければ、お召し上がりください。 それとも、和泉さんのお部屋で召し上がりますか?
[自鳴琴の一件以来交流のある二人を思い、渚からそれを提案する。 和泉が招き、櫻がそれに応えたのであれば、渚にそれを咎めるつもりはないのだから。]**
(36) 2014/10/02(Thu) 01時半頃
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― 壱番街表通り 磁器工房「神蔵(かぐら)」 ―
[磁器の技術がこの地に伝わった時より、その技法を受け継いできた窯元―神蔵―では、客の注文に合わせたオーダーメイドの作品を仕上げる事がままある。
今日届けに行く予定の、お茶菓子を乗せる為の「五寸皿」も、長年贔屓にしてくれているアンティークショップ幻鏡堂からの注文の品であった。 薄い白地の皿には、鮮やかな色彩で描かれた蝶と花の模様があしらわれており、桐箱に詰める前の最終確認を行っていた。]
うーーん…… 自分で言うのもナンだけどさ、この絵付けは過去最高の出来だねっ。 ね、フミもそう思わない?
[唸りながら感嘆の言葉を連ね、目の前で箱詰めの作業を手伝っていた人物に話しかけると、それは声に応えるように、こくりと小さく頷いて見せた。
「フミ」と呼ばれた人物はこの工房で働く「自律人形」で、表情は乏しいが与えられた役割はきちんとこなしてくれている。 ここではフミの他に1体の自律人形を使っていた。家族は窯元の5代目である父と、兄が1人。次女の茜(セン)を含めた3名だけでは、とてもじゃないが制作が追いつかない為、人形は手伝い要員として欠かせない。]
(37) 2014/10/02(Thu) 15時半頃
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[頷き返してくれた事に満足そうに微笑み返すと、絵皿を箱の中へ丁寧に詰め、蓋をする。]
ふふっ、さて、じゃあ届けに行くとしますか。 フミはそれを持ってて。 あたしはこれを持つから。
[皿を入れた桐箱は、更に藍染の風呂敷に包まれ、人形の腕の中に抱きかかえられる。 それとは別に茜が手にしたのは、自律人形が口に出来る特殊な砂糖で作られた「和三盆」が入った紙袋だった。これは店主への差し入れであると同時に、奥の部屋にいるという人形達への手土産でもある。
「いってきまーす!」と元気の良い声を工房内に響かせ、二人は目的地へと向かって行った。]
(38) 2014/10/02(Thu) 15時半頃
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― 幻鏡堂 ―
[工房から徒歩で数十分ほどのところに、幻鏡堂がある。
茜がここに初めて訪れたのは、10歳になるくらいの頃。その頃から、お客様に顔を覚えてもらうためと称して、納品の時には父と共に赴く事が多くなっていった。 あの時は、幻鏡堂の先代店主・一二三の事を「ひふみおじいちゃん」と呼んで懐いていたのを思い出す。 最初にそう呼び始めた時は父が慌てたらしいが、店主は笑って受け入れてくれた。
店の前に立つと、自分の事を可愛がってくれていた一二三の事を思い出し、懐かしさと少しの寂しさに胸が満たされる。 一度深呼吸をしてから、フミを伴って店の扉を開けた。]
こんちはー。 …っと、渚お兄さんはどっこかなー?
[扉は音を鳴らしながらゆっくりと閉まる。 店内に足を踏み入れると、声を掛けながら辺りを軽く見渡すが、どうやら店主は奥に行ってしまっているようだ。 そして、先客が居る事に気付き、軽く微笑んで会釈をした。
その人物は30代くらいだろうか。質の良さそうな召し物をしていて、古物に囲まれたこの店の雰囲気にとても似合っていた。 見覚えがあるような気がしたのだが、どうにも名前が浮かばない。]
(39) 2014/10/02(Thu) 15時半頃
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センは、やや離れた所から櫻をじっと見ている**
2014/10/02(Thu) 15時半頃
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/* 茜ちゃんきたー!! 彼女の設定を見る限り、くっついた場合一緒に窯元で働くルートになるのかな?
(-18) 2014/10/02(Thu) 17時半頃
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[小男が一人、ゆっくりと駅舎から出てくる。
長旅のせいか、仕立てのいい上着にも白いシャツにも皺が寄っている。 小男は円い背を揺らし、ず、ず、とひと足ごとに地を固めるように歩んでいる。 いかにも長年前屈みになって作業をしてきた労働者の身体が上品な生地を引っ掛けているものだから、変に人目を引く。 加えて顔のほとんどを覆うように包帯を巻きつけているのだから、全く得体が知れなかった。
「アリガトウゴザイマシタ」 声をかける切符切りにびくりと竦んで慌てて頭を下げ、相手が自律人形と分かるとまた慌てて正面を向いた。
そのような小男の様子を、駅員は訝しげに注視していた。 しかし男の出した切符は紛れも無く正規のものであったし、車内で乱暴をしたわけでもない、盗品らしき荷物があるでもない。難癖をつけて留めたが捕らえる理由が出てこなかったので、仕方がなしに開放したのであった。
駅舎の庇が被せていた影から出ると、秋晴れの透明な日差しがさあっと男の全身を灼いた。 小男は立ち止まり、眩んだ目を幾度かしばたかせると、憎げに太陽を一瞥する。 真っ白な包帯から覗く眼を見て、通りがかりの幼子が走って母の元へと逃げていった。]
ぶぐう。
[男の口から、潰れたひきがえるのような呻きが漏れた。]
(40) 2014/10/02(Thu) 17時半頃
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[駅前の広場に置かれた長椅子に掛けると、からんからんと鈴が鳴るのが聞こえてきた。景気良く白煙を上げて、乗ってきた列車が別の島に向けて発車するのを、小男はぼんやりと眺めていた。
田宮の店を出てから列車を乗り継ぎ、ひたすらに遠くへ遠くへと逃れてきたが、手持ちの金ではもはやこれ以上に行くことはならなかった。
十倍も持っていれば或いは、他の群島まで行けたのだろうか。飛空艇となると相場も分からない。
それでも参番街を突っ切り、大きな零号を抜け、壱号までやってくれば、そうそう追手のかかるものではない。 包帯頭が目立つと言っても数日は猶予があるだろう。
その数日中に何をすべきか。 小男は頬をぼりぼり掻きながら思案してもみたが、結局考えなしに出てきたものだから、何が浮かぶこともなかった。
先を案じる代わりにさきほどの駅員の盗人扱いが思い出される。沸々と何か黒いものが小男の胸の裡を満たしていった。――確かに盗人には相違ないのだが。 自分がここに至るまでに受けた理不尽への思いが綯い交ぜになって、また小男は、ぶぐるるる、と蟇(ひき)のような声を漏らした。]
(41) 2014/10/02(Thu) 17時半頃
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[次の発車を待つ客がちらほらと増えてきた。顔を凝視されるのは慣れたものだが、あまり人目につき過ぎるのも良くなかろうと、小男は立ち上がった。頬をなぶっていたせいか包帯も緩んできている。まずはどこか落ち着いて巻き直せる場所を探そうと決めた。
上空から、ぶうううん、と音がした。
わあっと歓声が上がる。童も大人も空を見上げ指さしている。 つられて見ると、珍しく鉄の飛空艇が真上を横切って行くところだった。
金さえあれば。
小さくなっていく機体を睨むと、言葉にならない何事かが口の端からこぼれ落ちた。]
ぶぐう…ぶぐるううう……。
[まだ上を見て騒ぐ人々に背を向けてひとり、地べたをねめつけながら、べたり、べたりと、蛙のように歩き出した。]
(42) 2014/10/02(Thu) 17時半頃
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[駅を出てから歩き通しに歩いてきたが、ついに何でもない道端で立ち止まり、知らぬ家の壁に寄りかかった。
体は頑丈で健脚にも自信はあった。だが、鈍い足では往来で邪魔になることも多い。 また服装から金持ちと見て絡んでくる者も、また老人と見て絡んでくる者もあって、たいそう時間を取られたし面倒だった。 大抵は包帯の下の肌を見て慌てて逃げるのだが……。
頭、頬、袖、膝と、そこいら中についた土埃をはたき落として、一息つく。 蹴られた腿や擦った掌が痛んで、ぶぐう、と鳴いた。
さて今まで小男と言ってきたが、正確ではないのかもしれない。 曲がった腰と膝を伸ばせばその背は普通なりとあるようだ。 唇は干からびていたが髪は太く黒々としている。遠目に老人に間違われはするものの、寄って見ればまだ若い青年だと分かっただろう。]
(43) 2014/10/02(Thu) 17時半頃
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[男は壁に凭れたまま道のずうっと先まで目でなぞり、小さく頷いた。 大通りから外れたのは正解だった。街のつくりなど参番街も壱番街も変わりはしまい。小さな個人商店でも見つけて、少し休ませてもらおう。
よし、と壁から身を離したとき、近くでカランカランと鐘が鳴った。
音のした方へと向かうと、確かにそこは何かの店のようだった。 入り口の上には色硝子が嵌めこまれ、二階には看板が出ている。 生憎と字は読めないのであったが、歯車の意匠で絡繰や道具に関係しているのは分かる。
……二階で何かが動いた気がした。 じっと見たがそれきりであったので、多分木の葉の影が映ったのだろう。
扉に近づいて、そろりと開ける。 店に入るのはまだ慣れない。ましてや表口から入るのは落ち着かない。 そろそろと、背筋をいっそう丸めて、扉をくぐった。]
ぉ…うもぅ…
[久しぶりに出そうとした声は渇いた喉に詰まり、ドアベルの音にかき消された。]
(44) 2014/10/02(Thu) 18時頃
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/* やっと入店だよ!!!!
やろうとしてた文体は、もうちょっと堅苦しい感じだったんだけどなー。おかしいねー、おかしいねー。
プロ目標、榛名の街の描写、もほとんどできず。 おかしーねー(笑)
さて、櫻さんと絡みたいです。金持ち憎し!w あと偽名を名乗るタイミングがほしい。*/
(-19) 2014/10/02(Thu) 18時頃
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下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 18時半頃
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[自鳴琴破壊疑惑が出た時、櫻氏を庇うつもりで渚に頼んで部屋に上げたのは良かった。 その後、うっかり口を滑らせてしまいバレてしまったのだが、お咎め無しになったので胸を撫で下ろしたのはよく覚えてる。 その際、櫻氏から名前を頂戴したので、自分も和泉だと名乗り、互いを知る切っ掛けが出来た。
度々店に訪れる彼に慣れてきたのか、警戒心は薄まり、また話でもしようかと思って部屋へと招こうとしたが、櫻氏はどうするのだろうか。]
……おや?
[奥へと向かう渚が此方の部屋で茶を勧めてから>>36、再び奥に向かった頃、新たな客人がやって来て>>39。 視線を入り口に向ければ、やって来た客は、磁器を卸してくれている馴染みのお嬢さんだ。]
(45) 2014/10/02(Thu) 18時半頃
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[彼女は幼い頃から幻鏡堂に通ってくれていた故に人見知りは無く、温かく見守っていた。
茜がまだ幼子だった頃、一二三に「おじいちゃん」と呼んでいたのはよく覚えてる。 初めて聞いた時は、思わず吹いてしまい笑いを噛み殺していた。 一二三と会ってまた吹き出し笑いに堪えていたので、その日の本の差し入れの中に、こってり濃厚な『大人の絵本』が混ぜられていたのは懐かしい思い出。]
今日は忙しい日なんかねぇ。
[そんな独りごちを漏らし、煙管を軽く上下に揺らしていたら、またドアベルが鳴った>>44。 三度意識を店の入り口に向けたら、全く見覚えが無く、身を屈めながら幻鏡堂へと入っていく人間が目に飛び込んできた。]
……誰だ?
[背は低めだが、明らかに女性の柔らかさを表す様な体格では無く男性だろうとは思う。 頭に包帯を巻いて、身を屈めながら入店する様子に、訝しげな表情を隠す事は出来そうにない。]
渚、新しいお客さん来たみたいだ。
[とりあえず、渚に声を掛けて、初めてやって来たお客さんの対応を任せる。]
(46) 2014/10/02(Thu) 18時半頃
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/* あと二人!楽しみ楽しみ('∀'*)
(-20) 2014/10/02(Thu) 19時頃
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/* できたらいいなあこんなこと ・櫻さんに八つ当たり ・渚さんのお茶を頂く(喉乾いた) ・紅緒ちゃんか和泉くんと本を読む ・翼砂さんにへー売れ残りなの?って訊く
どこから恋に発展するつもりだ 考えてない
(-21) 2014/10/02(Thu) 19時半頃
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[奥の台所に入って新しく湯を沸かしていると、カランコロンとドアベルが鳴る。 続いて聞き覚えのある快活な女性の声。]
「こんちはー。 …っと、渚お兄さんはどっこかなー?」>>39
[あぁ、そういえば頼んでいた皿の納品は今日だったか。と思い出して、急きょ湯呑みを二つ並べて茶を注ぐと、神蔵で作ってもらった黒地に金の曲線が二本入った小皿におはぎと楊枝を一つずつ添える。]
いらっしゃい、茜さん。 今日はフミさんもご一緒なんですね。
[お盆を手に店の奥から顔を出して、茜とフミに挨拶をする。 そういえば、櫻と茜の二人は初対面だっただろうか? 茜から伺うような視線を感じればにこりと微笑んで。]
櫻様。 こちらは神蔵という窯元のお嬢さんで、神志那茜さんといいます。 後ろにいるのは神蔵で働いている自律人形のフミさん。
[失礼にならないよう先に櫻へ茜を紹介し、次に茜に櫻を紹介する。]
茜さん。 こちらは貿易の仕事をしておられる櫻貴人様。 和泉さんの数少ないお客様です。
[果たして、渚は櫻が華族であることや、貿易会社の社長であることを知っていただろうか? 仮に知っていたとしても、櫻にとって初対面である茜に多くは語らなかっただろう。]
(47) 2014/10/02(Thu) 19時半頃
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[櫻と茜を双方に紹介して、少しの間雑談を挟むと…]
―― カラン コロン
おや… いらっしゃいませ
[今日はよくお客様が来られる日だと、内心で和泉と同じことを思いながら入り口に目を向ける。
入って来たのは、初めて見る小柄の男性。 「ぉ…うもぅ…」と発した声は、人の耳には届かずとも渚と人形の耳には届いただろう>>44 汚れてはいるが仕立てのいい服やゴツゴツした体躯から男性だと判断したが、窮屈に丸められた背中や顔を隠すように巻いた包帯のせいで不信に見える。
櫻と茜の反応はどうだっただろうか?]
よかった。 遅いので心配していました。
[櫻と茜がその人物を不信に思う前に、安心したように微笑んで男に声をかける。]
すみませんが、少しの間奥でお待ちいただけますか? すぐに戻りますから。
[まるで初めから来店の約束をしていたように、櫻や茜に対するのと変わらぬ親し気な態度で初対面の男を店の奥、調理場で待っていてくれるように案内する渚。 躊躇うようなら男性の手を取り、窮屈そうに丸めた背をほぐすようにそっと手を添えて。]
(48) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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──約一ヶ月前・零番街の喫茶店──
[約束の時間の五分前。待ち合わせた喫茶店の扉をゆっくりと押し開ける。]
「タツキ、こっちだ。」
[よく通る声の方を見やれば、二回り近く歳の離れた長兄が満面の笑みを浮かべて手招きしている。 無造作に羽織られた上着が懐かしい鳶色をしていることに気づき、目を眇めて近づくと、向かいの席に腰掛けた。]
それ、父さんのです?
[上着について話を振れば、そうそう、と機嫌の良さそうな答えが返ってくる。]
「俺もこれを着て不自然じゃない歳になっちまったんだなぁ。 あぁ、ところで、」
[人懐っこい笑顔を一瞬引き締めて兄が尋ねる。]
「──相変わらず、か?」
(49) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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[普段は隣の浮島で幾つもの山を切り盛りする長兄がこうして末弟の自分を訪ねて来るのは、年老いた母の代わりに安否を問うために他ならなかった。前回と変わらぬ返答しか渡せないことに、心痛まぬではなかったが。]
相変わらず、ですね。良くも悪くも。
[口許を隠すように巻いていた辛子色のストールを外しながら正直に答えれば、彼はふっと表情を和らげた。]
「そうか。──いや、それならそれでいい。 母さんにはまだ言わない、でいいんだな?」
[人好きのする優しい笑みにつられて、己も僅かに相好を崩し。]
はい。 迷惑、かけます。
[深々と頭を下げて見せれば、彼はくすりと笑んで。]
「構わんさ。“元気でやってる”ってところだけ、嘘つかせずにいてくれれば。」
[さてこれで用事は済んだな、と陽気に呟き、近くを通りかかった店員に声をかけた。]
(50) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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[店員に珈琲を二つ注文すると、長兄は感慨深げに己に向き直る。]
「しかし、不思議なもんだな。 お前が一番苦しい生活をしているはずなのに、お前が一番楽しそうだ。」
[順々に訪ねた他のきょうだいたちの近況を語る彼に、小さく苦笑する。]
そりゃ、僕は兄さんたちと違って。 護るべき家もひとも、ありませんから。
[気楽なものです、と呟いて、ちょうど机に置かれた珈琲に手を伸ばす。]
(51) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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[元来、人見知りというほどではないものの、ひとりの時間を好み、広い付き合いを望むたちではなかった。大学を出てすぐ、何の因果か名の知れた商社に就職できたものの、やはり向いた仕事ではないと気づくのにそう時間はかからず。
学生時代から趣味とほんの僅かな希望を託して書き続けていた小説のひとつが小さな賞を穫ったのは、肌に合わぬ仕事への静かな苛立ちが触れれば弾けるまでに溜まっていた頃のことだった。
勢い余って職を辞したのが、およそ一年半ほど前のこと。 その作品が世に出た以外、形に残るものは今のところなく、伝手を頼って単発の原稿をちまちま書くだけの日々ではあるが。]
……後悔はしていない、から。かもしれないですね。
[珈琲をひとくち飲んでふと呟いた言葉に、長兄は小さく頷いた。]
「だろうな。だから俺も、心配はしていない。」
[そして、明るい声で茶化すように続ける。]
「あとどれくらい持ちそうなんだ?」
[己の現状を正確に知る身内はこの長兄ただひとり。母には未だ、商社を辞したことすら伝えていない。 母に黙っている代わりに、蓄えが尽きたら物書きの夢は諦めて故郷の浮島へ帰ること。──それが職を辞して相談した時に長兄の出した条件だった。]
(52) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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[仕事に熱意はなかったけれど、消費にも熱意はないものだから、職を辞するまでは歳の割に貯蓄はあるほうだった。とはいえ、もうだいぶ喰い潰してはいるのだが。]
あと三年は大丈夫ですよ。 バカでかい買い物でもしない限りは、ね。
[凡そ欲の薄い己が衝動買いするとしたら書籍の類くらいしかない、という意味で言ったのだが、その言葉で長兄は何かを思い出したらしく、ふと身を乗り出してきた。]
「そうだ。樹、『黒鵜』って人形師の話、知ってるか?」
[名前と評判だけは知識として知っている、と頷けば。 次兄の住む壱番街に、かの人形師の忘れ形見が三体。未だ持ち主の決まらぬまま居るらしい、と彼は語った。]
「なんでも、骨董品やらを扱う店に住んでる?らしくてな。 うちの梅ちゃんやそこのなんかとは違って、まるで人間みたい、なんだそうだ。」
[そこの、と言いながら彼がこっそり示したのは、先ほど珈琲を運んできた女給──の、態をした自動人形だ。一見してそれとわかるツルリとした陶器のような冷たい質感は、彼が『梅ちゃん』と呼ぶ、己の生家のそれと同じ。安物ではないが、明らかに無機質な印象を与えるものだった。]
(53) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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[稀代の人形師の評判は知ってはいても、『自らの意思で持ち主を選び、愛し愛されることで人間になる』という仕掛けの話は初耳だった。興味深げに耳を傾ける己に、長兄は満足そうに頷く。]
「会えるかどうかもお客しだい、だそうだが。会えりゃ話の種にもなるし、でなくてもお前、骨董の類は好きだったろう。」
[行って損はなかろうよと、手元の紙ナフキンにさらりと店名と通りの名を書いてよこす。]
幻鏡堂。──兄さんは行ったんですか?
[店の名を読み上げて尋ねれば、彼は豪快にわははと笑って首を横に振った。]
「樹も知ってるだろう、俺はああいうモンの価値はわからんよ。 オートマタだって壊れず働いてさえくれれば、喋んなくたって構やしないしな。 お前に会うことになってなきゃ、この話だって右から左で忘れてたさ。」
[兄さんらしいやと納得しつつ、渡された文字列をそっとなぞる。その通りは確か、壱番街で馴染みの古本屋の二つ隣だったか。]
ありがとう。 せっかくだから、この後すぐ行ってみます。
(54) 2014/10/02(Thu) 20時頃
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──約一ヶ月前・幻鏡堂──
[予定らしい予定など無いのがこの生活の良いところで、長兄と別れて一時間後には、樹はその店の前に居た。 重厚な造りの扉の上には、藤色を基調とした美しいステンド・グラスが嵌め込まれている。]
ごめんください──
[ゆっくりと扉を開けて中へ入れば、静謐な空気に、微かに木と油の香りが混じり漂う。 少し奥まったところに居た店主らしき中性的な容貌の人物に軽く会釈をして、丁寧に並べられた品々に目を移した。
硝子瓶に詰められた帆船の模型。 しっとりとした手触りを想起させる、落ち着いた色合いの器たち。 無数の歯車を静かに噛み合わせ続ける、大きな掛け時計。 ショウ・ケースに並べられた、繊細な硝子細工の数々。
長兄の見立て通り、この店に置かれている品物はどれも己の心をくすぐるものばかりだった。 時間と、持ち主の真心とに磨かれたであろう品々は、ひとつひとつが語るべき物語を持ち得るように思える。
あぁ、これは来て良かった、と。 目に留まるものを端から矯めつ眇めつしていれば、ふとあるものの存在に目を奪われた。]
(55) 2014/10/02(Thu) 20時半頃
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[それは、こっくりと深い飴色に染まった木製の書見台。華やかな装飾こそないものの、艶の深まっている位置を見るだけでも大切に使い込まれてきたことがわかるほどのものだった。 一体、どれほどの本と時間をともにしてきたのだろう──。 思わず手にとってひっくり返して確かめるも、値は何処にも記されておらず。]
(……帰りの電車賃さえ、残れば)
[常には物欲が薄いのだけれど、気に入った物ならば手の届く限り値は問わぬのもまた、己の性質で。 早々に意を決してそれを胸に抱えると、踵を返して足早に店主のもとへ向かう。]
すみません。これ、おいくらでしょうか?
[そう尋ねた時には、この店にやってきた本来の目的も忘れるほどに、今しがた見つけた物に心捕われていたのだった]**
(56) 2014/10/02(Thu) 20時半頃
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[見知らぬ男性には調理場で待っていてもらい、特に急ぐそぶりもなく、いつもと変わらぬ様子で店に戻る。 櫻は自分の分のお茶とおはぎを手に、慣れたように和泉の元を訪ねて行った後だろうか?
茜から桐箱を2つ受け取り、蓋を開けて中を確認する。 そっと取り出したのは、テーブルの上でおはぎを乗せているのと同じ五寸皿。 箱の中から2枚、3枚と取り出して、一枚ずつその出来を確認する。]
あぁ、やっぱり茜さんの絵付けは繊細で美しいですね。
[今にも飛び立ちそうな蝶の絵を指先でそっとなぞり、感嘆と共に素直に賞賛の言葉を贈る。 筆を持っても皿にぐにゃぐにゃと歪んだ線しか描けなかった頃と比べれば、まさにさなぎが羽化し美しい蝶になったような成長ぶりだ。]
五寸皿10枚、確かにいただきました。 お代はこちらに。どうぞ、ご確認ください。
[用意しておいたお金を封筒ごと渡して、茜がその場で金額を確認するのをじっと待つ。 受け渡しの書類に店の名を書いたら、仕事はおしまい。
茜からお土産の和三盆を受け取ると、ありがとうございますと微笑んだ。 その耳に、3階から誰かが茜を招く声が聞こえただろうか? 渚は自然な流れを装って、茜にお茶のお代りを勧める。]
そうだ。 まだ、少しお時間ありますか? よろしければ、上でもう一杯、お茶を飲んでいかれてはどうでしょう?
[もし茜の時間が許すのであれば、お茶は後で黒い小皿に四角い和紙を敷いて和三盆を7個並べて。先に上がっていてくれるように頼むだろう。]
(57) 2014/10/02(Thu) 20時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 21時頃
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[この幻鏡堂には三体の―――いや、三人の自律人形が居る。
榛名にも自動人形は普及しているのでそれ自体は珍しくは無いが、この店で保管されている三者は少々他の人形達とは趣が異なる。 稀代の人形師の名品。まるで感情を備えるかのような精巧な絡繰仕掛け。 最初に和泉に逢った折には、半永久的な機構によって生きる被造物とは気付かなかったほどだ。]
茶請けになりそうな愉快話はあったかな。
無論、顔を通しておきたいが、 詰まらぬ男だとそっぽ向かれたら、慰めておくれ。
[店主の言葉に逡巡の間を置いて、軽快に笑気を放つ。>>36 彼の配慮を快諾する意を込めて、視線を階段へと投げかけた。
店主は穏やかながら、厳格な商人であるが、雅を解さぬ武骨者ではない。そんな彼へと茶を頼み、彼の美しい青年人形へ目通りを乞う。]
(58) 2014/10/02(Thu) 21時頃
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/* こんばんは。完全RP村は初めてです、じゃふです。 >>55さっそく場所を見出しにするの忘れたりしたのは初めてだからだ(言い訳)
そして白30000ptと灰10000pt、アクション360回に笑いました。こんな設定もできるんですねぇ。 */
(-22) 2014/10/02(Thu) 21時頃
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[そんな話をしている中で、新たな客が訪れた。>>39
視線を向ければ、そこには活発そうな妙齢の女性。 過ぎ去ってしまった夏に良く似た火生を、無意識に覚えたのは彼女が窯元の生まれである為か。少しばかり眩しげに瞳を撓めた。
そうして、片足を半歩引き、姿勢を正してと軽い会釈で挨拶を交わす。]
こんにちは、夏が帰ってきたのかと思ったよ。 久我なら、もう少しでやってくるからね。
[寂を壊さぬ低音域が彼女に語りかけ、眩みを払うよう瞳を綻ばせた。 己は客だが、作務衣姿の彼女は仕事中だろう。 浅く首肯を返すと、戻ってきた久我へと目配せ。>>47]
(59) 2014/10/02(Thu) 21時頃
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/* ところでキジノメの容貌で27歳って無理があるんじゃないですかね← いや、最初はニシノで練ってたんですが、中性的なほうがいいなぁと思い始めて、つい。
とかなんとか言って、最終的には中の人の好みですが。 ちょっと陰のありそうなとこがすき。 */
(-23) 2014/10/02(Thu) 21時頃
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[茶を運ぶ店主が、彼女の素性を明かしてくれると、男は、ああ。と納得の面持ちを見せた。]
―――…神蔵の。 それはそれは。五代は御健勝かな。
私は櫻貴人だ。 雅やかなるは名ばかりだが、いつも誂えものに世話になっている。 今年もそろそろ注文を入れると思うが宜しく頼むよ。
[彼女自身に覚えは無いが、窯元の縁者と知れば自らも名乗りを上げた。
旧い家格である櫻家は、神蔵に毎年正月に茶碗を頼んでいる。 年の改めに櫻紋の刻まれた茶碗を卸し、茶会を開くのが貴族の慣わしであり元旦の儀である。 数年前に己が当主と代わり、先代とは違う零れ桜の絵付けに変わっても、秋頃には神蔵に注文が飛び込んでいく。神蔵とはそんな間柄であった。
―――尤も、男は目の前に居る彼女こそが、零れ桜に彩と言う名の魂込めているとは知らぬのだが。]
(60) 2014/10/02(Thu) 21時頃
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― 一ヶ月前のこと ―
[何時もの通りにドアベルが鳴って、何気なく視線を向けたら、初めて見る青年の姿が見えた。 数々の骨董品に目を輝かせている辺り、自分らを求めて来たのではない、と思い静かに見守っていた。
そんな彼が書見台を手に取り、真剣に眺め、渚に値段を訪ねた。 その様子に軽く首を傾げながら、誰に告げる事も無く呟いてみる。]
この人、本を読むのかねぇ?
[もしそうだったら自分と同じだな、と思っていたのは記憶に新しい*]
(61) 2014/10/02(Thu) 21時頃
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[茜と一言二言、他愛無い世間話と、自己紹介を済ませた頃。 また一人、秋風に誘われ人が訪れる。>>44
来訪者はこの壱番街で見かけるには珍しい井出達をした御仁だった。 見目も奇異なるが、顔を覆う包帯よりも不思議な違和を覚えた。 立場上、人を見る目は肥やす事を良しとされるが、一言には為らぬ違和。
彼を蔑むでも、好奇に晒すでもなく、ただ違和を探るように眺める暫し。 貴人に有るまじき、不躾を晒したことに気付くのは数秒後。
はた、と巡っていた思考と留まったままの眼差しを瞬きで遮ると、自身の胸に手を宛がう会釈を向けた。]
じろじろとすまなかったね、久我の友人かい。 相変わらず顔が広い。
[まるで古馴染みにでもするような久我の様子>>48に、己は違和の正体へ向けた興味を打ち切り、最後は揶揄めいた言葉で締めくくった。
身なりにしても、立場にもしても、差の広い彼と己。 久我より茶と菓子を受け取れば、久我にも礼を短いながら告げ。 そのまま、トン、と階段を昇り往こうか。
そこで、違和に無理やり名前を宛がうよう、そっと口を開き。]
―――さしずめ、早い冬、かな。
[詩文は不得手だ、と笑みを噛み。男は言葉の余韻を追い越した。]
(62) 2014/10/02(Thu) 21時半頃
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-1ヶ月前・幻鏡堂-
[その日はあまり来店の無い日で。天気も良く風が吹いているので、古い本の虫干しでもしようかと考えていた時だった。]
―― カラン コロン
「ごめんください――」>>55
[やや細身の、外見で言えば自分と歳の近そうな青年がゆっくりと扉を開けて入って来た。 礼儀正しい青年の様子ににこりと笑みを浮かべれば、軽く会釈をされたので渚もいらっしゃいませと頭を下げる。
店に並ぶのは、新しい物から古い物までさまざまに。 今となっては数も減ったが、先代の一二三が集めた物は別の浮島群から流れてきた品もあり、まだ若い彼にはどれもこれもが物珍しいのだろう。
店内の品、ひとつひとつをじっくりと見て回り。 時に手に取り、飽きることなく時間を過ごす青年の姿は、渚にとっても見ていて微笑ましくもあり、心地の良い物であった。
ふと気づけば、青年が店の品々に夢中になり始めてから随分時間が経っていた。 渚はそっと店の奥の調理場へ入ると、お茶を用意して店に戻る。
やはり青年は、まだ興味の尽きなさそうな様子で店の品々を見ていたが、ふとしたところでぴたりと足を止め、食い入るように何かをじーっと見て、何事かを思案しはじめた。]
「すみません。これ、おいくらでしょうか?」>>56
[木製の書見台を抱えて足早にこちらへ近づいてくる青年。 よほどそれが気に入ったのか、小さくはない書見台を大事そうに胸に抱えている。
この店の商品には、基本値札の様なものは付いていない。 一二三が店主をしていたころであれば「気分!」と豪快に言い切っていたが、流石にそれでは困ると、自分たちよりずっと年上の彼に意見を言ったのは誰だっただろうか?]
そうですね…
[渚は少し考えるように、口元に指を添えて首をかしげる。 きっと、彼なら大切にしてくれるだろう。そんな予感がした。]
では、800圓でいかがでしょう?
[渚が口にした値段は、先ほど樹が飲んでいた珈琲三杯分ほどの値段だった。]
(63) 2014/10/02(Thu) 21時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 21時半頃
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― 現在 ―
[どうやら櫻氏は誘いを受け入れてくれたようだ>>58。 そう間も無い内に彼はこの部屋にやって来る。 となると――。]
――……。 少し片付けるか。
[翼砂や紅緒みたいに部屋は綺麗な方とは言えない。 散漫としている訳では無いのだが、本棚に収め切れない本は積んでそこら辺に放置している訳で。 本が邪魔にならない程度に移動させ、来客に備えれば、やがて櫻氏が扉の前に来るのだろう。]
あぁ、今開けますので。
[彼の到着を合図に右手をスライドさせ扉を開け、部屋に入ったのを確認出来れば手を反対に動かし扉を閉めた。]
すみません、変わらずバタバタしてて。 今、座布団出します。
[少し慌てながら、座布団を探し出し、埃を払った後、櫻氏が座る位置に合わせてそっと置いた。 彼が持ってるおはぎとお茶は、来客の為に置かれてる小さな卓袱台があるので置く場所に困る事は無いだろう。]
(64) 2014/10/02(Thu) 21時半頃
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[茜を見送った後。渚は奥の調理場へ向かい、少々長い間待たせてしまった男性を探す。 物は多いが、決して広くはない調理場だ。 探し人の姿はすぐに見つかっただろう。]
お待たせしてすみませんでした。 私は幻鏡堂の店主、久我渚と申します。
よろしければ、お名前を教えていただけませんか?
[不審に思うでもなく、警戒するでもなく。 渚はごく自然な態度で男性に接し、自ら名を名乗る。 男性は名前を名乗っただろうか?
何かを言いたそうにし、しかし喋りにくそうにするならば。]
大丈夫。 ちゃんと聞いていますから、ゆっくりしゃべってください。 それとも、紙と筆をお持ちしましょうか?
[渚は慣れた様子でお茶とおはぎを用意し、調理場にある簡易式の椅子を勧めると、男性の言葉に真摯に耳を傾けた。]*
(65) 2014/10/02(Thu) 21時半頃
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― →幻鏡堂三階:和泉の部屋 ―
[夏を過ぎ、冬を過ぎ、秋に至る三階への段。 踏みしめるように歩を稼ぎ、茶の冷めぬ内に和泉の自室へ。 此度は何も後ろめたいことないだけに、扉へ掛ける声色も軽い。]
―――やぁ、和泉。居るかい? 少し手が塞がっているのだが、開けてくれると嬉しいよ。
[土産話で手が塞がっていてね。と軽口も付けたして。 彼はこの部屋に常時在るが、誰何の声を欠かしたことは無い。
彼が居るのならば、手も使わずに扉は開く筈。 長身は天岩戸が開かれるのを待つが如く、期待を込めて扉の向こう見やっていた。
――――しかし、扉は何時までも閉ざされたまま。 と、言う選択肢をチラとも考えないのは、貴族らしい無意識の傲慢さ半分。 もう半分は、部屋の主が冷えた茶を啜らせる趣味がないと信じている為だ。
ただし、後半は願望に近い、が。]
(66) 2014/10/02(Thu) 21時半頃
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華族 サクラは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 21時半頃
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[大きな期待は、程なく開閉と言う扉の動作により叶えられる。>>64 いつもこの扉が自動で開く際は、己の胸に飼う少年心が跳ねた。 些細な絡繰仕掛けと知りながらも、秘密箱を解くに似た高揚がある。]
――…相変わらず、不思議なものだね。 屋敷にも導入してみたいが、基礎からの改修が必要らしくてね。
もう少し、私も当代が板に付いてきたら 屋敷でも歯車巡る音を聞けるようにしたいものだ。
[感心めいた言葉を零し、改めて彼に向き直ると軽く頭を下げた。 ほんの少しだけ櫻香の整髪剤が拡がる。]
茶屋代わりに扱ってしまってすまないね。 いいや、いいや。そう気を使わないでくれると在り難い。 私は朋に逢いに来た心算で居るんだ。
[礼節弁える青年に言葉を向けながらも、茶を卓袱台に乗せて、大人しく座布団を借りた。本来ならば座敷では正座を、と躾けられた身であるが、彼の前だと崩して胡坐を掻く。
そうして、落ち着くと、心地良さ気な息を吐き出し、書架香に馴染む。]
(67) 2014/10/02(Thu) 22時頃
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―幻鏡堂―
薄暗い店内は、嗅いだことのない匂いがしている。
目が慣れるに従い室内の奥行きが立ち上がってくる。初めはただ暗いと思ったが、深く落ち着いた色の棚や机に細々とさまざまな物が置かれてある。そのどれもがぴかぴかと磨かれていて、古びているのに汚れなど付いたこともないような顔をしている。 男に目利きはできぬが、どれもよく手入れされているのは分かる。
辺りは雪の日のようにしいんとしている。色硝子から射す光の帯にゆっくりと降る埃が見える。 ここは物が主で人が従なのだと、唐突に思った。
しかし、自分の前にも人が居たはずだ。 異国に突然放り込まれたような気持ちで、おろおろと店内を見回した。
壜の中にどうやってか建造された帆船や、遠くからもチキチキと歯車の刻む音が聴こえてくるような銅の時計、恐ろしく細かい装飾の服を着た陶製人形、どこかからかの光を互いに反射しあっている硝子の置物などにいちいち目を止められながらも、自分より奥に人間の姿を見つける。
奥を向いているのが女二人、いや片方は自律人形か。 そして、もう二人。 自分はちょうど会話の切れ目に入店したらしい。
「おや… いらっしゃいませ」 >>48
はっとしてそちらに焦点を合わせる。 声をかけてきた方が店員なのだろう。
ではこちらの長身の男が、客か。 服で、身のこなしで、肌の色で、ひと目見るだけでいい身分の人間なのだと分かる。 反射的に縮こまり、顔を伏せた。
――いやな店に来てしまった。
2014/10/02(Thu) 22時半頃
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―幻鏡堂―
[薄暗い店内は、嗅いだことのない匂いがしている。
目が慣れるに従い室内の奥行きが立ち上がってくる。初めはただ暗いと思ったが、深く落ち着いた色の棚や机に細々とさまざまな物が置かれてある。そのどれもがぴかぴかと磨かれていて、古びているのに汚れなど付いたこともないような顔をしている。 男に目利きはできぬが、どれもよく手入れされているのは分かる。
辺りは雪の日のようにしいんとしている。色硝子から射す光の帯にゆっくりと降る埃が見える。 ここは物が主で人が従なのだと、唐突に思った。
しかし、自分の前にも人が居たはずだ。 異国に突然放り込まれたような気持ちで、おろおろと店内を見回した。
壜の中にどうやってか建造された帆船や、遠くからもチキチキと歯車の刻む音が聴こえてくるような銅の時計、恐ろしく細かい装飾の服を着た陶製人形、どこかからかの光を互いに反射しあっている硝子の置物などにいちいち目を止められながらも、自分より奥に人間の姿を見つける。]
(68) 2014/10/02(Thu) 22時半頃
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「おや… いらっしゃいませ」>>48
[はっとしてそちらに焦点を合わせる。 声をかけてきた方が店員なのだろう。
ではこちらの長身の男が、客か。 服で、身のこなしで、肌の色で、ひと目見るだけでいい身分の人間なのだと分かる。 反射的に縮こまり、顔を伏せた。
――いやな店に来てしまった。]
「よかった。 遅いので心配していました。」
[思いもかけない言葉に目だけで声の主を見る。こちらに微笑みかける顔が見えた。]
「すみませんが、少しの間奥でお待ちいただけますか? すぐに戻りますから。」
[何が何だか分からず突っ立っていると、手をとって奥とやらへと案内される。 気遣いに関わる何かではないかと気づいたのは、しばし経ってからだった。
――いやな店だ。]
(69) 2014/10/02(Thu) 22時半頃
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[奥になどあっさりと通して、自分が物盗りであったらどうするのだろう。居直り強盗であったならば、なお質が悪いというのに。
さっぱりと片付いたこの部屋は、台所か。裏だというのに凝った作りの大きな棚がある。 ぽつんと湯飲みが一つ置き去られている。客に出すには冷めているようだが、これはあの店員のものだろうか。
少し迷い、茶には手を付けずに、瓶の水を拝借する。なにせ喉が乾いているのだ。 それに、高そうな湯飲みだ。
喉を鳴らして二杯ほど飲むと、疲れと痛みと空腹とがどっと押し寄せた。 あの店員が戻ってくるまでだと、台所の隅の、一番寒そうなところに身を落ち着ける。 腹の虫が鳴ったが、ここで物乞いの真似などすまいと腕を組む。 棚に中に食い物でもあればと思わないではなかったが、戸に手をかけはしなかった。]
おれは盗人ではないからな。
[本当にいやな店に来てしまった。
あのように、素手で触られたのはいつぶりだろう。 背中がまだ温かいような心地がする。
そうだ、少し休んだら、包帯を巻き直さなければならない。 こんな醜い顔を、人に見せてはならないのだから。
そう思いながらも、しばし部屋の隅で小さく丸まった。]
(70) 2014/10/02(Thu) 22時半頃
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[手を使わず扉を開閉出来る様子に感嘆の息を漏らす櫻氏>>67。 労を使わず開閉出来るのは確かに便利。それは理解出来る。 さりとて、此方は苦笑を浮かべるしかなかった。]
確かに楽に開け閉め出来るのですが……。 俺個人としては、この絡繰はお勧めしませんね。
[微かに香る櫻の香りが鼻腔を擽る。 胡座をかき、落ち着いている様子を眺めながら、再び扉を開ける。]
……まぁ、見ていて下さい。
[扉を閉めたのに何事か、と思われてしまうのだろうか。 櫻氏の反応を待たず、扉を開けたまま部屋から出ようと歩を進めれば。 ピシャッと音を立て、戸が勝手に閉まったのだ。 勿論、此方から扉を閉める動作等せずに。]
部屋の主が出られない絡繰なんて不便極まりないですよ。 まぁ、黒鵜にとって、それが都合が良いと思いますが。
[この言葉の意味は最後まで言わなくとも察するのは難しく無いと思う。 ふぅ、と大きく息を漏らしながら、櫻氏の向かいに座り胡座をかいた。]
今はそれをやる意味を理解出来ますけど。 せめて、店の中だけでも自由に動けたらなぁ……。
[叶わぬ願いを、ポツリと。]
(71) 2014/10/02(Thu) 22時半頃
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店主 ユウナギは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 22時半頃
下男 ミヤタは、メモを貼った。
2014/10/02(Thu) 22時半頃
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-工房- [人形の擦り減っている歯車を見つけて取り除き、新しい歯車を嵌めこむ。 油をさしたりと、地味な作業を続けて―― 顔を上げず道具を探ってたら落ちる鈍い物音]
いっ…だ!
[道具を拾いながら、もう片方の手で足の甲を摩ってようやく時計を見て。 机のメモを見る メモには丸文字で「幻鏡堂、設備」と書かれている。 ちなみに日付は本日である]
…わー…、間に合うかな。
[その周りの部品を片付けて、設備途中の人形は丁寧に作業机に置いて、ばたばたと鞄を肩に駆けると慌ただしく出て行った。]
(72) 2014/10/02(Thu) 22時半頃
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/* 千恵子ちゃんも来たー!! 良かった良かった安心したよ!!
(-24) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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…一報入れた方がいいよね。
[なんて呟くが、既に工房を出てしまった後。 戻るとその分の時間は過ぎるわけで。 悶々と悩みつつ、手土産として花や、葉を象った錦玉を買って 幻鏡堂へ―――]
(73) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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―幻鏡堂― [いつものように、カランカランとドアベルを鳴らして]
ごめんくださいー。
[ひょこりと店内へ入りながらそう言った。*]
(74) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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[徐に立ち上がる彼の意図を測り、視線は歩足を追う。>>71 示すように開く扉の先には廊下が広がり、下界へ続く階段も見える。 己にとっては軽々と越えてきた、ほんの些細な道。
―――けれど、目の前の彼にとっては、知らない未知。]
……ほう、これは。 ―――…なるほど、正に箱入息子と言う事か。
[彼が足を踏み出す前に閉ざされた扉は頑な。 これ以上を知ってはならぬと云う様に歩みを阻む。 その仕掛けの種は門外漢故に分からぬが、押し引きでは開かないだろう。
暫し、考え込むように顎を擦り。 沈黙の代わりに店主自ら淹れてくれた茶に手を伸ばして喉を潤した。 緩く喉仏が上下し、仄かに甘い茶で声を湿らせ、着席し直した彼に相対。]
和泉は外を知りたいのかい?
[あっさりと、さっくりと。単刀直入に問うは彼の語尾に混じった揺れ。 湯飲みを左右の手で持ちながら、緩慢に首を捻り。]
(75) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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[先客にこちらが会釈をすると丁寧な動作で返され、その物腰からは育ちの良さが窺える。>>59 此方を見て、夏と比喩する真意までは読み切れず、作業着姿が暑苦しげに見えたのかなぁなどと、勝手に解釈して曖昧に笑って見せた。
「もう少しでやって来る」との言葉を聞いてから、それほど間を置かずに店主が現れ、視線は渚の方へと移る。>>47 お茶を乗せたお盆を手にしている姿を見て、ぱぁっと表情が明るくなった。]
あっ、渚お兄さん。へへ、2週間ぶりですねー。 フミはお使いの後で、調整もやってもらおうと思って連れて来たの。
[言葉を交わした後、店主が気を利かせて目の前の男性を紹介してくれた。 貿易会社と櫻という苗字を聞いて、あっと思い出す。 こうして直接言葉を交わすのは初めてだったが、いつもうちに注文をしてくれている華族の当代のはず。]
(76) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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[もう一口茶を啜ると、一拍の間を置いてから緩やかに口を開いた。 土産話と言うには私情が多分に含まれすぎて、雑談に近い話。]
―――…懐かしいな。 私も幼い頃は、君ほどでは無いが自由がなくてね。 成すべきことを成したなら、未知は拓けて道になると、 お為ごかしのように教えられたよ。
……しかし、私は待つことが性に合わない。 傲慢だと笑われるかもしれないが、私は恐らく待たせる側の人間だ。 私にとって成すべきこととは代を継ぐ事だったが、君にとっては何だろうね。
[口元に笑みを飾りつつ、翡翠色の水面より視線を上げた。 彼の造形は奇跡呼ぶに相応しく、この世の誉れを集めた顔貌をしている。 鼻筋の通ったカタチを瞳に映し、答えを問うでもなく語りかけた。]
(77) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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[数年前に父の付き添いとして櫻家に赴いた際の事。 応接室に通されたのは父だけで、自分は別の部屋で暇を持て余しており、そこに飾られていた写真を見ていた。 帰宅後父から、その写真の人物は当代の櫻貴人様だと聞かされる。
――そっか、どうりで見たことあると思ったんだ。
と、心の中でうんうんと納得していると、櫻から改めて自己紹介がなされ(>>60)、茜も柔和にほほ笑みながらそれに応えた。]
櫻様、ここでお会い出来るなんて、嬉しい偶然ですね。 あたしは次女の茜です。父は変わらず元気元気ですよ。 あたしがやっとまともに仕事出来るようになって、ちょっと気ぃ抜いちゃってるかもしれませんけど。
今年の御注文も楽しみにしてますね。
[相手の身分を知ったとしても、ついついいつもの砕けた感じの口調で話してしまう。 場合によっては失礼になりかねないので、父や兄からは注意されている事なのだけど、敬語というのはなかなかに難しい。]
(78) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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[櫻と挨拶を交わしていると、新たな客が訪れた事を知らせる音が店内に鳴り響いた>>44 うん?と振り返ると、背を丸めて歩く様子の人物が目に映る。 包帯を巻いた姿は目立つもので、その人の身に何が起きたのかと興味を引かれしばし観察してしまうが、店主が奥へと案内する様子(>>48)に、知り合いなのだなと納得する。
>>57案内を終えて戻って来た渚と目が合い、当初の目的を思い出した。]
あっ、そうそう。これ渡さなきゃ来た意味無いよね。
[思考をぱっと切り替えて、人形に持たせていた桐箱を店主へと渡す。 早速中身を確認していく様子をどきどきしながら見守って、絵付けの事を褒められれば、自然顔が綻んだ。]
ふふー。ありがとうございますっ。 蝶は、翼砂さんをいめぇじしながら描いたんだ。気に入ってくれるといいな。
こうして渚お兄さんに褒められるようにまでなれたのは、ひふみおじいちゃんのお陰かも? お店にある珍しい美術品を、自由に模写させてくれたから――
(79) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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[幻鏡堂に訪れる客の邪魔にならないようにと店内の隅の方で座り込み、熱心に絵を描き続けていた事は、間違いなく現在の絵付けに生かされている。 そして、渡されたお代を確認して、腰に下げていたちりめんの巾着袋の中へとしまい込んだ。]
あ、そうそうコレも。 この前遠出した時に、すんごい可愛いの見つけちゃってさぁ。 色んな動物とか小物類のカタチになった、砂糖菓子なんだ。皆で食べて。
[「皆」というのは、3階にいる3名の事。 先代の店主より、随分前に紹介されているので、人形達の事は知っていたし、度々部屋に上がらせてもらったりしていた。
手土産を渡すと、お茶のお代わりはどうかと声をかけられる。>>57 今日は特段忙しい訳ではないが、共に連れて来たフミを一人で帰すのは躊躇われ、顎に手をやり考える素振り。]
…あたしは別に時間平気なんだけど、フミも一緒でいいかな?
[ちらと後ろに控える人形に目をやって、一応店主にお伺いをたててみて。上がっても良いと言われれば、喜んで3階へと足を運ぶ事だろう。]
(80) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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/* とりあえずセン関連全部拾えたかな? 和泉さんの>>46もいつか拾いたいんだよね、とメモ
(-25) 2014/10/02(Thu) 23時頃
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…。 [じー]
…分解していいよね? [ドライバーを片手に分解すべく、ラヂオを弄ろうか。 特に意味のない、秘話なのである]
(-26) 2014/10/02(Thu) 23時半頃
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[店主が優雅な仕草で値を告げるまでの間、やや緊張した面持ちで目的の品を抱えていたものの。 提示された値段は想像よりも桁がひとつふたつ少ないほどで、却って驚く。>>63]
──いいんですか。
[そんなに安くて、と続けそうになったが、それはそれで失礼だと思い当たり口を噤む。 これだけ長く店に滞在しても文句の一つも言われなかったことや、此方を伺う店主の好意的な仕草。 何より、この店の空気は、己の躰によく馴染む気がして。
その値で己のもとへ迎えることが許されるのならば、願ってもないことだった。 浮いた分は、また此処で何かを購入することにすれば良いだろう。]
あ、えぇと。その値でしたら、喜んで。
[慌てて頷くと、品物を店主に渡し鞄から財布を探り出そうとして、長兄の文字が書かれた紙ナフキンを見つけ。 ようやくにして、この店に来た本来の理由を思い出す。 品物を包んでいるであろう店主の様子を伺いながら、遠慮がちに声をかけた。]
あの。黒鵜という方の遺した自動人形が、この店に居ると聞いたのですが──
(81) 2014/10/02(Thu) 23時半頃
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/* ひふみおじいちゃん。 ダメだ、じわじわ来る……っ!!
(-27) 2014/10/02(Thu) 23時半頃
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[宮田と名乗った男性の話しを聞いているうちに、また店の扉がカランコロンと音を立てる。 時刻は夕方。 そういえば、今日はもう一人来店の予定があったのだと思い出し、渚は宮田に少し席を外すことを詫びて店に出る。
そうすれば、思った通りの女性が居た。]
千恵子さん、お待ちしておりました。 わざわざお越しいただいてありがとうございます。
[手土産の華や飴玉を受け取れば、ありがとうございますと微笑んで。]
ありがとうござます。 花は、後で翼砂さんと紅緒さんの部屋に飾らせてもらいますね。
[最初は人形技師繋がりということで、一二三と知り合ったのが縁で付き合いが始まった少女。
一二三亡き後。 一二三に代わり幻鏡堂に置いてある自律人形の整備を度々依頼するようになったが、時々黒鵜の残した三体の自律人形、和泉、翼砂、紅緒の整備もさせて欲しいと強請られるため、三人は特別だから…と、毎回やんわりと断らせてもらっている。]
早速ですが、見ていただきたいのは、紅緒さんの部屋にある小さな人形なんです。 詳しいことは紅緒さんから直接聞いた方が早いでしょう。
[そう言って、千恵子を三階の廊下の左側にある紅緒の部屋へ案内する。]
紅緒さん、千恵子さんがいらっしゃいましたよ。
[千恵子を部屋へ送り届けたなら、渚は再び1階へ戻るだろう]
(82) 2014/10/02(Thu) 23時半頃
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-1ヶ月前・幻鏡堂>>81-
「いいんですか」
[800圓という値段は、確かに少々安すぎただろうか? 渚はふふっと、女性のように微笑んで答える。その言葉は、まぎれもなく本心であると青年に伝わるだろう。]
えぇ。お客様なら、大切にしてくださるでしょう? ならこの子も、お客様のところへゆく方が幸せでしょう。
[鞄に手を入れ、慌てたように財布を取り出そうとする様子を急かすでもなく。 書見台を包み、持ち運びしやすいよう紐で縛っていると、鞄の中から何かを見付けた青年が遠慮がちに声をかけて来た。]
「あの。黒鵜という方の遺した自動人形が、この店に居ると聞いたのですが──」
…どちらでお聞きになったんですか?
[ほんのわずかな間を置いて。 微笑んだまま、肯定するでもなく、否定するでもない返事を青年に返す。
黒鵜の残した3人目当てに幻鏡堂を訪れる人は少なくない。 ただ、そういった人物が目当ての3人に会える確率は非常に低い。
客と会う、会わないを決めるのは、いつだってこの店の最上階に住む3人なのだから。]
(83) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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[外を知りたいのか、と問われた>>75。 その答えはYesでありNoでもある。 好奇心は持ってるし、気にならないと言えなくもない。 ただ、それを行動に移さないのは人形故に自立性が無いのか、はたまた諦めがあるからか。]
知りたいし、知るのが怖いし。 さぁ、どちらなんでしょうか。
[渚が茶を淹れて暫く経ち、随分温くなった茶をズズッと軽い水音を立て飲み。]
――……同じですね。
[暫しの間の後、身の上話に近い雑談>>77を聞いた感想は「同じ」と。 自分、いや自分ら三体は愛し愛される事で人間になる、と諭した黒鵜の顔を思い出した。 何故その奇跡を起こさせる様にしたのか。 それを知る彼は、もうこの世には居ない。]
俺、……いや、俺ら三体は貴方と同じですよ。 愛し愛され、そして人間になると、教えられてきました。 俺も翼砂も紅緒も、そう聞かされてきましたよ。
そして、大事な人と共に幸せに生きる。 それが役目でもあり、黒鵜が願っていた事です。
[揺れる緑の湯に視線を落とし、軽く息を漏らした後、ふと窓の方に視線を向けた。 でもやっぱり人間も一緒じゃないんですか?と問う様に呟いて。]
(84) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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[うっかりと微睡んでいたらしい。 先ほど聞いた声に顔を上げる。 >>65
声の主は店主の久我と名乗った。若いので店員だとばかり思っていたが、この青年が店主であったのかと感心した。]
う……名…名は……
[聞かれて、自分が自分の名を忘れていることを知った。 自分は何と呼ばれていただろうか。そもそも呼びつけられる前に仕事は終えておかねばならないと文字通り叩きこまれている。 それでも例えば坊っちゃんの憂さ晴らしに付き合えとなればオイこっちへ来いだの、客前に顔を晒してしまってアレは病気ではないのですが気持ちの悪いことでだの、ヒキのようだだのと大体ふた文字で称されていたように思う。
さて、今は何と答えればいいのか。名を思い出したとしても、逃げている身で名乗るのは不都合ではないか。何ぞ適当な名をでっち上げねばなるまい。]
(85) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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ミヤタ…
[田宮商店を、ひっくり返して、宮田。 薦められたおずおずと椅子に座り、紙と筆はどうかと言う言葉には首を横に振った。字は書けない。
思案していると自然に新しい茶と餅が出てくる。 まだ客でもないのにどういうことだ、押し売りかと戸惑ったものの、見るが早いか腹が鳴ってはしようがない。 頭を下げて手を伸ばす。
餅から目を上げると、店主が変わらずこちらを見つめていた。悩ましい二文字が思い付き、そのままに口にする。 偽名と勘付かれるならそれも構わない。]
セナという。
ミヤタ、セナだ。
(86) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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[手土産を渚へ手渡しつつ、そう答え >>82お礼と、微笑みにこちらもつられて微笑む。]
いえ、待たせてしまってごめんなさい。
[早速ですが、と渚の話を聞き、小さな人形と聞いて、故障なのかな?とそんな事を考えながら、彼の案内についていく。 三階までいき、廊下の左側の部屋へ]
「紅緒さん、千恵子さんがいらっしゃいましたよ。」
[送り届けた渚は1階へと戻るのを見送り、紅緒の部屋を見る。]
紅緒さん、入ってもいい?
[彼女の返事を待って。 入っていいのであれば、部屋の中へとお邪魔しようか]**
(87) 2014/10/03(Fri) 00時頃
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